かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

汐見台愛育園

対象事業所名 汐見台愛育園
経営主体(法人等) 一般財団法人 神奈川県団地住宅福祉協会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 235 - 0022
磯子区汐見台2−2−1
tel:045-761-3311
設立年月日 1975(昭和50)年08月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 汐見台愛児園は、JR「磯子」駅からバスで10分、「汐見台1丁目」停留所から徒歩2分の位置にある、昭和50年8月開所の私立保育園です。近くには自然豊かな公園が多く、散歩コースに恵まれています。園と家庭とが密接に協力して豊かな情操と自主性を培うことを保育方針とし、保育目標に「よく遊べる子」「自分も友達も大切にできる子」「自分のことは自分できる子」を掲げています。定員は75名(0〜5歳児)、開園時間は、平日は7時15分から19時15分、土曜日は7時30分から18時30分です。異年齢での活動や暦に合わせて行事を行うほか、お泊り会や発表会、人形劇や移動動物園を毎年行うなど、思いやりや感性を育てる保育をしています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○さまざまな体験を通して子どもたちの思いやりの心や感性が育てられています
 園庭にはジャングルジム、太鼓橋などさまざまな遊具があり、年齢に応じて遊びを楽しんでいます。0、1歳児と4、5歳児はそれぞれ異年齢で活動しています。そのほかのクラスも異年齢で活動することが多く、七夕やひな祭りなど暦に合わせて行事を行うほか、人形劇を見る機会も作っています。クリスマス発表会では、子どもたちが日ごろ親しんでいる曲を選び、歌、合奏やダンスを披露し、移動動物園では、モルモット、うさぎ、ぶた、やぎと触れ合い、ポニーに乗るなどの体験を通し、命の大切さに触れる機会を作っています。5歳児は夏に一泊保育を行っています。これらの体験を通して、子どもたちの思いやりの心や感性が育てられています。


食育に力を入れるとともに、子どもの健康管理にも細かな気を配っています
 食育カリキュラムの目標を基に食育活動計画書を作成し、「行事食を通して食文化を知る」「クッキング保育」を活動の柱として食育活動を行っています。クッキング保育では食材を一つ決めて、保育活動の中で調理する素材を観察し、絵を描き、手で触れ、洗うなどして親しんだ後、給食の食材として調理します。でき上がった料理を子どもたちが食べて、食材に愛着を持てるようにしています。給食で使用する材料は可能な限り国産を使用するほか、調味料はきびさとうなど、天然素材に近いものを使っています。ご飯は精白米で、だしは昆布や鰹節を使って取っています。毎年みそ作りも行っており、子どもたちは5歳児が仕込んだみそで作られたおみそ汁を食べています。食事は必要栄養素とカロリーを考慮し年齢別に毎回計量して盛り付けています。


○自己評価を通じたPDCAサイクルを計画的に運用し、保育の質の向上に努めています
 園では、保育の質の向上のため、保育士と保育園の自己評価を毎年計画的に行っています。職員は、年度末に1年間を振り返り、保育課程に基づく年間指導計画、月間指導計画等に沿って、自らの保育実践を評価しています。この自己評価を踏まえて、職員会議で園の自己評価を行い、次年度の保育課程やこれに基づく指導計画の見直し・改善を行うなど、計画、実践、評価、改善のPDCAサイクルを運用しています。園では、自己評価を通じて、全職員が保育に関する見通しをもって事業に取り組んでいます。また、園の自己評価は玄関に掲示し、保護者にも情報を開示しています。


