かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ティンクルくぬぎ坂保育園

対象事業所名 ティンクルくぬぎ坂保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 星槎
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 216 - 0001
宮前区野川1483-1
tel:044-920-9611
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年01月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【概要・立地面の特色】

ティンクルくぬぎ坂保育園は社会福祉法人星槎の経営です。社会福祉法人星槎は、1972年に鶴ヶ峰セミナー設立を機に、企業理念を基に、学校等の教育事業、教育周辺事業、国内外の支援事業等を運営実施し、「共感理解教育」の具現化を目指し、社会全体の役に立つ人材育成を星槎グループで展開しています。ティンクルくぬぎ坂保育園は、JR南武線武蔵中原駅からバスで15分、徒歩5分程度の住宅地の中に位置し、周辺は団地や新旧混在した住宅が立ち並び、待機児童も多い地域です。地理的には川崎市宮前区野川ですが、高津区久末、横浜市都筑区東山田町、港北区高田町とも隣接し、入り組んだ地域性を有し、自治会組織との連携においては多少難しい側面も見られます。但し、同法人の野川南台保育園(定員70名)、ティンクル上野川保育園(定員50名)が近くにあり、行事の共同開催を実施する等、連携を密に図っています。園舎は白い清潔感ある建物(2階建)で、広い園庭を有し、園庭は盛り土し、園に接する道路からは見られない高さに整備され、治安等にも配慮された設計が成されています。園内は、玄関を入ると右手に事務室が設けられ、人の出入りの通路及び、玄関の外、園庭で遊んでいる子どもも確認出来るようガラス張りになっています。1階は3歳〜5歳児の保育室、多目的ルーム、厨房を設け、2階は0歳〜2歳児の保育室、テラスを設備し、開放感と広々とした空間を確保し、随所に手作りの案内板等が飾られ、温かい雰囲気が印象的です。

<特に良いと思う点>

【1.高邁な理念と実践】
星槎グループの理念は「人を認める・人を排除しない・仲間をつくる」を掲げ、「社会に必要とされることを創造し、常に新たな道を切り開き、それを成し遂げる」ことを根幹に、子どもたちにも「周りを大切にすること」、「自分が困った時に助けてくれる友達を作ること」を教えています。園では、法人の建学の精神保育の基、「人のことを考える」を教えると共に「心も体もいっぱいに動かす」保育を実践しています。また、将来的に認定こども園化を見据え、認定こども園法に従い、生きる力の基礎を育成するよう教育及び保育の目標達成に努めています。

【2.「共生社会」の実現に向けた取り組み】
園では、集団生活を通じていろいろな活動を積極的に経験できるように推進し、異年齢で交流を図りながら、一人ひとりの成長発達を考慮し、心身ともに調和のとれた子どもの育成に努めています。また、法人グループ全体で「共生社会」の実現に向けた活動を展開し、社会全体の役に立つ人材の育成を目指して取り組んでいます。

【3.地域子育て支援の推進】
地域の子育て支援について、地域では新設の住宅も増えて若い世代も多いことを踏まえ、園では、非定型で仕事をしている家庭の子育て支援を視野に入れ、一時保育を実施しています。予約を受け付け、最大1日4名、1日平均で2名程度を受け入れ、在園児と共に保育を行っています。非定型業務の母親の援助、子育ての支援、レスパイトケアに好評を得、地域に貢献しています。

<さらなる期待がされる点>

【1.地域との連携】
ティンクルくぬぎ坂保育園の立地は宮前区野川が所在ですが、高津区久末にも接し、さらには横浜市都筑区、港北区にも近く、行政区画の入り組んだ地域であるため、地域的なつながりが多様化し、開所3年弱の新園として、地域との連携は今後の課題として取り組む所存でいます。地域との連携にあぐねながらも、園の近くには法人系列園が2園あり、連携を密に図りながら、広域での地域連携を検討して行かれることを期待いたします。

【2.さらなる職員の資質向上に向けて】
現在、職員の主力は若い保育士にあり、主任、副主任との経験値等を補うためにパート職員を採用し、職員のバランスを図っています。限られた保育士の人数による保育環境は、保育士一人ひとりが力を付けると共に、チームのコミュニケーション・連携の強化が望まれ、さらに、体制確保のためには、職員一人ひとりのスキルアップが必要です。法人体制が確立しているので、若い新入職員には、スキルアップとチームワーク力を、既存の職員には新人の指導とコミュニケーションを心掛け、盤石な保育体制を構築していかれることを期待しています。

【3.認定こども園への変更について】
星槎グループは、中学校から高等学校・高等部や、保育園、幼稚園を運営し、さらに、認定こども園への移行の検討を視野に入れて21世紀中盤の子どもの育成の方向性の1つとして検討されていることを聞き及びます。星槎グループは海外展開、各種学校経営等、グローバルな展開を図っており、教育事業展開の一環として子どもの育成の方向を示すものとして注目に価し、大きく期待されます。


