かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

尚花愛児園(2回目受審)

対象事業所名 尚花愛児園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 仁成会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 223 - 0053
港北区綱島西2-15-8
tel:045-542-4282
設立年月日 1994(平成6)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年01月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 尚花愛児園は、東急東横線「綱島」駅から徒歩7分ほどの位置にある、昭和21年に開所し、平成6年4月に社会福祉法人化された私立保育園です。近くには自然豊かな公園や土手があり、散歩コースに恵まれています。保育方針に「明るくバイタリティーのある、思いやりに満ちた豊かな心を持った子どもを育てる」を掲げ、保育士、栄養士、看護師が協力して保育を進めています。定員は170名(0〜5歳児)、開園時間は、平日は7時〜19時、土曜日は7時〜18時です。保育の中で、体操教室や英語遊び、習字、知育教育を行い、5歳児クラスでは鼓笛隊を編成しています。子どもたちは地域の伝統行事に積極的に参加するなど、体力や感性を育てる保育をしています。

 

《特に優れている点・力を入れている点》
○さまざまな体験により、子どもたちの社会性や豊かな心がはぐくまれています
 園では子どもたち一人一人に向き合いながら、0〜2歳児クラスでは基本的生活習慣を身につける保育を行い、3〜5歳児クラスではいろいろな体験ができるようさまざまなプログラムを組んでいます。プログラムの一つとして、月2回専門の講師を招き、英語遊びと体操教室を行っています。5歳児クラスでは、それに加えて、専門講師による礼儀作法と習字、鼓笛の練習も行い、鼓笛隊は地域の行事にも参加しています。運動会、発表会、展示会や七夕、クリスマス、餅つきなど季節ごとの年中行事のほか、移動動物園や移動水族館、地域の伝統的な行事への参加や高齢者グループとの交流も行っています。このようなさまざまな体験により、子どもたちの社会性や豊かな心がはぐくまれています。

 

○開園から70年の歴史があり、地域行事への子どもたちの積極的な参加や地域住民との幅広い交流が行われています
親子運動会や親子フェスティバルなど園の行事ではホールや園庭を地域に開放し、地域住民の多くの参加が得られています。商店会や開園70年間の卒園生で組織する後援会では移動動物園を毎年近隣公園で開催し、2千人を超える参加があります。近隣神社の初詣やどんと焼き、祭礼への参加、夏祭りでは園がおみこしの休憩所になるなど周辺の町会が開催する行事への参加や高齢者生きがい活動、学童保育との交流があります。子どもたちの鼓笛隊の発表の場としての参加の機会もあり、地域住民との幅広い交流がもたれています。小学校で開催される子ども相撲大会へ参加や小学校見学、幼保小連携会議での研修、中学生の職場体験など、学校教育とのさまざまな連携が図られています。地域の祭りには焼きそばの焼き台を、地域の運動会には大玉の貸出しをしており、近隣とは友好的な関係を築いています。

 

○職員の自己評価および乳児主任と幼児主任の配置による組織的な人材育成に取り組んでいます
 マニュアル配付や研修参加など職員には常勤、非常勤の差をつけることなく資質向上及び処遇改善が図られています。業務へのやりがいや満足を高めることを目ざして、今年度より職員の自己評価に取り組み、個人目標と目標を達成するために何をするかを設定し、年度末に自身で評価して統括主任及び副園長との面談を行っています。新人職員には各クラスリーダーがOJTで指導にあたっています。組織的には乳児主任と幼児主任の配置により、乳児から幼児へ、豊かな成長への保育活動を保育統括と連携して指導しています。

 

《事業者が課題としている点》
短期的には質・量ともに人材の確保、中期的には園舎の老朽化に伴う修繕問題、長期的には日本全体の人口減少に伴う子どもの減少などを課題として捉え、職員の処遇改善や修繕費の積み立て、福祉他分野の進出に向けた情報収集などに取り組んでいます。

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

 保育理念のなかで、「高齢化社会・福祉社会を担う、心身ともに逞しい心優しい青少年を育成するために情操保育(教育)を基本としている」とうたっています。保育方針は「明るくバイタリティーのある、思いやりに満ちた豊かな心を持った子どもを育てる」です。基本方針は法人内では共通とし、系列各園での事業計画、新規職員研修、職員会議で周知を図っています。年度末に各学年の主任及びリーダーが基本方針についての話し合いを行い、話し合った内容を次年度の保育課程に展開しています。全職員が基本方針を理解し、社会的責任を果たし、子育て支援を行うとともに、地域に開かれた組織でありたいと考えています。方針は明文化され園内に掲示されています。
 園では開所以来、継続して子どもの人権を尊重した保育に取り組んでいます。長い歴史の中では保育士主導の保育を行ってきた経緯もあります。副園長と保育統括は時代の保育ニーズに合わせ意見交換したうえで、職員には保育の中で指導を行うほか、職員会議では職員同士で話し合いを行い、言葉づかいや態度の見直しを行っています。職員は子どもを呼び捨てにせず、また子ども同士のトラブルに対しては、双方の話を聞き、子ども同士で和解できるよう話し合いの仲立ちをするようにしています。「職員の心得」に子どもの人権について記載し、職員の自覚と認識を促しています。
 園内には子どもが保育活動をしている保育室のほかにホール、和室などがあります。事務室の一部のスペースは保健室も兼ねており、子どもが一人になることや、職員がつき添って一対一になることができます。保育統括、看護師は各クラスを巡回しているため、どのクラスの子どもたちとも慣れ親しんでおり、時には担任から離れて看護師といっしょに過ごすこともあります。子どもたちは絵本コーナーの前で本を読んだり、朝夕の自由遊びの時間には好きなことをして過ごしたりしています。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