《事業者が課題としている点》
 園では今後、地域住民に向けての交流活動の充実を課題として、子育て中の住民に向けての講習会や研修会の開催、子どもたちの祖父母、近隣の方々を園に招待し歌や昔遊びの実施、近隣の幼稚園児との交流(同年代の子どもとの交流)、移動動物園へのお誘いなどに取り組んでいきたいと考えています。そのほか、リサイクル活動やボランティア活動についても園としてできることを考え、もっと意識を高めていきたいと考えています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  園の保育理念(事業運営方針)は「子ども一人一人を大切にし、保護者や地域からも信頼される保育所を目指す」、保育方針は「園と家庭が密接に協力して、豊かな情操と自主性を培う」となっています。よく遊び、自分も友だちも大切にでき、自分のことは自分でできる子どもを育てていくという基本方針は、10年ほど前に見直しを行い、その後は毎年保育の実施内容と突き合わせて確認をしながら継承しています。保育理念と保育方針は明文化したものを全職員に配付しています。また、保育方針と保育目標を掲示板に掲示しています。理念と方針の理解を深め、周知を徹底するために、年度末には全職員で読み合わせを行い、各クラスの担任からも意見を聞いています。
 職員は、保育中は子どもの年齢や発達に従い、わかりやすい言葉を使って話すように努めています。何かに取り組む際には、子どもたちの意見を聞き、子どもの気持ちや発言を受け止めるようにしています。子どもと一対一で向き合う際には、子ども一人一人を認めていくようにしています。園長は保育の指導をする際に、職員自身での気づきを大切にしています。子ども同士のトラブルに対しては双方の言い分を聞き、お互いの気持ちや考え方を大切にするようにしています。園長は折に触れて職員とマニュアルを読み合わせ、子どもの人権についてお互いの啓発を行っています。
 園長室や廊下の両端部分、園庭の一角などに、子どもが小集団で過ごしたり、職員とゆっくり話し合ったりできる場所があります。一人でいたいときやあまり周囲から声をかけてほしくないと思う子どもには、職員同士が声をかけ合って臨機応変に対応し、クラス担任でなくても子どもを見守り、子どもが落ち着いて過ごせる場所を作っています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  保育課程は「養護」「教育」「食育」の3本柱で構成されています。この地域は大手企業の社宅用地として開発されましたが、時代の変化に伴い、社宅の一部がマンションに変わってきています。園では0、1歳児の受け入れを定数以上行って、地域のニーズに応えています。利用者の保育時間は7時半から18時半までが一番多く、それ以降は10人程度が延長保育を受けています。歴史の長いこの園には「父母の会」があり、各種イベントや大掃除などで保育に参加してきました。園では保育方針をパンフレットや園のしおりに記載し、懇親会で保育方針や保育課程の内容を説明しています。
 保育課程に基づき、年齢ごとに指導計画を作成しています。職員は自分の考えをまとめたものを持ち寄ってクラス会議を行い、方向性を決めてクラス担任がまとめます。年齢ごとの指導計画は職員体制が決まる3月までには仕上げるようにしています。4月の計画のみ、クラス編成が決まってから、決定版を出します。職員は子どもの表情を見て、声をかけながら子どもの表情の変化を読み取ったり、子どもが希望することを感じ取ったりしています。園長は日常保育のなかで各クラスを回り、子どもたちの中に入り、子どもたちと触れ合うことを大切にしています。職員は子どもの意見や要望を聞き、自主性や主体性を重んじる計画を作るように努めています。
 園では新入園児の全ての保護者に対し、入園前の2月に面接を行っています。面接は一対一で行い、子どもの状態、家庭の状況、アレルギー反応の有無、心配な点などについて保護者の質問に答えています。また、園長も面接の部屋を巡回し、一人一人の保護者に声かけをしています。入園前に保護者に提出してもらう書類は「入園調査表」「児童票」「発達状況調査表」などですが、面接した内容は「入所面接確認表」に職員が記録します。記録した内容をもとに職員会議で情報共有を行い、保育課程の作成に生かしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  短縮保育については入園前の説明会で保護者に説明するとともに、園のしおりにも記載しています。期間はおよそ4日間で、初日は親子で過ごしてもらい、二日目は午前中の4時間から始めます。他園からの転園の場合は、保護者が見学に来たときに詳しく説明し、3日程度の短縮保育を行います。就労の都合等で短縮保育が不可能な場合には、柔軟に対応しています。0、1歳児の主担当保育者は決まっており、子どもの生活が家庭と保育園とで無理なく引き継がれるように、連絡ノートを使ったり送迎の際に話し合ったりして、保護者と細やかに連携がとれるようにしています。進級の際はクラス担任を一人残し、新任の職員に保育が無理なく引き継げるように配慮しています。
 年間指導計画、月間計画、週案は、各クラスの職員が全員参加して作成しています。園長、主任は、職員が月間指導計画の振り返りを記入して提出する内容をチェックしたうえでクラス担任と話し合っています。日誌での振り返りも参照しながら、目標に対して計画が妥当であったかどうかを確認し、見直しが必要な場合には指導しています。クラス担任は指導内容に沿って職員同士での話し合いを行い、次月に反映されるようにしています。園では3歳以上の子どもの保護者ともていねいに連絡ノートでのやり取りをしており、指導計画を変更する場合には連絡ノートを使って、保護者の意見や要望を聞いたうえで計画に反映しています。
 保育所児童保育要録を小学校に送付しています。園長は幼保小連携活動の一環として、小学校に入学する子どもの情報を申し送りしています。また「児童票」「予防接種記録」「健康診断表」「経過記録」などの個人記録があり、子どもに関する基本的な情報を定められた書式に記録しています。記録は定期的に更新され、子どもたち一人一人の発達や置かれている状況を確認できるようになっています。長時間保育での職員の交代の際や、非常勤や臨時の職員でも一貫した対応ができるように、記録はクラス別に保管され、職員は全員閲覧することができます。進級時には現任と新任の担当が引き継ぎを行うと同時に全職員で記録の内容を確認しています。
4 地域との交流・連携  地域の子育て支援活動も園の重要な役割と位置づけています。この活動の一環として、園では育児相談を実施し、地域で子育てに悩む保護者や養育者をサポートするとともに、相談を通じて保育ニーズの把握にも努めています。育児相談は地域のコミュニティ誌に広告を出すなど、相談ニーズの掘り起こしにも努めています。地域の保育にかかわる課題を共有するため、園では、幼保小連携会議、子育て支援連絡会、スクールゾーン対策協議会に参加して、園において子育て支援ニーズの情報共有に努めています。
 園では、これらの子育て支援ニーズに関する情報を整理し、職員会議ではこの情報をもとに次年度の事業計画を作成する際の参考資料としています。子どもたちと散歩に出かけ、公園に来ている保護者や未就園児との交流に努めています。また、近隣の小学校と年2回交流の機会をもっています。他の保育園の園児との合同遊びや、同法人の小規模保育園と交流しています。
 園では、ホームページで情報提供を行っています。今年10月には、磯子区の「保育施設・幼稚園紹介パネル展示」に参加し、園の情報を写真とともに展示しました。園だよりは地域の小学校に配布し、小学校の保護者への情報提供に努めています。園では、育児相談を地域の育児支援活動の重要な柱に位置付け、相談を随時受け付けています。園長を窓口に保護者や養育者の相談を傾聴し、必要な場合は専門機関に結びつけるなど、相談内容に応じた対応に努めています。事業計画には、育児相談を重点事項として取り上げ、その充実に努めていくこととしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  園では、利用を希望する保護者が保育園に関する正しい情報を得られるようホームページを開設し、保育内容や保育時間、園の様子、育児相談等の情報提供に努めています。また、「園のしおり」「パンフレット」を制作し、見学者に配付するとともに、磯子区の相談コーナーやパネル展示などのイベントの際に配布しています。磯子区のホームページに情報提供に協力するほか、民間の情報提供サイトが園情報を公表する際、誤った情報がないかを確認し、間違いがあれば事業者に修正を依頼するなど、保護者に正しい情報が提供されるよう環境整備に努めています。
 園では、見学希望者の対応は園長が行い、電話での問い合わせがあった際には見学も勧めています。園長や主任の不在時は折り返しの連絡として、早めの対応を心がけています。見学にあたっては、可能な限り希望者の日程に合わせるようにしながら、日中の子どもたちの活動を見学できる時間に調整しています。実際の見学では、パンフレットを活用してわかりやすい説明を心がけ、どんな質問にも対応しています。また、見学者が子育てに悩んでいるようであれば、相談に応じるとともに、今後の運営に反映するため、記録をとって具体的なニーズの把握にも努めています。
 職員は、クラスごとに日誌に記載した自己評価をもとに、月間指導計画に反映するため、月の自己評価を行っています。月ごとの評価をもとに年間指導計画に反映させるため年間の評価を行っています。これらの自己評価は、職員会議に報告され、協議のうえ全体の評価と課題の抽出につなげています。あわせて年度末には、全職員が「保育士の自己評価」を行い、これらをもとに職員会議で「園の自己評価」を作成し、結果を玄関に保管し、保護者が閲覧できるようにしています。
6 職員の資質向上の促進

