かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

くすのき保育園(2回目受審)

対象事業所名 くすのき保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 横浜道友会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 245 - 0053
戸塚区上矢部619-10
tel:045-815-0415
設立年月日 2004(平成16)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
 「くすのき保育園」は社会福祉法人 横浜道友会が平成16年4月に開設した横浜市戸塚区内の認可保育所です。近くには同一法人が運営する「くすのき第二保育園」も開設しています。園は戸塚駅からバスで15分程のところにあります。両岸に遊歩道のある阿久和川のほとりにあり、自然に恵まれた環境にあります。
 園の定員は90名で、現在104名の利用となっています。生後2ヶ月から就学前までの子どもを受け入れ、延長保育、一時保育、障がい児保育を行っています。職員は園長、主任、看護師、保育士、栄養士、事務員の37名となっています。
 園の理念は「子どもは国の宝であり、日本の将来を担う財産である。子どもの最善の利益を考慮し人権や自主性を最大限に尊重する。また、保護者や地域の子育てに対する支援も行い保育所としての社会使命を果たす」です。さらに2項目の保育方針、4項目の保育目標を明文化して保育を行っています。


≪優れている点≫


1.絵画や遊びを通して、子どもが気持ちを表現できるようにしています
 クラス内には大きな紙に、子どもがそれぞれに描いた力強い絵が飾られています。5歳児クラスでは外部講師による絵画教室を実施して、子どもたちは自由に表現することを楽しんでいます。園内の各所にコーナーを設けて自由に遊べるようにして、遊具も発達に合わせ整えています。乳児には音の出るもの、指先でつかみやすく柔らかいものなどを職員が作り、自主的に取り出せるように配慮しています。また、子どもは箱いっぱいに入った廃材を欲しいときにもってきて、自由に遊ぶ機会もあります。
 卒園児の絵画制作では大きな壁画を全員で描き、卒園記念作品として園庭のフェンスに飾っています。各年度の卒園児が描いた大きな壁画10枚が園庭を飾っています。壁画の明るく楽しい雰囲気が園庭をより一層楽しくし、子どもの自由な表現の現れとなっています。この活動は保護者からも評価され、遊びや生活に対する保護者の高い評価につながっています。園では絵画や遊びを通して、子どもたちが自分の気持ちを自由に表現できるような保育を行っています。


2.自然に恵まれた環境を生かして体力づくりを行っています
 園は阿久和川に面して建てられています。川の両岸は車の入ってこない遊歩道になっており、地域の散策コースとなっています。子どもたちはクラスごとに散歩に出かけ、楽しく体を動かしています。遊歩道を使ってのマラソンに取り組み、往復した際にもらえるマークをマラソンカードにつけて、マークが増えることを楽しみながらやる気につなげています。年長児になるに従い走る距離を伸ばすことで体力づくりになるとともに、だんだんと長い距離を走れるようになることで子どもの自信にもつながっています。また、3歳児以上では体操教室を毎週開催して、クラスごとに跳び箱、マット運動などの指導を専門講師から受けています。
 周囲の恵まれた自然環境で遊ぶほかにも、遊具を備えた園庭、夏には大きなプールも設置できる中庭、走り回れる屋上のグランドもあります。子どもが楽しく十分に体を動かせる環境があり、さらに専門的指導が子どもたちの体力づくりにつながっています。


3.地域への貢献や交流を通じて地域の理解と子どもの生活を充実させています
 園に隣接して広場があり、そこで地域の夏祭りが開催されます。夏祭りには園の照明を広場に向けて照らし、園の水道提供やトイレの使用などの協力を行っています。地域への子育て支援ニーズに応じて、園庭開放や交流保育、育児講座を行っています。交流保育では、園の「サイエンスショー」など年3回の園行事に地域の方も参加してもらっています。育児講座は年4回、主任保育士や看護師が講師となって講座を開設して相談にも応じています。また全国的なイベントに園が応募して、地域の参加も得て地域と一緒に楽しんでいます。
 近隣の保育園とも年長児は交流を図っています。近隣にある同じ法人内の園とは、クラスごとに移動する交換保育や交換給食により異なった園での保育も体験しています。子どもが他園の体験や地域の子どもが参加する経験を通じて子どもの生活の充実につなげています。


