かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

中川保育園

対象事業所名 中川保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 中川福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 224 - 0026
都筑区南山田町4700
tel:045-592-5590
設立年月日 1972(昭和47)年05月01日
公表年月 2018(平成30)年01月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
中川保育園は、横浜市営地下鉄センター北駅からバスで5分、バス停大善寺から徒歩5分の位置にある昭和47年5月に開所した私立保育園です。近くには自然豊かな公園が多く外遊びには恵まれた環境です。個々の園児に必要な保育を行うことを心がけ、保育基本目標に「思いやりのある子」「明るく優しく素直な子」「丈夫な体で元気な子」「自分で考え、行動できる子」を掲げています。定員は60名(1〜5歳児)、開園時間は、平日は7時45分から19時00分、土曜日は7時45分から18時45分です。毎日の外遊びで体力作りを行い、保育面では毎日の基本的生活習慣についてていねいに対応し、行事には全力で取り組み、子どもたちの社会性や情操を育てる保育を行っています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○全職員が全クラスの子どもの様子を把握して、楽しく過ごせるよう配慮して保育にあたっています
七夕、クリスマス、お餅つき、節分などの季節行事やお誕生会をはじめ、じゃが芋掘り、さつま芋掘り、運動会、発表会、作品展、お泊まり保育、食育など、子どもたちが楽しく過ごせるようさまざまな行事をていねいに実施しています。また、少人数であり、全職員が全クラスの子どもの様子を把握して保育にあたっています。今回の利用者調査でも、子どもが楽しく通っている、先生が優しい、どの先生に尋ねても子どもの様子を伝えてくれるなど感謝の声が複数見られ、多くの保護者が満足と回答しています。

異年齢保育により、互いをいたわる優しい気持ちが育てられています
クラス活動以外の時間は、1、2歳児と3〜5歳児はそれぞれ異年齢で過ごしています。3〜5歳児クラスでは、食事の時間にはその日に席を選んで仲よしの友だちと食事をし、午睡の時間には3人用の柔らかいビニールマットにシーツを敷いて休んでいますが、どの友だちと休むかをその日に決めています。毎日の生活に「合宿」のような楽しさがあります。園の保育基本目標に「思いやりのある子」とありますが、異年齢で過ごすことで、小さな子どもは大きな子どもに憧れ成長し、大きな子どもには小さな子どもをいたわる優しい気持ちが育てられています。

○木のぬくもりのある温かみのある空間が作られています
 園舎は床も壁も木材を使って建設されており、木のぬくもりの感じられる造りとなっています。新園舎を建てるときに子どもたちの安全や心地よい環境作りに配慮して、さまざまな工夫をしました。1、2歳児の保育室にはウッドデッキが設けられ、園庭に出られないような天候の時にも外気を感じることができます。扉は全部スライド式で、閉まる瞬間はゆっくりと閉まる構造になっています。清潔面に配慮して、全体的に清掃しやすい環境設定にしています。さまざまな工夫で、家庭にいるような安心感のある温かみのある空間が作られています。

《事業者が課題としている点》
 地域との交流が少ないことが課題です。地域の方に保育園の行事に参加してもらえるように、情報を提供しようと考えています。また、保育士の人材確保が難しいことや、研修の時間を確保することも課題と捉えています。

