かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

よつば保育園(3回目受審)

対象事業所名 よつば保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 川崎市社会福祉事業団
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 210 - 0828
川崎区四谷上町14-8
tel:044-288-4289
設立年月日 2006(平成18)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年01月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設の概要・特徴>
よつば保育園は、平成18年4月に社会福祉法人川崎市社会福祉事業団によって設立されました。法人は、川崎市内で他に保育園を5園運営するほか、川崎市内で障害者施設や高齢者施設などを幅広く運営しています。
 園はJR川崎駅からバスで10分ほどのバス停から徒歩5分ほどの、住宅や商店などが混在する地域にあります。鉄骨造り2階建ての園舎は窓が大きく、1階のホールはランチルームとして用いています。園庭(土の園庭)には実のなる木が植えられ、砂場や遊具が設置され、ウッドテラス(木の園庭)では、子どもたちが運動遊びを楽しんでいます。屋上(空の園庭)には畑があり、野菜や花を育てています。
 定員は60名(生後5か月から就学前)で69名が利用しています。開園時間は7時〜20時で、長時間保育、延長保育事業、一時保育事業及び障害を持つ子どもの受け入れも行っています。
 保育理念は「子どもの人権の尊重及び子どもの権利保障」「子どもの健全な発達保障」「地域における子育て支援の社会的役割の実施」であり、4項目からなる保育方針を明確にしています。さらに保育目標として「心も身体も健康な子ども」「友だちと一緒に遊べる子ども」「自分の思いや考えを豊かに表現できる子ども」「楽しく食べる子ども」を掲げています。
 


<特によいと思う点>
子どもたちはのびのびと自分を表現し、様々な経験をし、園生活を楽しんでいます
保育士は子どもに寄り添い、子どもが主体的に活動できるよう活動を組んでいます。制作や音楽など子どもが自由に表現できるよう機会を設け、園内には個性があふれる作品を多数掲示しています。運動にも力を入れ、マットや鉄棒、竹馬など子どもが楽しみながら身体を動かせる機会を作っています。
 日本の食文化を大切にした食育活動にも力を入れ、米作りやみそ作り、さんま焼きなどの活動をしています。プランターや屋上の畑での野菜栽培にも力を入れ、とれたての野菜の匂いや味を楽しむなど、子どもたちは様々な経験を通し、成長しています。

地域の福祉施設として地域の子育て支援に力を入れています
基本方針に地域における子育て支援の拠点となる保育園を掲げ、地域の子育て支援に力を入れています。一時保育事業、園庭開放、地域の母親クラブでの出張保育などを実施していて、園庭開放では、保育士によるふれあい遊びや紙芝居、保育や健康栄養に関する相談、離乳食講座試食会、水遊びなど多彩なプログラムを用意し、好評です。また、川崎区の男性の育児参加促進事業「ジョイフルサタデー」を年1回実施したり、川崎区の子育てフェスタで保育士が遊びの提供をするなど、地域の関係機関と連携し地域福祉の向上に向けて取組んでいます。

保護者の要望や相談に応じることで保護者との信頼関係を構築しています
職員は、登降園時に保護者とコミュニケーションを取り信頼関係を構築するように努めています。年1回の担任面談、年2回の園長面談のほか、子どもや保護者の様子で気になることがあった時には保護者に声をかけて相談にのり、保護者に寄り添い困っていることを一緒に解決する姿勢を示すことで、気楽に相談しやすい関係を作っています。外国籍の保護者には通訳を用意するなどの配慮もしています。これら取り組みにより、以前は「園長への手紙」に書かれていたような要望も、園長や保育士に直接言ってくるような関係が出来ています。