≪課題や改善することが期待される事項≫


1.園舎での4S(整理整頓清潔清掃)や衛生管理の徹底が期待されます
 園舎の入口エントランスは吹き抜けになっており、陽光が十分に入り明るく開放的な雰囲気が広がっています。2階の廊下側も吹き抜けにより、明るく開放感のある造りになっています。
園での衛生管理については、個別に調理室の衛生管理や嘔吐処理、感染症対策などにマニュアルを作り取り組んでいます。また、園では感染症対策には十分に注意を払い、工夫を重ねて対策に取り組んでいます。
 しかし、園舎の構造により清掃に手の届きにくい所もあり清掃が徹底しづらくなっています。また、保護者からの好意による寄付の遊具も豊富にあり、保育室の一部に積み上げられた状態になっています。ホコリや汚れは子どもへの健康にも影響があります。緊急時などの子どもの安全確保のためにも4S(整理・整頓・清潔・清掃)を徹底することが期待されます。また、マニュアルは個別の衛生管理をまとめて、園舎全体に及ぶ衛生管理マニュアルとして整備し、そのマニュアルに沿ってチェックした結果を記録として残す仕組みづくりが期待されます。


2.地域の協力を広げボランティアの育成が望まれます
 園のイベントなどでは地域との協力を得て開催し、地域の方が参加する関係ができています。また、散歩などで地域の人たちとの交流も多くあります。
 しかしボランティアの申し込みは少ない状況で受け入れ実績も多くありません。ボランティア側からの問い合わせに応じるだけではなく、積極的に参加を募るなどして実績につなげることが望まれます。ボランティアの園活動への参加により園の運営も広がります。園庭の花や木の世話、簡単な用務仕事などにボランティアが参加することにより、子どもたちの社会生活にも広がりが生まれます。
 今後は積極的な受け入れの取り組みが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

職員は保育の振り返りを行い、保育中の子どもの呼び方や注意の仕方などについて確認しています。どのような意図で話したか、感情的になっていないかを話し合っています。慌てたり、急いで急かしたりしないような時間配分の配慮をしています。子どもの人格を辱めるようなことがないように、職員が全体会議で確認しお互いに注意し合っています。  


個人情報の取り扱いを定めた「個人情報保護方針」を定めて、職員等で周知しています。ボランティアや実習生にもオリエンテーションで伝えています。個人情報に関する記録は施錠できる場所に保管、管理しています。電子データ(SDカード)や児童票は保管場所を指定して、所在が分かるように管理しています。写真の掲示の際にも、保護者にアンケートにて承諾を取っています。


遊びや行事の役割、持ち物などで性別による区別はしていません。順番や整列なども性別による区別をしていませんが、ちょっとしたグループ分けに男女を使うことがあります。役割・役決めは性別に関係なく個人の意見を尊重して決めています。無意識に男女の差で分けていないかを職員同士で確認しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

年度初めに懇談会を開き、保護者が保育の基本方針を理解できるよう説明をしています。園の手引きを配布し、ホームページでも保育理念・基本方針を載せています。行事ごとのアンケートのほかに、年度末に園の自己評価を示してアンケートで理解状況を把握しています。アンケートでの質問・要望には対応状況を告知しています。保護者に対しては、全体会または懇談会などで説明する機会を設けています。


保育内容など子どもの園生活に関する情報を、写真に載せた月一回発行のクラスだよりで提供しています。またクラス前に写真などを載せた日常の保育の様子も掲示しています。懇談会などで、日常の保育状況をビデオ放映したこともあります。卒園会のビデオ、発表会などの行事には写真を専門の方に撮影してもらい、希望者にはその情報を提供しています。


年度が始まる前に年間行事予定を配布して、保護者が参加しやすいように配慮しています。年に二回の保育参観・参加週間を設けています。保護者に参加日を選んでもらい、クラスごと3、4人になるように調整して、日常の活動や絵画教室などを見て、保育に参加してもらっています。子どもの状況に対応して保育参加は幼児のみとして、乳児は保育参観としています。誕生会には保護者も参加でき一緒に祝えるよう配慮しています。誕生会後に保護者と一緒に退園する場合を配慮して、給食の誕生会メニューは翌日に実施しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

新入園児の慣らし保育については、新入園児説明会、面接の中で「慣らし保育」についてで説明をしています。慣らし保育の期間は保護者の都合も考慮していますが、入園後の子どもの様子を見たうえで、保護者と相談しながら実施をしています。子どもの心のよりどころとなる物の持ち込みにも対応しています。保護者とは連絡帳や送迎時の会話を通して子どもの様子を毎日詳しく報告し合い、子どもの生活が家庭と園とで無理なく連続するよう配慮しています。進級時にはクラス担任のうち基本的には一人が持ち上がるようにして、子どもの不安軽減に配慮しています。


