かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

つづき保育園

対象事業所名 つづき保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 中川福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 224 - 0012
都筑区牛久保1-22-17
tel:045-915-9887
設立年月日 2003(平成15)年05月01日
公表年月 2018(平成30)年01月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

 《施設の概要》
 つづき保育園は、横浜市営地下鉄センター北駅からバスで3分、バス停長徳寺から徒歩5分の位置にある平成15年5月に開所した私立保育園です。園庭が広く、近くには自然豊かな公園が多い外遊びに恵まれた環境です。個々の子どもに必要な保育を行うことを心がけ、保育基本目標に「素直な心を持つ子」「丈夫な身体で元気な子」「意欲を持ち、考え行動する子」を掲げています。0〜5歳児が対象で、定員は120名、開園時間は、平日は7時から20時、土曜日は7時から18時30分です。毎日外遊びをして体力作りに取り組み、保育面では毎日の基本的生活習慣をていねいに行い、行事の時には全力で取り組み、子どもたちの社会性や情操を育てる保育を行っています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○園の保育理念や保育方針、保育目標の理解のもと、子どもに寄り添う保育者の姿が輝いています
 日々の保育の中で、園舎内外には子どもたちに優しく話しかけるクラス担任の声が聞こえ、子どもたちは安心感を持ってゆったり過ごしています。園では、園運営の根幹である保育理念・保育方針・保育目標のさらなる浸透を目ざしています。職員は、年2回の園長との個人面接の中で理念などの理解を深め、改めてかけがえのない子どもたちの育ちを託され、一人一人が自信を持ってのびのびと保育に取り組む姿を見せています。職員の自覚を深めた姿勢は好感の持てるものであり、今後の子育て支援のなお一層の下支えが期待されます。

○行事を通して、子どもたちが楽しむことができ、かつ成長できるようさまざまな工夫をしています
 夏祭りやお泊まり保育、運動会、作品展、生活発表会、お誕生会をはじめ、じゃが芋掘りやさつま芋掘り、七夕、ハロウィン、クリスマス、節分といった季節行事など、子どもたちが楽しめるようさまざまな行事を実施しています。保育士が分担して行事を担当し、職員会議で全職員で話し合いながら行事を実施しています。一つ一つの行事をていねいに行い、その行事を通して子どもたちが楽しめるだけでなく、成長できるようアイデアを出して取り組んでいます。また、その様子を写真に撮り、次年度の参考にしています。調査当日は、運動会に向けて練習しており、子どもたちが生き生きと練習している姿が見られました。

○職員の良好なコミュニケーションで保育に取り組んでいます
 各クラスはおおむね2人担任制となっており、保育士がそれぞれの個性を発揮しながら、子どもとの相性にもチームワークで対応し、より手厚い保育を行っています。園長は毎月1回全職員と面談を行い、一人一人に対しアドバイスしたり、それぞれの意見や要望を聞いています。この面談が、園長にしっかりと話を聞いてもらえるという職員の安心感につながっていることが、職員アンケートからも読み取れました。職員同士も経験の長短や常勤・非常勤の区別なく相談しやすい環境で、子どもを中心とした保育の改善や質の向上に向けて、園全体で取り組んでいくという好ましい雰囲気であり、子どもたちの明るい生き生きとした表情につながっています。

《事業者が課題としている点》
 地域との交流が少ないことが課題です。地域の方に保育園の行事に参加してもらえるように、情報を提供しようと考えています。また、保育士の人材確保が難しいことや、人材育成のために研修の時間を確保することも課題と捉えています。

 

