かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

パレット保育園 綱島(4回目受審)

対象事業所名 パレット保育園 綱島(4回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 理究
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 223 - 0053
港北区綱島西1−2−9
tel:045-540-0301
設立年月日 2004(平成16)年12月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 よこはま地域福祉研究センター
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
パレット保育園綱島は東急東横線「綱島」駅から徒歩3分ほどの駅前の商店街を抜けた線路沿いにあり、園から歩いて10分ほどの鶴見川沿いに分園を設置しています。園は、平成16年(2004年)12月に株式会社理究によって開設され、分園は平成28年3月に開設しました。園の周辺には大小様々な公園があり、お天気の良い日には子どもたちは散歩にでかけて、公園で遊んでいます。定員は、本園が50名(産休明け〜3歳児)、分園が30名(4〜5歳児)です。4、5歳児は原則本園での登降園としていて、園バスで本園、分園間の移動を行っています。開園時間は、平日(月曜日〜金曜日)は7時〜20時、土曜日は7時〜18時です。


1.高く評価できる点  
●子どもたちが感性・知性・体力を育みながら主体性を持って活動できるよう、保育を実践しています 
保育理念に基づき策定されている保育課程では、発達段階に応じて、子どもたちが見たり聞いたり感じたことのイメージを広げ、楽しむことを挙げています。また、施設長は、保育を行う中で大切なこととして、子どもの声に耳を傾け、子ども主体の保育を実践するよう職員に指導しています。散歩や自由遊びの時間には、子どもたちはそれぞれ自分のやりたいことを見つけて過ごしています。家族ごっこや探検ごっこ、バーベキューごっこなど、自由な発想から遊びを作り出し、5歳児は自分たちでルールを相談して決めて鬼ごっこをするなどしています。絵本に出てくる食べ物を再現した「物語メニュー」を食べたり、散歩先で見た柿の木などを園に戻ってから絵や制作を通して再現するなどして、感性・イメージを深めています。保育士は、絵本を参考にした塗り絵や縄跳び、鉄棒、跳び箱の記録カードを手作りするなど、年齢や発達に応じて、子どもたちが楽しみながら主体的に活動できるよう工夫していて、理念に沿った保育を実践するよう努めています。子どもたちは、このような活動を通して、たくさん遊び、楽しみながら様々なことを学んで成長しています。


●職員の育成計画や指導計画の作成においてPDCAサイクルが機能しています 
職員は、毎年3つの個人目標を立て、施設長から目標達成に向けたアドバイスを受けながら、年度途中と年度末に目標達成度を自己評価しています。全ての職員の個人目標を更衣室のドアに掲示し、日常的に職員が確認できるようになっています。法人の研修は職種、経験年数に応じて計画され、園内研修、外部研修、系列園への視察研修などを実施していて、職員育成の仕組みが充実しています。保育士は、日々の指導計画(日案)のねらいに対し、毎日「振り返りメモ」を作成しています。子どもの様子、配慮に対する保育者の反省、子どもへの言葉かけやこだわり、室内環境(ヒヤリハット、衛生)などの項目に沿って、その日の保育を振り返り、記載しています。また、配慮を要する子どもや3歳未満の子どもだけでなく、全ての子どもに個別指導計画があり、目標を立て子どもの良いところを伸ばすことを目指しています。日案、週案、月案等の指導計画や個別指導計画は、クラスの全職員で振り返りを行い、次の計画の作成に繋げています。計画・実施・振り返り・改善のサイクルを職員間で共有することでサービスの改善に向けて連携を深めています。


2.独自に取り組んでいる点 
●年齢や発達に応じた活動プログラムを実施しています 
絵本やお話を題材に本部の講師と保育士が連動してお話の内容に沿った活動を行う「パレット学習タイム」や楽しく身体を動かしながら体力増進を目指した「運動プログラム」、4、5歳児を対象にオリジナルテキストを使用して文字の練習などを行う「小学校準備プログラム」など、年齢や発達に応じて、子どもたちが楽しく活動できるよう様々なプログラムを設定し実施しています。


●情報システムの積極活用に着手して成果を挙げつつあります 
運営法人では平成29年度から情報システムを導入し、種々記録類の入力・整理、計画策定等をタブレット型端末を利用して行うようになり、業務の効率化が進んでいます。今後は、保護者との情報交換に使用している連絡ノートをメールにて配信するシステムも導入される予定です。保護者とのコミュニケーションや提供するサービスの質を高めることを目指し、取り組みを進めています。


