かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

浅間幼育園

対象事業所名 浅間幼育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 木花咲耶会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 220 - 0072
西区浅間町1-19-10
tel:045-594-8070
設立年月日 2014(平成26)年07月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 園は昭和24年、浅間神社の境内に個人立の浅間幼育園として開園しました。その後、平成26年7月に現在の社会福祉法人木花咲耶会となり現在に至っています。JR「横浜」駅西口から路線バスで約6分の「浅間下」で下車し、徒歩2分ほどの所にあります。横浜駅から徒歩でも15分ほどです。現在1歳児〜5歳児を受け入れ、定員は90名(平成29年9月末現在85名在籍)で、延長保育、障がい児保育を実施しています。
 近隣の環境は、横浜駅に近く、古くからの街並みに新たなマンションも建ち、園の裏手には商店街があります。国道から一歩入った園は浅間神社の境内の緑に囲まれた環境にあり、近くには公園も多く、子どもたちの散歩コースも充実しています。こうした環境の中、子どもたちは伸び伸びと元気よく過ごしています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○地域との関係を大切にして、地域とともにある園を意識した運営を行っています
 昭和24年(1949年)、浅間神社の境内に個人立の認可保育所として誕生した園は、平成26年(2014年)7月に社会福祉法人となりました。浅間神社は40年ほど前に創建900年のお祝いをした歴史ある神社で、地元に根を下ろし、地域に支えられ、園の保育理念には、「自然を大切にし、尊敬する気持ちを持ち、全ての物に感謝するこころを持った人になるように子どもをはぐくみます」とその精神がうかがわれます。園の創設以来69年目を迎え、地元には祖父母の代から園に通う子どももいます。園の給食材料は以前から地域の八百屋、魚屋、肉屋、米屋に発注し、新鮮でこだわりの食材を使用したり、子どもたちの散歩やお買い物で出会う地域の方々とは元気に挨拶を交わしたりするなど、地域とともにある園を意識した運営を行っています。


○挨拶を基本とした習慣から、感謝の気持ちや思いやりの気持ちをはぐくむ保育を実施しています
 園では「あいさつのできる子ども」を園の保育目標の一つに掲げ、「おはようございます」「ありがとう」「さようなら」など日常的な挨拶を大切にしています。挨拶は、人とかかわりコミュニケーションを始めるうえで、とても大切なものです。園は神社の境内にあり、氏神様のお社を神様のお家として、子どもたちは一日の始まりには「神様おはようございます」、終わりには「神様さようなら」と大きな声で挨拶をしています。「ありがとう」という言葉に形はありませんが、気持ちは伝わります。子どもたちは、挨拶を習慣とした園生活で、人から感謝される喜び、感謝する喜びを自然に身につけ、年齢に関係なく仲間を思いやる様子が見られました。例えば、年下の子どもが年上の子どもにおもちゃを譲り、年上の子どもがありがとうと答え、年下の子はうれしそうに笑っていました。


○職員は協力して子どもたちの心に寄り添った保育を行っています
 園では月2回の職員会議、月1回の乳児会議、幼児会議を行うほか、毎日全体ミーティングを行って子どもたちの様子などについて話し合っています。また、日々の保育の中でも「○○ちゃんたくさん話せるようになったね」と、職員間で話をするなど、情報共有をていねいに行い、子どもたちの成長を確認しながら、職員は協力して保育を行っています。さらに、指導計画には、「目標に向けて頑張ろうとする気持ちを受け止め、挑戦する気持ちを持ち続けられるように配慮する」「気持ち的に頑張りすぎてしまうことがあるので受けとめていく」など、子どもの気持ちに寄り添った配慮を挙げ、言葉にできない子どもたちの気持ちにも共感し、代弁しながら職員は保育を行っています。