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

 園の保育理念は「子ども一人一人を大切にし保護者に信頼され地域に愛される保育園を目指す」とあり、保育目標は「素直な心を持つ子 丈夫な体で元気な子 意欲を持ち、考え行動する子」とあります。理念や目標には、子どもが必要な遊びや野外体験を実践し、自分で解決できるエネルギーを生み出し、生きていくための力を育ててほしいという思いや願いが込められています。理念や目標は保育課程にも記載し、事務室入り口のボードに掲示して保護者にも周知しています。職員には、3月中旬の職員会議で入園のしおりを渡して園の理念や保育方針などをあらためて周知し、さらに毎月、個人面談も設け理解を深めるよう努めています。
職員会議や朝のリーダー会で定期的に子どもへの接し方や言葉遣いをていねいに行うよう伝えています。具体的には子どもと向き合うときの視線や姿勢、声のトーンなどから、職員が話を聴いていると子どもに感じてもらえるように配慮するよう話しています。子どもの人格と行動を認め、否定的な言葉がけはしないようにしています。職員同士の気になる言葉や行動は、園長や主任保育士が注意し、話し合いの場を通じて改善できるように時間をとっています。保育の場面ごとにどのような行動をとるべきか、理想的な行動であるか実情の確認をして、年齢別にわかりやすい言葉を使うよう心がけたり、保育士が手本を示してきれいな言葉を使うようにしています。
 子どもがほかの子どもの視線を意識せずに一人で過ごせる場所を設定しています。椅子の後ろ、ピアノの後ろ、必要に応じて大きな段ボール製のおもちゃ箱の後ろなどです。保育士と一対一で話せる環境としては、事務室や子育て支援室など園内で連携をとり利用しています。子どもが落ち着かないときは、まず椅子に座らせて落ち着いてから話をするようにしています。場合によっては、散歩に行っていて空いている保育室を借りることや、使用していない相談室を使うことも状況を見ながら可能です。また、ホールの一角をパーテーションで囲ってコーナーを作るなど、危険のないよう見守りながら、子どもの気持ちの安定を図っています。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育課程には、保育理念、運営理念、保育方針、保育目標、各年齢の保育目標、基本的社会的責任を明記し、養護や教育、特色ある保育活動、行事計画などを記載しています。保育課程は、策定会議で職員全員が参加して、法人の理念を基に自園の特徴を生かして子どもの最善の利益を考え作成しています。そして、年2回の野菜の収穫など土に触れる体験や、夕涼み会での味噌作り、3〜5歳児を中心にした料理保育は、和食の大切さを考えた食育計画のもとに実践しています。また、牛久保小学校2年生との交流会などの取り組みがあります。保護者には入園説明会などで保育課程について説明しています。
 年齢別保育のほかに、延長保育では、異年齢での合同保育も実施しています。同じ保育内容でも年齢に見合った指導計画を作成しています。また、配慮を必要とする子どもや0〜2歳児には、個別の指導計画を作成しています。子どもには、ゆったりと落ち着いた話し方をして、安心感と信頼感が育つように心がけています。基本的に指導計画に基づいた保育を進めていますが、その日の子どもたちの様子や状態を見て、子どもたちに一番良いように変更する場合があります。子どもたちに「どうしたい?どうしたら良いかな?」と言葉をかけ、子どもたちの主体性を大切にしています。
 入園説明会時には、園長とクラス担任が面談を行います。面談には子ども同伴で参加してもらいます。園のルールや保育内容について説明しながら、保護者の意向を確認し、同時に子どもの様子なども観察します。面談で把握した生育歴や家庭の状況、その他の情報、留意点などを、保育士は会議などで共有しています。食物アレルギーのある子どもの面談には、栄養士も参加しています。園では、入園後の登降園時に保護者から家での子どもの様子をさらによく聞き、慣れ保育などの連携に生かしています。5月と11月には個人面談を行い、その中で保護者から伝えられたことは職員会議で話し、園全体で共有しています。

 

3 サービスマネジメントシステムの確立 短縮保育(慣れ保育)を行っています。入園説明会時に慣れ保育について伝え、保護者の就労状況や考え方に応じて、乳児を含め子どもにも保護者にも無理なく徐々に保育時間を延ばしていけるように配慮しています。園では慣れ保育の基本的な日程を組み、お迎え時に子どもの様子を伝え、保護者と相談して翌日の保育も子どもに無理のないように進めています。在園児には不安感を少なくするように、進級時には担任ができるだけ持ち上がる配慮をしています。また、子どもの様子を見ながらスキンシップを図り、ていねいにかかわり、保護者には連絡帳やお迎え時に伝えるとともに、家庭と連携して子どもを見守るように心がけています。
 保育課程に基づき、クラス別に年間指導計画を作成し、各期ごとの省察を記載しています。月案や週案も子どもたちの状況や発達を考慮して作成しています。そして、クラス会議の日程を決めて話し合い、改善につなげるようにしています。各指導計画は最終的に園長の確認を受けたものを実施しています。低年齢の子どもの日常の保育にあたっては、食事、排泄、睡眠などを具体的に連絡帳に記載したり、送迎時のやり取りで保護者に伝えています。トイレットトレーニングや離乳食は個々の進み具合を大切にして、保護者の意向を取り入れるようにしています。
 保育所児童保育要録は担任が作成しています。その子どもの良い点や今後伸びてほしい部分を記載し、園長が確認して、関係する小学校に届けています。児童票は、入園当初に保護者が家庭の状況や子どもの成育歴などを記載し、その後入園から卒園までの子どもの情報を記載しています。健康の記録には、体質や既往症、健康診断結果、予防接種状況などを記載しています。これらはデータで管理したり、書類として個々のファイルにまとめたりしています。児童票や、子どもの成長発達を記載した保育経過記録は、事務室で保管しています。これらをもとに職員会議や進級時には、子どもの様子を担任が報告しています。
4 地域との交流・連携