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

 園の保育理念は、「子ども一人一人を大切にし、楽しい保育園生活を送るとともに、日々成長する過程を温かく見守り育てていくように職員一人一人努力・協力して保育する」となっています。園では子どもの発達過程に合わせた保育を行うことで社会的責任を果たし、地域の実態に対応した事業を運営しています。子どもたちはグループホームを訪問したり、町内会の老人会のクリスマス会などに参加し、年齢の枠を超えた交流を楽しんでいます。保育課程は理事長、園長、職員全員で新年度になる際に再確認します。事務室には保育目標を掲示し、全員が基本方針を理解して、方針に沿った保育を実践していくように取り組んでいます。
子どもを呼ぶときには、男の子の場合はくん、女の子の場合はちゃんを付けて呼んでいます。なるべく穏やかな調子で、声をかけるようにしています。子どもが何かを表現したいと思っているのがわかったときには、急かさないようにして発言や気持ちを受け止めるようにしています。子どもの人格を尊重し、年齢や発達に従ってわかりやすい言葉を使って話すようにしています。子ども同士のトラブルが発生した際には、双方の話を聞き、必要なときにはクールダウンさせるなどの手法をとりますが、なるべく子ども同士の話し合いで解決できることを心がけています。職員会議でも、日ごろの保育をする際の子どもに向かい合う姿勢について互いに話し合っています。
 子どもは一人になりたいときには、事務室に来たり、廊下や保育室の一角に一人でいたりします。また、付き添ってくれる職員と一緒に園庭に出て、一対一で話をすることもあります。一人で落ち着いて遊びたいときには職員に声をかけて気に入った遊具や絵本を出してもらって、パーテーションの脇で遊んでいます。日ごろの保育シーンで、子どもが一人になりたがることはあまりありませんが、できるだけ気持ちに寄り添うようにしています。園の布団はビニール製で、おねしょをした場合も迅速に片付けることができますが、こっそりシーツをはいだ後、そっとトイレにつれて行き、着替えるようにしています。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育課程では保育指針の8つの発達段階を踏まえて、保育目標を定めています。おもいやりのある子、明るく優しく素直な子、丈夫な身体で元気な子、自分で考えて行動できる子という保育目標を掲げています。この地域は横浜のほかの地域に比べると子どもが少なく、半数近い子どもは卒園児の子どもです。比較的のどかで、盆踊りや祭りなど、地域のイベントも残っています。最近は新興住宅地に若い家族が増えてきています。利用開始時間は8時で、18時前後にはほとんどの子どもが降園します。このような地域の特性を考慮し、保育課程は見直すたびに地域の変化に合わせて変えてきました。利用のしおりには「沿革」「保育目標」を記載し、園の運営方針を保護者に説明しています。
 3歳児から5歳児には年齢ごとに指導計画を作成し、子どもの心身の発達に応じたねらいや養護、教育、食育について計画しています。一人一人の成長段階を踏まえ、養護と教育が一体となるような保育を目ざしています。職員は、子どもの理解力や年齢に合わせて、子どもが思いを表す姿を大切にし、続けたいことは続けさせ、思いを伝えてくるときは受け止めています。子どもの言葉に耳を傾け、表情やしぐさからも気持ちを読み取り、意思が通じ合うまでじっくりと話し合うことを心がけています。子どもの意見を指導計画に生かすために、担当職員はクラスごとに話し合い、作成した個別指導計画は、必要に応じて柔軟に見直しています。
 体験入園という制度があり、入園前の平日の午後、次年度入園する子どもが在園児と一緒に過ごす時間を作っています。時期は2月ごろで、入園が決まった子どもは全員が体験入園をしています。その際に保護者とも、子どもの状況について話し合います。職員は子どもたちを観察し、職員間で入園後の対応の仕方を話し合います。入園時には「児童票」「緊急連絡先」などの書類を提出してもらい、個人面談表を作成します。4月に懇談会を行い、5月には個人面談をして、保護者から成育歴や家庭での様子などを話してもらいます。懇談会や個人面談の内容は記録に取り、職員会議で共有するとともに指導計画を立てる際に参考にしています。

 

