かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ポピンズナーサリースクール小机(3回目受審)

対象事業所名 ポピンズナーサリースクール小机(3回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 ポピンズ
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 222 - 0036
港北区小机町2580-1
tel:045-470-6621
設立年月日 2000(平成12)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年01月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
ポピンズナーサリースクール小机はJR横浜線小机駅から歩いて1分の線路沿いにあります。園は、平成12年(2000年)4月に株式会社ポピンズによって開設されました。運営法人は、首都圏を中心に認可保育所や小規模保育室、病児・病後児保育室、学童クラブ等の保育・教育関連施設を多数運営するほか、ベビーシッターサービス、高齢者在宅ケアサービスなどの事業を行っています。
鉄骨造2階建ての園舎は、築17年経過していますが、衛生的で居心地の良い空間となっています。園庭には砂場や滑り台、鉄棒等の設備があり、片隅では子どもたちが野菜や花を育てています。夏場には、子どもたちがテラスでプール遊びをしています。
定員は45人(産休明け〜5歳児)、開園時間は平日(月曜日〜金曜日)は、7:00〜20:00、土曜日は7:00〜16:00です。
企業理念は「最高水準のエデュケアと介護サービスで社会に貢献します」、保育目標は「人生で最も重要な時期の人間教育を目指します 1、寛容な人間 2、聡明で愛情深い人間 3、探究心の旺盛な人間 4、グローバル社会で活躍できる人間」です。

◆高く評価できる点
1、子どもたちははっきりと自分の意思を伝え、友達と楽しく園生活を過ごしています
 園は保育姿勢に「自宅の居間できょうだいが穏やかに育ちあえるような保育環境」を掲げ、子どもが安心し居心地良く過ごせるよう環境設定しています。0・1歳児は、個々の状況や発達に合わせ、小グループに分け、保育士との個別の関わりの中、落ち着いて過ごせるようにしています。このような環境の中、子どもたちは自宅にいるかのようにはっきりと言葉や態度で自分の意思を伝えています。乳児でもおしゃべりが上手で、幼児になると自分達でルールを決めて遊んだり、話し合ってもめ事を解決したりできるように育っています。
 また、子どもたちは絵本が大好きで、2〜3人でまたは1人で好きな絵本を選んで読んでいる姿が多く見られます。1歳児クラスでも、絵本の読み聞かせで、子どもたちは好きな絵本を次から次へと何冊も保育士にリクエストしています。自由遊びの場面では、絵本の世界をヒントにブロック遊びで友達と共同で大きな作品を作ったり、園庭の木を物語の中の木に見立ててごっこ遊びをしたり、アリの観察からアリの王国へ物語を広げるなど、絵本をヒントに子どもの発想力、想像力で遊びの世界がどんどん広がっています。また、このような好きな絵本からの子どもの遊びをクリスマス会の演目に発展させるなど、保育士は子どもの関心や興味を一斉活動につなげています。
 異年齢の関わりも盛んで、自由遊びの時間に年上の子どもが年下の子どもをリードして出来ない所をさりげなく手助けしたり、もめ事の仲裁をしたり、年下の子どもが年上の子どもの遊び方を真似て少し頑張ったりする姿があちこちにあります。
 このように、子どもたちは自分らしさを素直に表現し、友達との遊びを通して様々なことを得、成長しています。
2、保育士は一人一人の子どもの気持ちを大切に、連携して保育にあたっています
 職員は入社時の運営法人の研修で、「子どもを一人一人独立した存在として尊敬する」という運営法人の哲学を学び、子どもの人権について学習しています。スタッフミーティングでも折に触れて取り上げ、子どもの気持ちを受け止めること、禁止言葉を用いないことなど、子どもとの関わり方を確認しています。
 また、クラスごとに毎月特徴的な出来事や子どもたちの様子などを写真にとって考察し、ドキュメンテーションとしてまとめ、お互いに見合っています。具体的なケースを用いて、子どもの姿や成長過程を検討することで、自分達の関わり方を確認する機会となっています。このような取組を通して保育士は子どもへの姿勢を共有していて、子どもが我を通そうとする時などには気が付いた職員がすぐにフォローに入って流れを変えるなど、お互いに連携する関係が出来ています。
 訪問調査時にも、活動に参加したくないという子どもの声を丁寧に聞き取り子どもが納得できるように話し合いをしたり、おやつのビスケットで遊んでいる子どもに禁止言葉は使わず「お口に入れるとうれしいな」と声をかけたりするなど、保育士が子どもの気持ちを尊重している場面を見ることが出来ました。 

