かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

まんまる保育園

対象事業所名 まんまる保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 藤雪会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 211 - 0053
中原区上小田中1-29-20
tel:044-920-9700
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年02月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設の概要・特徴>
 まんまる保育園はJR南武線武蔵新城駅から住宅地の中を7分ほど歩いたところにあります。周辺には自然豊かな公園が複数あり、子どもたちの散歩コースとなっています。
 まんまる保育園は平成25年(2013年)4月に社会福祉法人藤雪会によって設立されました。運営法人は、川崎市内で4園の認可保育園を運営するほか、神奈川県内でも認可保育園や児童デイ施設、高齢者施設を幅広く運営しています。
 鉄骨造り2階建ての園舎の床、腰壁には艶が良く耐久性にも優れた紀州杉の無垢材を使用しています。また太陽光発電、雨水利用をするなど環境にも配慮しています。園庭には土管が通った芝の築山が造られていて、子どもたちに大人気です。2階には広々としたテラスがあり、夏には子どもたちがプール遊びを楽しんでいます。定員は80人(5か月〜6歳)開園時間は7時〜20時です。
 保育理念は、「0歳から6歳 生きる根っこの育ちを支えます」を基本に「子どもの権利や一人ひとりの成長を保障した保育」「地域福祉の拠点として機能する保育園運営」「職員相互の連絡を密にし情報の共有化、共通理解・認識のもと業務を進める」として保育運営を行っています。


<特によいと思う点>

1.保育士の見守りのもと、子どもたちは様々な経験をし、主体的に園生活を楽しんでいます
 保育士は子どもの全てを受け入れ、受け止めるようにしています。子どもたちは保育士に優しく受け止めてもらい、素直に自分の思いを言葉や表情で表現しています。幼児になると子どもたちの好きな絵本を自分たちで話し合って劇遊びに発展させるなど、主体的に活動に取り組むことができるように育っています。また、散歩や園外活動で積極的に地域の自然に触れ地域住民と交流しています。5歳児になると電車に乗って法人が運営する高齢者施設まで遠出することもあります。様々な経験を通して、子どもたちは園生活を楽しみ、社会性や科学する目を養っています。


2.チームとして保育に取り組み、職員の運営に対する意識を育てています
 園では、職員が運営の当事者意識を持てるよう園内研修、ヒヤリハット分析、保育実施計画等でチームを編成し、課題に取り組んでいます。ヒヤリハット分析・検討チームでは、職員が記載したヒヤリハットを毎月集計して分析し、未然に防ぐための事例検討をしています。検討結果は全体ミーティングで報告して職員間で共有し、園全体で改善に取り組んでいます。また、全体ミーティング、保育ミーティング、朝夕の申し送りなどで情報共有を密にしています。このような取り組みの通じて、職員間のチームワークを育て、園の改善につなげています。


3.地域の福祉拠点として、「地域で子どもが育つ・育てる」ことを積極的に支援しています
 園は「地域の福祉拠点として機能する保育園運営」を保育理念に掲げ、積極的に地域の子育て支援に取り組んでいます。子育て支援事業としては、一時保育、園庭開放、「母乳ケア&ママサロン」(助産師と連携して実施)、「絵本のすすめ」や「離乳食講座」などの子育て支援講座、育児相談(随時)を実施しています。地域の民生委員が主催する「子育てサロン」に保育士が出向いて遊びの提供などをしています。次世代育成として、保育の実習生のほか、中学生の職業体験や高校生の保育業務体験などを受け入れています。


<さらなる改善が望まれる点>

1.将来の管理職育成に向けたプログラムを作成し、育成に取り組まれることが期待されます
 開園からの5年間、園は中長期計画に明記された人材育成に基づき、リーダークラスの育成に力を入れてきました。クラス運営やチームでの課題解決への取組、園内研修などを通して育成してきた結果、リーダー集団の中でコアとなるメンバーが育ってきていて、将来の後継者育成が次の課題となっています。今後に向けて経験や能力に応じて求められる役割や能力、責任を明確化して職員に呈示するとともに、副園長、主任などの管理職クラス育成に向けたプログラムを作成し、更に計画的に取り組まれることが期待されます。