 園には、実習生の受け入れのためのマニュアルとして、「保育実習マニュアル」が整備されています。実習が実りあるものとなるよう、希望に応じて保育活動の一部を実習生が行う「部分実習」にも対応しています。オリエンテーションでは、園の保育方針や守秘義務などを説明し順守するよう求めています。保護者には実習の前におたよりで周知するとともに、職員には実習生に対する適切な指導、助言を行うよう求めています。実習最終日には、園長と実習担当クラスの職員が参加して、反省会を開いています。反省会は実習生の振り返りの機会とするとともに、意見等を求めて園の運営に生かすよう職員会議に報告しています。
 園の人材配置は、個人の適性、能力を踏まえながら、経験年数の長い職員と短い職員の組み合わせを基本としています。園長は、この配置を基準として、必要な人材が確保されているかを確認しています。欠員が予想される場合は、法人本部と相談しながら、保育士養成校への募集や公私の職業紹介事業者等に募集を依頼しています。職員、園全体の「自己評価」を通じて、園の人材育成の課題を浮き彫りにし、年度ごとに人材育成計画を作成しています。
 園では、クラス、職務、経験に応じた研修計画を作成しています。この計画の目的に沿った磯子区や関係団体等による研修が開催される場合、職員に開催要項を回覧して希望を募り参加しています。研修への参加にあたっては、シフト上で配慮して、可能な限り研修に参加しやすい環境を整えています。職員は研修受講後には、その成果を研修報告にまとめてもらい、振り返りの機会としています。園内研修は、月1回の職員会議の一部を研修にあて、研修に参加した職員が発表を行い、情報の共有と必要に応じて保育内容に反映するよう努めています。

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