かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

マヤ保育園(2回目受審)

対象事業所名 マヤ保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 マハ・マヤ会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 241 - 0014
旭区市沢町874-4
tel:045-373-4723
設立年月日 1970(昭和45)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 当園の運営主体は社会福祉法人マハ・マヤ会です。開園は昭和45年4月で今年で48年目、旭区では一番最初の保育園です。相鉄線二俣川駅または、JR横須賀線東戸塚駅からバスで15分、左近山団地第6または、市沢団地入口下車数分の所にあります。定員は130名(平成29年8月現在127名在籍)で、産休明け保育、延長保育、障がい児保育などを実施しています。園には運動場を含む広い園庭が3つあります。
 近隣は、戸建て住宅が並ぶ閑静な住宅街ですが、最近新たな分譲住宅も出来てきています。園の周囲には畑も広がり、神社の森もすぐ近くです。こうした環境の中、子どもたちは自由に伸び伸びと過ごしています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○三つの園庭と清潔な園舎、園に付設した畑など子どもたちは恵まれた環境を生かした生活を楽しんでいます
 園には三つの広い園庭があります。一つは大きな滑り台やうんていなど外国製の大型遊具を備えた園庭、もう一つは周りが芝生の運動場、さらに一面芝生の乗り物広場(運動場)です。訪問調査にうかがった時には運動場で子どもたちは元気にリレーなどの練習に励んでいましたし、トラックを囲む芝生ではバッタが跳んでいました。園舎は築30年ほど経っていますが、整理整頓され清潔に保たれています。保育室はどの部屋も窓が複数の方位にあり明るく、通風・換気が確保され、清掃もきちんと行われています。法人母体のお寺の畑では子どもたちは芋掘りなどをして、給食の食材にしています。快適で自然に恵まれた環境を生かし、子どもたちは年齢に応じためりはりのある生活を楽しんでいます。


○子どもの心身の成長をはぐくむ特別教室を実施しています
 園の保育理念「子どもたちの自由な遊びを大切にしながら、音楽活動、造形活動、リズムダンスなど豊かな体験を通じて・・・」に従って、造形教室(3〜5歳児)、声楽教室(3〜5歳児)、パソコン教室(5歳児)、英会話教室(4、5歳児)、剣道教室(5歳児)など子どもの創造性、表現力、知性、コミュニケーション能力、体力、精神力、礼儀などをはぐくむ特別教室を実施しています。これらの活動を通して子どもたちは、職員の話を聞く集中力、落ち着きが自然に日常的にはぐくまれています。そして、特別教室で学んだことは発表会、運動会、作品展などを通じて保護者にも子どもの成長の様子を伝えています。また、子どもたちには、「〜ができるようになった」「おともだちも一緒にできるようになって嬉しい」などの仲間意識をはぐくんで、お互いに成長し合う喜びを感じることができるよう配慮しています。


○子どもにも、わかる内容で人権の大切さを伝えています
 園の保育目標に一つに、「行いの正しい子どもに育てる」と、あります。保育士が使用するマニュアルには、子どもに対して使ってはいけない言葉の項目があり、その内容は子どもの人権を大切にすることが基になっています。保育士は子どもの人権を大切にするとともに、子どもたちにも人権を大切にすることを伝えています。たとえば、特別教室のパソコン教室では、パソコンを使うことを子どもたちが将来楽しいと思えるように、メールの作成など、色々なツールを使ってパソコンに触れています。その中で、お友達にメールをする時は、正しい言葉遣いをすることや、人を傷つける言葉は使わないというメールのマナーについてふれています。たとえば、自分が言われて嫌な言葉、悲しくなる言葉は他人にも使わないようにと、子どもの時からわかりやすく人権を守ることを伝えています。