《事業者が課題としている点》
 守秘義務のマニュアル(個人情報)作成、ボランティア、実習生の受け入れマニュアルの作成、非常勤保育士への指導及び配慮に関するマニュアルの作成、保育士の自己評価の実施及び年間目標の聞き取りや達成度チェックの仕組みづくりなどについて、園の課題としています。保育士の自己評価表は作成済みで、今年度2月に実施予定です。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  子どもの人権に配慮した保育を行うことを保育理念に挙げ、言葉づかいにも気をつけるようにしています。職員の入職の際には、子どもを呼び捨てにしないことを「就業にあたり」を用いて園長が説明しています。子どもが発言しているときは、手を止めて子どもを見て話を聞き、心に寄り添うようにしています。保育士は穏やかに声をかけ、せかしたり強制することなく、活動を終える際も子どもの気持ちを理解しながら自然に気持ちが変わるように話をしています。
 一人で遊びたい子どもには、コーナーを作って集中して遊べるようにしています。子どもに威圧感を与えず1対1で話をしたり、プライバシーを守れる場所として予備の保育室や玄関わきの空いた場所を使い、職員と落ち着いて話をしたり遊んだりしています。
 園長は、全職員に対して入職の際に園児や施設の個人的な撮影の禁止、園内で得た情報をSNS上に載せないなど、個人情報や守秘義務について説明をしています。また個人情報の取り扱いは「就業にあたって」に記載し、全職員に配付し周知しています。お便りはウォールポケットに入れていますが、個人情報にかかわる内容のものは封筒に入れています。重要事項説明書に個人情報保護法に基づいた対応をすることを記載し、「個人情報使用の同意書」で使用の目的を説明して、保護者の署名捺印を得ています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  保育課程には年齢に合った養護と教育、食育などの内容が記載され、子どもたちが心身ともに健やかに育ち、年齢に応じて成長していけるように、子どもの最善の利益を第一義として作成されています。また園の基本方針や社会的責任など園の方針もわかりやすくまとめられ、さらに地域性、自然に恵まれた環境も考慮して作成されています。現在の保育課程は作成時に全職員がかかわり、毎年確認しながら指導計画を作成しています。さらに来年度は全面的な見直しをする予定です。保育課程について、保護者には保育理念、保育目標、保育姿勢を重要事項説明書に記載し、保育の内容や方針について入園説明会や年度初めの懇談会で説明し、改定する場合は随時説明する予定です。
 年齢ごとの指導計画を作成しています。年間指導計画は1年を4期に分け、保育課程に基づき各期のねらいと養護、教育、食育、健康・安全、環境設定、保護者などへの支援、長時間保育などについて作成しています。子どもたちには毎日の活動について朝の会で説明し、これからの活動の予定も説明しています。自分の気持ちを上手に話せない子どもには職員が声かけをし、様子を見ながら子どもたちの意思を確認しています。また子どもの意見を取り入れてグループの名前を決めたり、お祭りごっこで作るものを決めたりするなど、子どもたちの意見を指導計画に生かすとともに、子どもの表情や様子からも思いを受け止めて、柔軟に計画の変更を行っています。
 1、2歳児については個別月間指導計画を作成し、それぞれの子どもの発達に合わせて成長の様子や留意点を記載しています。また毎日のミーティングや日々の職員の話し合いで、子ども一人一人の成長の様子について確認し、計画の見直しを行っています。計画については保護者と連携を取り、トイレットトレーニングを始める時期などについて説明を行い、同意を得ています。3〜5歳児の特別な課題のある子どもに関しては、個別のアセスメントシートを作成し、横浜市中部地域療育センターなどから対応について専門家の助言を受け、職員で検討しています。また保護者と話をして対応について同意を得ています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  園は幼児棟と乳児棟に分かれており、どちらにも障がい者用トイレがあります。幼児棟の保育室は1階にあり、建物は坂の上にありますが外からスロープで行けるようになっています。乳児棟は1、2歳児とも保育室は2階にありますがエレベーターが設置されています。障がいのある子どもの受け入れにあたっては、保護者の同意を得て横浜市中部地域療育センターの巡回指導の際に助言を得るほか、療育センターに通っている場合は保護者からそのときの話を聞き取り参考にしています。個別に「アセスメントシート」を作成して子どもの特性を記録し、対応を検討しています。療育センターの巡回指導に参加希望の職員は全員参加し、また研修を受講した職員は研修報告を行い職員間で学習し話し合っています。障がいのある子どももみんなと同じように生活できるよう配慮しています。
 虐待については、職員会議などで虐待の定義や気をつける点について話をして、毎日の健康観察、保育中や登降園時の観察などにより、変化に気づき早期発見ができるように努めています。虐待マニュアルがあり、虐待についての定義や分類が記載されています。虐待が明白になった場合は、園長が横浜市中部児童相談所や横浜市西区福祉保健センターに迅速に通告・相談をする体制になっています。また疑わしい場合や家庭支援が必要な場合も横浜市西区福祉保健センターに相談し、対応を検討しています。保護者からは折にふれ話を聞くようにし、小さなことでも保護者から話をしてくれるよう信頼関係を築いて虐待の予防に努めています。
 アレルギー疾患のある子どもには入園前に面接を行い、主治医からの「アレルギー疾患生活管理指導表」を提出してもらって適切な対応を行っています。栄養士が西区の研修に参加して職員会議などで職員に必要な知識や情報を伝えるとともに、保護者からアナフィラキシーに対する補助治療薬を預かり、必要時に使用できるよう担当する職員には使用方法について研修を行っています。また毎月保護者に献立の確認をお願いして除去食の確認を行い、変化があったときや年度末には面接を行っています。除去食の提供は横浜市のマニュアルに沿って、名前と除去内容を貼付した色の異なる専用トレイと、色や柄の異なる専用食器を使用し、必要な子どもには専用の机を使用して行っています。