3 サービスマネジメントシステムの確立

  短縮保育については、保護者が施設見学をする際に説明し、入園説明会の際にも伝えています。「入園のしおり」に短縮保育の内容を記載し、入園後、保護者と相談しながら期間については柔軟に対応しています。0、1歳児の入園時には主担当の職員が付き、子どもができるだけ保育環境に早くなじめるよう配慮しています。子どもが手放せないタオルやぬいぐるみなどは持ち込みを許可しています。連絡帳の記載は1歳児のみで行っていますが、2歳児以上は送迎の際に、保護者にこまめに声をかけるようにしています。在園児に対しても、進級後の生活が落ち着くまで担任が寄り添い、安心して過ごせるよう配慮しています。
 年間指導計画は、子どもの発達や健康面、家庭の状況を考慮して、1、2歳児用と、3歳児以上は年齢ごとに作成しています。月間指導計画は年齢別に作成しています。月間指導計画と週案は、クラスを担当する職員が具体案を作成し、保育実施後には振り返りを行って自己評価を記入しています。入所児童数が50名以下で、異年齢交流が多く、職員同士の意思疎通が容易であるため、職員会議以外でも保育の内容について話し合ったり、検討した内容を評価したりしています。保護者からの要望や意向は、職員会議で話し合って、計画改定の際にはできるだけ反映するように努めています。
 卒園する子どもの保育所児童保育要録を小学校に送付しています。「児童票」に、子どもの身体や生活、家族構成、要望など、個別の状況を記録しています。「園児経過記録」には、入園後の成長や保育の様子を書き込んで、見通しを持った保育を進め、適切な対応ができるようにしています。長時間保育で職員が交代することもあり、職員体制は非常勤職員と常勤職員がほぼ同人数となっています。子どもに関する情報は年齢別にまとめ、施錠できるキャビネットに保管して、必要時には全職員が閲覧できるようになっています。進級時に担当職員が交代する場合には、現担任と新担任が引き継ぎを行い、子どもたちの生活や家庭の状況、今後の対応について話し合います。

 

4 地域との交流・連携

園は、近隣に保育を必要とする子どもを受け入れる施設がまったくなかった時代に、地域住民でもあった創設者が地域のニーズに応える形で開設しました。対象となる子どもを一手に引き受け、地域と一体となって歩んできました。運動会には地域住民が50〜80名も参加し、子どもの成長を喜びながら食事も楽しむという地域の行事の一つになっていました。そのため、当時から住んでいた地域住民およびその子どもや関係者は園のことをよく知っており、身近に感じています。入園希望は、成長して親になった卒園児や、在園児の知り合いなどから寄せられています。育児相談も随時受け付けています。職員が積極的に地域の行事に参加することで、要望把握の足掛かりにしています。また、近隣の保育園の園長会で、保育の諸課題について意見交換や検討を行っており、そこで子育て支援ニーズについても話し合っています。
 一時保育については、非定型的保育・緊急保育・リフレッシュ保育のすべてについて実施しています。情報は、横浜市子ども青少年局のポータルサイト、ヨコハマはぴねすぽっとに載せて告知しています。今年度は、非定型的保育の利用者がおり、週3回利用しています。1歳児からの受け入れを公表していますが、子ども一人一人を大切にするという園の保育理念を崩すことはできないので、十分な職員数が確保されるまでは、低年齢の子どもの受け入れについて慎重に判断しています。
 園の行事は地域の方々に園を知ってもらう最も良い機会であるととらえ、10月の運動会と2月の作品展について、ポスターを貼って地域に案内しています。ポスターは園の入り口や通り道、バス停だけでなく、卒園児の家などこれまで園とゆかりのあった地域の方々のところにも貼っています。運動会については、地域の方々に手紙も出して知らせています。育児相談は予約制ですが、受け付けは随時行っており、入り口の門扉にポスターを掲示しています。電話番号も明記しており、相談希望者は電話でも問い合わせができるようになっています。園の入り口は、気軽に訪ねてもらえるよう一般の家庭のような設計になっています。

 