3.さらなる工夫が望まれる点 
●園の活動について保護者に理解を深めてもらえるよう伝え方の工夫が期待されます 
園では公園や土手への散歩、駅前の商店街に買い物に出かけるなど、積極的に屋外活動を取り入れています。また、公園でセミ取りや木の実集めなど季節を感じることができる戸外遊びを行ったり、近隣農家の協力を得てさつまいも掘りに出かけています。玄関先の花壇では野菜や草花を育てるなどして子どもたちが自然との触れ合いを体験できるよう工夫しています。しかし、利用者家族アンケートでは「戸外遊びを十分にしている」、「自然に触れたり地域に関わる活動」の項目で「満足」の回答がやや低くなっています。今後は園の保育活動の取り組みについて保護者に理解をより深めてもらえるよう、日々の情報提供の方法や懇談会等での伝え方について、さらなる工夫が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育理念は「ひとりひとりに生きる力を!」です。園という「大きな家族」の一員として、子どもの発達段階に応じ、感性、知性、体力を培う三位一体のバランス保育・教育を進めています。保育方針は保育所保育指針に準じて作成し「子どもの力を最大限に引き出すよう努める」ことを目標にしています。全職員か携帯している園のハンドブックには保育理念、保育の方針、スタッフの使命、保育スタッフの行動原則が掲載されています。
・呼び方や叱り方など、どのような声かけや伝え方が適切かについて、クラス会議や振り返りの際に職員間で話し合いを行っています。気になることがあったときなど、職員間で声を掛け合うようにし、必要に応じて施設長が助言しています。日々の保育の中で、子どもたちのことを呼び捨てにしない、否定言葉を使わないなど、子どもたちの人格を尊重し、気持ちを受け入れ、優しい言葉でわかりやすく伝えるよう意識しています。
・順番、グループ分けなどは性別にしておらず、無意識に性差への先入観による区別や声掛けをしないよう、職員間で意識をしあっています。今後は「ジェンダー」についての研修会も企画されており、職員のさらなる意識向上を図る予定です。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・保育課程は、保育理念に沿って子どもの意欲と主体性を尊重し、子どもの発達過程に対応して年齢ごとに作成していて、港北区の子育て支援への参加を明記し、地域の環境なども考慮されています。
・指導計画は年齢・発達に応じて、主体性、能動性を引き出すことを目指して作成しています。毎日の指導計画の実施結果は必ず「振り返りメモ」として残して日案、週案、月案などに反映しています。「振り返りメモ」は日案のねらいに対して子どもの様子、配慮についての保育者の反省、子どもへの言葉がけこだわり、室内環境(ヒヤリハット・衛生)、前日の準備、保護者、その他について記載しており、その内容は指導計画の振返りと言えます。担任は子どもたちに遊びなどに先立って必要な事項についてわかりやすく説明して、行動や態度を観察・見守りながら支援を進めています。
・園では全ての子ども一人一人のねらいを立てて月ごとに個別指導計画を策定して発達に合わせて個別目標を立てています。また、3〜5歳児については毎月異年齢会議を行って子どもの様子を話し合うなどしており、子どもの状況を継続して把握する仕組みができています。
・玄関前の花壇でピーマン、オクラ、ナス、キュウリ、ミニトマト、ゴーヤ、パプリカ、大根など、季節の野菜を栽培していて、幼児クラスの子ともたちが水やりなどの世話をしています。収穫した野菜は、調理して給食で提供するほか、クラスごとに行う食育で使用しています。
・本園では、2歳児と3歳児が砂遊びやごっこ遊びなど、園庭で一緒に遊んだり、分園の4歳児と5歳児は朝の会を合同で行い、一緒に散歩にでかけています。また、4、5歳児が本園に立ち寄り、3歳児と合流して一緒に散歩に行くなど日常的に交流しています。誕生会などの行事は、本園で全園児合同で行っています。
・公園や土手への散歩など、積極的に屋外活動を取り入れています。能力開発プログラムの一環として「運動プログラム」を年齢や発達に応じて行い、大きく体を動かす遊びやダンスなどで子どもたちが楽しく運動能力を高められるようにしています。また、保育士が縄跳びや鉄棒、跳び箱の記録カードを作り、子どもたちが自分で目標を立て自信につなげられるように工夫しています。
・月に1度「物語メニュー」として、絵本に出てくる食べ物や季節の野菜や果物を使ったメニュー、郷土料理などを取り入れ、献立作りを工夫しています。
・乳児の午睡については、おんぶや抱っこで寝付かせたり、傍らで体をトントンしたりするなどをして、子どもが安心して入眠できるように配慮しています。なかなか眠れない子どもには、体の緊張を和らげるために、ベビーマッサージを行うなどして、入眠しやすいよう工夫しています。
・トイレットトレーニングは、保育士間で情報を共有し一人一人のリズムを把握し、排泄の間隔を見極め適切に進めています。保護者と連携をとり、子どもの様子を話し合い、子どものストレスや負担にならないようにしています。
・保育理念、方針、目標が明記された入園のしおりを保護者に配布し、入園時面談、進級説明会で説明しています。園だより、クラスだよりに保育活動の様子を掲載し保育の方針が理解されるよう努めています。
・年間行事予定表に保育参観を年2回組み入れて、園内に掲示するとともに予定表を保護者に配布し、予定を立てやすいようにしています。また、保育参観の時間に幅を持たせ、保護者が参加しやすいように配慮しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・短縮保育(ならし保育)は、保護者への説明を十分に行い、無理のないように進めています。概ね1週間程度を目安としていますが、子どもの様子をみて保護者と相談し、延長もあり得ることを事前に伝えています。
