かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

領家キッズ保育園

対象事業所名 領家キッズ保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人ベルノホーム
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 245 - 0004
泉区領家1-10
tel:045-810-6062
設立年月日 2004(平成16)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 園の運営主体は社会福祉法人ベルノホームです。開所年月日は平成16年4月1日です。定員は90名(平成29年10月現在在籍数は105名)で、産休明け保育、延長保育、障がい児保育、一時保育を実施しています。園はJRまたは横浜市営地下鉄「戸塚」駅からバスで12、3分ほどのところにあります。園の周囲は閑静な住宅地で、周囲には公園も多く、緑に囲まれています。子どもたちはこのような環境のなかで、伸び伸びと過ごしています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○子どもたちが主体的に活動できる保育環境が整えられています
 園は、基本的に0歳から5歳まで、いずれも子どもたちが興味や関心のあるおもちゃや絵本などを自ら取り出して遊べる環境設定になっています。絵本は絵本ラックに収納され表紙が見えるようになっています。ブロックやぬいぐるみなどのおもちゃは低い棚に収納され、子どもたちがすぐに手に取ることができます。また、園庭では各種の遊具を設定し、子どもたちが自分の好きな遊具で遊び込めるようになっています。結果として知らず知らず体力作りができています。さらにピロティと呼んでいる予備の保育室や広いホールなどもあり、そこでも子どもたちが自由に遊び込めるようになっています。特にピロティには、滑り台や乗り物、マット、ままごとセットなどさまざまな遊具があり、主として0〜2歳児が利用しています。


○0歳児から5歳児までの全保育室でコーナー保育を工夫し、保育を充実させています
 保育室の空間利用として、各歳ともにコーナー保育を実践しています。このコーナー保育は常設にしないで、臨機応変に担任が設定していますので、子どもたちには変化のある空間として、新鮮に受け止め楽しんでいます。具体的なコーナースペースは、押し入れの下段を利用したり、保育室の一角に設定したりしています。コーナーの種類は、ままごとコーナー(キッチンセットと冷蔵庫、レンジなどを組み合わせた台所を室内の壁につけている本格的なままごとコーナー、また、キッチンセットと畳の簡便なキッチンコーナーなど)、そのほか絵本ラックと畳を組み合わせた絵本コーナー、さらには、ブロック類を配したブロックコーナーなど、年齢に合わせて設定されています。子どもたちは、それぞれのクラス担任が工夫して作っているコーナーで、小集団で生き生きと過ごしています。


○「年間食育指導計画」を各歳ともに作成し、食育活動を実践しています
 0〜5歳児の年齢別に「食育年間指導計画」が作成されています。各歳ともに年間を4期に分け、「ねらいと内容」「環境構成と援助」の柱で、その年齢に合わせた食育指導を行っています。具体的には、食具の使い方、マナー、栽培活動、クッキングなどがあります。栽培活動は、園の前の土地を借りて、畑を作っています。そこには、3〜5歳児が種植えから雑草取り、水やりなどの世話をしながら収穫しています。今年は、ミニトマト、きゅうり、すいか、パプリカ、さつま芋、じゃが芋、大根などを栽培しました。収穫したものは給食の食材に利用したり、持ち帰ったり、多く取れた場合は近所におすそ分けをしたりしています。また、クッキング活動では、梅の実で梅ジュース作り、遠足のいちご狩りでとったいちごをジャムにしてビスケットに挟んでジャムサンド作り、流しそうめんやすいかのフルーツポンチ作りなどをして子どもたちは楽しんでいます。