3、保護者とコミュニケーションを密にとり、信頼関係を構築しています
 年2回の懇談会で園の保育方針を説明し、クラス全体の様子を伝え、クラスで使用している遊具や活動を写真、ビデオ等で紹介しています。乳児クラスで2月の2回目の懇談会で6月の1回目の子どもの写真と2月の子どもの写真をパワーポイントで見比べ、子どもたちの成長を確かめ合うなどの工夫もしています。月間指導計画と週間指導計画は園内に掲示し、保育内容を保護者が理解できるようにしています。保護者との情報交換はWebシステム入力「ポピンズメモリー」を使用し、乳児クラスは毎日、幼児クラスでは任意に、子どもの様子を知らせ合っています。子どもの送迎時には、その日の子どもの様子を、職員が伝え、主任または施設長も日々玄関等で保護者と気軽に話し合うようにしていて、日常的な情報交換を大切にしています。また、各クラスのその日の活動の様子を写真や文章にして保護者向けに日々掲示しています。
 個人面談や日常会話から把握した保護者の意見や要望等はすぐに話し合い、対応しています。内容は「保護者対応シート」に記載して職員間で共有し、誰でもが同じ対応が出来るようにしています。
 このような保護者とのコミュニケーションを通して信頼関係が構築されていて、今回の保護者アンケートでの総合的な満足度は、「満足」が75.9%、「どちらかといえば満足」が24.1%と合わせて100%になっています。
             
◆改善や工夫が望まれる点
1、地域に園の専門性を還元していくことが期待されます
 子どもたちは、地域の商店街に散歩や買い物、ハロウィンや勤労感謝などの行事で地域住民と交流しています。また、地区センターや地域ケアプラザなどの地域の施設を利用したり、行事に参加したりしています。
 ただし、地域に対する育児支援事業としては、週1回予約制で園庭開放をしているものの、利用は年1〜2回で、育児相談も行っていません。また、地域の育児支援ニーズを積極的に把握することもしていません。
 保育所保育指針にも保育園の役割として地域の子育て家庭に向けての支援が求められています。地域の育児支援ニーズを把握し、地区センターや地域ケアプラザの育児支援事業に保育士を派遣して遊びの提供をするなど、園として出来ることから地域に向けて園の専門性を還元していくことが期待されます。また、園への入り方が分かりにくいので、園庭開放のチラシに分かりやすく表示するなどの工夫も望まれます。

◆さらなる取組が期待される点
1、非常勤職員を体系的に育成していくことが期待されます
 園では、常勤職員に対しては人材育成計画に基づき人材の育成を行っていて、「ジョブ・ディスクリプション(役割・成長目標)シート」を用いて目標の設定と達成度の評価をしています。ただし、非常勤職員に対しては、嘔吐処理や危機管理等の園内研修や職務に応じた外部研修への派遣を行っているものの、体系だって育成することはしていません。
 保育士確保が難しい中、非常勤職員の比率が高く、短時間勤務の職員もいて出入りが多くなっています。保育の質と落ち着いた保育環境を継続的に維持していくためには、非常勤職員を含む全職員が方向性を共有し、責任感を持って職務にあたることが大切です。非常勤職員に対しても理念や方針、人権尊重、子どもへの配慮、危機管理など園が大切にしていることを体系的に伝える機会を持つことが期待されます。また、非常勤職員が常勤職員への転換を考えるなどモチベーションをもって職務にあたれるよう、一人一人に応じた体系的な研修などを実施していくことが期待されます。