・特に配慮を要する子どもや障害児などに対する個別指導計画を策定しています。計画の内容は年間目標、当期の目標、今月のねらい、養護、教育の「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」の5領域、集団への参加、保護者の意向、専門機関との連携などであり、これに対して保育の振返り・評価反省を行っています。週案にはねらい、活動内容、配慮、子どもの様子と反省の項目を設けています。気づいたことはクラスノートに記入してクラス内で情報共有し、毎日振り返りをし、毎週クラス会議を行って計画と実施の検証をしています。
・虐待についての定義は、研修などを通じて職員に周知されています。虐待の疑いがある場合や見守りが必要な場合等は横浜市北部児童相談所など関係機関と連携し対応しています。登園時等の観察を行い、虐待予防に努めています。
・アレルギーについては医師の生活管理指導票に基づいて毎月、アレルギー会議を開いて対応しています。保護者とは定期的に情報交換をして、個別に献立表を作成し渡しており、除去食などを明記しています。
・文化の異なる子どもに対しては、入園時の面接で、母国の文化や習慣などについて聞き取りをして、保育に活かしています。保育の中で、母国の挨拶や習慣や様子を子どもから教えてもらう機会を作るなどして子どもたちが異文化に触れられるよう、配慮しています。
・「苦情申出窓口設置について」が整備されており、解決に向けて第三者委員を交えて対応する仕組みができています。園単独で対応できる案件については迅速な対応を目指し、全体ミーティングで案件と解決策を全職員に周知します。
・感染症予防・衛生管理に関するマニュアルがあり、感染症の知識(定義・種類・感染経路・予防策等)を職員に周知しています。感染症等の対応を明記したフローチャートを各保育室に掲示し、全職員が迅速に対応できるようにしています。
・衛生管理に関するマニュアルがあります。園内会議や全体ミーティングでマニュアルの確認、見直しをしていて、食中毒や用途に応じた消毒液の種類、使用方法などについての研修を行っています。
・危機管理マニュアルがあり、研修等で職員に周知され、災害伝言ダイヤルを導入するなど、緊急連絡体制が確立されています。月に1回、避難訓練(地震・火災・水害等想定)を実施していて、全職員がAEDの使用法を含む救急救命法の研修を受講しています。
4 地域との交流・連携 ・施設の専門性を活かしたサービスの提供としては、ベビーステーションのほか、子育て支援事業の絵本の図書館にも参加しています。園の年間行事(子どもの日、七夕、クリスマス会、節分会、ひなまつり会)にベビーステーションの利用者に参加を呼び掛けており、保育園と地域の子どもとの交流場所として機能しています。また、年度初めの全体会議では地域交流について話し合いをしています。
・水曜日を育児相談の日としています。育児相談の開催曜日、時間、申し込み方法などは門扉に掲示して情報提供しています。ベビーステーション利用者から離乳食の相談を受けたり、絵本の貸し出しをしていることを知らせたり、子どもの日、七夕などの年間行事に参加を呼び掛けたりしています。また、自治会の掲示板に夏まつり開催のお知らせを掲示して情報を提供しています。
・夏まつりなどの園の行事に自治会長、芋ほりの畑の地主などお世話になっている方を招待しています。紙芝居のボランティアが定期的に訪れて地域の昔ばなしを紙芝居にして子どもたちに読み聞かせをしています。小学校の秋祭りに参加したり、小学校見学会・交流会も学校関係者と連携して実施しています。地域の行事の際にはカセットデッキやマイクを貸し出しており自治会、地域住民、学校関係等と友好な関係作りに努めています。
・利用希望者からの問い合わせは、常時受け付けており、見学会を案内しています。見学会は24時間、園のホームページから申し込みができるようになっています。見学会では園内を案内し、理念・保育方針の説明と生活の流れ、パレット学習タイム、アレルギー食のことなどを説明するとともに、入園時に必要なもの、料金等についても「パレット保育園しおり・ご案内」に基づいて説明しています。見学者には普段の保育の様子を見てもらうように心がけています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・法人のホームページで、絵本を題材にした学習カリキュラムを行っていることや「大きな家族」の一員として働いている家族を応援していることなどを知らせています。空き情報や入園申し込み、入園までの流れも確認でき、「よくある質問」のページには入園準備のことや延長保育のことなどを載せて保護者の不安解消につなげています。また、「園生活の様子」ではクラスごとの活動の様子や行事のときの様子を写真で情報提供し、人気給食ランキングやおやつベスト3、手作りおもちゃのバリエーションが豊富であることなどを確認することができます。
・職員の自己評価は定型化されており、その結果を踏まえ、園全体の自己評価を実施しホームページで公表しています。
・倫理規定は保育ハンドブックに明文化されています。入職時に配布するウェルカムシートに倫理規定等、基本的ルールを記載して職員に周知しています。保育等に関する不適切な事案は法人から情報提供があり、昼礼で職員に周知し、注意喚起しています。運営状況については、ホームページで公表しています。
・法人保育事業部の中期事業計画に、省エネ、廃材を利用した制作活動等、環境についての取り組みが明文化されています。園内は全てLEDライトに交換し、園庭に植栽をして緑化に取り組んでいます。
・理念、保育方針は玄関に掲示するとともに職員に配布している保育ハンドブックに明記されています。年度末の全体会議で保育ハンドブックの読み合わせをして周知、理解を促しています。施設長との面談のときにも、理念、保育方針を確認し、職員自己評価においても理解度を確認する項目を設けています。
6 職員の資質向上の促進

