かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

桜山保育園

対象事業所名 桜山保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 恩賜財団神奈川県同胞援護会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 249 - 0005
逗子市桜山5-15-2
tel:046-873-7222
設立年月日 1978(昭和53)年10月01日
公表年月 2018(平成30)年02月 〜
使用評価項目 神奈川県社協版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設概要>
桜山保育園は、社会福祉法人恩賜財団神奈川県同胞援護会が運営する保育園です。開設は昭和53年10月で、38年が経過した歴史ある保育園です。
園は逗子駅からバスで10分程のバス停から1分の高台に位置しています。周辺は、高校や複数の公園がある住宅地で、緑豊かで自然環境に恵まれています。園庭は、建物の正面と側面の2ヶ所と2Fには広々としたテラスがあります。駐車場は11台分の駐車が可能で、送迎時に役立っています。
定員は0歳児から5歳児までの120名で、現在は123名が在籍し、延長保育、一時保育、障がい児保育も行っています。
園は法人の理念をもとに園独自の保育理念(「子どもの人権や主体性を尊重するとともに、子どもの最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に進める」など)、保育方針、保育目標を明確にして保育を行っています。

<優れている点>
1.地域との交流を通じて、役立つ喜びや人と関わる楽しさを味わえるよう保育を行っています
保育園は開設以来38年の歴史とともに、地域との交流を通じて、子どもが人の役に立つ喜びや人と関わる楽しさを味わうことができるように保育を行っています。高齢者施設への訪問や、毎年5歳児が街頭募金活動を行っています。近隣の高校との交流も深く、体育祭への参加、ボランティア活動、実習生及び職場体験の受け入れや高校のグラウンドを避難場所に設定しての避難訓練への支援をしてもらうなど様々な交流が行われています。
また、勤労感謝の日に加え、年間10回ほど「お仕事ランド」の日を設けて、身近な仕事を知る機会を作り、色々な職種の人と関わっています。3歳児から5歳児が歯科医、美容師、ピアノ奏者など生活の中で接している人や近隣の人からテーマの職業について話をしてもらう取り組みを行っています。勤労感謝の日には、消防署や警察署、郵便局などを訪問し、日頃の感謝を込めて子どもたちがお礼を伝えています。警察による交通安全指導も園庭で実施しています。子どもは散歩の時に交通ルールを守って大通りを渡っています。散歩の時にも近隣の人との交流を大切にし、出会った住民や作業員などにも積極的に挨拶をして地域に暮らす人との関わりを持つようにしています。地域活動や様々な人とのふれあいにより、子どもの豊かな成長につながっています。

2.恵まれた自然環境のなかで、自然に親しむ保育を行っています
保育園の正面には乳児用の園庭(第二園庭)があり、横には幼児用の園庭(第一園庭)があります。また、プール遊びもできるテラスもあります。その他に園の裏山を幼児クラスがロープを使って登ったり、階段を上り下りしたり、芝生を転がったりと体を使って様々な活動をしています。桜の名所で保育園に面している桜山中央公園や周囲の公園に日々散歩に出かけ、年齢に応じて歩く距離を延ばし子どもの体力づくりも意識しています。
落ち葉、どんぐりなど自然の物を上手に遊びに取り入れています。どんぐりは、こまやひも通しなど様々な遊びの道具に活用しています。野菜栽培は2歳児から始め、ガーゼの上の種に水をあげています。畑で夏野菜、さやえんどう、ジャガイモやカブなどを育て、成長の様子を観察しています。畑で収穫した野菜は洗って、皮むきにも挑戦しています。周辺は自然に恵まれており、よもぎ摘みからよもぎ餅を作ったり、芋掘り後には焼き芋大会をして楽しんでいます。自然を実感できる取り組みを数多く取り入れて保育を行っています。