 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・企業理念は「最高水準のエデュケアと介護サービスで社会に貢献します」、保育目標は「人生で最も重要な時期の人間教育を目指します 1、寛容な人間 2、聡明で愛情深い人間 3、探究心の旺盛な人間 4、グローバル社会で活躍できる人間」で、利用者本人を尊重したものとなっています。
・虐待防止マニュアルがあり、職員に周知しています。虐待が明白になった場合や疑わしい場合、見守りが必要な場合は、港北区こども家庭支援課や横浜市北部児童相談所と連携しています。
・全職員が保育の基本として子どもの人格を尊重することを認識し、子どもの気持ちを受け止めることを大事にしています。また、子どもに対する言葉遣い等は禁止言葉を使用しないようにし、職員間で互いに注意し合っています。
・入社時に個人情報に関する研修を行い、非常勤職員を含め全職員から「守秘義務に関する誓約書」を取っています。保護者に対しては個人情報に関する同意書を提出してもらっています。写真掲載に関してはその都度保護者が許可するかしないかを書面で答えてもらっています。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・子どもたちが自由に遊ぶ時間は十分に確保してあり、子どもたちは何人かでごっこ遊びをしたり、ブロックなどで共同作業をしたりしています。ごっこ遊びは絵本の物語の世界に発展したりします。
・園では運営法人から派遣される講師による、年齢や発達状況に合ったリトミックやダンス、歌や体育遊びなどをしています。 
・天気の良い日は積極的に散歩に出かけ、園庭も活用しています。散歩マニュアル、散歩マップを作成し、安全に有意義に散歩を楽しめるように配慮しています。
・0歳児クラスから「年間食育活動計画」をたて、それに従って子どもたちが食事やその過程に関心を持つようにしています。
・保護者との情報交換は、Webシステム入力「ポピンズメモリー」を使用しています。乳児クラスは毎日、幼児クラスでは任意で、子どもの様子を知らせ合っています。子どもの送迎時にも、その日の子どもの様子を、基本的には常勤職員から伝え、主任または施設長も日々玄関等で保護者と気軽に話し合うようにしていて、日常的な情報交換を大切にしています。
・地域の地区センターやケアプラザを定期的に、日産スタジアム競技場の広場や鶴見川流域センターなど地域資源を日常的に利用しています。また、年2回の地域の農家の畑に行って芋ほりを経験しています。
・系列の保育園数箇所との年間交流、地域の小学校2校との交流、横浜市総合リハビリテーションセンターとの交流、区内公立私立保育園交流(ドッジボール大会、岸根公園での交流)など、多くの交流があります。

 

