かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ねむの樹元宮保育園

対象事業所名 ねむの樹元宮保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 ねむの樹
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 230 - 0004
鶴見区元宮2-5-28
tel:045-580-0015
設立年月日 2015(平成27)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
ねむの樹元宮保育園は保育所待機児童解消のため、横浜市が園舎を建て社会福祉法人ねむの樹が運営を行う認可保育所として、平成27年4月に開設しました。園はJR・京浜急行の鶴見駅からバスを利用、又は京浜急行の鶴見市場駅から徒歩15分の場所にあります。毎日の園庭遊びのほか、近隣には鶴見川が流れ、乳児も歩いて行ける公園や広場などがあり、散歩など園外活動に適しています。
園舎は木造の平屋造りで、広い園庭を備えています。園の利用定員が変動制で、開設年度は60名、2年目は94名で今年度は122名の定員で、現在124名が在籍しています。来年度は137名定員を予定しています。受け入れ体制として通常保育の他に、長時間保育、延長保育、一時保育、障がい児保育を行っています。また、子どもの発達に応じた適期教育の一環とし、毎週専門講師による英語教室と音楽教室を行っています。


≪優れている点≫
1.子どもの主体性、感性を重視した保育に取り組んでいます
園の理念を実現すべく、子どもの自主性や主体性を重視した保育に取り組んでいます。日常の保育や行事に、子どもの発想を積極的に取り入れるようにしており、クリスマス会のオペレッタの練習では、保育士は指示をするのではなく、子どもの意見を聞き、みんなの意思を確認しながら進めています。子どもたちは自分で考え、他の子どもの意見も尊重しながら、主体的に練習に取り組んでいます。朝夕の合同保育の時間は、異年齢の子ども同士が関われるような遊びを用意し、子ども主体の遊びができるように配慮しています。
製作活動では、いろいろな材料を用意し、子どもたちのその時の関心や思いを大切にして、自発的に製作に取り掛かれるようにしています。各保育室のおもちゃや教材は、子どもが自分で取り出して遊ぶことができる場所に配置し、季節や発達、興味に合わせて入れ替えています。
音楽を通じての活動も楽しめるようにしています。毎週1回の音楽教室や日常的に音楽を取り入れ季節の歌、手遊び歌などを楽しみ、音楽を通して子どもの感性や創造性、表現力を育んでいます。職員は、子どもが自発的に関われるような環境を設定し、子どもの主体的な活動や、自由な表現力、子ども相互の関わりを大切にして保育を行っています。

2. 食事を豊かに楽しむ工夫をしています
園庭の一部に畑を作り季節の野菜を栽培しています。子どもたちは、大根・人参・じゃがいも・夏野菜などの、種まきや苗植え、水やりをして、野菜の成長を観察し、成長する過程を学びながら収穫を楽しみに待ちます。収穫はクラスごとに行い、取れた野菜は給食で提供しています。とうもろこしの皮むきや、ソラマメの鞘むきなどを体験して食に関心を持てるように取り組んでいます。ハロウィンのクッキーづくりや、「お泊り会」のカレー作りとパン焼きなどの調理体験も行っています。
給食では、咀嚼の大切さを考慮して、大豆・れんこん・ゴボウなどの食材を積極的に使用しています。子どもたちは「ポークビーンズ」や、「ゴボウサラダ」などをおかわりし、家庭では苦手で食べられない食材も、保育園の献立では食べられる子どももいます。職員は、子ども一人一人の食事量や好き嫌いを把握しており、盛付の量を調整することで完食する喜びを感じられるように配慮しています。3歳児以上は、盛り付けられた食事を自分で運び、主食・汁物・主菜・副菜を適切な位置に配膳できるようにしています。食事や食材に関する絵本や紙芝居、磁石で遊ぶ食育ボードなど、楽しみながら食に興味が持てるような環境設定を行っています。子どもたちが食に関わる体験を積み重ねて、楽しく意欲的に食事に関われるように、計画的な食育活動を行っています。

3.全職員が連携し子どもの育ちを支えています
園長の力強いリーダーシップに加え、新人、中堅、ベテランとバランスよく配置された全職員が連携し、子どもの育ちを支えています。園長は、職員会議などで折に触れ保育の方針や目標に立ち返る話やこんな子どもに育って欲しいという思いを話し、職員の理解を深めるようにしています。
子どもの意見や興味を取り入れながら保育を展開していくため、子どもが自分で考えて意見を出すことを見守り、その思いをくみ取る姿勢を常に持つように努め、職員全員が共通認識のもと保育にあたっています。
2歳児クラス以外はオープンフロアでの活動展開ということもあり、職員は日常的に協力をし合っています。職員会議は職員間での話し合い、意見交換、情報共有など丁寧に取り組んでいることが会議録に記録してあります。職員個々の意見や気づきを職員間で伝え合える良好なコミュニケーション関係があり、意見や気づきなどは日常的に活かされています。職員の意見から、保護者との幼児の個別の連絡ノートを夏用、冬用の2種類を独自に作成しました。また、パソコン内にフォルダを設けて、園行事後の反省、感想のコメントを自由に書き込んでいます。職員間の風通しの良い関係とモチベーションの高さにより、園運営が円滑に行われています。


