かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

西柴保育園

対象事業所名 西柴保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 山王平成会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 236 - 0017
金沢区西柴3-31-1
tel:045-782-5818
設立年月日 2011(平成23)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 西柴保育園は、京急本線「金沢文庫」駅からバスで5分、「上西柴」または「西柴四丁目」停留所から徒歩5分の位置にある、平成23年4月に横浜市より民間移管された私立保育園です。近くには自然豊かな公園が多く散歩コースに恵まれています。子どもが安全に安心して生活できる環境を整え、保育目標に「のびのび元気に育つ子ども」「楽しくいっぱい遊べる子ども」「みんな仲良しやさしい子ども」を掲げています。定員は60名(1〜5歳児)、開園時間は、平日は7時から20時まで、土曜日は7時から18時30分です。運動会、発表会、季節の行事、異年齢交流や地域の方とのふれあいを通して、興味関心を広げるとともに、自分や他者を大切にする心を育てる保育をしています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○さまざまな体験や経験を通して、興味や関心が広がり、表現する喜びや自分や他者を大切にする気持ちが育てられています
 園では七夕、節分、ひな祭りなどの季節の行事を行い、子どもたちは季節に合わせて絵を描いたり作品作りをしたりしています。運動会や生活発表会では、行事に向けてクラスごとに子どもたちと相談しながら準備を進めています。5歳児クラスでは年7回お茶会を開いています。夏と冬の一定の期間に異年齢で活動を行い、年3回異年齢で会食をする機会があります。また、公園愛護会の方々とやきいも会を行い、ハッピーデイでは地域の方々のハーモニカ演奏を聞き、お正月遊びの会では祖父母の方々とお正月遊びを行うなど、地域の方々とのかかわりを大切にしています。これらのさまざまな体験や経験を通して、子どもたちの興味や関心が広がり、表現する喜びや自分や他者を大切にする気持ちが育てられています。


○年齢別の食育活動に力を入れるとともに、日常提供する給食の情報提供に努め、保護者にも積極的に働きかけを行っています
 1歳児はオクラ、2歳児はきゅうりやオクラを栽培し、3歳児はナスやきゅうりを植えて、収穫後は夏野菜の皮むきのお手伝いをしています。4歳児はクッキーを全園児分作ります。5歳児は買ってきた材料でカレーを作ったりお月見団子を作ったりして、季節を感じながら味わう活動をしています。食材は国産を基本とし、調味料もなるべく添加物が入っていないものを使っています。調理担当の職員は喫食状況を見回り、残食記録を取るとともに給食会議で子どもの年齢に合わせた調理方法や味付けについて話し合っています。廊下には毎日、献立の写真と食材産地を掲示しています。月ごとのおすすめレシピを素材別に4種類ずつ紹介し、保護者の好評を得ています。給食の試食を随時受け付けており、希望者は子どもと一緒に給食を食べることができます。


○地域子育て支援事業の充実に努めています
 保育園の持つ子育ての情報や施設の活用をしてもらい、地域の子育て中の家庭を支援するためにさまざまな地域子育て支援事業に取り組んでいます。週2回の園庭開放を行い、夏はプール開放をしています。育児講座は、金沢区社会福祉協議会と共催で年4回実施し、「親子で遊ぶ」として栄養講座や手作りおもちゃなどを行っています。交流保育では、園児と一緒にリズム遊びや運動会、ハッピーデイコンサート、お正月遊びなどの行事や、毎月のお誕生日会、月2回の体験給食に参加でき、保育園を知ってもらう良い機会になっています。家庭での保育が一時的に困難な場合は、一時保育の活用ができます。育児相談日を設けていますが、参加者の育児相談にも応じ、また、アンケートを実施し地域のニーズの把握と意見要望を取り入れた講座等の開催に努めています。


《事業者が課題としている点》
 園が課題としていることの一つに人材育成の強化(職員体制を充実、安定させ、保育の質の向上に取り組む)があります。子どもの最善の利益を考慮して保育をするためには、職員の人間観、子ども観などの総体的なものとして現れる人間性や保育所職員として自らの職務を適切に遂行していく責任に対する自覚が必要であると考えます。そのための自己研鑽とそれを育てる仕組みとして、メンター制度の導入、新入保育士研修など研修体制の整備、横浜市内の系列園との交流などに取り組んでいきたいと考えています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

