かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

あいあい緑園

対象事業所名 あいあい緑園
経営主体(法人等) 特定非営利活動法人 いずみ福祉会
対象サービス 障害分野 生活介護
事業所住所等 〒 245 - 0003
泉区岡津町2528-37
tel:045-410-9555
設立年月日 2012(平成24)年02月01日
公表年月 2018(平成30)年01月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の特色】
・立地および施設の概要
 特定非営利活動法人いずみ福祉会が運営する「あいあい緑園」は障害者総合支援法に基づく生活介護事業を提供しています。開設は平成24年2月1日で、現在25名が通所しています。相鉄いずみ野線緑園都市駅から徒歩15分の住宅街の一角にあり、林もあり緑豊かで、近隣には公園や老人ホーム、大学、小・中学校があります。
・施設の特徴
「ここはみんなが元気になれる場所だから」をキャッチフレーズに、コミュニケーションの取り方を工夫して利用者一人一人にスポットライトが当たるよう寄り添い、利用者個々の特性の理解に努め、日々支援を行っています。当初は月曜日から金曜日の開所でしたが、利用者・保護者の意向も踏まえ、現在は、土曜日・祝日も開所しています。室内環境には自然素材を多く取り入れ、柱、床、ドアに無垢材を利用したり、エコロジー壁紙を使用し、テーブルや椅子も木材製で、木のぬくもりが感じられる環境になっています。また、自治会に加入しており、事業所広報誌「あいあい緑園新聞」を回覧してもらったり、利用者が自治会の合唱団サークルに見学に行ったり、アルミ缶回収の協力を得るなど、地域交流にも取り組んでいます。

【特に優れていると思われる点】

1.一人一人の特性を把握し、さまざまな作業種目や日中活動を提供
 日中活動は個別支援計画に基づき、利用者の意向や特性に合わせて計画的に行っています。個別支援計画作成時に、利用者本人、家族、通学していた学校等から情報を得て利用者の得意なこと、苦手なことを把握し、利用者一人一人の特性に応じた活動を実施しています。
作業は、園芸用の水苔やチップの袋詰め、公園清掃、アルミ缶回収活動、ポスティング、スイーツマグネット、くるみボタンのストラップ、割箸の加工・袋詰めなど様々な種目を用意しています。作業は、何回か参加してもらう中で利用者の特性や理解力、態度、やる気、こだわりなどを把握し、評価をしながら本人に合わせて設定しています。利用者が意欲的に参加し、また、活動がなるべく偏らないよう工夫し、活動状況の記録をして、支援に役立てています。利用者が楽しめるような行事を毎月行い、利用者がやりたいことを意欲的にできるよう支援をしています。区内の地区センターで行われるのど自慢大会では利用者が曲名を選んで歌ったり踊りを楽しんでいます。泉区軽スポーツ大会では、パン食い競争などに参加し、事業所の球技大会ではボーリング、サッカー、風船バレーなどを楽しんでいます。また、外出プログラムを用意し、フードコートやファミリーレストランで自分の好きなメニューを選んで食べています。

2.一人で作業したり落ち着いて過ごせる場所を提供し、利用者のペースで活動
利用者一人一人の目標や目的に合わせて、より意欲的に参加できるよう落ち着けるスペースを用意して支援しています。本館と別館がテラスでつながっており、作業や活動に合わせて利用しています。本館では、利用者の特性に応じて、数人で作業できるテーブルや、個別に仕切られた机を用意しています。作業に取り組めない様子の時は2か所ある相談室で休息したり簡易ベッドに横になることもあります。旧館をリニューアルした別館は、音楽プログラム、パソコン作業、木工作業、紙芝居の読み聞かせなどの活動の場となっています。1階には木製の椅子とテーブルを数か所に設置した食堂があり、必要な利用者には個別支援を行っています。

3,他機関と連携した自立支援
利用前に、通っていた事業所や、身近な相談員、より専門的な相談ができる二次相談支援機関、特別支援学校、病院などと、情報収集や連絡調整を行っています。通所後は、ケースワーカー、相談支援事業所、二次相談支援機関と支援会議を開催するなど、連携が必要な機関と日常的に情報交換しています。泉地域活動ホームや瀬谷活動ホームから、グループホーム入居など地域移行について情報提供を受けています。利用者や家族からの相談はケース記録、面談記録に記載し、また、関係機関との支援会議の結果は、「カンファレンス議事録」にまとめています。入院患者の社会参加リハビリ目的での通所利用や児童施設から成人施設への移行対象者の体験実習を受け入れ、各機関と常に連絡を取って利用者の情報交換をし、無理のないように通所に繋げています。

4.施設長のリーダーシップのもと、職員間で支援方法を共有して支援
施設長は、日常的に職員とコニュミケーションを取りながら、リーダーシップを発揮して業務を指揮しています。朝の打ち合わせで職員に1日の流れや注意事項を伝え、職員は送迎時に随時施設長に連絡を取り適切な指示を仰いでいます。また、自ら、作業、レクリエーション、食事など、できる限り利用者への支援に関わり、職員に支援方法を示しています。全職員が参加する職員会議では、職員の意見や提案に耳を傾け、今回の第三者評価受審を契機にマニュアル類を見直して不足の部分は新たに策定して職員に周知するなど、職員とコミュニケーションを密に取りながら、支援方法の共有化に取り組んでいます。

