かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

相模原市立相原保育園(2回目受審)

対象事業所名 相模原市立相原保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 相模原市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 252 - 0141
緑区相原4-21-6
tel:042-773-2341
設立年月日 1977(昭和52)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年02月 〜
使用評価項目 神奈川県社協版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設概要>
相模原市立相原保育園は昭和52年に開園した歴史ある公立保育園です。保護者も相原保育園の卒園児というご家庭もあり、地域に根付いた存在となっています。
園はJR「橋本駅」からバスで10分、バス停から徒歩5分程の住宅地の中にあります。広い園庭の他に二階には人工芝を張った庭もあり、子どもたちはのびのびと園生活を楽しんでいます。近隣には、多くの畑があり、自然豊かな環境の中で保育が行われています。
園には現在129名が在籍しており、「意欲と思いやりのあるこども」を園目標に、全職員が連携して子どもたちの成長を支援しています。
また、相模原市公立保育園や近隣の私立保育園を含む4園が協力して地域の子育て支援に取り組んでいます。


<優れている点>
1.年齢や発達に応じた遊びなどで、潜在力を引き出し育ちあうことを支援しています
多くの子どもが一緒に過ごすことで、お互いに影響を与え合いながら個々の潜在力を引き出す保育が行われています。子どもたちが育ち合う中で、保育士は常に子どもと関わりを持ち、支えながら保育を進めています。制作の時になかなか進まない子どもには、子どもの作りたいイメージを上手に引き出して出来上がった時の喜びを感じられるように援助しています。保育士は子どもが自己肯定感を高められるように関わっています。出来たところを褒めて次の意欲へ繋がるようにしています。オープン保育の中では、年上の子どもは世話をする喜びや思いやり、年下の子どもは心地よさや年上の子どもへの憧れの気持ちが育っています。
5歳児クラスでは、当番活動を日替わりで行っています。当番活動や手伝いなどを通して、子どもたちは仕事を覚え、人の役に立つ喜びを感じて意欲を持つようになっています。また、子どもの健やかな成長を促すため、戸外で体を動かし遊ぶこと、自然に触れ合う機会も多く取り入れています。定期的に散歩に出かけ、どんぐりを拾ったり、虫などを捕まえ観察しています。トカゲに餌をやり観察し、ザリガニなどを飼育することで、虫嫌いがなくなり生き物の成長を共感することもできました。花や野菜を各クラスで栽培し、成長の過程をじっくり観察出来る時間を設けています。収穫した野菜を使ったクッキング活動や、制作にも取り入れています。様々な活動や経験を通して子どもが持つ能力を自然に発揮できるような保育が展開されています。


2.物事を作り上げる達成感を味わい、日本の文化に触れる機会を作っています
友だちや異年齢の子どもと協力して、「おみせやさんごっこ」で使う品物を作っています。出来上がった品物は皆で見せ合い喜びを共感しています。年上の子は年下の子を気にかけながら、年下の子は年上の子を真似してお手本にして活動しています。
季節の行事を行い、日本の文化に触れる機会を設けています。七夕、節分、雛祭りなど季節の行事を行っています。年齢に合った制作をし、七夕では笹飾りをしています。節分では、鬼やバイキンマンの大きな絵に、丸めた新聞紙を投げて遊ぶなど豆まき遊びを楽しんでいます。
「福笑い」「羽子板」「コマ回し」「凧揚げ」「かるた」などそれぞれの年齢にあわせた正月遊び、伝承遊びを取り入れています。また、「編み物」や「花いちもんめ」なども楽しんでいます。

<独自に工夫している点>
1..個人の自己評価を園全体に展開して保育に活かしています
毎年年度始めに「相模原市立保育園自己評価」を活用して、個人の自己評価を行っています。さらに各クラスで園としての取り組み状況を検討して、9月には、課題・改善点を自己評価検討会で洗い出しています。この反省点を下期の改善対策の検討につなげ、追加する取り組みを検討しています。この対策・評価を継続することが職員の啓発につながっています。
毎年の自己評価のサイクルの中で、全職員参加のもとでチームを組み、保育内容の分析や保育を支える関係資料(マニュアルや記録、業務日誌など)を確認しています。
園内での計画から改善までのプロセス(PDCA)を続けて、第三者による評価につなげています。福祉サービス第三者評価については、自分たちが気付かない点を前向きに取り込めるように職員が事前に勉強しています。


2.子どもたちへの安全確保に、徹底した取り組みをしています
園の保育マニュアルには、「怪我および体調不良児への対応手順」、「事故・怪我等の発生時対応」などで、写真などを使い手順を明確にして、職員が素早く正しい対応できるようにしています。マニュアルの内容を図式化して掲示して徹底を図っています。
毎月に各クラスや園庭、遊具などについて安全チェックリストを使って確認しています。月ごとには「怪我報告書一覧」に発生時間、発生場所、怪我の程度、種類をまとめ職員会議で報告しています。この検討・分析した内容を今後の安全対策立案につなげています。