<さらなる改善が望まれる点>
子どもの人権に関する取組みを継続することで、いつでも誰でも注意し合える関係が構築されることが期待されます
保育理念に「子どもの人権の尊重及び子どもの権利保障」を掲げ、入職時の研修や職員会議で取り上げ職員に周知しています。子どもへのNGワードを振り返るなど自己点検表の項目を毎年工夫し、自己を振り返る機会も作っています。会議のあり方を見直し、年代や経験に関係なく気づきや意見を言い合える関係作りに取り組んでいます。今年度は、契約職員を含む全職員を対象に子どもの権利についての園内研修を実施しました。 社会環境や保護者の状況も変化する中で取組みを継続し、気が付いた職員が注意し合ったり、助けに入れる関係が構築されることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 保育理念に「子どもの人権の尊重及び子どもの権利保障」を掲げ、保育士は、子ども一人ひとりに寄り添い、子どもの意思や要求を受け止め、子どもが主体となって活動することを大切に保育にあたっています。入職時の研修や職員会議で「川崎市子どもの権利条約」の読み合わせをし、その結果の振り返りを行い職員に周知しています。今年度は、契約職員を含む全職員を対象に子どもの権利についての園内研修を実施して自己点検をするなど、気が付いた職員がお互いに注意し合える環境作りを目指しています。
個人情報保護要綱があり、個人情報の遵守について契約職員も含めたすべての職員に周知徹底し、入職時に誓約書を書いてもらっています。保護者に対しては、入園時に園が取り扱う個人情報やその利用目的について説明し、同意書を取っています。外部への展示などで子どもの写真を用いる場合には、個別に承諾を得ています。また、就学や転園、関係機関等で外部とやり取りが生じた場合には、保護者に説明し同意を得ています。
接遇マニュアルがあり、入職時の研修で周知しています。年度初めの全体会議では、子どもの呼び方や声掛けなどについて、NGワード表を用い確認しています。子どもが落ち着かない時や普段と違う様子が見られた時には、保育士が見守りながら気持ちを汲み取り、個別にじっくり話を聞くなどしています。プール遊びやシャワーの際には、目隠しのシートを用い外から見えないように配慮しています。おもらし等をしたときは、他の子どもに気づかれないようにそっと着替えるなど、子どもの羞恥心に配慮しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 年に1回、利用者満足度アンケートを実施し、行事についても実施後にアンケートをとっています。集計結果は、グラフ化して分析しています。アンケートから出た意見については、全体会議で討議し、結果を保護者に知らせています。「園長への手紙」と書かれた箱と用紙をエントランスに設置し、保護者の意見などを随時受け付けています。要望や意見は保育参観や年1回の個人面談、年2回の園長面談、クラス懇談会、給食試食会の際にも聞いています。子どもが園長と事務所前で2人で食事しながら話をする機会も設けています。
園長をはじめ、保育士も保護者には積極的に声掛けをして、信頼関係の構築に努めています。そして、何でも相談しやすい雰囲気作りを心掛けています。相談には、事務室のほかに、相談用の部屋も用意しています。子ども一人ひとりの生活環境や状況を把握して気持ちに寄り添い、個別に見守っています。また、発達相談支援コーディネーターを2名配置し、発達が気になる子どもについて個人面談を行い、ケース会議を実施しています。定型発達の子どもと共に生活できるよう、必要に応じて横浜市南部地域療育センターの職員に来園してもらい、保育の手立てを聞いて保護者にも伝えています。保護者が発達相談を希望しない場合は、担任、発達相談支援コーディネーターを中心に継続して発達を見守っています。外国籍で日本語の理解が難しい子に関しては、話の内容や指示が理解できているか確認しています。
登園時・降園時は、申し送り表や連絡帳を使って、保護者と情報交換をしています。外国籍の保護者に対しては、特に丁寧に行っています。体調の変化や怪我などには速やかに対応するとともに、受診をしたケガ等については園長が電話で帰宅後の様子も確認しています。外国籍の保護者に配慮して、毎月の園だより・給食だより・食育だより・健康だよりはすべてふりがなを付け、面談の際には通訳の手配をしています。園独自の子育てリーフレットを活用したり、保護者に個別にアドバイスして、基本的生活習慣の習得を支援しています。
離乳食・乳児食・幼児食全てを展示しています。カウプ指数、BMI値から一人ひとりの子どものエネルギー必要量を割り出し、残食があっても許容範囲かどうか日々確認しています。また、日本の食文化を大切にした食育活動を行い、米作りやみそ作りに取り組んでいます。食育活動の写真はファイルして公開し、クラスだより、食育だよりでも知らせています。近辺に畑のない地域なので、プランターや屋上の畑での野菜栽培にも力を入れ、とれたての野菜の味を子どもたちに知ってもらい、家庭に収穫した野菜を持ち帰ってもらうなど、保護者も巻き込んで食育活動を展開しています。
健康管理年間計画に沿って各年齢別の健康教育を進めています。さらに三者(保育士・栄養士・看護師)連携の健康集会を年3回開き、身体のしくみ、生活リズムや基本的生活習慣の大切さを教えています。川崎区地域振興課の協力を得て、交通安全教室を毎年実施しています。園で感染症が発生した場合は情報を掲示しています。日ごろから保護者に早めの受診で症状の悪化を防ぐよう呼び掛けています。 嘔吐下痢の対応については、保育内容説明会で説明するだけでなく、嘔吐で汚れた衣服を保護者に返す際に、「汚染衣類の処理について」のお知らせを渡しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立