2.園の安全対策の再確認行うとともに、保護者理解を促し更なる安心につなげることが期待されます
 入口の門、玄関は施錠し、職員が確認をしたうえで開錠しています。また、防犯カメラ2台を設置し、事務所のモニターで確認しています。園内研修では、不審者対応に向け園内だけでなく園外、公園、電車時など様々な想定で見直しをしています。保護者からは、全体的に満足度が高い中で園の安全対策についての意見もありました。再度園の体制を見直すとともに、安全対策への取り組みについて保護者に説明をし、実施状況を周知するなどして、今後は保護者がより一層安心できるような安全対策についての取り組みが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

園は、運営方針に「子どもの権利を保障し、一人ひとりの成長を支える保育を行います」を掲げ、子ども一人ひとりの発達や個性を大切にしています。入職時の研修や園内研修、職員会議などで取り上げるとともに、子どもへの関わり方や呼称、言葉遣いなど、保育士のあるべき姿を51条の「心得」にまとめて配布し、周知しています。保育士は子どもの表情や言葉等で子どもの思いや要望を把握し、全面的に受け止めるように努めています。子どもを注意する時にも、否定的な言葉を用いず、子どもが理解できるような言葉で話すようにしています。


入園時に個人情報の取り扱いについて重要事項説明書を用いて保護者に説明し、同意書を得ています。子どもの写真に関しては、「写真に関するアンケート」で写真を撮ること、園便りなどへの掲載、写真販売、ホームページへの活用など使用範囲ごとに同意を得、個々に合わせた配慮をしています。アンケートは一時保育の利用者に対しても実施しています。また、就学に向けて小学校に情報を提供するなど、個別に外部に情報提供する場合には、園の考えを保護者に説明し同意を得ています。


保育士は一人の人格を持った人間として子どもに接するよう努めています。おもらしをした子ども等に対しては他の子どもに気付かれることがないようさりげなく他の場所に誘導したり、着替えの時にはカーテンを閉めるなど、子どもの気持ちへの配慮をきめ細かにしています。また、活動に参加したくない子どもや苦手な食材で食が進まない子どもに対しては、強制することなく子どもの気持ちを受け止めた上で子どもが自分からやりたくなるような声掛けを工夫しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育参観や給食会などで保育の状況を保護者に把握してもらい、クラス懇談会や個人面談で意見を聴く機会を設けています。クラス懇談会では、「他の保護者に聞いてみたいこと、困っていること、話し合ってみたいこと」を出してもらい、出た意見を記録に残しています。そして、行事の後や年度末に保護者アンケートを実施しています。アンケート結果については、集計して今後の運営に活かしています。運動会については、アンケートでの要望を参考に、開始時間や開催場所について翌年から変更を行いました。


保育士は余裕をもって配置し、必要に応じて一部の保育士が担当以外のクラスのサポートに回っています。このことで、他の子どもと遊べない子どもなどにも臨機応変に対応できるようになっています。子どもたちはブロック遊びなど、ルールのある遊びを通して、友だちと協力することを学んでいます。また、4、5歳児の混合チームを2つ作っておみこし作りを競うなど、異年齢で団結する機会も作っています。運動会では、それぞれの子どもが「跳び箱3段飛ぶ」などの目標を掲げて主体的に取り組んでいます。


保育士は、保護者との日ごろのコミュニケーションを大事にし、登降園時に必ず保護者と話すようにしています。全クラスで連絡帳を使用し、2歳児までは決められた書式のもの、3歳児からは食事、睡眠、その他の様子を小型のノートに書く形をとっています。基本的な生活習慣の習得については、毎日の積み重ねで少しずつできるように、できたことをほめて次のステップへとつなげています。例えば着替えでは、ボタンのはめ方がずれていたら「こっちにボタンが来たらもっとかっこいいよね」と肯定的なアドバイスをしています。