5 運営上の透明性の確保と継続性

 法人のホームページから、中川保育園の情報を見ることができます。ホームページには、園の保育基本目標、概要、一日の流れ、年間行事、地図が載っています。また、系列のつづき保育園と共通のトップページで、両園の外遊びの様子を、子どもの後ろ姿の画像で紹介しています。「保育園のしおり」にはさらに詳しく、延長保育、登降園や送迎、入所時の短縮保育、乳児クラスの生活など、将来の利用者が関心のある事項についての情報を載せています。保護者から質問が出そうな情報、また前もって伝えておいたほうがいい具体的な注意を記し、重要箇所には下線を引いて見やすくしています。横浜市子ども青少年局のポータルサイト、ヨコハマはぴねすぽっとに、認可保育所としての情報、一時保育の情報を提供しています。
 利用希望者は、園を見学することができ、電話で案内しています。日時や時間帯は可能な範囲で見学希望者の都合に応じています。見学者名簿を作り、ファイリングしています。見学時は園長が対応し、一人20〜30分かけて、一日の流れや散歩の回数、給食などについて説明しています。個別対応のため、質問にもていねいに対応しています。入園予定者に対しては、3月中旬に体験入園を行い、在園児と2時間一緒に遊ぶことができるようになっています。子どもが遊んでいる間に、保護者には保育のしおりや重要事項説明書に沿って説明を行っています。
 保育士の自己評価の結果は、職員会議で話し合い、課題を確認し合っています。また、園の理念である子ども一人一人を大切にすることや、保育方針の、自然の中で伸び伸びと遊び一人一人と向き合うことを確実に実践していく観点から、人材確保はもとより、環境整備や事務作業の削減について検討しています。例えばハード面では、新園舎を設計する際に余計な装飾を省き収納スペースも十分に確保することで、掃除や整理整頓の時間短縮を図りました。そしてソフト面では、書類の様式を記録しやすくしたり、保育に直接関係しないサービス内容を再検討したりして、事務作業の効率化を図っています。

 

6 職員の資質向上の促進   実習については、保育分野で受け入れた実績があります。実習生受け入れ時には、持ち物や心構え、個人情報保護について記した「実習オリエンテーション」に沿って説明しています。心構えでは、子どもの名前を呼び捨てにしないことや、アクセサリーをつけないことなど具体的な注意事項を記しています。受け入れと育成については、園長が担当し、一人一人の記録をファイリングしています。実習について職員会議で説明し、保護者に向けて掲示も行っています。プログラムは、実習生の所属校の要望に沿った形で組んでいます。さらに、実習生からこれまで行ってきた実習の内容や、この園での実習でやりたいことを前もって聞いています。実習の最後に、意見交換の時間を設けています。
 事故防止対応マニュアルや災害対策マニュアルなどに加え、非常勤職員用に諸注意事項を記したマニュアルがあり、それを配付して入職時にオリエンテーションを行っています。各クラスの担当者はすべて常勤職員のため、非常勤職員は常勤職員をサポートする形で保育に従事しています。原則的に1、2歳の乳児クラスに入り、人手が足りない場合にのみ3〜5歳の幼児クラスに入っています。乳児のリーダー、幼児のリーダーが非常勤職員の指導担当者となり、資質向上の取り組みを行っています。部屋の仕切りを外して異年齢の子どもが一緒に過ごし、複数の職員が一か所に集まる場合も多いので、指導担当者は非常勤職員とコミュニケーションがとりやすくなっています。
 自己評価に関する計画や記録の書式はすべて定型化されています。年間指導計画・月間指導計画・週案の自己評価欄には、それぞれの計画の「ねらい」に沿って保育が進められたかどうか振り返って自己評価を記しています。月間指導計画の評価および年間指導計画の自己評価部分だけをまとめて転記する「自己評価表」の様式もあります。自己評価表には「前月の反省、評価は生かされていたか」「必要な記録を残すことができたか」など12項目の評価の視点が記されており、翌年度の計画のねらいを設定するときの参考にしています。園長が個々の保育士の自己評価を見て、フィードバックを行っています。「保育士自己評価票」は、17の自己評価項目について四段階で評価する形式になっているので、次年度からの改善目標が明確になります。

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