3.楽しく食べられる食事の提供をしています
 子どもが食べることを楽しめるように給食やおやつ、行事食の提供を行っています。毎月の給食会議は調理職員だけでなく全クラスからも職員が出席し、主食がご飯に偏っていないか、メニューの具体的な内容はどうかなどを検討し、献立のサイクルは1ヶ月間の中で同じメニューは提供しないようにしています。
毎食必ず果物をデザートとして提供し、お代わりは給食、おやつともに十分に用意しています。バイキング形式で食べたり、行事ごとに会食したり、園長先生と一緒に食べる機会も設けて食事を楽しめるようにしています。食育につながる行事にも力を入れ、よもぎ摘み、焼き芋大会や七草集会なども行って子どもの興味や関心が深まるように様々な取り組みを行っています。
食物アレルギーのある子どもや離乳食の子どもには、「アレルギーマニュアル」や「離乳食マニュアル」に沿って対応しています。離乳食は0歳児クラスの5月の懇談会で4段階の試食会を設け、離乳計画表を基に、一人一人の発達に合わせて進めています。体調が万全でない子どもには、状態に応じて食事量、食材及び柔らかさなどを変えるなど柔軟に対応しています。


<独自に工夫している点>
1.職員の園内研修を充実させ、保育の質の向上を図っています
職員一人一人の資質向上のために、園内研修を充実させ保育の質の向上を図っています。職員の資質向上に向けて、年間計画に基づいて外部研修や園内研修を実施しています。これまでも外部研修には特に力を入れてきましたが、職員の更なる資質向上を目指し内部研修の充実も図っています。
年齢ごとの保育内容、園の行事、書類について職員間で話し合い、見直しや検討を重ねたことで職員の理解を深め質の向上へとつなげています。また、研修後の勉強会も開催して職員全体で内容を共有し、更なる資質向上を図っています。

<改善すべき事項>
1.保育園内研修報告書の記録方法及び回覧などの改善が期待されます
 保育園内の保育日誌などは、詳細に記録されています。また、外部研修の報告書も所定の報告書により会議で報告し回覧して、情報を共有しています。しかし、保育園内の研修については会議のなかで報告されることが多いため、報告項目の一つとして記載されていることが多い状態です。園内研修の報告書も、日付、出席者、研修の題目及び研修の内容が分かるように記録し情報を共有することが期待されます。また、会議録や研修記録などは回覧が終了すると回覧の確認用紙は取り外されます。回覧文書に回覧の確認欄を設けるなどの配慮を行い、職員の周知を徹底することが期待されます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

保育士は、「保育所職員の心得」、「全国保育士倫理綱領」や「接遇マニュアル」などに基づいて、子どもや保護者に接しています。保育士は、体罰の禁止、呼び捨てにしない及びあだ名で呼ばないなど子どもの人権を尊重して、一人一人意識して、適切な対応を行うように努めています。保護者から保育士の話し方についての指摘や保育士同士で気付きがあった場合は、職員会議などで言葉遣いや伝え方を確認し、対応しています。


子どもの虐待予防や早期発見に向けて、園長は逗子市要保護児童援助ネットワーク会議や実務担当者全体会議に出席し、地域の関係機関や団体と情報交換を行っています。会議で交換した情報は「報告書」にまとめて職員会議などで周知しています。保育士は子どもの保育園外で発生したと思われる痣や怪我などにも留意し、必要であれば公的機関と情報交換をする体制ができています。


個人情報の保護については、「全国保育士会倫理綱領」を事務所や職員更衣室に掲示して周知しています。また。法人の「個人情報保護規程」や「保育課程」の『情報保護』でも明記しています。保育園の子どもの活動記録の写真や動画の公表についても、事前に保護者から同意書を得た子どもたちのみ公開しています。また、業者と契約して、子どもたちの写真の公開の同意を得た保護者にのみ、TDとパスワードを提供し、パソコンなどで閲覧できるシステムを導入しています。


実習生を毎年受け入れています。受け入れにあたっては、「実習生・ボランティア受入れ」マニュアルに基づき対応しています。主任がオリエンテーションを行い、実習中の注意事項などを説明しています。また、実習生は子どもたちの個人情報の取り扱いに関し、「個人情報に関する誓約書」を提出しています。実習中は、指導担当保育士が管理指導を行い子どもたちの人権保護に努めています。


