かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

滝ケ谷保育園(2回目受審)

対象事業所名 滝ケ谷保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 寿広福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 224 - 0021
都筑区北山田2-17-28
tel:045-548-6775
設立年月日 2014(平成26)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年01月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 滝ヶ谷保育園は、社会福祉法人寿広福祉会が運営する定員70名の小規模園で平成26年4月に開園し、横浜市営地下鉄グリーンライン北山田駅から徒歩5分程度の所にあります。保育理念は「共生き(ともいき)」、保育方針は「一人ひとりの子どもの心に添う保育」です。「共生き」とは「お互いの違いを認め合う」生き方です。「心も身体も元気な子ども」「思いやりある子ども」「伸び伸びと表現できる子ども」「意欲的に遊べる子ども」を保育目標としています。0歳児から2歳児までの担当制保育を取り入れています。小規模な園ならではの温かい雰囲気の中、子どもたちはみな仲良く、伸び伸びと生活しています。園のある一角は、戸建て住宅が並ぶ閑静な住宅街で、近くには公園も多くあります。通常の保育のほか延長保育、障がい児保育を実施しています。開園時間は、平日が7時30分〜20時、土曜日は7時30分〜18時30分です。

 

《特に優れている点・力を入れている点》
○安全に配慮され美的センスがあふれる環境設定が子どもの感性を磨いています
 園の玄関には季節の花の寄せ植えがあり、清潔な園内にはレースのカフェカーテンが風になびいています。事務室のカウンターには季節の花が飾られ、木目の美しいパズルのおもちゃが置かれています。昔懐かしい金魚鉢には緑がきれいな水草の間をめだかが泳ぎ涼しげでした。衛生的で掃除が行き届き秩序ある環境は、子どもたちの感性を磨くのに欠かせません。大人が美しいと感じるものを同じように子どもは美しいと感じます。人的環境も大切にし 保育士が大きな声を出さないこと、穏やかな笑顔でいることを大切にしています。さらに、職員が検討を重ねて購入した、子どもたちが遊んでみたい、触ってみたいというおもちゃがいつでも手の届くところにある環境や、自分の家にいるのと同じだと感じられるようなリラックスした場を意図的に作っています。子どもが心地いいと感じられるような木製の丸テーブル、フォルムの美しい木製のいす、天蓋付きのソファコーナー、夏は涼しく冬は暖かいカーペット、観葉植物などがあり、子どもの豊かな感性をはぐくんでいます。

 

○理念に沿った保育実践のため、外部研修、園内研修など職員育成の取り組みに力を入れています
 保育理念「共生き(ともいき)」、保育方針の「一人ひとりの子どもの心に添う保育」に沿った保育実践のため、職員は積極的に外部研修を受講しています。研修には室内遊びの環境づくり、意欲を引き出す配慮、見通しを持った保育、受容などがあり、全ての職員が複数回参加しています。新入職員にはクラスリーダーが担当となって、指導計画の書き方、乳児担当保育制などについてOJTでていねいに指導しています。外部研修は長時間の非常勤職員も受講でき、短時間の非常勤職員は他の職員とともに全員が人権擁護、プライバシー尊重、安全確保などの内部研修を受講しています。こうした人材育成策を通じて、園が大切にしている子どもの「権利」について職員会議で話し合い、子どもがゆっくりできる環境を工夫し、子どもの気持ちの切り替えがスムーズになるなど、理念に基づく保育につなげています。

 

○お互いの違いを認め合う生き方を意味する「共生き」という保育理念を実践しています
 園では一人一人の子どもの気持ちを尊重することで、自己肯定感をはぐくみ、ほかの子どもにある自分とは違う点も認められるようになることを目ざしています。障がいのある子どもも周りから認められることで、自ら成長する力を引き出しています。0〜2歳児は、かかわる保育士をある程度固定化する担当制保育を行い、食事、午睡、排泄をその子どものリズムやペースに合わせながら促しています。活動についても、せかしたり強制したりせず、準備ができてやりたい気持ちになった子どもから順に始めているため、自主性や意欲、表現力が育っていきます。わらべうた遊びでは、障がいのある子どもともリズムや音程、タイミングなどを合わせて楽しんでいます。肌の色の違う人形、地球儀などで、民族や国籍の違いにも気づくことができるようにしています。