3 サービスマネジメントシステムの確立 ・保育課程に基づき、年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。0〜2歳児は個別指導計画を作成しています。幼児についても特別な課題がある場合には、個別指導計画を作成しています。
・子どもの生育歴や家庭の状況、要望などは、入園時に児童票、児童健康票などに保護者に記載してもらっています。入園後の子どもの成長発達の様子は、成長記録に4期に分けて記録しています。子どもの記録は一人ずつファイルし、施錠できるロッカーに置かれています。
・食物アレルギーのある子どもに対しては、子どものかかりつけ医が記載した「アレルギ―疾患生活管理指導表」「食事内容変更依頼書」を保護者に提出してもらい、除去食を提供しています。
・苦情解決マニュアルを整備し、仕組みを重要事項説明書に記載するとともに、玄関に掲示し保護者に周知しています。
・運営法人作成の「保健業務マニュアル」「感染症予防マニュアル」「安全管理マニュアル」などの各種マニュアルを整備しています。また、園の実情に合わせ「掃除マニュアル」「災害対策マニュアル」「不審者侵入対策」などのマニュアルを作成し、職員間で周知しています。
4 地域との交流・連携 ・施設の専門性を活かしたサービスとして園庭開放を予約制で毎週1回受け入れる用意があります。しかし、実績は年に1〜2回にとどまっています。地域の福祉ニーズを積極的に把握し、地区センターや地域ケアプラザの子育て支援事業に保育士を派遣するなど、地域の子育て家庭に向けて園の専門性を還元していくことが期待されます。また、定期的な育児相談も実施していません。
・地域ネットワークマニュアルとして、地域の関係機関を役割別に網羅しリスト化していて、職員は必要に応じて利用できます。関係機関や地域の商店街等とは、子どもたちが定期的に交流・利用していることもあり、日常的に連携が出来ています。
・園の行事であるハロウィンと勤労感謝の際に、地域の商店街や駅長、地域ケアプラザに協力してもらってお菓子を用意してもらったり、お礼に行ったりして交流しています。駅職員や駅長とは園開設当初から積み上げた友好的な関係があり、隣接するマンションの管理人とも友好的な交流があります。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・運営法人のホームページに園の情報を随時提供しています。横浜市のホームページ「ヨコハマはぴねすぽっと」や、地域の情報誌「びーのびーの」に園の情報を提供しています。
・服務心得に職員が守るべき法、規範、倫理などが明文化されています。横浜市や運営法人などから得た他施設の不正・不適切な事案はスタッフミーティングで報告し、確認しています。非常勤職員に対してはスタッフノートで周知しています。
・保護者代表が参加する運営委員会で運営状況について報告し、議事録を園内に1週間掲示しています。また、経営、運営状況の閲覧用のファイルを用意し、希望すれば見ることが出来ます。
・重要な意思決定に関しては、保護者代表が参加する運営委員会で報告し意見交換しています。重要な意思決定に関しては、職員には職員会議で、保護者には懇談会やお手紙で、目的や理由、経緯などを説明しています。
・運営法人の中長期計画に基づき、園としての年度ごとの事業計画を作成しています。運営法人は次代の組織運営に備え、運営やサ―ビスプロセスの新たな仕組みを常に検討しています。
・運営に関し、税理士や弁護士、学識経験者の意見を取り入れています。
6 職員の資質向上の促進

・運営法人の人材育成計画を基に、「ジョブ・ディスクリプション(役割・成長目標)シート」を用いて人材育成を行っています。職員は「ジョブ・ディスクリプション(役割・成長目標)シート」を用いて目標設定をし、年2回の施設長面談で達成度の評価を行っています。
・嘔吐処理や危機管理等の園内研修には、非常勤職員を含む全職員が参加しています。クラス担任は日々の保育の中での子どもの様子を写真に撮って事例検討して「ドキュメンテーション」としてまとめて提出し、毎月のエデュケアカンファレンスで取り上げ話し合っています。また、運営法人の研修に該当する職員が参加しています。職員は、横浜市や港北区などが主催する外部研修に参加し、研修レポートを作成し、スタッフミーティングで報告しています。
・業務マニュアルは事務室に置かれていて、必要な職員はいつでも確認することが出来ます。
・業務にあたっては、必ず常勤職員と非常勤職員が組み合わさるようにしています。仕事に入る前には、スタッフノートに目を通すことを義務付け、情報共有を図っています。重要な情報はその都度フロアリーダーが口頭で伝達しています。非常勤職員に対して日々の現場での研修は行っていますが、体系的な人材育成の仕組みがなく課題となっています。
・保育士一人一人が「ポピンズナーサリースクールの自己評価」を用いて自己評価し、それを基に園としての自己評価をしています。
・クラス運営、係などで現場の職員に可能な限り権限を委譲し、組織図、業務分担表で責任を明確にしています。
・スタッフミーティングで、職員の業務改善についての意見を聞いています。また、運営法人の「キャリアプランアンケート」で、職員から業務改善についての意見を聞いています。

 

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