園見学は随時受け付け、希望があれば育児相談を行い、園長、保育士、看護師、栄養士が対応しています。園庭開放や園見学時に保育理念や方針、目標、事業内容や年間行事を記載したリーフレットを配布しています。 年度初めに保育内容説明会を1時間半かけて実施し、リーフレットの内容に加え、防災、健康管理、食育、地域での取組みなど詳細に保護者に説明しています。重要事項説明書を、エントランスに置き、いつでも閲覧することができます。外国籍の保護者には、保育内容の説明にあたって通訳をつけて、内容を理解してもらっています。
運営や業務に関するマニュアルは、職員間で分担して案を作成し、会議で検討して最終版を完成させています。また、保育活動については、各クラスで前期・後期のデイリープログラムを作成し、時系列で「活動内容」と主担当・副担当別の「保育の配慮及び援助」を記しています。各種マニュアルやデイリープログラムなど、折に触れて確認が必要なものをまとめて、「各クラスマニュアルファイル」にして事務室と全クラスに置いています。マニュアルは毎年、全体職員会議で見直し、必要に応じて内容を改訂しています。
災害を想定した避難訓練を毎月行うほか、月1回、保護者の協力を得て伝言ダイヤルの実施訓練を行っています。また、看護師を中心に、全職員が健康管理マニュアルに沿った研修を受けています。その中には、各自が指示を着実に遂行する訓練である、緊急時対応のアクションカードを使用した実践研修や、訓練用の人形を使った心肺蘇生法研修、嘔吐処理研修もあります。 防犯カメラを4箇所、人感センサーを2箇所、緊急通報システム、AEDを設置しています。臨港警察署のスクールサポーターとも連携し、近隣情報も定期的に報告してもらっています。
苦情受付担当や苦情責任者、第三者委員を設置しています。仕組みや担当者、委員の氏名については、入園説明会や保育内容説明会で伝えるとともに、重要事項説明書にも明記しています。園内の各フロアに、説明資料とイラストの入ったカラーポスターを掲示しています。実際の苦情の経緯は、時系列で記録しています。

 