【特に改善や工夫などを期待したい点】

1.個別の課題を明確にした人材育成と研修への参加
常勤職員は厚生労働省のジョブ・カード制度(職場での仕事振りの評価に関する機能を担うツール)を利用してチェックし、非常勤職員は非常勤職員用評価シートで年2回、個々の支援技術の振り返りを行っています。それらを生かし、現在行われている職員との個人面談などを利用して、個々の職員の資質向上に向けた目標を定め、達成度評価を行い、人材育成に活かすことが期待されます。
「年度研修計画・実績表」に基づいて、常勤職員・非常勤職員が出席して年6回程度内部研修を行っていますが、今後は職員の外部研修への積極的参加が期待されます。

2.ヒヤリハットを活かした事故防止に向けたさらなる取り組み
 ヒヤリハット報告があり、ヒヤリとした状況、結果と対応、大きな事故につながる可能性、再発防止に向けての対応などについてまとめ、職員会議で報告しています。ヒヤリとした事例があった場合は、状況をスタッフノートによりすぐに共有できるようにして、職員会議(全職員参加)で話し合い、利用者の行動特性を把握したうえで再発防止策を図っています。今後は、ヒヤリハット事例をまとめて蓄積して分析するとともに、利用者の安全を保つための日常点検の項目を明記したチェックリストを作成し、施設の安全面やサービス内容を常にチェックするなど、事故防止に向けたより一層の取り組みが望まれます。

3.実習生の受け入れ
「実習生受け入れマニュアル」があり、実習の基本姿勢、服装、利用者に対する注意事項などを明記し、受け入れ体制は整っていますが、まだ実習生の受け入れ実績はありません。今後、指導体制の整備に努め、実習施設および実習指導者としての要件を満たした後、積極的に受け入れを行い、利用者一人一人に向き合った支援方法を実習生に伝え、福祉に関する普及や啓発を促進することが期待されます。

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・「倫理綱領」「職員としての行動規範」に基本行動を示し、職員に配付し、入職時や職員会議で施設長が説明しています。

・支援マニュアルに、「障害種別の特性、障がい者との話し方、各利用者さんの支援についてプライバシーに関する留意事項、守秘義務」を規定するほか、「個人情報の利用目的に関する規程」があります。

・相談室が2か所あり、面談や着替え、プライバシーを守れる場所として利用しています。排泄、着替えは同性介助で、日常的に同性介助できる職員体制を確保しています。

・「虐待防止規程」に、虐待の定義などを、行動規範に「体罰禁止・威圧的態度・無視・必要以上の禁止・制止をしない」を明示して、職員に説明しています。虐待防止規程に、虐待があったときの対応責任者・受付担当者を決め、解決に向けた協議を行う仕組みがあります。職員の処分規定は就業規則に定めています。

・個々の利用者からの意見・要望は、日常の中で聞き取っています。言葉による表現が困難な利用者からは、日々の様子や態度、表情から意見や要望の読み取りに努めています。家族会や家族面談で家族の意見も聞き取っています。

・意思表示できにくい利用者も多く、利用者同士の話し合いは難しい現状がありますが、利用者の要望を読み取りながら公平なサービスの提供に努めています。

・他施設で起こった不正や不適切な事例を回覧したり、職員会議で、他施設で起きた虐待の事例を基に障害者虐待防止に関する研修を行い、外部講師による接遇研修を実施し、職員は自身の支援を振り返っています。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・倫理綱領に、「利用者が地域社会で豊かに暮らせるよう努める」と定め、重要事項説明書に自立支援を掲げています。

・各区の基幹相談支援センターや地域活動ホームと連携し、地域生活移行について情報提供を受けています。

・事業所で、ケースワーカー、相談支援事業所、二次相談支援機関と連携して支援会議を開催し、利用者の自立に向けて課題を話し合っています。結果は「カンファレンス議事録」にまとめています。

・「横浜市障害者後見的支援制度」「泉区障がい者後見的支援室 しーど」のパンフレットを玄関入り口に置いて、家族・利用者に紹介しています。他区の障害者後見的支援室の連絡先を玄関エントランスに貼り出しています。

・特に配慮を要する利用者については、施設長を中心として、家での様子を聞きながら事業所での活動を伝え、必要時家庭訪問を実施して、家族・利用者・関係機関を交えた連携体制で支援を行っています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・見学・体験利用後本人の意思を確認し、見学・体験での取り組みの様子や家族・支援者の意見、職員会議での検討により、利用者本位に検討して総合的に判断し、利用決定に繋げています。

・調査票・利用調査票により利用者情報を把握し、アセスメント票には、利用者、家族、横浜市障害者自立アシスタントなどとの面接時に聞き取った内容を記載しています。

・個別支援計画書は、家族の要望・本人の要望を聞き、日常の日誌から個別のケース記録を作成してニーズを把握し、家族面談で内容を把握して了承を得ています。計画には、長期目標(1年)と短期目標(6か月)を掲げ、マニュアルに沿って6か月ごとに見直しを行っています。

