かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

きらら子どもの家

対象事業所名 きらら子どもの家
経営主体(法人等) 社会福祉法人 みどり会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 236 - 0057
金沢区能見台5-20-16
tel:045-374-3760
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年01月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 当園は社会福祉法人みどり会の系列園です。開設は平成25年4月1日で5年目を迎えています。京浜急行金沢文庫駅より路線バスで10分、能見台5丁目下車徒歩1分のほぼバス停前に位置しています。また、能見台駅より徒歩15分の位置でもあります。定員は60名(平成29年9月1日現在66名在籍)です。産休明け保育、延長保育、障がい児保育、一時保育も実施しています。周辺は能見台の整然とした一戸建ての住宅地が広がり、緑地や公園も多くあり、散歩先はたくさんあります。こうした環境の中で子どもたちは元気に伸び伸びと過ごしています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○モンテッソーリ教育を基本とした特色ある保育を展開し、発達段階に応じた子どもの主体的な活動を支援しています
当園ではモンテッソーリ教育を基本とした、特色ある保育を展開しています。モンテッソーリ教育とは、イタリアの医学博士マリア・モンテッソーリが考案した教育法で、0歳から24歳までを四つの発達段階に区切り、それぞれの段階に応じた環境を整えて人間形成を促します。園では乳幼児期の段階に焦点を当て、主に0歳児、主に1、2歳児、主に3〜5歳児の3つの保育グループに分け、1歳児以上の2グループはおのおの縦割りの2グループに分けた異年齢混合保育形態をとっています。1、2歳児の基本的な身辺自立や模倣活動を保育士は支援しています。3〜5歳児は、年上の子どもは年下の子どもへのいたわりなどを身につけ、年下の子どもは年上の子どもを見て学び、あこがれをもったりしています。園では、子どもの個々の感性ややってみたいという自発性を尊重し、発達段階に応じた独自の教具を用いて「お仕事」と呼ぶ子どものさまざまな主体的な活動を支援しています。

○野菜の栽培活動や調理活動を積極的に行うなど、健全な食生活を目ざした食育活動に取り組んでいます
 健全な食生活を目ざした、食育活動に取り組んでいます。園では3〜5歳児がなすやピーマン、きゅうりといった野菜を栽培しています。それらの野菜は子どもが収穫し、調理員が調理して給食で提供しています。また、父母の日クッキーやお月見団子、芋掘りで収穫したさつま芋を使用したスイートポテト作りなど、季節に応じた調理活動を毎年行い、食に関する興味や関心を引き出しています。食事の役割と健康な体の関係性についても伝えています。その際には、体の内部を描いたペープサート(紙人形劇)を用いて伝えるなど、幼い子どもにも理解できるよう工夫しています。保育の職員と調理の職員が連携を図りながら、子どもの心と体の成長を支えています。

○手紙などで保護者に積極的に保育体験への参加を呼びかけ、保護者の園への理解と協力につなげています
 保護者に「一日保育士のお誘い」の手紙を配付して、一日保育士体験を積極的に受け入れています。これにより、ほとんどの保護者の参加を得て、保育士の一日の活動の様子を知ってもらっています。参加者は子どもたちと一緒に給食を食べたり、アンケートに答えたり、個人面談をしたりして、園への理解を深めています。保護者が参加する園の行事ごとにお誘いの手紙を配付して、親子遠足やきらら子どもの家祭り(夏祭り)、運動会、敬老会、クリスマス会、誕生会など、非常に多くの保護者の参加と協力を得ています。参加できなかった保護者にも後日資料を配付したり、送迎時に当日の様子を伝えてフォローしています。

《事業者が課題としている点》
保育士不足の中で、常勤職員とモンテッソーリ教育のディプロマを取得した職員の確保が難しくなっていることが第一の課題です。第二の課題として、子どもたちが必要なスキルを身につけていくための援助と、個を優先させた保育を実践するにあたり、既定の職員数や空間ではとても足りない状況があります。これに対して、今ある空間と環境の中で、子どもたちにとって過ごしやすく、成長を妨げない環境を作っていけるよう、クラス会議や職員会議で話し合い、工夫しています。さらに、園庭遊具において、「登る」「降りる」など全身の力やバランス力を養える物が少ないので、設置したいと考えています。

 

