かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

末吉にこにこ保育園

対象事業所名 末吉にこにこ保育園
経営主体(法人等) 株式会社 にこにこ
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 230 - 0012
鶴見区下末吉1-13-20
tel:045-580-2526
設立年月日 2004(平成16)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年01月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
 末吉にこにこ保育園は平成16年4月に開設した認可保育所で、定員60名のところ現在66名が在籍しています。園はJR鶴見駅より徒歩17分、あるいはバス利用でバス停から徒歩1分ほどの住宅地にあります。周辺は古くからの住宅や商業店舗、工場、新しい住宅などが混在した地域となっています。近隣に大小様々な公園や鶴見川河川敷があり、園外活動に利用しています。
 園舎1階を3〜5歳児クラス、2階は0〜2歳児クラスが使用しています。「豊かな人間関係の基盤をつくる」を保育方針とし、保育目標は「心身ともに健やかな子ども」「自分で考え行動できるよう基盤を培う」「基本的な生活習慣を身につける」「子どもが喜んで登園し笑顔で降園できる環境づくり」としています。
 外部講師による、体操、リトミックを保育活動に取り入れ、栄養士を中心とした食育などを行っています。


≪優れている点≫
1. 戸外活動を積極的に取り入れて、子どもの心身の成長を支えています


 保育目標のひとつに、「心身ともに健やかな子ども」をあげています。天候に応じて週日案の活動予定を変更するなど、外に出る時間を作り戸外活動を積極的に行っています。園庭遊びのほか、園外活動時は近隣にある消防署を訪問したり、公園の草花や樹木などに季節の移り変わりを感じ、鶴見川の流れを見るなど地域の環境を楽しめるように散歩コースを設定しています。子どもたちは園庭や公園の固定遊具、なわとび、かけっこなど体を動かし、発達に応じた遊びを楽しんでいます。
 幼児クラスでは1年間の戸外活動の集大成として、毎年2月に鶴見川沿いの公園でマラソン大会を開催しています。マラソン大会は子どもたちの楽しみな行事の一つで、賞状や金、銀、銅のシールを目指し、頑張って練習しています。こうした活動の中で目標を持ち頑張ること、達成した喜びを感じることなど子どもたちの心と体の成長を促し、健やかな育ちにつながっています。


2. 多くの人に見守られた繋がりの中で子どもが育っています


 園は、理念である「家庭と変わらぬ環境で過ごせるよう愛情をもって日々保育にあたる」ことに努めています。「朝の会」で出席をとるときは、子どもの返事の後に「大きなお声だね」「今日はちょっと元気ないかな」「昨日より体調よくなったね」など子どもたち一人一人に向けて声を掛けています。
 また、クラス担当をしている複数の職員の出席確認を行い、子どもたちに知らせています。職員の姿が見えない時には「おやつの準備をしてくれています」「みんなのお遊びの用意をしてくれています」「遅番だから〜時ごろ来てくれます」と子どもに伝えるようにしています。
 子どものことを思いながら見守り、支援をし、子どもたちが大切にされている安心感を持てるように職員は保育をしています。子どもたちはそんな職員の思いのなかで生活しています。
 また、開設以来、「家庭・保育園・地域」が協力し合って子どもの健全な発達をサポートすることを大切にしています。近隣住民の暖かな見守りや、手助けとともに、園外活動や地域の高齢者や小学生、他の近隣の保育園同士の交流で、さまざまな体験をする機会を大切にしています。また学生による音楽演奏のボランティアや、大学生のボランティアサークル、鶴見区のボランティア組織からの参加も多くあります。資源循環局の職員から、子どもが環境についてのお話を聞く機会もあります。子どもは地域の色々な人との交流や地域を知る体験を通して育っています。


3. 保育力向上に向けて研修実施や職員配置に工夫しています


 園の内部研修を毎月1回行っています。「園内のヒヤリハットマップ作り」「避難訓練」「子どもへの関わり」「園内の環境構成」などテーマを設定し、積極的に取り組んでいます。また外部研修も年間計画をたて、本人の希望も踏まえ、効果的な研修受講ができるようにしています。
 会議や打ち合わせの際には、一方的な報告や周知に留まらないように、参加者全員で話し合い、考え合うように努めています。園内での話し合いを大切にして、子ども一人一人の状況は皆で把握し、連携をとることで職員の誰もが同じ対応ができるように心がけています。
 園にいる全ての子どもを把握・理解し、対応できるようにシフトや配置、編成に工夫しています。乳児、幼児に特定しない配置・編成により、多くの保護者ともコミュニケーションをとる機会が増えています。また常勤・非常勤にこだわらず、園の職員の一員として責任をもって業務に当たれるような職員のシフトや配置をとることで、保育者としての意識を高め合っています。