  園の保育理念は「子どもの最善の利益を第一として、家庭や地域との連携を図り子どもの発達を促します」、園目標は「のびのび元気に育つ子ども」「楽しくいっぱい遊べる子ども」「みんな仲良しやさしい子ども」です。園目標は職員室に掲示するほか、園のパンフレットや法人のホームページにも掲載しています。保育方針と園目標は民間移管となった平成23年に園長、主任、クラス担任で素案を作り、職員で話し合った後に法人の承認を受けました。基本方針は毎月職員会議を行う際に全員で読み合わせを行い、職員に周知するとともに、サービスの実施内容に沿っているかどうかを話し合っています。
 職員は、子どもの気持ちに寄り添って、一人一人に向き合い、個々の思いを受け止めるようにしています。子どもの年齢や発達の状態に従って、わかりやすい言葉を使って子どもに話しかけています。子ども同士のトラブルに対しては、まず双方の言い分を聞き、トラブルが起こった原因を探ります。それぞれの立場に立って話して、お互いの気持ちを理解したうえで仲直りを勧めます。職員会議では子どもの人権や人格尊重の大切さについて話し合っています。
 本棚の前に他人の視線を気にせず過ごせるスペースがあり、子ども同士で座ったり、職員と本を読んだりしています。保育室を仕切ってコーナー遊びをすることもあります。職員室には病後児保育ができる場所があり、子どもは友だちに知られたくないことを話すときや、職員に声をかけたいときに入ってきます。必要に応じて子どもと職員が一対一で話し合うこともできます。職員は引き継ぎノートや口頭で子どもの様子を伝え合い、クラス担任でなくても子どもを見守ることができるようにしています。


2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供   保育課程は年度末に毎年見直しています。クラス担任が中心となって前年度の振り返りを行った後に全職員が集まって、保育課程の内容確認と見直しを行っています。「家庭と地域の連携」を理念としている園では、地域に合わせた保育サービスの提供に努めています。保育課程は入園時に保護者に説明するほか、「ほいくえんのしおり」に理念、園目標と保育姿勢を明記しています。また、改定した際には保護者に説明して同意を得ることにしています。
 年齢ごとの年間指導計画があり、月間指導計画では3〜5歳児にも個別配慮の欄を設け、カリキュラム会議記録の内容と連動して、一人一人の子どもと向き合えるようにしています。職員は子どもの年齢や発達に応じて、理解できる子どもには必要なことを説明し、納得するまで話します。言葉をかける際には目線を合わせ、何を言おうとしているのかを読み取ろうとしています。日常の保育活動でも子どもの態度や表情から子どもの意見や要望をくみ取ることを大切にしています。園内研修での学びを生かし、子どもが興味を持っていること、感じることを大切にして、子どもの主体性や自主性を、遊びを通してより発揮できるよう努めています。
 入園前の面接は、親子と保育担当の職員で行います。あらかじめ保護者に記入してもらった児童票などの資料を基に、職員は子どもの様子や親子の関係、家庭環境を把握します。把握した情報は「入園説明会個別聞き取り票」に記入し、内容は職員会議で共有して、保育に生かせるようにしています。入園時に支援が必要だと思われる子どもについては「家庭支援ファイル」を作成し、面談の内容や成育歴、保育の様子を記載して、指導計画を立てる際に参考にしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立

  短縮保育は保護者の仕事や子どもの状態に合わせて、柔軟に行っています。入園当初はタオルやぬいぐるみ等、子どもが心理的拠り所とする物の持ち込みを許可しています。子どもの生活が家庭と園とで無理なく引き継ぐことができるように、1、2歳児には個別の連絡ノートを使用して、毎日子どもの保育園での様子を記入して、保護者と連携しています。年度末に現担任と新担任が引き継ぎを行い、子ども一人一人についての記録を残して、新年度も子どもが落ち着いて生活できるようにしています。
 年齢ごとに作成した年間指導計画の内容に従って、子どもの健康面や発達の状態、家庭の環境を考慮しながら月案を作成しています。月案の見直しは月に一度のカリキュラム会議で行いますが、行った見直しと反省は年間指導計画に反映し、クラス担任を中心にクラス全員で作成を行っています。園では家庭との連携を大切にしたいと考えているため、月案や年間指導計画で見直した内容は、保護者にも連絡ノートを通して、また送迎の時間に伝えています。その際に保護者の意向や要望を聞いて、職員会議で自分の担当するクラス以外の子どもについても意見交換し、指導計画について検討しています。
 長時間保育などで職員が交代したときにも一貫した対応をとることができるように、子どもに関する必要な情報は全職員が共有しています。記録は必要に応じて閲覧できますが、持ち出しは禁止とし、日ごろは施錠しています。進級時には担当保育士が交代するため、引き継ぎノートを作成します。職員はすべての学年の子どもたちと交流して、進級時の引き継ぎが円滑に行われるようにしています。