 園は「地域に愛される保育園を目指す」との保育理念のもと、その基本的社会的責任として「子育て家庭や地域に対し、児童福祉施設としての保育園の役割を確実に果たす」ことを保育課程に明記しています。そのための具体的事業として毎年、夕涼み会や運動会へ地域の方を招待しています。また、正門横に育児相談の看板を設置しており、地域の子育てニーズの把握を行っています。園長は「都筑区児童虐待防止連絡会」「都筑区災害対策連絡協議会」「都筑区こども・青少年育成協議会」のメンバーとして、情報交換や情報共有、虐待防止などの課題検討を行っています。そこで得られた情報は必要に応じて職員会議などを通じて職員にも周知されています。
 毎年法人で策定され報告される「中川福祉会 中川保育園 つづき保育園事業計画」をふまえ、地域の子育てニーズについて、職員会議を通じて園長から全体に周知されています。入園希望者の見学受け入れの際には、育児に関する相談があればできる限り応じています。園舎には一時保育室と子育て支援スペースも備わっており、現在は一時保育を実施していますが、地域の子育て支援に向けたサービス提供として園庭開放や、地域住民に向けた子育てや保育に関する講習の実施などが検討課題となっています。
 園では育児相談を行っていることを正門横に掲示して、地域住民に対して周知を図っています。実際に相談があった場合には、園長が窓口となって受け付け、内容に応じて主任や経験の長い職員に具体的な回答や対応を求める体制になっています。入園希望の見学の際に受ける疑問や相談に応じています。運動会にあたっては、園長が近隣を回って案内のお知らせを配るなど情報を発信しています。今後はさらに、ホームページなどを利用して子育て情報を発信するなど、工夫できるとよりよいでしょう。


 

5 運営上の透明性の確保と継続性

 園の理念や保育目標や方針、定員、クラス編成、職員体制などの概要、主な行事、独自の保育サービス、保育料以外の保護者負担などの情報が「入園のしおり」に記載されています。今年度4月には法人独自のホームページの中につづき保育園のページを開設し、年間行事や保育園の一日について掲載して、地域に向けて情報発信しています。園のホームページは、将来保育士を希望する学生の情報源にもなっています。また、横浜市子ども青少年局のホームページ「はぴねすぽっと」へも料金や入所状況などの情報を提供しています。
 園のホームページやしおりには、保育方針、定員や職員体制などの概要、主な行事などの情報が掲載されています。連絡先を明記し、見学は随時受け入れています。受け入れの対応は園長が行っており、30〜40分をかけてていねいに、利用条件や保育の内容を説明しています。電話での問い合わせについても園長が対応しています。園長が不在の時は主任が対応する体制になっています。見学希望に対しては、保育に支障をきたさない範囲で希望者の都合に合わせ、曜日や時間には柔軟に応じています。見学時には「見学者名簿」に記入してもらい、記録を残しています。今年度は4月から9月で約60名を受け入れており、年間では100名前後の見学を見込んでいます。
指導計画の自己評価やねらい、子どもの様子などは、細かに記入するようになっており、毎月行われる職員会議において、こうした観察を踏まえての確認や改善に取り組んでいます。3歳児では「ルールのある遊びや模倣遊びを通して友だちとのかかわりを深める」という保育目標から、4、5月期には「好きな遊びを見つけ、保育士や友だちと積極的にかかわる」というねらいに対し「友だちや保育士に積極的にかかわり遊べていた」という自己評価でした。これを踏まえ、6〜8月期には「友だちとのかかわりが増え、集団遊びを楽しむ」というねらいにつなげています。職員による自己評価は、意図した目標とねらいとの関連づけで行われ、子どもの育ちや取り組む過程を重視しています。

 

6 職員の資質向上の促進

 園では実習の依頼には積極的に応じ、受け入れています。受け入れは「実習生受け入れマニュアル」に基づいて行われます。園長が受け入れを担当し、事前のオリエンテーションで全体的な説明や守秘義務などの説明を行います。実際の実習にあたっては、主任が、保育の実践的な説明や指導をして、希望のクラス(年齢)や責任実習の有無などを確認してクラス配置を決め、実習目的に応じて効果的な実習となるよう工夫しています。その後、実習に入るクラスの担任へと引き継ぎます。責任実習などの際は指導案作りにも実習生の考えを聞きながらていねいに指導しています。毎日の反省会や週ごとの反省会、最終日には担当職員との反省会など振り返りの機会を多く設定しています。最終日は園長も同席して感想や意見交換の機会を設けています。
 職員業務マニュアルは非常勤職員にも入職時に配付し、園長から理念や決まりごとについて説明しています。業務マニュアルはファイルされており、非常勤職員もいつでも閲覧することができます。毎日の業務については主任がシフトを組み、非常勤職員だけのシフトにならないよう配慮しています。非常勤職員の指導は、全体的なことは主任が行い、担当するクラスではリーダー職員が行いますが、その場その場でもまわりの職員が指導し、非常勤職員はそれを素直に聞き入れる姿勢があり、良好なコミュニケーションが図られています。今後は、非常勤職員に対しても研修参加の機会が作れるとさらに良いでしょう。
保育日誌には「今日のねらい」と「反省」を記入する欄があり、担当職員はその日のねらいに対する反省や評価を記入します。それをもとに翌日のねらいを立て、保育の充実や改善に努めています。月間指導計画や週案には、「ねらい」と「自己評価」を記入するようになっており、日々の遊びや生活などのカリキュラムを各年齢ごとに振り返り、反省と自己評価を行っています。年間指導計画にも「ねらい」「自己評価」欄があり、各年齢ごとに年間の指導計画を振り返っています。園長と主任は、日誌や指導計画に目を通して職員の振り返りを確認し、必要に応じてアドバイスして、職員の成長を促すよう努めています。

 

詳細評価(PDF488KB)へリンク