≪努力・工夫している点≫
1. 保護者からの声を大切にし、より良い園運営に向けて交流連携を図っています


 保護者の意向で発足した「父母会」が活発に機能しています。「父母会」のアンケートから出された意見、意向を受け止め、職員会議などで検討し、運営法人にも内容を報告しています。主食の提供、保育参観時などを利用して、衣類のリユース品を自由に持ち帰れるようにした取り組み、ホームページの開設や卒園アルバムの製本方法の変更などは、意見をもとに変更や実施を行いました。
 また、保育参観日を増やし保護者が参加しやすいよう配慮するなど取組みを行っています。保育参観では、保護者が実際に保育に参加できるスタイルに変更しています。保育参加時に幼児クラスでは、給食も子どもたちと一緒のテーブルで同じメニュー、同じ量を食べる体験ができるようにしています。保護者の声を受け、可能な対応を実施し改善、向上に努めており、保護者理解を促す取り組みを実施するなど、保護者と園との交流や連携が図られています。


≪課題や改善することが期待される事項≫

1.マニュアルの整備と職員への周知による業務の標準化


 マニュアル類は、いつでも確認できる状態になっていますが様々な様式でファイルされており、参考資料も混在しています。また見直し時期が曖昧になっています。勤務年数が長い職員や経験豊富な非常勤職員も多く、日常業務は滞りなく行われています。
 さまざまな職員による業務の標準化に向け、園として統一された業務マニュアルの検討が望まれます。整備されたマニュアルを全職員に周知し業務の標準化が期待されます。


2.職員の期待水準を明文化し、人材育成計画の策定


 職員の経験・能力・習熟度に応じた期待水準の明文化がされていない状況です。職員が自らの役割と課題を認識し、技術の向上に向けた意欲を高める取り組みを進めるためにも、期待水準の明文化は必要です。
 明文化により職員一人一人が期待水準を把握することが期待されます。また、期待水準に基づき、主任クラス以下の人材育成計画を策定して、必要とする人材を育成することが期待されます。


3.中長期計画の策定 


 保育園の役割と責任を果たすために、地域支援や内部研修等で保育力向上を図るなど努力をしています。
 しかし中期的視野で社会環境や時代の変化に即した中長期計画は文書化されていません。園の理念に基づき、持続的な施設運営を可能にするため、園の進むべき方向が明確に記された中長期計画の策定が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

保育理念は「子ども一人一人の個性を尊重し、家庭と変わらぬ環境で過ごせるよう保育士一体となり、愛情をもって日々保育にあたります」としています。保育方針は「豊かな人間関係の基盤を作る」とし、保育目標は「心身ともに健やかな子ども」「自分で考えて行動できるよう基盤を培う」「基本的生活習慣を身につける」「子どもが喜んで登園し笑顔で降園できる環境づくり」としています。理念などは利用者本人を尊重したものとなっています。


子ども一人一人の気持ちを大切にしてきちんと目を見て、年齢によって言葉かけの仕方や内容を変えながら職員として望ましい対応を心がけています。接し方、話し方、子どもの人権を尊重することなどは会議や内部研修で確認し合っています。


就業規則やマニュアルで全職員は個人情報の定義や守秘義務の意義や目的について周知し、それに従い行動しています。実習生には、受け入れ時のオリエンテーションで同様の対応をしています。保護者には入園時に園での対応を説明し、個人情報使用同意書、個人情報保護に関する誓約書をもらっています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育理念、保育方針に沿った保育を実践するために、年齢ごとの保育目標を設定しています。保育課程は、保護者の状況、地域の環境、特徴・実態などを考慮し作成しています。保育課程に基づき年間指導計画・月間指導計画・週日案を作成しています。職員会議、カリキュラム会議などで話し合いや、振り返りを行い、子どもの様子を共有し、保育に活かしています。また職員は、子どもの気持ちを受けとめ、意欲的に物事に取り組み、行動できるように支援しています。