<改善すべき事項>
1.引き続き園舎内外の改善対策が期待されます
園舎は築年数が経過し老朽化が進んでいる状況ですが、衛生面や温湿度管理などの配慮が行われています。駐車場周辺の掃除などについても、保護者からも評価されています。園の配慮により、子どもが過ごしやすいような環境に努めています。
しかし、老朽化のため、トイレの臭いや玄関の施錠、不審者侵入への対応などに不安を感じる保護者もいます。園でできることは限られますが、匂い、通気などの園舎管理や今以上の防犯対策が望まれます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

相模原市役所の「接遇マニュアル」「保育園の保育」「人権施策推進指針」を基本として相原保育園マニュアルが作成されています。乳幼児の生涯にわたる生きる力の基礎を培うことを目標とした保育方針が職員に徹底されています。子どもの生涯にわたる人間形成について、「保育者としての心構え」を説明しています。保育の基本を訴える村田保太郎氏の「望まれる保育士像」10項目を取り上げて、園目標と連動させ、保育現場で実践されています。


マニュアルには、「子どもたちや保護者への基本的なかかわり」の中で「人権に配慮した関わり」「性差への配慮」も明示され、毎年年度始めの職員会議では、園長から「子どもの人権について」「守秘義務・個人情報保護について」具体的な資料が配布され話し合いが行われています。


相模原市が開催する虐待防止研修には、毎回参加しています。対応が難しい事例など、今後起こり得るケースと考え如何に取り組むべきかを考える貴重な機会になっています。学んだことは、園に持ち帰りまとめて共有化を図っています。子どもたちの命、笑顔のためにできることを、職員全員で考え、保育園の担う役割を再確認しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

家庭との連絡・情報交換の中心は、保護者と顔を合わせてのお話が第一と考え、朝夕の送迎時を大切にしています。朝は職員が駐車場混雑緩和のため玄関に立つなどの配慮をしています。降園時には、当番の職員がその日の出来事を保護者に直接伝える担任と当番の間で準備をしています。直接伝えることができなかったときは、前日の出来事であっても、お会いした段階で報告しています。他に、0〜1歳児は「連絡帳」(毎日)、2歳児以上は「おはようブック」(毎日)、他に「おおきくなあれカード」(2、3ヶ月ごと)を用意しています。 


保育士は、出来たところを褒めて次の意欲へ繋がるよう、また、自己肯定感を高められるように関わっています。3〜5歳のオープン保育では異年齢で関わることで、年上の子から刺激を受け、年上の子と同じようにしたいという年下の子の気持ちを受け止め、チャレンジ出来る環境を整えています。年上の子は年下の子へ優しく関わったり、思いやりや親しみの気持ちが育まれています。


園庭や公園などで見つけた虫も飼育しています。イモリやカブトムシ、ザリガニ、ドジョウなどを飼育し世話をすることで生き物の変化や成長の気付きを共感しています。イモリを初めて見た時は「恐竜の赤ちゃんが来たの?」と驚いていましたが、今では一番の人気者です。

3 サービスマネジメントシステムの確立

園の保育マニュアル「安全保育についての配慮事項」に「安全保育」「清掃」「おもちゃ消毒」「寝具」について方針が明記され、具体的には「安全チェックリスト」を用意して、詳細なチェックが行われています。(調理室・建物設備・保育室・乳児幼児・園庭園庭遊具・その他の6区分)チェックリストは、リストごとに担当者が定められており、月一回全項目がもれなく確認されています。


登園した園児の健康管理については、連絡帳または、おはようブックに記録があり、保護者とも口頭で状況確認をしています。発熱や怪我が確認された場合、マニュアルに従い応急処置を施し、園として状況によっては保護者への連携の要否を、判断し対応しています。


園の保育マニュアルには、「怪我および体調不良児への対応手順」、「事故・怪我等の発生時対応」で、手順を図式化して、緊急時の迅速な対応に役立てています。各月ごとに「怪我報告書一覧」に発生時間、発生場所、怪我の程度が種類がまとめられ職員会議で報告が行われ、今後の対策について話し合いが行われています。

避難訓練は1年間で14回、防犯訓練を4回実施しています。この中には、予告なしで行われる訓練もあり、突発的な事故にも対応できるよう工夫されています。


畑やプランターで様々な野菜を育て収穫しています。収穫したなすが給食に出てくると、子どもたちは「普段のなすよりもおいしい」と喜んでいます。夏野菜カレーのクッキングでは、栽培したじゃがいもを掘り、前日には作り方の工程表を子どもたちと考えながら作成しています。「ニンジンは硬い」「目にしみる」など子どもたちは調理する喜びを五感で感じています。


保護者には平等に接し、意見を尊重し、共に子どもを育てていくというスタンスに立って、コミュニケーションを図っています。お迎え時には、担任でなくても、その日の子どものエピソードを伝えることが十分にできるよう準備して信頼関係を築いています。お知らせボードには、各クラスの「今日の出来事」が貼られ、その日どのように過ごしたかが分かるようになっています。「今日の出来事」は3週間位をまとめているので、1週間前の出来事も見ることが出来ます。園だよりやクラス便りで園の様子、クラスの様子を知らせています。