 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●園では、子ども一人ひとりの状況を理解・把握し、子どもが安心できる個々に応じた援助方法を考え、基準以上の保育を目指して取り組んでいます。職員は常に、人権宣言等を含む倫理、法令の遵守に努め、社会福祉法人の理念に基づいてサービスを提供出来るよう、毎年、研修を実施して研鑚を図っています。

●虐待の早期発見については、登園時や、午睡時での衣服着脱の際の視診を大切にし、子ども・保護者の変化に気付くよう留意し、心身の状態を把握するよう取り組んでいます。職員は、虐待に関する対応について共通認識を図り、意識を高めています。また、関係機関とも密に連携を図っています。

●個人情報に関しては、重要事項説明書に明示して保護者に説明を行い、外部との情報交換が必要になった場合は、同意を得てから行うようにしています。法人及び園としてのプライバシー保護規定を定め、特に、子どもの羞恥心については十分に配慮しています。また、ホームページのブログに写真掲載する場合は、掲載不可の方のみ申し出をしてもらっています。園では、子ども一人ひとりの気持ちを汲み取り、個々に合わせた援助をするよう心がけています。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

●利用者満足の把握に向けて、玄関に意見箱を設置して意見を述べられる環境作りを行い、年3回の行事後にアンケートを実施し、意見を抽出して満足度を把握し、改善に努めています。アンケートからの意見は、年度末に新年度計画を立案する際に参考にして反映させています。保護者懇談会は年2回開催し、保護者の意見等を聞く機会を設け、意見等は保育に反映するようにしています。また、保育参観、保育参加を実施し、子どもの様子を家庭と園で共有する機会にしています。園全体に関する利用者満足については、今年度、第三者評価を受審し、保護者のアンケート結果や評価の結果を得て、利用者満足の向上に役立てていきます。

●園では、保育課程に子ども一人ひとりの受容について汲み入れ、全園児の発達の過程や生活環境等を理解し、受容し、園全体で適切な援助が出来るようにしています。また、カリキュラム会議等を通して職員間で情報共有を図り、個々の子どもの発達に沿った保育を心がけています。配慮の必要な子どもについては、保護者、子どもの気持ちを理解し、専門性を習得した職員を中心に全職員が的確な援助ができるよう体制を整え、保育にあたっています。

●登園時には挨拶や声掛けを行い、子どもの健康観察を行い、保護者にも確認しています。連絡帳を効率良く活用して子どもの様子を確認し、保護者には日常の子どもの様子や、日々の園生活の様子を伝えるようにしています。休息(昼寝含む)の長さや時間帯は、子どもの状況、年齢やその日の体調に応じて配慮し、子どもの生活リズムを大切にしています。年長児は就学に向けて、徐々に午睡時間を調整し、小学校生活に備えるようにしています。

●長時間保育については、1日の始まりを安定した気持ちで過ごせるよう、保育士も落ち着いて子どもに接するよう心がけています。異年齢の活動では、横割りの保育環境を実施し、縦割り保育の機会も持ちながら、年長児が乳児の午睡のお手伝いをする等、異年齢の交流を行っています。また、園庭遊びでも、他のクラスと遊びを通して楽しく過ごす時間を持っています。

●ティンクルくぬぎ保育園では、食育のカリキュラムについては園全体で関わって作成し、法人系列園全体で基本としている「食事は楽しく食べる」ことを大切にし、食の環境設定を行っています。0歳〜2歳児は、遊ぶ・眠る・食事のスペースを確保し、落ち着いて食事が摂れるようにし、3歳〜5歳児は多目的ホールで一緒に食事を摂り、異年齢による食欲の刺激を受け、食育の効果を高めています。食後は各保育室で休息を行う等、寝食を別に設けています。

 

3 サービスマネジメントシステムの確立

●園の必要な情報は、ホームページ、リーフレット、園内掲示板により情報を提供しています。園見学は4月頃から始め、年間を通じて見学者の状況に合わせて実施し、リーフレットを配付して必要な情報を提供しています。サービス利用開始後は慣らし保育を実施し、特に、乳児は個々に応じた保育時間の設定を行う等、不安を軽減出来るよう配慮し、保護者の育休に沿った対応にも臨機応変に努め、子ども、家庭の事情を考慮するよう心がけています。

●指導計画は、保育課程を基に、養護と教育の各領域を意識して各クラス担任が月案、週案、デイリープログラムを立案し、園長、主任が確認し、職員会議にて全職員で共有しています。年間指導計画は、個々に食育、うた、リズム、童歌、体育、遊びについて詳細に策定しています。アセスメントは統一ある様式を活用し、子どもの実施状況は、日常の記録(児童票、経過記録等)から確認し、期ごとに園長に提出して確認印を得る体制を整えています。記録の内容、記載の仕方については指導を行い、統一に努めています。