配慮を必要とする子どもの保育にあたっては、職員会議の中で情報を共有し、適切な対応ができるよう話し合い、園長や主任がアドバイスをしています。また職員は、横浜市や戸塚区、横浜市戸塚地域療育センターなどが主催する研修に参加したり、子どもが通っている地域療育センターの施設見学や、研修を受講するなどして、支援に必要な最新の情報を学んでいます。研修終了後、報告書は資料とともに職員間で回覧し、情報を共有して保育に活かしています。個別の子どもに関する情報は、取り扱いに十分注意するとともに、子どもにかかわる職員がいつでも確認できるよう、個別ファイルとして事務室に保管しています。


重要事項説明書」に、苦情相談窓口として苦情受付担当者は主任、苦情解決責任者は園長、そのほかに第三者委員2名の氏名と電話番号を記載し、保護者に伝えています。園内にある苦情解決体制の掲示には、さらに権利擁護機関の「かながわ福祉サービス運営適正化委員会」の連絡先も明示し、直接苦情が申し立てられることを保護者に知らせています。園長、主任は保護者とのコミュニケーションを大切にし、話しやすい雰囲気作りにも努めています。保護者からの口頭での要望や、相談には必要に応じて面談を行い、意見や要望を聞いています。保護者から意見や要望を受け付ける「ご意見箱」を設置しています。

4 地域との交流・連携

「とことこフェスタ」などのイベントに参加して、戸塚区の関係団体との交流を増やしています。育児講座に参加した際にはアンケートも実施して、地域の孤立している家庭の状況等を把握しています。看護師、栄養士、保育士で話し合い、交流保育(年3回)、子育て支援・育児講座(年1回)などの企画・実施を行っています。専門職の意見を盛り込み、離乳食講座、身体測定、スイカわりなどを実施しています。また、地域の「アクワフェスタ」の河をきれいにする活動について話し合い、ごみ拾いなどを散歩のときに実施しています。


園の前の広場では地域の夏祭りが盛大に行われます。その際には園の照明を広場に向け、園の水道やトイレを開放して協力をし園の理解促進に努めています。保育所の行事であるもちつきや運動会、発表会リハーサルには地域の方の協力を得るとともに参加してもらっています。地域イベント「アクアフェスタ」に参加して園の情報提供も行っています。中高生の職業体験やインターンシップの受け入れを行い、保育を知ってもらう機会になっています。


地域の高齢者施設やリハビリセンターへは年間予定を組み、訪問して交流しています。園に面する川の両岸は散歩道のため、散歩の際に多くの人と交流する機会があり挨拶などを交わしています。近隣の保育園とは年長児の交流を行っています。同じ法人運営の園が近くにあるため、相互交流を行っています。クラスごとに行きかい交換給食や保育を異なる園で実施して子どもの生活の充実につなげています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

園としての自己評価を作成して職員で共有しています。個人の自己評価は公開していませんが、園の自己評価を公開しています。自己評価は常に玄関に設置して保護者などが見ることができるようにしています。


園や職員が守るべき法・規範・倫理等を就業規則に明確にして配布しています。また「全国保育士倫理要綱」を掲示して職員で確認し合っています。職員マニュアルを配付して職員が守るべき事項を周知しています。


理念・基本方針を明文化したものを職員に配付しています。保育目標は各クラスに掲示して職員が常時確認しています。園の保育理念や基本方針等について保育課程に入れて、毎年見直しをしています。理念などを職員が理解して保育を行っているかを園長・主任が、採用時およびその後は毎年に面談で確認しています。


法人の理事会、評議員会に園長が出席して、保育環境の変化等に関する情報を収集しています。また、園長会や看護師会などで得た情報は全体会議などで職員に伝え、話し合って確認しています。職員から出る業務改善の提案はみんなで話し合い実施につなげています。提案により全職員が横浜市防犯メールに登録することにもつながりました。

6 職員の資質向上の促進

計画的に職員の自己評価を行い、職員の自己評価を保育所の自己評価につなげています。年を4期に分けて園で自己評価を行う仕組みにしています。外部からは地域の療育センターに必要に応じて巡回してもらい、専門的な指導を受けています。園では公開保育を行い、公立保育園や小学校からの見学や相談でアドバイスをいただいています。


理念・方針を踏まえた保育を実施するために、人材育成の計画を策定しています。職員の希望をもとに必要な研修を受けるようにしています。年度始めに自己評価を行い目標・ねらいを分析して次の計画に反映しています。年に2度職員は園長・主任と面談をして、意見交換を行い評価しています。


人事考課表の中で、職員の役割や能力などを明記しています。しかし権限移譲は明記されておらず、現場の職員が自主的に判断できるようにはなっていません。定期的に開催される時期と参加者を明確にして、代表者会議、月案会議、全体会議と分けて参加者が話し合いの機会としています。

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