給食の献立には、毎月、行事食を提供、また、世界のメニュー、苦手な野菜を楽しく食べるための「物語にちなんだメニュー」を盛り込んでいます。離乳食については、入園面接の記録も参考に初期・中期・後期のメニューを決めますが、入園直後に離乳食ミーティングを特に頻繁に行い、調整を図ります。また、個人経過記録を作成し、嚥下、そしゃくなどの生理機能に配慮して、軟飯やきざみなど、個人に合わせた形態で提供しています。アレルギー除去食は、トレイ・食器・食札で誤食を防いでいます。


外出にあたっては、子どもに活動の際の注意事項や交通ルールを前もって教えるとともに、公園や途中の道の段差や壁の突起物などを記した「お散歩マップ」を各クラスで作成し、それぞれの年齢で想定されるリスクをチェックしています。汚れてもいいように、外出用の靴は登降園用の靴と分けています。健康管理は「健康管理年間計画」に沿って進めています。乳幼児突然死症候群(SIDS)を防ぐため、午睡中の健康チェックを決められた時間ごとに全クラスで行い、実施者名も記録に残しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

ホームページやブログで保育園の情報を提供し、見学者に対しては、法人と保育園両方のリーフレットに加えて、イベントのお知らせを渡しています。また、入園前の面接時に、「まんまる保育園面接記録」という様式を使用して、一人ひとりの子どもの個性の把握に努めています。慣らし保育は0歳児の場合と1歳児以降の場合の2パターンを用意しています。5歳児については、近隣の小学校との交流を年4回行っています。保護者には、保育士が小学校の授業参観や懇談会に参加して得た情報を伝えています。


保育所保育指針、園の保育課程に基づいて年間指導計画を作成しています。年間指導計画に基づいて、月間指導計画と各週の指導計画を作成しています。0歳児クラスの年間指導計画は他のクラスのものと違い、1年間の各時期の計画に加えて、子どもの月齢に応じた発達の過程や環境構成と援助などを記す欄があります。また、2歳児までは、月間個別指導計画表を作成しています。3か月ごとの活動内容を製作や運動、わらべうたなどに分けて記す「保育実施計画書」を開園3年目からチームで検討し、今年度から使用しています。


園内研修で、応急手当、危機管理、心肺蘇生、不審者対策などをテーマとして取り上げています。また、「施設安全点検チェック表」に基づき、施設の施錠や火気、器具の損傷などの点検を毎日行っています。ヒヤリハットは、ヒヤリハット事例検討チームが月ごとに集計し、公園ごと・修理が必要なもの・対処の必要な事例などに分類して対応しています。事故が起こった場合は、事故発生報告書・事故対応経過記録表に記録しています。毛虫の発生など緊急性の高いヒヤリハットや事故は、すぐにミーティングで周知しています。


重要事項説明書に苦情受付担当者名、苦情解決責任者名を載せています。また、「ご意見・ご要望の解決のための仕組みについて」という印刷物を配布し、苦情解決責任者で解決する場合、第三者委員が立ち会う場合、直接第三者委員に相談する場合を図示しています。第三者委員の氏名、連絡先については、その印刷物のほか、重要事項説明書及び園の掲示でも告知しています。法人で「苦情解決に関する規程」、園で「『苦情申出窓口』設置要綱」を作成しています。

4 地域との交流・連携

園は、地域福祉の拠点として機能する保育園運営を目指していて、地域に向けた育児支援を積極的に行っています。園の情報をホームページとブログ、園外の掲示板、見学者へのパンフレットの配布などで提供するとともに、一時保育や行事のチラシを中原区役所や子ども文化センター、地域の小児科医、町内会の掲示板などに置き、情報提供しています。また、地域住民を夏祭りや運動会などの園の行事に招待しています。