・家族面談を年2回開催し、家族からの意見や要望、個別支援計画の説明、利用者の日常の様子を伝え、記録しています。家族、施設長、関係機関職員でケース会議を開催し、利用者本位に支援内容を検討し、カンファレンス記録に残し、個別支援計画書に反映しています。

・外部権利擁護機関として重要事項説明書に、行政担当係、横浜市福祉調整委員会、かながわ福祉サービス運営適正化委員会の連絡先を明示しています。第三者委員が事業所見学に来所したり、事業所から第三者委員に電話で情報を伝えています。

・苦情対応マニュアルを整備し、苦情が上がったときはマニュアルに基づいて対応する仕組みがあります。苦情は「苦情対応記録」に記録して職員に回覧し、周知しています。過去の苦情・トラブルや要望のデータを記録していますが、蓄積・整理までには至っていません。

・衛生管理や感染症などの対策に関するマニュアルがあり、職員会議で感染症が疑われる場合の対応方法や配慮事項などを共有しています。「ウィルス感染症予防と吐しゃ物の処理法」の研修を、ビデオを活用して毎年全職員に実施しています。

・「交通事故防止マニュアル」「施設内での緊急時対応マニュアル」「送迎事故対策の手引き」など事故防止、事故対応に関するマニュアルを整備しています。

・「リスクマネジメント」研修を全職員に実施し、職員各自がヒヤリとしたことを発表し、予測できない危険について意識向上に努めています。

・災害時対応マニュアルに基づき、年2回火災を想定した避難訓練を実施しています。水・乾パン、毛布などを備蓄し、災害発生時には緊急連絡簿により家族に速やかに知らせる態勢があります。

・緊急時対応マニュアルに応急処置方法、119番通報の判断基準などを明記し、地域の内科クリニックを協力医療機関として連携を図っています。

・AEDを設置し、全職員が使用方法や注意事項について研修を受けています。

 

4 地域との交流・連携

・地域ニーズの把握は、自立支援協議会や、相談支援機関との連携の中で行っています。泉区や旭区の相談支援センターからの見学もあり、情報交換の中でニーズの把握に努めています。

・自治会に加入し、自治会に「あいあい緑園新聞」を回覧してもらったり、利用者が自治会の合唱団サークルに見学に行き、アルミ缶回収に協力してもらっています。近隣の中学校の文化祭に毎年、施設の自主作品を展示してもらい、一般の方々に施設への理解を深めたり、中学生と交流を図っています。

・利用者は、緑園交流センター、大和市引地台公園、地区センターの工芸音楽室や図書館など、地域の文化・レクリエーション施設、飲食店を積極的に利用しています。地区センター主催ののど自慢大会、泉区軽スポーツ大会、花見などを楽しんでいます。

・「ボランティア受け入れマニュアル」があり、ボランティアには、守秘義務などを施設長が説明しています。毎週水曜日にボランティアを受け入れ、利用者と共に活動してもらっています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・設置法人が倫理綱領、職員としての行動規範を定め、全職員に配付し、入職時や第三者評価受審時などに職員に周知しています。「就業規則」に服務規程を記載しています。

・行政書士による「法人職員としての法的責任や心構え」の研修を全職員が受講しています。

・重要な意思決定を行うにあたっては、事前に利用者や家族にアンケートを実施し、利用者や家族の希望を確認し、家族会などで変更の理由や目的、経緯を説明し理解を深めています。

・施設長は、事業運営に影響のある情報を、月1回の顧問行政書士との定例会などで収集・分析し、重要な情報は、必要に応じて職員会議などで報告しています。

・基本理念の基に、平成29年度から平成32年度の期間で「安定した経営基盤の確立」「職員の働く環境の整備と資質向上」「第三者評価の実施、継続」「新規障害福祉サービス事業所の創設」の4項目を掲げた中長期計画を策定しています。

6 職員の資質向上の促進

・設置法人は、「キャリアアップに対応した人材育成の施策」を作成し、次世代の幹部候補育成のために、計画的にサービス管理責任者研修などの資格取得研修に参加させ、人材育成に努めています。施設長は、全職員と年2回面談を行い、職員の意見や業務満足度を聞き取っています。

・常勤職員は厚生労働省のジョブ・カード制度(職場での仕事振りの評価に関する機能を担うツール)で日々の業務をチェックし、非常勤職員は非常勤職員用評価シートで年2回、個々の支援技術の振り返りを行っています。

・毎朝の出勤職員での打ち合わせ、毎夕の常勤職員間での打ち合わせ、全職員が出席する月1回の職員会議で、情報共有して支援の質の向上に取り組んでいます。

・職員の食事や休憩時間であっても、十分な見守りが必要な利用者が多く、食事のペースが早い利用者もあり、職員が早めに食事を終わらせ、歯磨きなどを進めるなど、職員の休憩時間確保が課題となっています。

詳細評価(PDF723KB)へリンク