《事業者が課題としている点》
 園内環境が充実していることと交通安全管理の観点から、年少クラスは現在園外へのお散歩等は行っていない。今後も、年少クラスについては園外活動を大きく増やす予定はないが、5才児クラスは就学前に、散歩の体験を増やしていくことを検討中。旭区の保育資源ネットワーク「つるがみねっと」など、外部との交流を今後、積極的に増やしていきたい。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  保育の基本精神として、「一人ひとりの子供の個性をかけがえのない大切なものととらえ、慈しみ愛すること」「集団の規律を損なう事のないように注意しつつ、ゆとりある暖かい母性を持って総ての保育活動にあたる」「自由遊びを中心とした保育を進めるようにする」を掲げています。また、「明るく、感動豊かで、行いの正しい子どもに育てる」を保育理念としています。これらの基本精神と保育理念は、繰り返し職員会議で伝えるとともに、いつでも目に触れるよう園の玄関にも掲示しています。基本精神と保育理念は保育課程に記載するとともに、年間計画として策定される「経営案」は必ずこれらを参照しながら策定し、4月の職員会議で全職員が確認しています。
 「人権に配慮した保育」についてマニュアルに記載があり、子どもの人格を認め、共感し、子どもの「安心」「自信」「自由」を保障することをまず掲げています。また、食事や着替え、排泄など生活の場面ごとの留意事項、感染症発生時の対応についても記載しています。さらに、注意すべき言葉掛けについても、細かく場面ごとの例を挙げ、うっかり行なってしまいそうな言動について注意喚起をしています。これらの記載事項は、繰り返し、職員会議や主任会などで全職員が確認しています。運動会や発表会などに向けての練習の前には、職員がつい一生懸命になりすぎて言葉遣いへの配慮を忘れないよう、改めて確認するようにしています。
 各保育室そばのテラスや廊下など、友だちから離れ、保育士の視線を意識せずに過ごせる場所があります。保育士とゆっくり一対一で話したいときには、テラスや廊下のほかにホールの片隅を利用しています。幼児クラスの子どもが周囲とうまくリズムが合わせられずにいるときは、落ち着くまで0歳児クラスの保育室で保育士や年下の子どもたちとゆっくり過ごすこともあります。
 子どものプライバシーを守るため、場面ごとの注意事項をマニュアルに記載し、着替えはタオルを使ってほかから見えないようにしたり、年長児にはトイレの際は扉を閉めることを知らせるなど、職員間で連携を取りながら進めています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

 保育課程に基づいて、年齢ごとの指導計画(年間・月間・日案)を作成しています。年間指導計画は1年を4期に分け、期毎に子どもの姿、ねらい、生活や遊び、5領域、表現、食育、環境構成への配慮などについて詳しく記載し、計画に対して期毎に振り返りを行っています。月間指導計画では、同様の項目で計画を子どもの状況と達成目標について具体的に記載し、ここでも月ごとに振り返りを行っています。さらに、子どもへの働きかけや配慮すべき事項を記載し、子どもの意思を汲み取るとともに、毎日の積み重ねが重要だと考える保育を行っています。具体的には、行動のきっかけとなるように歌をうたったり、音楽を聞いたり、また、集中を促すための手遊びを取り入れ、それを繰り返すことでだんだんと次にすべきことを子ども自らが理解できるように促しています。
 0歳児の保育室にはマットが敷かれ、はいはいを始める前の子どもにけがのないように工夫がされています。1歳児の保育室にはじゅうたんを敷き、やわらかい素材でできたキューブや柵を使って、活動に応じて場所を仕切り、床の上で積み木遊びをしたり、テーブルを出して、絵を描いたりできるようにしています。食事が終わると午睡の時間へと、緩やかに移行するため、各保育室では部屋を2分割して使用しています。子どもたちは食事のスペースから午睡のスペースへ、活動内容の移行とともに場所を移るので、スムーズに気持ちの切り替えができているようでした。保育室は年齢ごとに分かれていますが、ホールを使っての毎週水曜日の異年齢活動をはじめとして、花祭りなどの行事は全クラス参加で行うので、年上の子どもと年下の子どもの自然な交流も行われています。
 0〜2歳児と3歳以上の子どもでも特別な課題がある場合には、個別指導計画を作成しています。子ども一人一人について、子どもの様子、ねらいと保育内容、必要な配慮や援助などを記載し、月末に振り返りを行って、次月の計画につなげています。また、個々の発達状況に合わせた見直しはクラスミーティングで検討するとともに、旭区の臨床心理士に相談した結果を反映するなど、柔軟に対応しています。さらに、保護者には、毎日のコミュニケーションと7月の個人面談で指導内容の理解を促すとともに意向の把握に努め、指導計画の「必要な配慮」の項目などに反映しています。定期的な面談だけでなく、保護者の必要に応じて、随時、個別面談に応じています。