≪課題や改善することが期待される事項≫
1.利用につながるような地域への子育て支援サービスの提供が期待されます
園の専門性を活かした地域の子育て支援サービスとして園庭開放、一時保育を提供していますが、保育士確保が難しく今年度は実績にはつながっていません。昨年度まで行っていたベビーマッサージ教室についても今年度は未実施となっています。職員配置や在園児への配慮の問題がありますが、今後もニーズの把握に努めながら子育て支援サービスの提供について検討されることが期待されます。

2.保護者の意向・要望への速やかな対応の継続が期待されます
開かれた運営を心がけ、保護者とのコミュニケーションを大切に保護者の意向、要望にできる限り応えていこうとする姿勢があります。保護者アンケートから寄せられた蚊の発生が多いことへの不満に対しては横浜市に働きかけ、具体策を講じています。トイレの床の清掃についても保護者意見から清掃・チェックを1日3回に増やしています。今後も丁寧な取り組みが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

設置法人として「子どもの人権や主体性を尊重し、子どもの最善の為に、」という主旨の保育理念を掲げています。保育方針は、「乳幼児期に最も必要な感性を音楽のあふれる環境の中で育む」ほか4項目を定め、保育目標を「じょうぶで元気な子ども」「色々な経験を通じて、五感を豊かにし想像力をふくらませる子ども」「優しさ、思いやり、勇気、感動を共有できる子ども」「人の話を聞いて、自分の気持ちを言葉で表現できる子ども」とし、いずれも利用者本人を尊重したものとなっています。園長以下職員は日々実践につなげていこうと努めています。


職員は、子どもの気持ちや発言を受け止め、威圧的な言葉遣いにならないように配慮しています。職員会議では、子どもの人格を尊重する姿勢について学ぶ機会を作っており、気になった言葉掛けについては、その場で職員同士で確認しています。


職員が子どもとゆっくり話す必要がある時や、子どものプライバシーを守る時は、子育て支援室や、保育室のフリースペースを使用しています。フリースペースでは、クールダウンが必要な子どもが、友だちや職員の視線を意識せずに過ごすことができるコーナーがあります。


個人情報が含まれる書類は事務室の施錠できるキャビネットで保管し、園長が管理しています。職員が書類を確認する時は、事務室内で行うこととしています。守秘義務については職員会議で全職員に周知しています。保護者には、「個人情報保護について」を配付し、子どもの個人情報の取扱いについて説明し承諾を得ています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育課程は開園時に作成しています。子どもの年齢ごとの発達に一貫性があるか、保護者の状況、周囲の環境に即しているかなど、毎年常勤職員を中心に3月に見直しをしています。年間指導計画を基に、乳児は月間指導計画、週案を作成しています。子どもの思いをくみ取ったり、自分で意見を言ったり、考えることを見守る姿勢を常に持つよう心がけ、子どもの意見や興味を取り入れながら計画を展開しており、柔軟性を持たせています。保護者には入園説明会や年度始めの全体会で園長が話をして、その後のクラス懇談会で、保育課程に基づいたクラスの保育の流れについて説明をしています。


保育内容の遊びでは年齢や発達にふさわしい環境構成に配慮しています。0、1歳児クラス、3〜5歳児クラスはオープンフロアの保育室のため、日常的に子どもたちは関わっています。また全園児が行事の際や毎週英語教室と音楽教室を通じて一緒に遊ぶことの楽しさを感じる機会を設けています。園庭のほか、近隣に公園や広場があり、日々行き先を変えてます。散歩時には走る電車を見たり、鶴見川の魚や鳥を探したり、行き交う人々と挨拶を交わすなど地域を知る体験を取り入れています。


食事、排泄、睡眠については一人一人の発達状況・健康状態や生活パターンを把握・考慮しながら、保護者と連携を取り、家庭との連続性を心がけています。園で提供している食事については、出汁や咀嚼の大切さを考慮して、大豆・れんこん・ゴボウなどの食材を積極的に使用しています。家庭では苦手で食べられない食材も、保育園の献立では食べられる子どももいます。栽培活動、クッキング、食環境整備は年齢発達に応じて実践しています。
個別の連絡帳、送迎時のやりとり、懇談会、個別面談、保育参観、保育参加、園行事など保護者との交流の機会を設けています。園だよりなど毎月の配付物で情報提供をしています。年2回の懇談会ではプロジェクターを使い、毎月のクラスだよりでは、写真で日常の保育や行事での子どもの様子が保護者に分かりやすく伝わるよう工夫しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