・理念、保育方針については新卒、中途入社の全ての職員を対象にした法人研修を実施しています。入職時に法人全園共通のウェルカムシートを配布して、法人、園の基本的事項を説明しています。また、職員は毎年3つの個人目標を立て、施設長面談で目標達成に向けての取り組み等について具体的なアドバイスを受けており、年度途中と年度末に目標達成度を評価しています。職員の個人目標は更衣室の扉に掲示しています。
・法人の研修は職種、経験年数に応じた研修計画表があります。法人研修、園内研修ともに非常勤職員も参加することができます。外部の研修にも積極的に参加しています。系列園に見学に行く視察研修も実施しており、子どもの様子や環境設定、活動の様子等、保育士の気づきにつなげています。研修報告書には、園で実施できているか等のチェック項目があるほか、写真を貼付している報告書もあり研修で学んだことを保育に活かせるよう工夫していることが伺えます。また、港北区内の保育所の保育士交流会があり、それぞれの園の保育活動について情報交換するなど、保育士同士の交流の場となっています。
・経験年数に応じた法人研修、園内研修で技術の習得・向上に取り組んでいます。職員の自己評価には、子ども一人一人の関わり方、報告・連絡・相談ができているか等の項目があり、参加したい研修についても記入欄を設けています。気になる子どもへの対応について、昼礼で話し合ったり、スーパーバイザーからアドバイスを受けたりする体制があります。
・保育を行ううえで施設長が指導していることとして、大人の都合にならないよう子どもの声に耳を傾け、子ども主体の保育を実践するよう指導しています。更衣室の扉に掲示している職員個人目標は出勤時などに確認することができ、保育日誌には日々の振り返りの欄が設けてあります。
・施設長、副施設長、チーフ、一般職員などの役割が期待水準として明文化されています。個別面談で職員の満足度、要望等を把握しています。職員自己評価に意見・提案を記入する欄を設けており、職員が意見・提案を言いやすい環境作りに努めています。また、ミーティングノートには職員の元気度(健康状態)が記入してあり、必要に応じて休息をとれるよう配慮しています。職員ヒアリングでは「職員の連携ができている」「相談しやすい」という意見が聞かれています。

詳細評価(PDF1,355KB)へリンク