3 サービスマネジメントシステムの確立  保育所児童保育要録は、入学前の2月に小学校へ送付しています。子どもの状況は、個別日誌、個別指導計画の振り返りなどをまとめ、また、一人一人の生活や遊びの項目の中で子どもの状況や成長、発達が時系列に把握できる経過記録を作成しています。そのほか、園児保健調査票、面談記録、健康診断結果を記載する健康台帳などがファイリングされ、1階の保育室の棚に収納し、全職員が閲覧できるようにしています。日常の保育において、全職員の共有が必要な事項は回覧ノートに記入し、クラス主任が集まる主任会や昼のミーティングなどを通して、共有しています。進級時はクラスごとにファイリングした子どもたちの情報を引き継ぎ、持ち上がりの保育士から留意事項などを伝えています。
 配慮を要する子どもも通常の保育の中で受け入れ、周囲の子どもたちも、いっしょに活動する過程でだんだんと理解できるように促しています。個別のケースについては、個別指導計画の策定の段階で職員会議やミーティングで話し合い、明文化するとともに共有しています。配慮を要する子どもを受け入れるための知識や情報を常に得られるよう、横浜市や旭区が提供する情報の収集に努めるとともに、受け入れを専門とする施設の見学やそこで開催される勉強会などにも積極的に参加しています。今年度は、横浜市西部地域療育センター内にある児童発達支援事業所「ぴーす鶴ヶ峰」を副園長が見学し、得た知識を全職員で共有しています。
 虐待の種類、虐待を見逃さないためのポイントなどをマニュアルに記載し、「児童虐待防止法」などの知識とともに、職員会議などを通して共有しています。また、虐待が明白になった場合には、旭区のこども家庭支援課の担当者やケースワーカーと連携し、対応しています。見守りが必要な場合は、職員同士で連携し、対象となる子どもに配慮しています。虐待の早期発見に向け、毎月の身体測定や着替えの時などでは目を配るようにしており、気になるきずやけががある場合は対象となる家庭と話す機会をもつようにして、必要に応じて区のこども家庭支援課を通じてその家庭のある地域の児童相談所へ相談するなど関係機関との連携を図って対応しています。
4 地域との交流・連携  保育課程に「地域への支援」の項目を設け、毎月の職員会議での子育て支援サービスの実施状況報告や年度末の年間指導計画(アプローチカリキュラム)の討議、年度末の園の自己評価などの時に、地域の子育て支援ニーズについて話し合っています。地域の子育て支援事業として、毎週水曜日に園庭開放と育児相談を、また第4水曜日に身体測定を行っています。さらに、園のお誕生日会への参加も募っています。「つるがみねっと」の保育園交流では、地域の保育園の園児たちと公園で5歳児がいっしょに遊んでいます。園のホールなどで年1回講演会を開いており、自治会の回覧板や近くのコンビニエンスストアの入口、寺の掲示板に案内を掲示しています。今年度は防災について、消防署長の話を聞きました。
 将来の利用希望者に、パンフレットやホームページなどを通して 園の情報を提供しています。園のパンフレットは旭区のこども家庭支援課や子育てひろば「ぽけっと」などに置かせてもらっています。また、旭区や横浜市のホームページにも園の情報を提供しています。パンフレットやホームページには園の保育の基本精神、保育目標、入園年齢、保育時間、デイリープログラム、年間行事予定のほか、3〜5歳児向け特別教室(造形、声楽、パソコン、英会話、剣道)などの活動の様子を写真付きでわかりやすく掲載しています。また、神奈川県内の子ども・子育て総合情報サイト「子育て支援情報サービスかながわ」に園の施設概要や定員・現在の入所数、職員数などの情報を提供しています。
 園はボランティアの受け入れを地域貢献の機会ととらえています。地元の中学校から毎年「体験学習」の申し出があり、受け入れています。「ボランティア受け入れマニュアル」に沿って、担当の主任や副園長がオリエンテーションを行い、園の保育の基本精神や保育目標、子どもの人権尊重、プライバシー保護、その他の留意事項を説明しています。ボランティアの入るクラスや育成担当者は園長が決めています。受け入れにあたり、事前に職員や利用者にはどんなボランティアが入るのか、口頭や園内掲示で知らせています。終了時には反省会で振り返りと意見交換をしています。