全園児に毎月個人経過記録を作成しています。個別の児童票は事務室の書庫で保管管理をしています。必要時には全職員が閲覧可能なほか、職員会議で常に情報共有をしています。進級時は児童票、経過記録を基に申し送り書類を作成し、新旧担任間で丁寧に申し送りをしています。


特に配慮を要する子どもを受け入れる体制を整え、受け入れを行っています。クラス会議のほか、職員会議で各クラスの様子を確認したり、ケース検討を行っています。障害名のある子どもの対応方法など最新情報に関して横浜市東部地域療育センターの研修に職員が参加をし、職員間で共有することで同じ認識で保育にあたれる体制を整えています。


保護者からの意見要望は、懇談会やアンケートのほか、保護者との普段のコミュニケーションを密にすることで把握するよう努めています。園単独での対応が難しい場合は、第三者委員や鶴見区のこども家庭支援課と連携を図っていく体制を整えています。


健康管理・衛生管理・安全管理などに関する各マニュアルを整備し、マニュアルに基づいた対応や研修を行っています。行政、医療機関、児童相談所など必要な関係機関・地域の団体をリスト化しています。

4 地域との交流・連携

地域の子育て支援ニーズに応えられるよう園庭開放(4月、1月除く)、一時保育を行っています。一時保育の登録者はいますが、クラスの園児のお休みに応じた受け入れ体制のため、実績がつくりにくい傾向があります。平成27、28年度は地域向けにベビーマッサージ教室を実施しています。


園の情報は、門前の掲示板、ホームページで知らせています。地域の子育て支援イベント時にはチラシを配布しています。クリスマス会などの行事に、民生委員や自治会長を招待したこともあります。地域の夏祭りの際には、お神輿の御旅所として、園の駐車場を開放しています。新年には獅子舞が来てくれ、地域の伝統行事を経験しています。勤労感謝の日には、お世話になっているお店に、子どもたちが手作りのプレゼントを持って訪問しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

職員が守るべき法・規範・服務規程などは就業規則に明記されており、入職時に説明をしています。就業規則は事務室に常置してあり、いつでも確認ができます。設置法人本部の園長会議で出された課題や事例、新聞やニュース報道などを職員会議で取りあげ、話し合っています。園の経営、運営状況などはホームページで公表しています。


職員には理念・方針を明記した保育課程を配付しています。掲示をし、いつでも確認ができるようにしています。園長は、職員会議で折に触れ保育の方針や目標に立ち返る話やこんな子どもに育って欲しいという思いを話し、職員の理解を深めるようにしています。職員の自己評価チェックシートに理念・方針の理解度についての項目があり、園長・主任は確認をしています。保育士、栄養士、調理担当職員、事務職員、総務担当職員、設置法人本部の職員が日頃から連携を図り取り組んでいます。


主任は、0歳児クラス担任を兼務しながら、園長をサポートしています。職員が円滑に業務にあたれるように個々の職員と関わることを重視しています。職員の様子を見ながら少しずつ指導や助言を行っています。心身の状況把握にも努め、時には園長と職員の橋渡し的な役割も努めています。それらを考慮してシフト表を作成し、園長が確認をしています。


事業運営に影響のある情報は設置法人で収集、分析をしています。保育園運営に関する中長期計画の策定は設置法人本部で行っており、園では単年度の事業計画を策定しています。

6 職員の資質向上の促進

設置法人のキャリアパスに基づき人材の育成に取り組んでいます。園長・主任面談等で職員個々の課題票を用いての話し合いや評価を年3回行い、達成度を確認し、次年度につなげています。職員の研修ニーズに考慮した園外研修、園内研修計画を園長・主任が作成をしています。さらに外部の研修案内を知らせ、希望や内容に合わせて積極的に受講をしています。研修受講後は、研修レポート提出をし、内容によっては園内研修に組み入れて、職員で共有し学んでいます。


年間指導計画、月間指導計画、週・日案(乳児のみ)があり、反省・評価が出来る書式が定型化されています。記録を取る際は、自らの気づきを大切にするよう園長は伝えています。見直し後、次の指導計画に反映しています。振り返りから気づいた課題などは、クラス会議、職員会議で話し合っています。職員一人一人の自己評価、1年の振り返り討議を経て、園の自己評価をまとめています。


設置法人のキャリアパスに職員の経験・能力や習熟度に応じた役割が期待水準として明記されています。可能な限り現場にいる職員が主体的、自発的に判断して保育にあたれるよう権限を委譲し、園長に報告することで最終的な責任を明確にしています。職員の意見や気づきは日常的に取り入れる姿勢があります。職員の意見から、保護者との幼児の個別の連絡ノートを夏用、冬用の2種類を独自に作成しました。また、パソコン内にフォルダがあり、園行事後の反省、感想のコメントを自由に書き込んでいます。

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