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

 保育の基本方針は「生命を大切に、思いやりの心を育てる」と掲げ、子どもを尊重し、「自立と自律」の援助に努めています。また、子どもが健康で安全に情緒の安定した生活ができる環境を整え、自己を十分に発揮しながら、活動できるように健全な心身の発達を図ることを目ざしています。全職員に職員マニュアルを配付し、採用時に園長から理念や方針を説明しています。基本方針と保育目標は、玄関と保育室に掲示しており、常に意識して保育を行うよう心がけています。年に4回の自己評価で「保育の理念、方針」の理解度の評価をし、園長は面談時に理解度を確認しています。日常の保育では、方針に沿った保育が実施できるよう、クラス会議や職員会議で話し合い、共通理解を図っています。
 年度初めの職員会議では「全国保育士会倫理綱領」やマニュアル「きららかのん子どもの家の保育」などを配付して、子どもの最善の利益や子どもの人権尊重の保育を具体的に学んでいます。子どもの名前は呼び捨てはせず正しい名前で呼ぶこと、子どもには発達に合わせてゆっくりていねいに話しかけること、むりやり子どもにやらせることはせず、発達状況に合わせて言葉かけや手伝いの気持ちを伝えてから援助するなどの配慮をしています。子どもへの接し方で不適切と思われる言動に気づいた場合には、職員同士や上司が注意しますが、日ごろから協力し合う風通しのよい雰囲気作りを心がけています。年度末の職員会議では園長が人権に配慮した保育の研修を行い、振り返りをしています。
 個人情報保護については、法人の「個人情報保護規程」に詳しく記載しています。入園案内・重要事項説明書である「きらら子どもの家ガイド」にも「プライバシーを守るために」として園の個人情報管理について記載しています。新年度オリエンテーションで規程とガイドの内容を保護者に説明して、同意書を受理しています。全職員に配付する「きらら子どもの家職員の心得」にも守秘義務を記載して、職員会議などで確認、周知しています。実習生、ボランティアにはオリエンテーションで守秘義務を説明しています。保育中は保護者との連絡帳や日誌などの管理に気を配り、子どもの個人情報が記載された児童票や個人ケース記録などは事務室に施錠管理し、園外への持ち出しを禁じています。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

 保育課程に基づいて、年齢ごとに年間指導計画を作成しています。子どもが自分で考えられるように年齢に応じて説明方法を考え、言葉で説明するだけでなく、視覚でわかるものを用意して説明するよう工夫しています。また理解ができない場合は、個別に説明するようにしています。常に子どもの様子を観察し、子どもが何を求めているのかくみ取るよう心がけています。子どもの自主性を尊重し、子どもの意見や意思を計画に反映させ、子どもの気持ちに沿った保育展開ができるよう努めています。
 0歳児室は、食事をするスペース、遊ぶスペース、寝るスペースを分けており、子どもの生活リズムに合わせて、落ち着いて過ごせるように工夫されています。職員手作りのガラガラや、引っ張ったりつまんだりすくったりできるおもちゃ、絵本などでじっくり遊べるように設定しています。1、2歳児室は、食事と午睡のスペースを分けており、子どものペースで食事ができるように配慮しています。また、床にマットを敷いて遊びのコーナーを分けて、少人数で遊べるようにしています。縦割り保育に取り組んでおり、異年齢での交流を行っています。ホールで行う誕生会に参加したり、年長児が乳児当番として1、2歳児クラスにお手伝いに行き、その姿を見ることにより生活の手本にもなっています。
 0〜2歳児は、保護者との面談内容や子どもの発達状態を考慮した、個別指導計画が作成されています。クラス会議で、子どもの実態と計画や目標および対応方法が適しているか随時見直し、改善を行い、職員間で共通理解したうえで対応しています。3〜5歳児で特別な課題がある場合は、個別指導計画を作成しクラス会議で情報を共有して対応する仕組みができています。保護者のお迎え時に保育園での様子を伝えるとともに、家庭の状況や意向を把握し、計画に反映させています。また、必要に応じて保護者と面談を行い、保育士が1対1で対応する必要性や連携した対応など重要事項を説明して同意を得るとともに、専門機関での受診や相談が受けられるように支援しています。

 

3 サービスマネジメントシステムの確立

 保育園には、エレベーターや車いす用のトイレ、スロープがあり、バリアフリーの環境が整備されています。横浜市南部地域療育センターから、年に2回の巡回相談を受けており、子どもの発達や特徴を捉え、子どもに必要な支援や助言を得られる連携体制ができています。個別支援を必要とする子どもの個人別日誌などは、月の目標や子どもの状態を記録して評価を実施しており、クラス会議で成長や発達、対応について検討し、一貫した対応ができるよう努めています。横浜市南部地域療育センター主催の研修会に参加し、職員会議で伝達研修を行い、知識の向上に努めています。0歳児のころから障がいのある子どもと一緒に生活しているため、子どもも保護者も自然な受け入れができています。園では職員全員が協力できる体制を構築し、障がいのある子どもがみんなと一緒に生活する場を目ざしていきたいと考えています。
 虐待防止マニュアルがあり、その中で虐待の類型・早期発見のポイントをていねいに説明しています。虐待防止については看護師による研修を実施し、虐待の定義や関係機関を確認し、虐待の疑いがある場合の対応を周知して、虐待の防止に取り組む体制ができています。虐待ではないかと疑われるようなケースが見られた場合は、担当保育士だけで判断せず、複数の職員がかかわり、職員会議などで検討する仕組みが作られています。朝の受け入れ時に健康観察を行い、傷などがある場合は保護者に確認し、体操着やパジャマに着替える時に全身の観察を行っています。送迎時に保護者に声かけを行うよう心がけ、気になる場合は面談を行うようにしています。
 入園の際に子どものアレルギーについて一人一人確認し、かかりつけ医の生活管理指導表など証明書類を提出した園児には、除去食で対応しています。「保育所における食物アレルギー対応マニュアル」を整備し、事務室にアレルギーのある子どもの状況を掲示して常に確認しています。保護者には毎月末献立表をチェックしてもらい、栄養士、看護師、園長、主任、担当職員の複数で、内容を確認しています。誤食を防ぐために、除去食がある日の朝は保護者と一緒にメニューを確認し、除去食のバッジをつけ、一目でわかる工夫をしています。配膳はメニューを確認しながら、給食担当者から担当職員が直接受け取り、専用の皿とトレーを使用し、間違えないよう名前と除去食シールを貼り、テーブルも別にして徹底した対応がされています。