2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

 保育園と家庭での様子を共有するために、園だより、クラスだより、給食だより及び連絡帳などを活用しています。また、送迎時の保護者との会話などを通じても希望や要望を聞いて相談にのり、子育て支援を行っています。クラス懇談会を年2回、個人面談を年1回開催するとともに、アンケートを実施し、保護者の意見や意向調査も実施しています。個人面談の結果は、児童票に記録し、今後の保育に活かしています。


「お仕事ランド」は、毎月の行事で、3〜5歳児が歯科医、美容師、ピアノ奏者など、普段接している人や近所の人から仕事を教えてもらいます。勤労感謝の日は、消防署や警察署、郵便局などを訪れ日頃の感謝を伝えています。また、桜の名所で保育園に隣接している桜山中央公園にも散歩に出かけます。警察による交通安全指導を第一園庭(幼児用の園庭)で実施しています。子どもたちは散歩のときに交通ルールを守って大通りを渡っています。


年間指導計画、月間指導計画、個別の月間指導計画を立て、実践は日誌に記しています。日誌は記載面が多く、目標の成果や、出来事の経過と結果がわかるようになっています。また、受け入れ時に得た情報は、「朝会メモ」に記して職員間で確認し情報共有をしています。職員会議、各部反省会は月1回ありますが、ケース報告を急ぐ場合は臨時に行い、情報を共有しています。


子どもに自己肯定感を持たせるため、保育士は子どもができたことに対してほめるだけでなく、友だち同士でも「すごいね」と認め合う機会を大切にしています。子どもたちで話し合って決めたことをやり遂げていく経験を少しずつ重ねています。幼児クラスは生活発表会や運動会では、演目や役を自分たちで決めています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

子どもや保護者などからの希望や相談は日常の保育活動を通じて把握して対応しています。また、意見箱を設置し、情報を収集しています。苦情が発生した場合の対応は、「桜山保育園苦情解決規程のお知らせ」で示されています。苦情受付担当者、苦情解決責任者及び第三者委員の告知は、玄関に掲示するとともに、保護者に入園の際に配布する「入園にあたって」でも案内しています。苦情が発生した場合は、法人本部や行政の担当部署にも報告する仕組みになっています。


子どもの健康管理については、「健康管理のマニュアル」で対応方法を定めています。また、保育園内の保育環境整備についても、「室内の環境管理」で、保育室の室温を夏は26度から28度、冬は20度から23度と定め、冷暖房中の換気を行うとともに温度と湿度を定期的に測定して日誌へ記録し、適正管理をしています。玩具などの消毒についても子どものクラス別に消毒の対象物、薬品及び消毒の頻度を定め、衛生管理を徹底しています。


防犯対策として「防犯対応マニュアル」で対応を定めるとともに、監視カメラを設置し、正門にはリモコン式の施錠を施し、保育園の事務室から訪問者を確認して解錠しています。また、災害対策として、「災害対応の基本」、「災害対応」及び「桜山保育園消防計画書」により、災害時の役割分担や対応を定めています。火災、地震及び防犯の避難訓練も年間計画で定め、毎月実施しています。


体操や月ごとの季節の歌で、毎日体も口も元気に動かしています。第二園庭(乳児用の園庭)、第一園庭(幼児用の園庭)、プール遊びのできるテラスや屋根のあるベランダがあります。裏山でロープを使って急な斜面を登ったり、階段を上り下りしたり、芝生を転がったりと様々な運動をしています。野菜栽培は2歳児から、できることに参加しています。自分たちで育てたジャガイモでポテトサラダを作るなど食育に取り組み、その中で調理員への感謝の心も育てています。

4 地域との交流・連携

保育園は開所後38年の歴史のなかで、地域に根付いた子育て支援を行っています。地域の子育て支援としての「おたのし村」、「園庭開放」なども保育園の年間行事表に組み入れて計画しています。その他にも、「育児相談」や「見学」の受け入れも随時行っています。また、一時保育も、空きがあれば受け入れています。


「おたのし村」は、地域の未就園児のために、年間17回、原則、第2・第4水曜日に開催し、今年度はこれまでに26名が参加しています。未就園児が同年齢の子どものクラスに入り、遊びや給食などの時間を一緒に過ごす保育を体験しています。利用者を対象とした「おたのし村アンケート」を実施し、その結果を保育士などが共有して、行事の改善などに活かしています。また、「園庭開放」も、地域の未就園児のために、年間10回、原則、毎月第3火曜日に開催しています。