 

《事業者が課題としている点》
 「保育士の人材育成・新規採用・定着」「保護者との関係・保育の理解・信頼関係の構築」「地域の子育て支援の充実」などを園の課題としています。これらの改善に向けた取り組みの一例として福利厚生の充実・制度の充実、日頃の伝達方法の工夫、園庭開放や育児講座、交流保育などがあり、今後取り組みを進めていきたいと考えています。

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

 園の理念は「共生き(ともいき)」で、「お互いの違いを認め合う生き方」を意味しています。これは子どもたちが社会で生きていくうえで最も大切なことであると園は考えており、子どもの最善の利益を考慮したものになっています。また、保育方針は「一人ひとりの子どもに寄り添う保育」です。理念、保育方針は「保育のしおり」に明記し、保護者、職員に配付しています。また、理念や保育方針は玄関や事務室、廊下に掲示しています。職員は入社時や職員会議で共通理解を深めています。保育目標は、「心も体も元気な子ども」「思いやりのある子ども」「のびのびと表現できる子ども」「意欲的に遊べる子ども」です。これらの理念、保育方針、保育目標に沿って指導計画を作成し、日々の活動につなげています。


 職員は、日ごろから子どもには常に落ち着いた優しい声のトーンで話しかけています。また、保育中は、子どもをせかしたり強制したりする言葉は使用せず、子どもの気持ちをくむよう心がけて保育にあたっています。職員の子どもに対する気になる言葉かけの場面を見たときには、お互いに声をかけ合うようにしています。職員は子どもの人権に関する研修に参加したり、園内研修で子どもの権利条約について学んだりしています。


 各保育室は広々としていますが、部屋の隅や棚の横などには天蓋やレースのカーテン、座り心地の良いソファーなどを設置して、子どもが1人になれるスペースなどを作っています。3〜5歳児の場合はパーテーションや机などでもコーナーを作り、ゆっくりできるスペースを作っています。子どもと1対1で話し合う必要が生じたときには、子どもの自尊心やプライバシーに配慮して事務室などを活用することもあります。職員は、子ども同士のトラブルには廊下のピーステーブルなどを利用して子ども同士で解決できるようにかかわり、また、その場にいる子どもに対しては必要に応じて声かけをして様子を見守っています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

 保育課程は保育理念、保育方針を基に、子ども一人一人を大切に、子どもの最善の利益を大切にして作成しています。園では幼児混合保育、乳児担当制保育を取り入れ、また健康増進に力を入れ、外遊びを積極的に取り入れています。保育課程には年齢ごとに配慮する内容を記載するほか、地域の状況などにも配慮して作成しています。作成の際には保育課程の原案を全職員に配付してそれぞれに考えてもらい、その後保育課程検討会にて全職員で検討しています。園長は、年度当初の懇談会や入園説明会で保育課程について保護者に説明し意識してもらうようにしています。


 入園に際し、入園説明会の前後に園長、各クラス担任が保護者と面接をしています。必要があれば法人の看護師も同席しています。同時に、子どもの様子も確認しています。面接では保護者にあらかじめ記入してもらった児童票を基に、成育歴や食事の様子、さらに子どもを育てるうえで気をつけてきたこと、大切にしてきたことなどについて聞き取りをしています。把握した内容は食事、午睡の指導など日々の保育に生かしています。入園説明会に参加できない保護者や中途入園の場合には、別途時間を設けて個別に対応しています。なお、面接内容は所定の用紙に記録し、子どもの様子とあわせて職員会議で報告し共有しています。