4 地域との交流・連携  公園に散歩に出かけた際に出会う地域の方々や、運動会などの園行事に招待した地域の方々との会話を通して、園の子育て支援への要望を聞いています。西区こども家庭支援課が支援する当地区の保育園合同育児講座へ参加して行う育児相談や園で行っている育児相談などからも園への要望を聞くよう努めています。西区の園長会や横浜市の私立園長会の分科会で子育て支援ニーズについて意見交換したり、当地区の幼保小連携交流事業の会合に出席し、他施設の方々と地域の子育て支援ニーズについて話し合ったりしています。
 園の掲示板に園庭開放や園の行事などへ地域の方々の参加を募るポスターを掲示し、西区のホームページなどに園の情報を提供しています。育児相談は月2回の園庭開放をする月央の火曜日に行うこととして園庭開放の案内ポスターにも記載していますが、相談者の都合に応じ、他の日でも相談を受け入れています。園庭開放や地域の方々を招待する運動会や生活発表会などの園行事の案内ポスターを町内会の掲示板や近隣スーパーマーケットの入り口付近に掲示してもらっています。
 事務室に重要事項説明書(入園のしおり)や園の案内リーフレットなどを置き、利用希望者からの問い合せがあった場合には、これに基づいて保育理念や保育方針、サービス内容などを説明しています。問い合わせには園長、主任、理事長が常時対応できるようにしています。利用希望者には見学ができることも話し、子どもたちの活動の様子がよくわかる午前中の見学を勧めています。見学者の都合がつかない場合には保育に支障を来たさない範囲で見学者の希望に沿う日時に受け入れています。見学者には、園のリーフレットを渡し、園の保育理念や保育目標、利用条件などをていねいに説明して、園を案内し、質問に応じています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  就業規則は乳児棟の理事長室や幼児棟の事務室に常備し、職員はいつでも見ることができます。入職に際して、全職員に「就業にあたり」と題したリーフレットを配付し、子どもの人権の尊重や園児・保護者・職員の個人情報などの守秘義務の厳守、保育にあたっての留意事項などを園長から説明しています。園の経営、運営状況は横浜市の監査を受け、社会福祉法人木花咲耶会として現況報告書、計算書類が公表されています。世間で発生した人権侵害事例の虐待などは新聞記事などを基にミーティングなどで話し合い、早期発見や対応方法について再確認しています。
 保育理念、保育目標を乳児棟、幼児棟それぞれの玄関に掲示して、常に園の利用者や職員の目に触れるようにしています。保育理念、保育目標、保育姿勢を入園のしおり(重要事項説明書)に記載し、全職員に配付し、年度初めの職員会議などで園長や主任から説明し、周知を図っています。保護者にも重要事項説明書を配付して、入園説明会で説明しています。また、保育課程の表題部にも記載して、指導計画の振り返りのクラス会議などでも保育内容が保育理念や方針に合致しているか確認しています。園長、主任は随時の個人面談や年度末の指導計画の振り返りなどを通じて、職員が保育理念や方針を理解して保育にあたっているか確認しています。
 園は平成26年7月の社会福祉法人化を機に乳児棟を手始めに園舎の建て替えを企画し、職員会議にはかった後に保護者説明会を開いて説明し、質問や要望にもていねいに応じました。乳児棟完成後は直ちに幼児棟の建て替えに移り、その間3〜5歳児は近くのマンション一戸を仮園舎としました。途中経過や計画変更の事も保護者に報告し、理解を得て進めました。このように重要な意思決定には職員会議などで職員の意見も聞き、計画などに反映し、保護者の意見も説明会やアンケートなどで取り入れるようにしています。運動会や生活発表会など園の大きな行事では全職員が担当を決め、組織をあげて取り組んでいます。
6 職員の資質向上の促進  外部研修は研修担当の主任が横浜市や西区などの研修一覧を職員に回覧し、希望する研修を申請してもらったり、職務上必要な研修やその職員の成長に必要な研修を園長とともに相談して指名したりして研修計画を作成しています。内部研修は子どもの午睡時間に2回行い、交替で職員・非常勤職員とも参加できるようにしています。外部研修は横浜市の研修会に参加するほか、市主催の「定例実践研修」など他施設での実地研修も受講しています。外部研修に参加した職員は、毎日の午睡時の職員ミーティングや職員会議で研修報告を行い、報告書を提出して回覧し、全職員で研修内容の共有を図っています。主任と園長は研修成果の活用状況などから研修を評価し、次の研修に生かしています。
 園長、主任は非常勤職員の入職の際に、常勤職員と同じ「就業にあたり」と「掃除マニュアル」を配付し、職員の心得や保育の留意事項などの内容を確認しています。業務にあたって主任は、経験や熟練度などを考慮して、常勤職員と非常勤職員の組み合わせを工夫したシフト表を作成しています。非常勤職員も外部研修を希望すれば配慮し、内部研修も同じ内容を2回行うことにより、受講できています。職員会議に参加できなかった職員には、非常勤職員も含め、翌日の午睡時の職員ミーティング後に職員会議録を基に、園長が説明し、周知しています。非常勤職員の責任者は園長ですが、指導担当者は主任またはクラスリーダーがあたり、職員間のコミュニケーションを図っています。
 保育の自己評価は、年間指導計画は四半期ごとに、月間指導計画は月ごとに、日報は毎日、定型化された書式により、クラスごとに行っています。自己評価は年度初めや期初、月初などの目標やねらいと関連付け、子どもの意欲や活動に取り組む過程をしっかり見つめて行っています。職員は自己評価を通して自己の実践を振り返り、その改善や次期の計画作成につなげています。

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