4 地域との交流・連携

相模原市立保育所子育て広場事業運営要綱に従い年間計画が作成されており、園には地域担当者も配置し、幅広い事業内容できめ細かな対策が取られ、着実な運営を行っています。地域の親子対象育児講座を、公立4園合同で年7回、近隣の公私4園で年3回開催されています。地域担当を中心にした講座も、園外ではありますが目的を絞って数多く開催され地域の親子の子育て支援を行っています。


ふれあい親子サロン(第二金曜・第三火曜)、地域子育て支援講座〜ワン・ツーあそぼ〜(年10回)、コミュニティ保育〜保育士と遊ぼう (年2回)、子どもセンターと共同で、ひよこタイム・キッズタイム(年2回)、公民館での育児講座(年2回)、園内で開催する地域との交流も盛りだくさんに計画し実行しています。園庭開放(日曜祭日を除く毎日)、おたのしみデー(2歳児を中心に、月1回)、ミニ講座(年2回)、誕生会他に、なかよし図書、保育ウィーク、絵本・紙芝居貸し出し育児相談など、専門知識・技能を活かした地域支援事業を展開しています。


地域子育て支援事業を通じて、地域自治会、民生委員、保健師、栄養士をはじめ、子どもセンター職員との交流が行われています。他に近隣の幼・保・小との連携も行われています。地域担当保育士が中心となって、地域の子育て支援をしています。毎日の園庭開放や図書の貸し出し、育児相談も受け付け、離乳食講座も行っています。園内の子育て広場のボードには子育て支援事業のチラシがあり、持ち帰れるようになっています。園内の誕生会にも、地域の子どもが参加し、一緒に誕生日を祝っています。近隣の公私立保育園と合同で公民館等を会場にして、地域の親子や親同士と保育士との交流の場を設けています。親子の関わりなどを観察したり、育児に関する情報提供や悩みなどの相談に応じています。子育て情報誌を作成し、広く育児情報を提供しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

毎年年度始めに「相模原市立保育園自己評価」を活用して園としての取り組み状況を各クラスで検討を重ね確認、9月には、課題・改善点を抽出し自己評価検討会で反省点を洗い出し、下期の改善対策を検討、追加する取り組みを検討しています。この対策を継続することで職員の啓発につながっています。


園の保育マニュアルには、「怪我および体調不良児への対応手順」、「事故・怪我等の発生時対応」で手順を図式化し、かつ月ごとに「怪我報告書一覧」に発生時間、発生場所、怪我の程度や種類がまとめられ職員会議で報告が行われ、今後の安全対策立案に大きな成果を上げています。


子育て支援・ひろば事業は、園としても重要な施策として位置付けています。これらの事業を地域に向けて情報を提供する工夫を常に模索してきめ細かく対策を講じています。園の玄関や掲示板近くに展示し、来園者・見学で来援した方に持ち帰ってもらう、自治会に協力依頼をし回覧してもらったり、子育て支援情報サービスのホームページの掲載、子どもセンター、公民館内のリーフレット掲示などで情報提供を行っています。


年間を通して、保護者が保育参観や行事に参加できるよう「年間行事予定表」を作成配布しています。同時に「園便り」にも記載してPRを繰り返しています。

6 職員の資質向上の促進

相模原市の保育理念・保育目標を念頭に、相原保育園の保育理念・保育目標が定められています。保育目標「意欲と思いやりのある子ども」は市と共通の表現になっています。保育理念・保育目標は年度始めには職員会議で最初に確認され、年度計画の検討が行われています。相原保育園保育マニュアルの冒頭にも、保育理念・保育目標が掲示されていますが、年度の上期には園として、マニュアルの読み合わせを計画(平成29年度は14回に分割して)、実行しています。この研修を通じて理念・目標は繰り返し意識されています。非常勤職員については、基本的事項に絞りますが8月に4回開催し、徹底しています。


市の職員に求められる職員像として「果敢に挑戦する職員」を掲げこの職員像実現のため、職階(能力期)に応じた研修が用意されています。職員は、相模原市が主催する研修を受講すると同時に、園独自の園内研修にも参加しています。園としては平成29年度始めに研修計画(17名に55研修)を作成し、必要研修にはもれなく参加できる体制を整えています。職員の意向や要望を取り入れた外部研修の参加にも対応しています。


実習生受け入れマニュアル、体験学習のマニュアル、小学生受け入れマニュアル、中高生体験学習説明文書などが用意されています。「実習生の皆さんへ」、「中高体験学習の皆さんへ」、「ボランテイアの皆さんへ」、「見学者の皆さんへ」などが事前に用意され、園内に入るにあたっての注意事項などを口頭の他に、きちんと文書で伝える工夫もしています。平成29年度は4月から10月までで、5回12名(大学生2回・3名、中学生3回・9名)を受け入れています。実習生の指導を通して、保育士自身も育って行く機会ととらえて指導しています。

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