かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

丸山台保育園(2回目受審)

対象事業所名 丸山台保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 白百合会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 233 - 0013
港南区3丁目16-1
tel:045-843-7986
設立年月日 2004(平成16)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
丸山台保育園は、横浜市営地下鉄ブルーライン上永谷駅から歩いて7分ほどの住宅街の中にあります。向かいには、横浜市立丸山台小学校と自然豊かな籠森公園があります。
 丸山台保育園は昭和56年(1981年)4月に横浜市によって開設され、平成16年(2004年)4月に社会福祉法人白百合会に民間移管されました。運営法人は他に横浜市内に4園、保育園を運営しています。
 鉄筋コンクリート造2階建ての園舎は築35年以上たっていますが、手入れや清掃が行き届いています。広々とした園庭には、滑り台やジャングルジムなどの遊具やプールの設備があります。
 定員は107人(産休明け〜5歳児)、開園時間は平日(月曜日〜金曜日)が7時〜20時、土曜日が7時〜18時30分までです。
 保育理念は「子どもの最善の利益を求める『子どもの権利条約』を遵守し、児童憲章、児童福祉法を守り発展させる」「保育を必要とする乳児・幼児は養護・教育し、すべての子どもの発達を保障する」「地域社会で子どもの育ちを最優先する立場から、施設開放、子育て中の育児不安等の相談など保育所を地域社会の有用な社会資源として活用を図る」「激しく変化する社会のなかで保育に対するニーズは複雑化し、さらに多様化しつつある。このニーズに応えていくことのできる広い社会的視野にたち、たえず保育内容の改善をすすめる」、園目標は「元気に遊べる子ども」「自分を表現し、工夫し、考える子ども」「仲間と共感しあう、心豊かな子ども」です。


◆高く評価できる点
1、子どもたちは素直に自分の思いを表現し、園生活を楽しんでいます
 園は「自分を表現し、工夫し、考える子ども」を目標に掲げ、子どもの思いや興味、やりたい気持ちを大切に保育しています。活動前には、乳児であっても何をしたいかを問いかけ、子どもの声を聞いて柔軟に活動に取り入れています。言葉でうまく表現できない子どもには、選択肢を示したり、子どもの態度や反応を言葉にして返し確かめたりしています。保育士にたくさん話しかけてもらい、自分の思いを引き出してもらっているので、子どもたちは素直に自分の思いを言葉や態度で表しています。
 乳児は、クラスを小さなグループに分け、子どもが月齢や発達に応じて落ち着いて活動できるようにしています。幼児になると自分たちで活動内容や方法などを話し合いで決める機会を作り、集団で遊んだり、競い合ったりする楽しさやルールを守ることを学んでいます。自由遊びの時間には、一人でお絵かきをしたり、二人あるいは数人でトランプやブロック遊び、ままごとをしたりと、自由に好きなことをして遊び込んでいます。できたあやとりを写真にとって掲示することで、子どもたちが難しい作品を作ろうと頑張ったり、オリジナル作品の開発に挑戦したりするなど、保育士は子どものやりたい気持ちを後押しするよう環境構成を工夫しています。
 また、晴れていれば毎日のように近隣の散歩に出かけ、季節の自然に触れ、地域住民と交流しています。散歩先も1歳児の近隣のブラブラ散歩から幼児の長い距離を歩くことに挑戦する遠い公園への散歩、畑の様子を観察するための散歩と、目的や子どもの発達、興味に合わせて距離や行く先を決めています。
 食育にも力を入れていて、野菜を栽培して収穫して食べたり、毎日の給食の下準備の手伝いをしたり、給食の一品を一皿盛りにして食卓で取り分けたりなど、様々な工夫をし、子どもが食に興味を持ち、給食を楽しめるようにしています。
 このような、様々な取り組みを通し、子どもたちは自分らしく、のびのびと元気いっぱいに園生活を楽しんでいます。


2、保育士は、目指す保育の実現に向け、連携して保育にあたっています
 運営法人の定めた「しらゆりの保育」(保育実施要領)には、基本理念や保育方針、保育目標や人権保育などが記載されていて、職員に配付するとともに、初任者研修時に周知しています。また、職員会議や10分ミーティングでも折に触れて理念を取り上げています。職員は、毎年自己評価票を用いて自己評価をし、自己の保育が理念や方針に沿っているか確認しています。また、指導計画や日誌にも自己評価の欄があり振り返りができるようになっています。日誌は日案(1日のスケジュール)と一緒になっていて、一人一人の保育士が自己評価を記入する欄もあり、個々の自己評価を基に皆で話し合い、クラスの自己評価をする仕組みとなっています。
 研修も盛んで、園内研修係が中心となって研修テーマを決め、心肺蘇生法や嘔吐処理、研修発表会などの園内研修を年5回ほど実施しています。また、運営法人の研修、横浜市や港南区などの外部研修にも参加しています。運営法人の同年齢別実地研修や港南区上永谷地区の実地研修で他の保育園を見学する機会があり、保育士は気づきや他園の良い事例を積極的に保育の現場に取り入れています。
 このように保育士は自己研鑽に励むとともに、目指す保育について方向性を共有し、連携して保育に当たっています。