《事業者が課題としている点》
 開園13年目を迎えましたが、これまで特に大きな問題もなく保護者や地域の方々に信頼されてきました。また、職員の定着率も大変よく、職場の人間関係においても良好です。その中においても今後は保育士の定着率と給与面の安定を図ること、また、保育士の専門性の向上を目的とした研修の機会を増やしていくことを考えています。そのほか、地域との交流や育児相談などのサービスの実施面の充実を図っていくことも課題ととらえており、今後は地域のイベントなどにさらに積極的に参加し、育児相談や交流保育は、曜日や時間を決めて実施していきたいと考えています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  園の保育理念は、「子ども一人一人を大切にし、よりよい家庭関係を支援するため当園を利用される子ども・保護者・地域の方々に最善をつくす」とあります。保育方針は、「心身ともに健康であってほしい」とあり、保育目標は、「強い身体とやさしい心」をはじめ4項目からなっています。これらは、年度初めの全体会議(非常勤職員を含む)で、理念以下書かれている文書を配付し、園長が説明をして理解を図るようにしています。なお、保育理念などは保育課程の冒頭にも記載しています。さらに、保育目標は各クラスに掲示して、常に見られるようにしています。保護者に対しては、入園説明会で園長が説明をするとともに、「入園のしおり」にも掲載し、周知を図っています。
 子どもが落ち着かないときや不安な気持ちのときには担任と1対1で向き合い、クールダウンできる予備の保育室(ピロティ)を準備しています。また、神経質になりがちな子どもに対してはパーテーションを準備して、友だちの視線を気にすることなく過ごせるようにしています。
 「個人情報保護」のマニュアルが作成されています。そこには、基本方針、個人情報の定義、セキュリティポリシーの継続的改善、個人情報の利用目的、個人情報の開示・訂正・利用停止、個人情報の安全管理などについて詳しく記載されています。職員はこのマニュアルに目を通し学んでいます。保護者に対しては園長が説明をするとともに、写真掲示などの同意書をとっています。保護者一人一人にはウォールポケットを準備し、お便りなどを配付していますが、重要書類については直接手渡しています。なお、実習生に対してはオリエンテーションの際に、守秘義務について必ず説明しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  年齢ごとの年間指導計画が作成されています。その年間指導計画のもとに月間指導計画がありますが、この計画作成にあたっては、各クラスで話し合い、それを職員会議にかけて、ほかの職員の意見も取り入れるなどして調整しています。なお、計画作成においては、行事内容や栽培するものの種類、あるいは散歩で行ってみたい所など子どもたちから出る希望や意見などは、できるだけ指導計画に取り入れるようにしています。
 0〜2歳児については個別指導計画を作成しています。指導計画の様式は、「反省・現在の姿」と「援助事項及び配慮事項」の2つの柱で構成されています。また、3〜5歳児についても特別な課題のある子どもにも個別の指導計画があり、こちらは、より詳しく記載するようになっています。具体的な柱としては、ねらい、生活、遊び・製作、反省・評価です。特別な課題のある子どもについては、カリキュラム会議で全職員が共通理解をし、同じ対応がとれるように努めています。そして、指導計画に変更がある場合には、配慮の方法をその都度確認し合っています。なお、保護者とは連絡ノートで情報交換し、定期的に面談を行って相互に理解し合う形をとっています。
 子どもの年齢や発達状況に合わせて、自分の気持ちを自由に表現できるよう配慮しています。3歳児から個人持ちのお道具箱があります。また、子どもが自由に使える、塗り絵、画用紙、広告で作った折り紙、粘土がクラスに用意されています。さらに、毛糸や段ボール、廃材なども保管され、必要なときに使えるようになっています。訪問調査時には、0歳児クラスはどんぐりの帽子にフィンガーペイントで模様をつけた作品、3歳児クラスは手形でカボチャとおばけなど季節にちなんだ作品が掲示されていました。また、5歳児クラスでは熱帯魚の家を作ったことをきっかけに、自分たちのクラスに段ボールで大きな基地を作るなど、年齢ごとにできることを自由に表現していました。
3 サービスマネジメントシステムの確立  毎月の月間指導計画には、クラス内の自己評価、及び子どもの評価の欄があります。次月の指導計画を立てる話し合いの際に、今月の振り返りを話し合うとともに、子どもの様子についても客観的に観察した結果などを記載しています。作成した指導計画はカリキュラム会議で発表し、職員全体で話し合い、課題があればその解決策を検討していきます。なお、連絡帳や口頭で得られた保護者の意見や要望(離乳食、トイレットトレーニングの時期など)についても検討して、計画に反映させ、個々の保護者のニーズにできるだけ応えるように配慮しています。
 配慮を要する子どもについては、入園を希望された場合は積極的に受け入れる方針です。配慮を要する子どもの特徴や対応の仕方などは園内研修でリーダー職員から全職員が指導を受けています。また、横浜市戸塚地域療育センターの職員からも指導を受けています。職員会議の中に研修報告の時間を設定していますので、外部研修に参加した職員はその場で報告し、他の職員は学習をして実践に生かすようにしています。
 虐待の種類が身体的虐待、性的虐待、育児放棄、心理的虐待の4種類あることや実際に虐待が発生したときに通告する先などを記載したシートを作成し、一目でだれでもわかりやすいようにしています。通告先は、よこはま子ども虐待ホットライン、横浜市西部児童相談所、泉区福祉保健センターなどの電話番号が記載されています。そして、朝の健康観察をしっかり行っています。