 クラス会議や職員会議では子どもの発達や状況について話し合い、前月の振り返りを行い、自己評価して月間指導計画を作成しています。個人面談や連絡ノート、送迎時の会話などで把握した家庭からの要望や子どもの育ちに必要な配慮事項についても考慮しています。特に、トイレトレーニング、離乳食、箸への移行、午睡時間などについては、保護者からの意向をていねいにくみ取り、保護者と連携し子どもの発達に合わせて指導計画に反映させています。特に5歳児の午睡の有無については保護者会で話し合っています。


 

3 サービスマネジメントシステムの確立

 入園時の短縮保育については、入園説明会で保護者に説明し基本的には全員が実施しています。実施にあたっては、短縮保育日程表を基に1か月のカレンダーに保護者と話し合いながら記入していきます。仕事などの都合で短縮保育の実施が難しい保護者に対しては、相談しながら納得してもらったうえで保育を進めています。タオルやぬいぐるみなど家庭で愛着のある物の持ち込みにも対応しています。0〜2歳児には個別に担当を決め、保護者とは連絡帳のやり取りや会話を通して子どもの様子について情報共有し、子どもの生活が家庭と園とで無理なく引き継がれるようにしています。在園児に対しては進級時には担任のうち一人が持ち上がり、担任保育士が変わっても子どもたちが落ち着いて生活し、安定して遊べるように配慮しています。


 就学を迎える子どもには保育所児童保育要録を作成して就学する小学校に送付しています。入園後の子ども一人一人に「児童票」「すこやかカード」「健康診断の記録」「保健記録」「家庭状況」「生活状況」「発達経過記録」など決められた書式の記録があり、個別にファイリングして事務所の鍵のかかる書棚に保管し、職員は必要時に記録を見ることができるようになっています。家庭状況には家族構成、連絡先、就労状況などが記載され、入園後の成長の記録はパソコン上で専用ソフトを使って入力し、0〜2歳児は毎月、3〜5歳児は期ごとに個人別の経過記録に記載しています。進級時の引き継ぎは職員会議で旧担任から新担任へ申し送りが行われ、全職員で確認し情報を共有しています。


 職員は都筑区保健福祉センターや横浜市北部地域療育センターなどが主催する、配慮を必要とする子どもの保育についての研修を受講し、研修後は研修報告会や報告書の回覧を行って職員間で情報共有しています。園では積極的に配慮を必要とする子どもを受け入れ、個別のケースについては職員会議、クラス会議で話し合うほか、必要時には園長や主任、担任が保護者と個人面談を行っています。対象となる子どもには「個別指導計画」「個別日誌」を作成しています。なお、横浜市北部地域療育センターの巡回相談の記録や法人が依頼している大学の臨床心理士の巡回相談等の記録、個別指導計画などは、いつでも閲覧できるようにファイリングされ、職員室のキャビネットに保管されています。

 

4 地域との交流・連携

 園の見学者や親子スポーツデー(運動会)など園行事に地域の方々が参加した際などに、地域支援の取り組みや一時保育などへの要望を把握しています。また、公園に散歩に行った際など、地域の方々と話をする機会には、保育園への要望について意見を聞くように努めています。園では月2回の園庭開放の際に育児相談も行っていますが、その際にも地域の子育て家庭の要望を把握しています。保育園、小学校、都筑福祉保健センターなどで構成される「食育企画会」に参加しています。食育企画会では他施設と食育関係の事業推進の方策について検討しています。また、都筑区の主催する子育て関係の団体で構成される地域ブロックの会議での地域の子育て家庭支援についての検討会に参加しています。


 園では年度事業計画を検討する際の職員会議で、把握した地域の子育て支援のニーズについて話し合い、「地域子育て支援事業計画書」として具体化し、地域支援担当者3名も決めています。地域支援担当者は園長とも相談し、地域子育て支援計画に基づいて月2回の園庭開放、ベビーマッサージやわらべうたなどの育児講座、育児相談などに取り組んでいます。親子スポーツデー、わくわくサマーデー(納涼会)では、園の子どもたちと、地域の子どもや小学生と交流しています。また、地域交流通信「TGY(滝ヶ谷)通信」を発行し地域支援の取り組みについて情報発信しています。