3、地域の施設として、地域との良い関係が築かれています
 園は、保育理念に「地域社会で子どもの育ちを最優先する」ことを明記し、地域との良い関係を築いています。
 地域への子育て支援としては、園庭解放、一時保育、交流保育、育児相談などを実施しています。育児講座として離乳食、乳児食について学び試食する給食試食会を開催し参加者の育児相談にものっていて、好評です。また、小学校教諭を講師に招いての「就学に向けての懇談会」も開催しています。
 毎年、子どもたちが向かいの籠森公園で地域の公園愛護会の人々と共にひまわりを植える活動をしたり、地元の商店会や自治会主催の夏祭りに子どもたちが提灯の絵を描いて参加するなどし、地域との友好な関係を築いています。日常的にも、地元の商店に子どもたちがクッキングの食材や野菜苗を買いに行ったり、毎日のように散歩をしたりと、子どもたちが地元住民と交流する機会は多くあります。観察時にも、消防署の職員が子どもたちに消防車を見せてくれたり、近隣の人が子どもに声をかけたり、道を譲ってくれたりと、子どもたちが地域に優しく見守られ、様々な経験をしている様子を見ることができました。
 このように、園は地域の施設として、確実に根付いています。


◆改善や工夫が望まれる点
1、保護者との連携を深めるための工夫が期待されます
 園は、連絡ノートや登降園時で保護者との会話でコミュニケーションを取るように努めています。懇談会は年3回実施し、年度初めにはクラスの目標やねらいについて、秋には成長の確認を、年度末は次年度に向けた説明をするなど、クラスの様子を丁寧に伝えています。
 ただし、個々の子どもの様子をもっと知りたいという保護者の要望に応えるには、個人面談は希望者に対してのみ実施するなど園からの働きかけは少なく、今回の保護者アンケートでもうかがうことが出来ます。保護者ニーズを聞き取り、個人面談を全ての保護者に働きかけて子どものエピソードを伝え保護者の悩みを聞くなど、さらなる取り組みが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・園目標は「元気に遊べる子ども」「自分を表現し、工夫し、考える子ども」「仲間と共感しあう、心豊かな子ども」で、利用者本人を尊重したものとなっています。
・児童虐待対応マニュアルがあり、全職員に周知しています。虐待が明白になった場合や疑わしい場合、見守りが必要な場合には、港南区こども家庭支援課や横浜市南部児童相談所と連携しています。
・運営法人で定めた「しらゆりの保育」があり、保育に関わる職員の行動規範や、人権保育を行う役割等について明記しています。この冊子は初任者研修時に職員に配付しています。
・個人情報の取り扱い及び守秘義務については、運営法人で定めた個人情報保護方針規定があります。初任者研修で用いる資料、「しらゆりの保育」にも明記し、全職員に周知しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・保育士は態度や表情、反応などから子どもの意向を汲み取り、言葉にして返し確認しています。言語化できる子どもからは意見や要望を聞いています。「カラスのパン屋さん」を読んだ子どもたちの声でクッキングでパン作りをするなど、子どもの意見ややる気を指導計画に反映しています。
・毎年、3〜5歳児クラスの異年齢保育期間(今年度は2週間)を設定しています。また、他クラスと一緒に散歩に行ったり5歳児が2歳児クラスの午睡あけの着替えを手伝ったりするなどの交流は日常的に行っています。
・天気の良い日はほとんど毎日、散歩をプログラムに取り入れています。近隣には公園も多くあり、子どもの発達に応じた距離設定や遊びの選択をしています。
・子どもが「食べる」ことに関心や興味を持つように、年間食育計画を立て様々な取り組みをしています。例えば毎日の給食の下準備手伝いや、給食の一品を一皿盛りにして食卓での取り分け、ホットプレート使用のおやつ(焼きそば)、弁当箱に詰めた給食、献立名(いがぐり揚げ・北海つつみ焼き・はちみつプーさん)等々の工夫や努力をしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・子どもの発達や状況に応じて年齢ごとに年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。指導計画は、クラスで話し合って作成、評価、見直しをし、カリキュラム会議で共有しています。0・1・2歳児は個別指導計画を作成しています。幼児についても、特別な課題がある場合には個別指導計画を作成しています。
・保護者に子どものかかりつけ医が記載した「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」を提出してもらい、適切な対応をしています。食物アレルギーのある子どもに対しては、毎月の献立表にアレルギー食材にマーカーを引き、保護者に確認してもらい除去食を提供しています。除去食の提供時にはトレーと食器に氏名をつけ、誤食を防いでいます。