  子どもの健やかな成長のために、職員が一丸となって保育にあたることを基本方針とし、保育課程が作られています。綱島は歴史を持つ古い地区で、桃の産地でもありました。戦後は広大な野原のわきを川が流れ、人家も少ない地域でした。現在は駅を中心に繁華街ができていますが、地域的には東京のベッドタウンに位置づけられています。利用時間帯は7時半から午後6時半程度が一番多く、核家族の家庭が増えてきています。これらを踏まえ、保護者との連携や異年齢の活動を保育課程に取り入れ、作成には全員がかかわっています。入園説明会では「重要事項説明書」を保護者に配付して、保育課程や保育方針の周知を行っています。保育課程を変更した場合は懇談会や説明会で説明しています。
 保育課程に基づいて年齢ごとに指導計画を作成します。各クラスの担任は年度の保育を振り返り、見直しが必要だと思われる内容について話し合い、2月末までにまとめています。子どもに向き合うときには、年齢や理解力に合わせた説明を行って、納得できるようにしています。子どもの意思や意見を尊重し、保育をする際には言葉による説明だけでなく、絵本やたとえ話なども用いて子どもが理解できるよう工夫しています。職員たちは子どもの表情を含めた子どもの表現から感じたことや、日案の振り返りから気づいたことを今後の保育にどう展開していくかを話し合っています。保育統括が看護師と一緒に各クラスを巡回した際のアドバイスも加味して指導計画を見直しています。
 入園説明会の後に保護者と子どもの面接を行い、子どもの心身の発達状況、家庭環境、既往歴などを把握します。家庭環境や発達等で配慮が必要だと判断した場合には、副園長、保育統括、担任が面接に加わり、迅速な対応ができるようにしています。面接の記録は個人ファイルに管理し、成育歴や発達経過をまとめています。まとめた記録を基礎資料として指導計画を立て、カンファレンス学年会議で全職員が情報共有しています。記録は日々の保育に生かされています。

 

3 サービスマネジメントシステムの確立

 短縮保育についての対応を重要説明事項の中に記載するとともに、入園説明会でも保護者に説明しています。0、1歳児の主担当保育者が決まっており、経過記録も担当保育士が記載します。育児日誌、連絡ノートがあり、子ども一人一人の様子を書き記して、保護者との連絡を緊密にするようにしています。新年度は3月の後半から徐々に保育室を移動し、保育統括と看護師も保育室で子どもが不安にならないように対応します。
 年齢ごとに年間指導計画、月間指導計画、週案があり、子どもの発達や状況に応じて担当が評価を記入したうえで園長、副園長、保育統括が評価しています。主任会議をする際には前月の反省、指導計画のねらい、内容とその方法が子どもの現在の育ちとずれがないかどうかを職員間で話し合い、見直しが必要な場合は柔軟に行うようにしています。また、職員は、子どもが日々安定した生活を保育園で送り、安心して過ごすために保護者との連携を大切にしています。
 今年度から保育所指針を基準とした新しいカリキュラムを導入し、個人情報と成長の過程を記録し管理し始めています。子どもの家庭の状況や心身の発達を記録し、見通しを持った保育を進めるために、「個人発達経過記録」を作成し、重要な申し送り事項、保護者の要望等についても記載しています。記録は個人のファイルにとじた後、施錠できる場所に一括管理されていますが、データベース化が完成した後の管理方法ついても検討しています。全職員が一貫した対応ができるよう子どもの状況と保健関連の事項は周知ボード、申し送り簿に記載しています。また進級時にはリーダー会議で新担任が情報を再確認できるようにしています。

 