地域の子育て支援の一環として、保健師研修会、幼保小推進連絡調整会議に出席し、子どもの保育支援の情報交換を行っています。また、幼保小連携の一環として、年長児が小学校の見学を兼ねて訪問し、小学生と交流しています。保育園の通りを挟んだ高台に位置する高等学校の生徒も年間14回、14名が家庭科事業の一環として訪れ、子どもと保育時間を過ごしています。また、逗子市内、近隣市の中学生を職業体験として受け入れています。地域の通所介護事業所に年5回年長児が訪れ、利用者との交流を行っています。園行事の運動会にも9組が参加しています。


逗子市からの依頼により、「ずしファミリー・サポート・センター」の支援会員研修会に逗子市内3保育園で協力し、年度ごとに各園順番に保育士を講師として派遣しています。逗子市のファミリー・サポート・センター支援会員を対象としたこの研修会では、子どもへの接し方、ふれあい方及び子どもの遊びなどの講習を行っています。 

5 運営上の透明性の確保と継続性

 職員が園長との面談を経て自己の年間目標を設定し、自己評価表で評価しています。これらの個人の自己評価を基に、グループで保育について話し合い、保育園の自己評価につなげています。


職員が参画して第三者評価を受審することにより保育園を見直して、保育園の強みや弱みに気付き、職員全員で、強みを更に伸ばすとともに弱みの改善に努め、保育の更なる質の向上を図っています。


保育園の保育理念、『児童福祉法に基づき、子どもの最善の利益を考慮し、その福祉を積極的にすすめる』、『地域社会との連携を図り、全ての子育て家庭の支援を行う』、『働く保護者の就労を保障するための支援を行う』は、玄関、事務室、各保育室に掲示するとともに、「入園にあたって」などで保護者にも周知しています。ホームページでも、保育園の保育理念、保育方針、保育目標、行事、子どもの活動状況及び給食の献立などが紹介されています。また、職員のアイデアで作成した花びらのように折りたためる形状のパンフレットを玄関に置いています。


保護者参観は、入園時に配布する「入園にあたって」や年度初めのクラス懇談会で、4月、8月及び3月を除けば、事前予約が必要ですがいつでも可能と案内しています。 保護者参観では、保護者が集団の中での子どもの様子を見ながら一緒に楽しんでもらうように努めています。

6 職員の資質向上の促進

 保育理念は、玄関や事務室、各クラスに掲示し周知しています。また、職員会議でも職員に周知徹底しています。この他にも保育課程に保育方針、保育目標とともに明文化され、保育を実践する柱となっています。業務マニュアルにも記載しています。


研修は、「職員研修 実施計画書」で年間の計画を立案しています。研修の実施記録は、外部研修は報告書にまとめ、職員会議での報告や職員回覧で情報を共有して、保育の実践に活かしています。また、保育園内の研修は職員会議の時間などを利用して年7回実施し、会議録で報告しています。職員一人一人の資質向上のために研修を充実させ、保育の質の向上を目指しています。


実習生は、「実習生・ボランティアの受け入れ」及び「実習生受け入れ方法」マニュアルに則り受け入れています。実習生の受け入れにあたっては、主任が受け入れ担当として養成校の責任者とも十分に話し合っています。オリエンテーションでは、保育園の保育方針や保育にあたっての注意事項等を説明し、個人情報の取り扱いに関する誓約書を提出してもらっています。実習の指導は担当保育士が行い、実習の反省は主任が中心で行っています。


ボランティアは、「実習生・ボランティアの受け入れ」及び「ボランティア受け入れ方法」マニュアルに則り受け入れています。ボランティアの受け入れ窓口は主任で、目的や連絡先を書面で確認し、オリエンテーションを実施しています。オリエンテーションでは、子どもの呼び方などの諸注意事項を説明し、個人情報の取り扱いに関する誓約書も提出してもらっています。反省会は職員が参加して行っています

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