・要望や苦情を受け付け対応するためのマニュアルとして「意見・要望・苦情・不満を解決するための仕組みに関する規程」があり、第三者委員を交えて対応する仕組みがあります。要望や苦情は、毎日の10分ミーティングで報告し、解決策について話し合い、記録しています。
・健康管理、感染症等、衛生管理、安全管理、事故防止など、各種マニュアルを整備し、職員に周知しています。
・子どものケガについては軽いものであっても必ず保護者に報告し、ケガに至る経緯から丁寧に伝えるように心がけています。事故やケガの記録については、医療機関を受診した場合は「事故報告書」に記載し、受診しない場合は「アクシデントレポート」に記載しています。さらに「ヒヤリハット記録」も残しています。「事故報告書」及び「ヒヤリハット記録」については、運営法人本部に提出・報告し、法人園にも周知する仕組みがあります。
4 地域との交流・連携 ・港南区の子育て支援事業である「あそびにおいでよ!こどもフェスティバル秋」に、例年参加しています。地域の参加者との交流を通し、支援サービスのニーズを把握しています。
・地域への子育て支援サービスとして、園庭開放・一時保育・交流保育を行っています。また、地域住民に向けた育児相談を随時受け付けています。
・育児講座として、給食試食会(離乳食・乳児食の作り方)や、小学校教諭を講師に招いて「就学に向けての懇談会」等を開催しています。地域住民に向けた育児相談を、随時受け付けています。
・毎年、子どもたちが籠森公園の花壇に、地域の公園愛護会の人々と共にヒマワリを植える活動をしています。8月にはヒマワリの撮影会があり、撮影会後には地域の人々に保育園の給食を試食してもらう給食交流も実施しています。また、地元の商店会・自治会主催の夏祭りに、子どもたちが提灯に絵を描いて参加しています。
・「ボランティア受け入れ指針」があり、受け入れの方針や利用者へ配慮すべき事柄などを明記しています。中学生の職業体験、絵本の読み聞かせ講師、「和楽器にふれよう」の奏者、保育補助の保育士(月2回の土曜日)等のボランティアを受け入れています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・「しらゆりの保育」の、服務規律、行動指針に職員が守るべき法、規範、倫理等を明文化し、職員に配布しています。
・横浜市や新聞報道などで得た施設の不正、不適切な事案は10分ミーティングで報告し、園にあてはめて体制の見直しをしています。
・保育実施要領(しらゆりの保育)、重要事項説明書(入園のしおり)に理念、基本方針を明記し、職員に配布するとともに、玄関や廊下に掲示しています。入職時の研修で周知するとともに、職員会議や10分ミーティングなどで折に触れて取り上げ確認しています。
・毎月の保護者会役員会に園長が出席し、意見交換しています。重要な意思決定について、職員には職員会議で、保護者には文書や説明会で目的や理由、経過などについて説明し、質問に答えています。
・年度ごとの計画は作成していますが、中長期的な方向性を中長期計画として文書化することはしていません。
6 職員の資質向上の促進 ・運営法人の人材育成計画に基づき、個人別の人材育成表(キャリアデザイン)を作成しています。目標シートを用い、年度の目標と研修テーマを決定し、年2回の園長面談で達成度の評価をしています。
・園内研修係が中心となって研修テーマを決め、園内研修を年5回ほど実施しています。心肺蘇生法、嘔吐処理などの園内研修は2回に分けて実施していて、非常勤職員も参加しています。
・職員は、横浜市や港南区、白峰学園保育センターなどの外部研修に積極的に参加しています。また、運営法人の研修も盛んで、新任研修や年齢別の実地研修、外部講師を招いての講演などを実施していて、職員が参加しています。研修に参加した職員は研修報告書を提出するとともに、園内研修やカリキュラム会議で報告しています。
・職員は、「保育士の自己評価」「栄養士、調理師の自己評価」を用いて自己評価をし、それを基に園長、主任が園としての自己評価を作成しています。保育士は、運営法人の同年齢別実地研修や港南区上永谷地区実地研修で他の保育園を見学し、良い事例を園内研修やカリキュラム会議で報告し、保育の現場に取り入れています。また、他の保育園との実地研修で訪れた保育士の気づきを、改善に活かしています。
・指導計画や日誌には自己評価の欄があり、定型化しています。日誌は日案と一緒になっていて、計画で意図したねらいに沿って自己評価できるように工夫されています。日誌には、クラスとしての自己評価だけでなく保育士個々の自己評価も記載されています。
・保育士やクラスの自己評価を基に、職員会議やカリキュラム会議で話し合い、園としての課題を明らかにし、改善に取り組んでいます。

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