4 地域との交流・連携  園では、地域で子育て支援に取り組むメンバーで構成する子育て支援ネットワーク連絡会や泉区内の園長会などに職員が参加して情報交換をすることで、ニーズの把握に努めています。また、園長は自治会の会合に参加して、定期的に保育園に対する要望を聞くよう努めています。園では地域の子育てニーズに応じて一時保育を実施していますが、利用している保護者とのコミュニケーションを通じて、要望や意見を聞くようにしています。
 園では、地域住民や保護者からの相談内容によっては、ほかの専門機関と連携する必要があることから、泉区こども家庭支援課、横浜市戸塚地域療育センター、横浜市泉区福祉保健センター、児童相談所などの連絡先をリスト化して事務室に掲示しています。職員には周知し、連携の必要があればすぐに連絡できるようにしています。専門機関の窓口に応じて担当職員を決め、日ごろから電話で連絡をとって、助言や指導を受けられる関係があります。また、横浜市戸塚地域療育センターが巡回指導で来園する際は、職員が個別の事例を相談し、助言をもらうなど、顔の見える関係づくりに努めています。
 園には、ボランティア受け入れのためのマニュアルとして、「実習生、ボランティア手引き」の冊子が整備されています。受け入れ担当者であるリーダーが、オリエンテーションにおいて、この冊子を使って園の受け入れの方針や、守秘義務などについて説明し、順守してもらうよう求めています。ボランティアは職業体験を目的とした地域の小中学校の生徒です。日程が決まると、園便りや掲示で保護者に説明するとともに、職員に対しては受け入れ上の具体的な対応を説明してもらうようにしています。なお、ボランティアの活動を把握するため、活動の記録をとるとともに、終了時、園長を交えて反省会を行い、ボランティアの気づきや意見を把握するよう努めています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  利用希望者の電話での問い合わせについては、園のしおりをもとに、わかりやすい説明を心がけ、実際に園を見学できることを伝えています。見学の受け入れにあたっては、午睡の時間を除いて、可能な限り利用希望者の都合に合わせるようにしています。見学者への対応は園長が行い、入園のしおり、年間行事予定表、延長保育料金表をもとに説明するとともに、実際の保育の内容も見てもらい、子どもを預けることに対する不安の解消に努めています。
 職員が守るべき法・規範・倫理は、就業規則、職員規約に明文化し、園長が入職時や年度当初の職員会議で説明し、職員全員で確認し合っています。園の運営状況はホームページで公開するとともに、財務状況は福祉医療機構のホームページにおいて社会福祉法人の現況報告として情報公開されています。職員会議では、泉区内園長会で提供される資料や、新聞記事で紹介されている不祥事の事例を検討テーマとして取り上げ、職員の意識啓発とマニュアルによる手順の確認を行っています。
 クラス担任は、クラスごとに保育日誌に記述した自己評価を踏まえて前月の評価を行い、次月の月間指導計画に反映しています。月ごとの評価をもとに年間指導計画において年間の評価を行っています。これらの自己評価は、全体カリキュラム会議に報告され、協議のうえ全体の評価と課題の抽出につなげています。これらの作業の結果、園では職員のモチベーションを高めるため、他者の良いところをカードに記す「サンクスカード」を導入しています。保育実践の面では「エピソード記述」を導入し、職員の気づきを促し、保育の質の向上につなげています。年度末に行う園の自己評価は、年度当初の園便りで公表し、保護者に周知しています。
6 職員の資質向上の促進  園の職員配置は、日常的なOJT(園内研修)の実施を前提に、中堅以上の職員と新人職員との組み合わせを原則としています。この配置に支障が生じるような場合、予算との兼ね合いを図りながら採用を検討しています。園長は、職員の自己評価やキャリアパスを踏まえ、職員との個人面接を通じて人材育成計画を作成し、次代を担う職員の育成に努めています。自己評価の一環として、園長は職員と面接し、次年度の課題・目標を設定し、当該年度が終了した面接の際、目標に向けての実践の検証・評価を行っています。
 業務上のマニュアルは非常勤職員にも配付し、入職時のオリエンテーションで説明しています。職員配置は、各クラスに指導担当者を配置し、OJTを通じて非常勤職員に日常業務の指導、助言などを行っています。クラスの中で業務上の課題が見つかれば、クラスごとに非常勤職員の意見も参考に改善に取り組み、必要に応じて職員会議で検討し、全体で改善策を検討するよう努めています。年度末には、非常勤職員も含む職員会議を開催し、1年間の振り返りを行い、改めて業務手順などを確認しています。これを踏まえて次年度の事業計画や、保育課程、年間指導計画などに反映するようにしています。
 職員に求める業務水準は、キャリアパスの要件の中で、経験、能力、習熟度に応じた評価項目として示しています。園長、主任は、必要に応じて指導、助言をしながら、職員の自主性を尊重して、担任職員が中心となってクラスの運営を行うなど、業務の権限を委譲しています。園長は、職員との個別の面談を通じて意見を求めるほか、非常勤職員も参加する職員会議で、日ごろの保育で気づいたことや改善すべきことを話し合い、園の運営に反映しています。職員の満足度や要望を把握するため、自己評価表を活用しながら、年2回の理事長、園長による個別面接を行い、職員のやる気を引き出す運営に努めています。

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