●提供するサービスの実施方法については、保育職員マニュアルをはじめ、各種マニュアルを整備し、マニュアルに沿って標準的な実施方法により保育を実践しています。マニュアルは必ず、年度末の反省の中で、見直しを含め検討するようにしています。マニュアル策定時は、2〜3名の担当職員を定め、作成された案を園長案として職員に配付し、さらに職員同士で意見交換の上、決定するようにし、全職員が参加して策定しています。

●苦情解決の仕組みについては、入園のしおりに記載し、園内の掲示板にも苦情解決窓口、苦情解決の仕組みを掲示し、直接苦情を申し出ることが出来ることを保護者に知らせています。苦情または担任に意見を受けた際は、迅速に園長に報告し、検討の上、回答するよう体制を整えています。園長をはじめ、担任、保育士は、保護者に声掛けを行い、気軽に話せる雰囲気作りを心がけています。

 

4 地域との交流・連携

●地域に向けた情報は、掲示板を園の入り口に設置し、園の情報、子育てに関する情報の案内を掲示して地域に発信しています。また、園見学者へパンフレットを配布し、ホームページの充実を図り、情報を開示しています。地域の子育て支援では、育児講座、園庭開放、交流保育を実施し、地域の子育てに寄与しています。行政の会議や事業にも参加し、地域のニーズを把握し、地域との共生を継続して図っていく予定でいます。

●地域に対して、園行事への参加について宮前区の掲示板に公表して促し、プール開放、人形劇の鑑賞、音楽会、クリスマス等の行事に招待しています。昨年のクリスマス会では地域のマリンバのグループに来訪してもらい、地域の親子と一緒に1歳、2歳児の在園児と一緒に観賞する機会を提供しています。地域のボランティアの受け入れでは、中学生の職業体験や、子ども文化センターより保育士の仕事体験等を受け入れています。

●関係機関との交流、団体との連携では、宮前区公私立園長会、幼保小の園長校長会、法人系列園での園長会議、地域社会福祉協議会、地域民間保育園協会等に参加しています。地域の子育て支援事業・活動を行い、子育て情報、地域の福祉ニーズの把握に努めています。また、地域の民生委員との話し合いに参加し、活動に協力すると共に情報の収集を行っています。

 

5 運営上の透明性の確保と継続性

●理念・基本方針、保育目標は、ホームページ、リーフレットに掲載し、玄関正面の目につきやすい位置にも掲示して、保護者に理解を促しています。入社時に理念、保育目標、保育方針・姿勢について新任研修を受けて理解し、さらに、毎日、理事長から配信されるコメントを回覧して共有化を図り、職員は理解を深めています。中・長期計画は、法人のグループ全体会議で策定され、計画に沿って園運営を展開しています。

●園長は、年度当初の会議で自らの役割と責任を表明し、今年度の事業計画、園長としての目標を伝え、サービスの質の向上に努めています。年3回、職員面談を実施し、職員個々の目標を共有し、年度途中、進捗を確認し、年度末には振り返りを行い、業務等の希望・意向、相談等を含め、適切なアドバイスを行い、職員の育成指導に尽力しています。また、経験値の浅い職員には、経験豊かな職員でサポート体制を整える等、園全体の保育力の向上にも努めています。

●サービス内容については、行事ごとに実施するアンケート結果や、年度末に行う保育園の自己評価結果から現状のサービス内容を確認して課題を明確にし、でき得る改善点は迅速に対応しています。保護者からの意見、内容は全職員で共有し、園全体で改善に取り組むよう努めています。

 

6 職員の資質向上の促進

人材の採用、人員体制については、法人で人員体制の方針及び、人材の基準を定め、必要採用人員を確保しています。パート職員に関しては園で採用しています。また、将来の展望を踏まえ、法人グループの「通信」を通して、幼保の免許取得者、幼稚園従事経験者の確保も視野に入れて採用を進めています。遵守すべき法令・規範・倫理等は、マニュアルに規定し、コンプライアンスについては法人主催の研修に参加して理解を深めています。

●全職員の研修機会については、年3回受講することを目標に平等に参加できるよう努め、個々の職員に合った研修に参加し、職員の資質向上、専門性を高めるよう取り組んでいます。また、階層別に新任、中堅、リーダー、主任に分け、経験値に応じた研修計画を立てています。研修受講後は、研修報告書の作成及び提出を行い、伝達研修の機会を設け、全職員で共有して保育に生かしています。園長は、他人にきちんと伝える行為により、伝達者自身が身に着くと共に他の職員への啓発につながると考え、職員のレベルアップを図っています。

●園では、MBO(目標管理)の自己申告書、自己評価報告書を活用し、それらを基に職員面談を年3回実施し、職員個々の状況を正しく判断し、改善を図り、職員の評価を行っています。福利厚生では、健康保険に加入し、年1回、全職員に健康診断を実施し、職員の健康維持に取り組んでいます。また、勤続における表彰制度もあり、5年、10年、15年の勤続者には法人から表彰を受け、職員のモチベーションにつながっています。

 

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