育児相談は、子育てに関する相談を随時受け付けていることをホームページのお問い合わせ欄に掲載しています。また、月2回の園庭開放の際に育児相談を実施しており、入園相談や園見学の際に、子どもの成長や離乳食、生活リズムのことなどについての育児相談を行っています。

 

5 運営上の透明性の確保と継続性

 園のホームページには保育理念、保育方針、保育目標などの園の考え方と、園の一日の流れ、行事、保育時間、施設、給食、料金、苦情制度などの園の概要を掲載して、将来の利用者に園の情報を提供しています。また、園のしおりには、さらに詳しく災害対策、感染症の対応、個人情報保護などの内容を紹介しています。このほか、都筑区や横浜市にも園情報を提供し、横浜市のホームページから園の情報を見ることもできます。


園の見学には常時対応できるように、園長、主任が対応しています。またホームページからも問い合わせができるようになっています。電話や直接来訪しての見学について問い合わせがあった際には、随時受け付け、保育に支障をきたさない範囲で、土曜日の見学も含め見学希望者の都合の良い曜日、時間に合わせて園内を案内しています。見学者には、園のリーフレットに基づいて案内、説明をしています。見学者の子どもと園の子どもを一緒に遊ばせるなど、見学者の希望がある場合は保育参加もできるようにしています。見学者は見学者名簿に記録し、見学の際に受けた質問などは園の運営に生かせるようにしています。


 保育士は自己評価に基づき、クラス会議、カリキュラム会議で保育目標の達成状況を話し合い、翌月の計画や目標を見直し、翌年度の方針の検討につなげています。保育士の自己評価の結果から、環境設定の見直しや地域子育て支援の取り組みの充実を課題として設定し、改善に取り組んでいます。園の自己評価は、理念、保育目標の実現の視点から具体的な保育内容を27項目設定し、各項目につき3段階の評価を行っています。年2回クラスごとの評価をして、それらをもとに園の自己評価を実施し、結果は玄関にファイルを設置し公表しています。

 

6 職員の資質向上の促進

 園では子ども一人一人の生活リズムに合わせ、ていねいに見る保育実践を行う視点から、余裕をもって保育ができるよう職員を国の基準より多く配置し、必要な人材を確保しています。研修は、理念や保育方針の視点から全職員対象の年間研修計画を作成しています。年度途中に職員アンケートを実施し、理念、人権、仕事の重点ポイントや改善点などについて各職員の考えや理解度を把握したうえで、年度末に園長による職員面接を行っています。知識や年齢ごとの発達に沿った指導内容、歌や遊びなどの保育技術についての個々の職員の目標に基づき達成度を確認し、翌年度の研修計画に生かしています。


 園内研修では、保育園の理念、保育課程、食物アレルギー誤食、嘔吐処理、AED(自動体外式除細動器)などをテーマに行い、非常勤職員を含む全員が参加しています。園外の研修には、常勤職員、長時間の非常勤職員が参加しています。環境設定、子どもの意欲を引き出す配慮、見通しを持った保育、保護者支援、危機管理などさまざまな研修に全職員が複数回参加しています。研修受講後には研修報告書を提出し、職員会議や研修報告会で報告するとともに、職員会議に参加できない職員のために研修報告書を全職員に回覧しています。毎年の保育実践の総括や個々の職員との面談を踏まえ、園長が研修内容の見直しを行っています。


 保育士の自己評価は保育日誌、日案、月案、年間指導計画の反省欄に記入します。毎月クラスの自己評価を行い、カリキュラム会議でクラス別の子どもの成長や発達、子どもの変化や行動、基本的生活習慣の習得などの保育目標の達成状況、ねらいとの比較について話し合い、翌月の目標や計画を見直しています。園内外の良い事例をもとに保育内容を改善しています。大学の専門家に子どもごとの具体的な指導ポイントを教えてもらうなど、外部の専門家から指導を受けています。

 

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