ボランティアの記録を基に職員会議などで報告し、参考になる意見は園の運営に生かしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  保育の年間指導計画や月間指導計画、保育日誌、個別経過記録などの自己評価結果は主任会議や職員会議などでクラスごとに報告、検討し、課題の改善に生かしています。また、全職員は期末月に1年間の振り返りを行い、5段階評価による「マヤ保育園における自己評価」を行っています。全職員の自己評価結果を項目内容ごとに集計し、平均値を算出したものを最終の保育所としての自己評価「マヤ保育園における自己評価」として職員会議などで発表しています。職員は自身が行った自己評価と保育所の自己評価の差異について話し合ったりしています。一本化された「マヤ保育園の自己評価」は玄関ロビーに約半年間掲示して利用者に公表するとともに、職員の意識向上に役立てています。
 全職員に配付する「保育所経営案」や「勤務マニュアル」には、守秘義務や個人情報保護、人権を配慮した保育などの職員として守るべき法、規範、倫理などを明記してあり、毎年次年度へ向けての職員会議や園内研修で全職員に周知をしています。全職員が年度末に行う自己評価でも個人情報保護や守秘義務を守っているかを確認をしています。決算書などの経営、運営状況は横浜市管轄の社会福祉法人マハ・マヤ会としてホームページで情報公開されています。世間で発生した子どもの虐待など不適切な事例は、新聞記事などを基に速やかにミーティングなどで学び、早期発見や注意点の再確認をしています。
 2年ほど前に園庭で人気の滑り台の老朽化が目立ち始め、職員会議などで新しい遊具の導入を検討、決定しました。保護者には遊具入れ替えの必要性と遊具がしばらく使えなくなる旨を園便りなどで説明し、意見をいただいたりして現在の外国製の大型複合遊具を導入しました。また、同じ頃、特別教室で実施していた子ども向け少林寺拳法が講師の都合で継続不可となりました。保護者に知らせるとともに、武道の存続を模索して、剣道の導入を職員会議で決め、保護者の賛同も得ました。現在5歳児が金曜日の午後元気な声を上げ、練習に励んでいます。運動会や新春発表会など園の大きな行事では全職員が役割を分担し、組織をあげて取り組んでいます。
6 職員の資質向上の促進  外部研修は旭区や横浜市の研修一覧などから職員の希望を募り、時には園から指定するなど、最終的に副園長が取りまとめ、年間研修計画を策定して全職員に配付しています。外部研修受講者は研修終了後に研修復命書(研修報告書)を提出し、必要に応じて職員会議などの内部研修の場で発表して周知を図っています。会議の欠席者にも研修資料を配付しています。AED(自動体外式除細動器)講習など、全職員に必要な内部研修は全員参加できる時間帯に行うなどの工夫をしています。横浜市西部地域療育センターの見学や、障害児保育分野の研修「インクルージョン保育実践」などの実地研修も積極的に受講しています。副園長、園長、主任は研修成果の活用状況などから研修を評価し、次の研修に生かしています。
 非常勤職員を含む全職員に「保育所経営案」と「勤務マニュアル」を配付し、非常勤職員にはさらに「非常勤職員マニュアル」を配付しています。業務にあたって主任は経験や熟練度などを考慮して、職員と非常勤職員の組み合わせを工夫しクラス配置をしています。外部研修は非常勤職員も希望により受講を可能としており、職務上の必要から園の指名で受講してもらうこともあります。非常勤職員の指導には、園長、副園長、主任のほか、経験豊富な保育士が指導担当者として良き相談役となっています。また、職員任意加入の「なでしこ会」という主任担当の親睦会もあり、職員間のコミュニケーション作りに役立っています。
 全職員は期末月に、「マヤ保育園における自己評価」用紙による自己評価を行っています。自己評価用紙は、保育目標、保育、行事、食育、情報の発信、運営、研修・情報など、15の項目ごとに設定された合計37の内容について、5段階で評価します。全職員の自己評価は集計し、その平均値を保育園の自己評価としています。鶴ヶ峰・左近山地区の保育園が参画する「つるがみねっと」に参加し、サービス向上のための情報交換を行い、手作りおもちゃなどの勉強会を開いています。外部からの支援として、特に配慮を要する子どもについては、横浜市西部地域療育センターから巡回訪問を含む保育指導を受ける体制があり、そのほか外部講師による造形、声楽、英会話、剣道、パソコンなどの特別教室を実施しています。

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