4 地域との交流・連携  園長は、町内会や自治会の集まりに積極的に参加し、地域住民と交流を図りながら、保育園に対する要望などを聞いています。育児相談は毎日受け付けており、いつでも相談に応じる体制が整っています。また、育児講座を開催した際には参加者にアンケートを実施したり、悩みや要望を聞いたりして、ニーズを把握しています。「地域連絡協議会」や「主任児童委員と地域の連絡会」などに参加し、地域の子どもの姿の把握や検討を行っています。さまざま取り組みで得た地域のニーズは職員会議やミーティングで職員に周知して情報共有を図っています。
 自治会や近隣保育園園長等で構成される子育て連絡会に園長が参加し、さまざまな情報収集を行う中で、育児制度を利用し正社員として働いている家庭が多いため、0歳児の保育園入所希望者より1、2歳児の入所希望者が増えていることを把握しています。園ではこのような状況にある家庭の子育て支援ニーズに応えるためにどのように対応をしたらよいか検討をし、一時保育の受け入れをしています。また、子育てを支援するために、園庭開放、育児講座、交流保育など多くの地域支援事業に取り組んでいます。育児講座は年4回開催し、「栄養士の話と試食会」や「廃材を使ったおもちゃ」など親子で楽しめる内容となっており、何度も参加する親子もいるなど好評です。
 保育園で行う地域子育て支援事業の予定や行事のお知らせについては、正面玄関横の掲示板に掲示をして情報提供を行っています。育児相談は、月曜日から金曜日までの午前中にいつでも相談を受けられる体制が作られており、園長や主任が対応をしています。保育園で行う育児講座や体験給食などの参加者や見学者に対しては、その都度相談に応じています。
5 運営上の透明性の確保と継続性   園のホームページや「ほいくえんのしおり」などを通して将来の利用者に園の情報を提供しています。ホームページには「園の紹介」として施設概要、定員、職員体制、地域支援事業などを、また、「保育方針」として保育目標、園の姿勢などを載せています。園の情報は金沢区こども家庭支援課や横浜市ホームページ「ヨコハマはぴねすぽっと」「キラキラMAP」などで公表されています。
 利用希望者からの問い合わせには、「保存版 ほいくえんのしおり」を事務室に置き、これに基づいて園の保育理念、保育の基本方針、サービス内容などを説明しています。問い合わせには、園長、主任、事務職員が常時対応しています。利用希望者には見学ができることを伝え、園の活動がよく見られる午前中に行うようにしています。午前中に都合がつかない場合には、見学希望者の希望を聞いて保育に支障をきたさない日時での対応をしています。見学には園長や主任が対応し、園内を案内するとともに、園庭開放、行事などに誘い、保育園で子どもが遊ぶ機会をもてるよう心がけています。
 年間指導計画や月間指導計画の自己評価の内容は、乳児クラス会議や、幼児クラス会議、職員会議などで報告をし合い、意見を出し合っています。職員会議では、各クラスの自己評価結果の情報共有に努めるとともに、必要に応じて園全体での課題として検討を行うなど、質の向上に向けた取り組みを行っています。園の自己評価については、クラス会議、職員会議での評価・振り返り事項や、個々の職員の自己評価を踏まえ、園の保育理念、保育方針、保育目標に沿って行っています。
6 職員の資質向上の促進   毎年、大学の看護学生や保育の専門学校、短期大学から実習生を受け入れています。「実習生受け入れマニュアル」は実習生用と職員用を作成し、職員には趣旨等を説明し、受け入れる際の職員の心得を周知しています。実習生の受け入れ担当は主任で、実習生に「実習生受け入れマニュアル」を配付し、保育園の保育方針や実習時の留意事項や守秘義務について説明を行っています。また、実習生からねらいや希望を聞き、計画立案や実践方法を一緒に考えながらプラグラムを作成し、効果的な実習となるよう努めています。最終日には、園長、主任、担当保育士と反省会を行い意見交換をしています。
 園長は保育所運営に必要な人材構成については、職能や経験年数、勤務形態等を考慮して配置をしています。また、フリー職員を配置して職員の急な欠勤にも対応できるようにしています。保育の理念や方針を踏まえた人材を育成するために、横浜市などの研修案内を回覧し、希望を募り、必要な研修を受講するよう促すなどしています。年度初めに「目標・成果シート」を使用して業務目標や具体的な行動計画、1年間の目標などを立て、年に3回園長と面談を行い、進捗状況の確認や評価などを行っています。
 職員の研修体制については、主任が担当しており、横浜市の研修計画に沿って、乳幼児の発達や遊び、障害、衛生管理、リーダー研修など研修計画を策定しています。外部研修については、各職員の育てていきたい面や職員の意向を反映し、講義や実技、系列園との合同研修など、さまざまな研修が受けられるよう配慮しています。研修を受講した際は、職員会議で伝達研修を行い、全職員に知識の向上と情報共有を図っています。

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