4 地域との交流・連携

 地域住民との交流は、町会の行事への園児の参加、地域住民に対する園行事への招待、後援会が開催するイベントなど多くの機会があります。地域子育て支援事業への問い合わせや育児相談だけでなく、地域で開催される行事への園児の参加要請により子どもたちの鼓笛隊を披露する場面も多くあります。園のホームページには、園の地域子育て支援事業「あそび広場」、育児相談事業「ぞうさん会」を案内して子育てニーズを把握しています。港北区こども家庭支援課、私立保育園園長会、港北区地域子育て支援拠点「どろっぷ」など定期的な会議の場があり、幼稚園・保育園に関する課題については研修会を開催したり、意見交換などを行ったりしています。
 「親子教室あそび広場」では、今年度50組の親子の事前登録を受け付け、園のホールを開放して年間8〜10回ほど歌・手遊び・リトミック・絵の具遊び・運動遊びなどの親子教室を開催し、親子の仲間作り及び育児相談の機会としています。育児相談事業「ぞうさん会」は日時を指定せず、希望する相談日時を調整して予約制で受け付けています。園庭開放や園行事へ参加のときにも、随時相談に応じアドバイスを行っています。育児講座では「まちの先生」を講師として親子体操などを開催し、育児相談や親子の交流の場を提供しています。また、親子教室の様子は、写真とともにホームページで報告しています。
 園の地域子育て支援事業に今年度登録し活動に参加した親子の「子どもと自分自身の友だちを作りたい」などの声や、さまざまな相談から収集した地域の保育ニーズについて、専任の職員2名と統括主任が話し合って次年度の活動に反映しています。

 

5 運営上の透明性の確保と継続性

 園のホームページでは入園案内や園舎の様子、園の特色、行事と地域交流、給食と食育などを説明しています。どの内容も写真を掲載するなどわかりやすく紹介しています。ホームページの掲載内容や写真は毎年更新し、「親子教室あそび広場」のページでは最近の記事をタイムリーに更新しています。園の情報開示では決算報告が掲載され、保護者向け配布資料のダウンロード、個人情報保護方針など、将来の利用を検討する保護者や地域住民、関係者などにもれなく情報を提供しています。地域情報誌にも園の情報を掲載し、園のしおりや重要事項説明書では料金及び職員体制についても情報を提供しています。
 利用希望者には、保育理念や方針、園のしおりと重要事項説明書を使用して、目標及び利用条件やサービス内容について記載された内容を詳細に説明しています。電話での問い合わせには常駐の事務職員が説明していますが、あわせて見学を勧めています。見学時には保育統括または副園長が重要事項説明書に沿って詳細な説明を行っています。見学の申し込みについては、ホームページや園のしおりに受け付け電話番号及び事前の問い合わせのお願いを掲載しています。見学の曜日や時間については見学希望者の都合を優先して対応しており、保育室、園庭など設備を案内しながら保育方針はじめ特徴や料金の支払いなども案内しています。
 保育日誌に記載された自己評価については、毎日クラス担任により口頭で報告し話し合っています。クラス会議では月の指導計画の自己評価をもとに、次月にどのような活動に反映し改善するか、課題を明らかにしています。内容によってはクラスリーダーから主任や保育統括に相談のうえで職員会議に報告し、園としての課題として改善に取り組んでいます。園としての自己評価については、保育理念や保育方針、年度の保育過程に照らして行っています。年度末の園だよりには年齢クラスごとに保育目標に対しての自己評価を公表し、園の自己評価としています。

 

6 職員の資質向上の促進

 実習生受け入れマニュアルを備え、受け入れ要項(0歳保育室は見学のみ)に沿って進めています。オリエンテーションでは保育方針及び子どもたちへの配慮、身だしなみなどについても説明し、個人情報保護に関して覚書を交わしています。実習生が学びたいクラスや保育内容に基づいた日程で実習計画を作成しています。要項は職員会議で周知し、実習生の受け入れについては職員及び保護者や子どもたちにも実習予定表を掲示して説明しています。また、受け入れにあたり保育統括が担当し、実習申込文書、健康診断などの提出書類、覚書、実習計画、予定表、職員と意見交換会の記録などはまとめてファイルにとじています。また、実習生が作成する実習日誌へのアドバイス及び実習評価を記入しています。
 現状は正規職員34人と非常勤職員10名の配置ができていますが、園としては体制的なゆとりを持たせたいこともあり、有資格の補充を随時募集しています。採用にあたっては園の保育理念や方針の理解はもとより新入基準に沿った面接により人柄を優先して採用後の学びの機会や処遇改善に取り組んで離職率低下に努めています。職員個々の目標の設定及び目標への年間の達成度の評価については、今年度からフォーマットを備えました。5月に全職員がそれぞれに目標を記入しており、年度末に自己評価を記入したところで、保育統括および副園長との面談を行います。次年度への希望や課題の抽出、スキルアップへの取り組みにつなげたいとしています。
 職員の研修計画は保育統括が担当して、職員の経験及び研修により課題解決を図り、次の課題への取り組みなど適任者を判断して受講計画を立てています。内部研修は、全職員が参加できるよう、毎月の職員会議で実施もしくは日中の午睡の時間を利用して職員半数に行っています。園外の専門研修や施設見学、学校訪問や関係機関との連携などは、専門職や担当者が参加して、職員会議などで内部研修として発表して、全職員に共有しています。研修は内部、外部いずれも報告書を作成し、学んだことを記入して、クラス会議で保育への生かし方を検討しています。研修計画や内容は報告書やクラス会議で評価し、新たな課題に対して見直しています。

 

詳細評価(PDF514KB)へリンク