3歳未満児について月ごとの個別指導計画を作成しています。個別指導計画は職員会議、カリキュラム会議で情報共有し、意見交換を行い、柔軟に変更、見直しを行っています。保護者には、離乳食やトイレトレーニングの進め方など、一人一人の成長過程の把握が必要な場合に、説明し同意を得ています。


子どもがそれぞれの興味、関心を持って遊べるように、発達に応じて環境を整え、取り出しやすい場所に絵本や遊具、教材等を用意するよう工夫しています。子どもの意見や発想を取り入れ集団活動や遊びに繋げ、年齢ごとにルールを取り入れた遊びなどで、友だち同士の関わりに援助をしています。食事は子ども一人一人の好き嫌い、食事量を把握し、盛り付けから減らすなど、完食の喜びが味わえるようにしています。排泄は、活動の切れ間に声掛け、それぞれの子どもの排泄のリズムを把握し、無理強いすることがないようにしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

ならし保育は、園見学時・入園説明会・面談で説明と確認をし、保護者の希望や事情を考慮して実施しています。一人一人の「ならし保育日誌」を丁寧につけています。入園時に把握した生活記録や、入園後の成長・発達の記録、面談の記録は個別にファイルしています。必要時に職員が確認できるようにしています。


食物アレルギーや、障害、虐待など配慮が必要な場合は、研修を受講し保育に活かしています。職員会議・内部研修で報告し、それぞれのケースについては、話し合いと検討を行い、記録を残しています。健康管理・衛生管理・安全管理に関する各マニュアルを整備し、マニュアルに基づいた対応や訓練を行っています。行政、医療機関、学校、関係機関などリスト化し全職員で共有しています。


懇談会、個人面談、父母会(保護者組織)、意見箱などで意見や要望を聞く機会を作っています。送迎時の会話、日常の様子などからも意向をくみ取るよう心がけています。苦情解決の受け付け窓口については、園内掲示と入園時配付の「重要事項説明書」に明記しています。

4 地域との交流・連携

園の行事や「移動動物園」などの催事、「園庭開放」の予定は、園のホームページや園門扉に掲示し情報を提供しています。近隣住民や高齢者、小学生などを招待しています。近隣保育園の年長交流会や、中学生の職業体験、中・高校生や一般の人のボランティアの受け入れ、地域施設利用、地域行事へ参加などで交流を図っています。


園のパンフレットや園のホームページ、鶴見区地域子育て支援拠点「わっくんひろば」の情報媒体で、園情報を提供しています。園見学は園の設定日に、園長・主任が案内と説明をしています。


園見学者や園庭開放時の育児相談、自治会や敬老会・近隣住民との日常の交流、鶴見区の園長会、幼保小連絡会などから、地域の子育て支援ニーズを把握するよう努力しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

職員の自己評価後に、職員会議などで話し合い、課題等把握に努めています。また園独自の「保育士ふりかえり表」に基づき、職員の自己評価を定期的に行い、園長面談などで話し合いをしています。園としての自己評価や課題についての公表は今後行う予定です。


職員が守るべき倫理・服務規程は「就業規則」に明文化しています。保育理念、基本方針が明記された「重要事項説明書」を職員に配付しています。保育目標、保育課程を園内に掲示しています。


園では、園長が鶴見区園長会、幼保小連絡会や横浜市などの行政機関から情報収集し、他園に問い合わせするなどもしています。園に関わる事項は職員会議で話し合い周知しています。

6 職員の資質向上の促進

研修計画は主任が担い、園内研修計画を立てています。外部研修情報を職員に知らせ、本人の希望も取り入れ、効果的な研修となるように園長・主任が助言したり、勧めたりしています。


年間指導計画、月間指導計画、週案、指導計画、保育日誌に自己評価の欄があります。年間指導計画は期ごとに項目ごとの評価用紙を使用しています。見直し後、次の指導計画に反映しています。振り返りから気づいた課題は職員会議で話し合っています。


クラス運営、行事担当、各業務において現場にいる職員が主体的、自発的に判断して保育にあたれるよう可能な限り、権限を委譲しています。主任・園長に連絡や報告をし、最終的な責任を明確にしています。職員一人一人が「保育士」として、また「園の職員」としての自覚を持って仕事をするよう園長は指導しています。

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