4 地域との交流・連携 基本方針に「保育の専門性を活かし、地域における子育て支援の拠点となる保育園」を掲げ地域に住む保護者が楽しく子育てが出来るよう、一時保育事業、園庭開放(よつばキッズ)、地域の母親クラブでの出張保育などの子育て支援事業を積極的に展開しています。一時保育室では、0歳児や発達がゆるやかな子ども等も受け入れていて、セーフティネットとしての役割を果たしています。毎月3回実施する園庭開放は、保育士によるふれあい遊びや紙芝居、保育や健康栄養に関する相談、離乳食講座試食会、水遊びなど多彩なプログラムを用意していて好評です。
次世代育成のため、中学生の職業体験や保育体験、保育士を目指す高校生、実習生経験者などのボランティアを積極的に受け入れています。ボランティア受け入れマニュアルを整備し、オリエンテーションで主任が配慮すべきことを伝え、終了後には感想を聞くなど、受け入れ体制を整えています。また、神奈川県公園協会のボランティアやお正月の地域の獅子舞のボランティアなどと、子どもたちが交流する機会もあります。
川崎区公私立保育園園長会、園長校長連絡会、幼保小連携会議、幼保小実務者会議、幼保小情報交換懇談会などに園長、主任、年長担任が出席し、地域の福祉向上に向けて連携し取組んでいます。小学校とは、年長担任が小学校の授業参観に出かけたり、小学校教諭の実地研修を受け入れたり、5歳児が小学校見学に行き小学生と交流するなど、連携しています。また、子どもたちは、地域の老人会に年3回招待され、歌やゲーム、伝承遊びなど世代間交流をしています。川崎区の男性の育児参加促進事業「ジョイフルサタデー」を年1回実施しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 保育理念、保育方針、保育目標を入園のしおりに記載し、入職時の研修で周知しています。また、職員会議や園内研修で折に触れて取り上げ確認しています。乳児、幼児会議では、理念や方針に沿った年間目標を決め、保育室に掲示しています。年度初めの保育内容説明会で保育の理念や方針を保護者に年間目標や具体的な保育内容を、パワーポイントを用い、具体的に分かりやすく説明しています。職員会議に出席しない契約職員に対しては、入職時の説明のみとなっていますので、今後の取り組みが期待されます。
法人の中長期計画に基づき年度ごとの事業計画を策定しています。事業計画には、課題や問題点の解決に向けた重点目標とその実現に向けた具体的な事業内容が記載されています。事業計画の重点目標は、職員の振り返りや保護者アンケートの結果、保護者や地域の状況などを踏まえ、主任や乳児・幼児リーダーの意見を取り入れて、前年度の事業計画の達成度を見ながら園長が策定し、法人のヒヤリングで説明し決定しています。職員に対しては全体会議で、保護者に対しては年度初めの保育内容説明会で、事業計画や重点目標について説明しています。
職員は、「自己チェックシート」「目標管理シート」「人事考課シート」などを用い、自己や園の取組みについて自己評価しています。保育士は、クラスでの話し合いや毎月のカリキュラム会議、乳児・幼児会議で、保育の振り返りを行っています。 また、毎年、利用者満足度調査を実施して保護者のニーズを把握しています。職員会議では、利用者満足度調査の結果や職員の自己評価の結果を分析して、課題を明確にし、改善について話し合っています。課題の内容によっては、次年度の事業計画に反映し、園全体で改善に向けて取り組んでいます。
6 職員の資質向上の促進 法人の職員配置基準に基づき、保育士のほか、看護師、管理栄養士を正規職員として配置し、健康管理・健康教育、食育、配慮を必要とする子どもへの支援をしています。また、発達相談支援コーディネーターを2名配置しています。法人共通の「目標管理シート」を職員が記入し、園長が年2回、面接を実施し、目標設定と達成度の評価をしています。評価結果は法人で人事考課され、給与や賞与、昇格に連動しています。評価基準の「人事考課ガイドブック」を入職時に職員に配付し、職員自身が振り返りをできるようにしています。
法人の人材育成計画があり、新人、中堅、主任など階層別ごとに期待される職員像と必要な研修が明記されています。園内研修をテーマの異なる2グループに分けて実施し、中間発表を踏まえ、法人保育園で行う法人保育園合同研修報告会で発表しています。また、職員は階層ごとの研修や夜の自主研修、職員資質向上研修、運動遊び研修、川崎市や白峰学園保育センターなどの外部研修に参加しています。研修に参加した職員は研修報告書を提出するとともに、園内研修で発表しています。契約職員も子育て支援員研修を受講し資格を得ています。
園長は、シフト作成前に職員の休み希望などの意向を聞き取り、シフトの作成に反映しています。休憩時間や代休は必ずとれるようにする、有給休暇取得率をチェックし、取れていない人には声をかけ皆が有給休暇をとれるように働きかけるなど、働きやすい職場環境作りに取り組んでいます。また、全職員を対象に年1回の健康診断、保育士・看護師対象に年1回の腰痛検査を実施しています。年1回のストレスチェックや産業医による2年に1回の職場巡視があり、希望する職員は産業医との面談を毎年行うことが出来ます。

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