子育て支援としては、一時保育、園庭開放、「助産師さんの母乳ケア&ママサロン」(助産師と連携して実施)、子育て支援講座を実施しています。一時保育のクラス(にじ組)では、重度の障がい児も受け入れていています。子育て支援講座は、「絵本育児のすすめ」「家庭でできる応急講座」「手作りおもちゃ」等のテーマで実施し、育児相談、調理、試食を交えた離乳食講座(前期、中期、後期)は好評です。また、中学生の職業体験、高校生の保育業務体験、小学生(卒園児)の保育の手伝いを受け入れるほか、卒園児と5歳児の交流会も行っています。


中原区園長会、民生委員・主任児童委員との懇談会、小学校校長との懇談会、地域支援担当者会議などに施設長や職員が参加し、地域の福祉ニーズを収集しています。また、子育て支援講座や「母乳ケア&ママサロン」の参加者へのアンケートを実施し、子育て支援のニーズを把握しています。保育士は地域の民生委員が主催する「子育てサロン」に出向いて遊びの提供などをしています。また、中原区民祭や町内会のイベントに保育士や子どもたちが参加しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

理念や方針を園のパンフレット、入園のしおり、保育課程に掲載し、年度初めの全体ミーティングで読み合わせをし、全職員で確認しています。施設長は保育の様子を見て回るとともに、指導計画や日誌をチェックし職員が理念や方針を理解しているかを確認し、必要に応じて指導やアドバイスをしています。また、職員との日々のコミュニケーションの中でも確認しています。保護者に対しては、3月のクラス懇談会で、担任が年間計画や保育の内容について具体的に説明し保護者の理解が深まるようにしています。


中長期計画には、理念や方針に基づいた中長期的な事業展開が具体的に記載されていて、年度ごとの事業計画策定時に、進捗度をチェックしています。ミーティングで出た職員意見や職員アンケート、チームからの意見等から抽出された課題を基に、施設長が年度ごとの事業計画を策定しています。事業計画のエッセンスを事業運営方針としてまとめ、年度初めの全体ミーティングで非常勤職員を含む全職員に配付し、説明しています。保護者に対しては、5月のクラス懇談会で配付し、クラス担任がクラスの運営方針を説明しています。


園では、園内研修、ヒヤリハット分析、保育実施計画などのチームを編成し、チームで改善に向けて取り組んでいます。例えば、ヒヤリハット分析・検討チームでは、職員が記載したヒヤリハットを毎月集計して分析し、未然に防ぐための事例検討をしています。検討結果は全体ミーティングで報告して職員間で課題を共有し、園全体の問題として改善に向けて取り組んでいます。施設長は業務企画会議や全体ミーティングを主宰し、運営や業務の効率化に向けて指導力を発揮しています。

6 職員の資質向上の促進

研修計画に園の研修への姿勢を明記し、計画的に園内研修、外部研修、法人研修を実施しています。園内研修は、園内研修担当チームで必要な研修内容について話し合い、応急手当、子どもの人権と言葉かけ、危機管理、事例検討などのテーマで毎月実施しています。職員は、法人内研修に該当する職員が参加するほか、川崎市や中原区、白峰学園保育センターの外部研修に積極的に参加しています。外部研修に参加した職員は、研修報告書を提出するとともに、必要に応じてミーティングで報告しています。


施設長は、日々のコミュニケーションや個人面談を通し職員一人ひとりの体調や精神面、就業状況、家庭の状況などを把握するように努め、シフトを調整するなどの配慮をしています。職員の人間関係を見ながら、リーダー保育士やコミュニケーションを多く取っている保育士を通して気持ちを聞くこともあります。また、ミーティングや意向調査のアンケートでも職員の意向を聞いています。職員からの声を基に、保育士を加配するなどの改善に取り組んでいます。

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