 

4 地域との交流・連携 保育課程の一項目に「地域への支援」があります。職員は子育て支援について、外部研修に参加したり、研修報告を聞いたり、職員間で話し合って見直したりしています。地域の子育て支援サービスとして、一時保育、週1回の園庭開放、夏季のプール、親子リトミック、子育て中の方々が授乳やおむつ替えをするために保育施設を利用できる「あかちゃんの駅」などを実施しています。また、園の運動会やきらら子どもの家祭り(夏祭り)、もちつきなどの園行事にも地域の方々を招待しています。近隣の保育園や系列園の子どもたちとは、ドッジボールなどで遊び交流しています。地域住民の育児相談に応じたり、系列園とともに育児講演会を開催しています。
 園のしおりを、金沢区こども家庭支援課や金沢区子育て支援拠点「とことこ」に置かせてもらったり、園の見学者に配付しています。法人の系列保育園に、経験豊富な地域の子育て支援専任担当者が一名おり、週一回の園庭開放日などに育児相談を受け付けています。また、一時保育の利用者などからも育児相談を受けることがあり、応じています。園庭開放や親子リトミックをはじめ、運動会や夏祭りなど園行事のポスターを園の掲示板へ掲示し、また子育て支援拠点「とことこ」や地域のコンビニエンスストア、花屋、パン屋など商店にも貼り出してもらい、情報発信に努めています。
 毎年、地元の中学校や高校から職業体験としてボランティアの申し出があり、受け入れています。受け入れについては「ボランティア受け入れ対応マニュアル」と「職員用・中学生、高校生校外学習への対応」を基に職員会議などで学び、確認しています。生徒には「中学生、高校生校外学習のしおり」を配付し、受け入れ担当の園長と主任がオリエンテーションを行い、園の保育理念や方針、子どもの人権、プライバシー保護、保育の留意事項などを説明しています。ボランティアの受け入れは事前に園だよりなどで保護者にも伝えています。ボランティア体験後には園長、主任、受け入れクラス担当職員などと反省会を開き、感想を聞いて意見交換しています。参考になる意見は園の運営に生かしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性

クラス会議では、日誌や週案、月案に基づく評価・反省により振り返りを行い、次の月案、週案の作成に生かしています。クラス会議で協議された事項は、チーフを通じて職員会議で報告され、情報共有に努めるとともに、必要に応じて園全体の課題として検討するなど、質の向上に向けた取り組みを行っています。園の自己評価については、クラス会議、職員会議での評価・反省事項や、個々の職員の自己評価を踏まえ、園の保育理念、保育方針、保育目標に沿って行っています。園の自己評価は玄関に掲示して公表し、保護者も確認できるようにしています。また、3月の職員会議を経て、次年度の事業計画、保育課程、年間計画、年間指導計画に反映しています。
 職員として遵守すべき法、規範、倫理は、就業規則に服務規程と職員の心得として明記されています。就業規則はいつでも確認できるよう事務室に置いてあり、閲覧などにより職員に周知しています。専門職としての倫理については、全国保育士会倫理綱領を内部研修で学習しています。社会福祉法人としての経営情報は、指導監査により県のホームページに掲載されています。世間で発生した子どもの虐待など不適切な事例は、新聞記事などを基にミーティングなどで速やかに注意喚起し、あわせてマニュアルにより早期発見や注意点の再確認をしています。
 保護者との意見交換は、日々の連絡帳や送迎時の会話のほか、行事の際に意見を求めるよう心がけるとともにアンケートを行い、記述で意見を述べられる機会を設けています。園の保育に導入しているモンテッソーリ教育やヨコミネ式教育法など、保育にかかわる重要な事項は、全保護者を対象とする懇談会で説明し、理解を求めています。一方、個々の保護者には、自分の子どものクラスで保育を体験する「一日保育士体験」の際に意見交換の機会を設けて、自由な意見を求めています。園運営にかかわるさまざまな課題については、クラス横断的な構成で、例えば「委員会研修」などテーマに応じた名称の委員会を設けて、組織をあげて解決に取り組んでいます。

 

6 職員の資質向上の促進 職員構成は、基準はもとよりモンテッソーリ教育の保育実践に必要な体制となるよう、常にチェックしています。不足が生じる場合、法人本部と連携して紹介事業者などへ依頼したり、園の掲示板に要項を掲示して募集を行っています。保育理念や目標の実現に向けて、年間の人材育成計画を作成し、当該年度の事業計画に示しています。これに基づき職員は、テーマに応じて園内・園外の研修に参加しています。自己啓発の一環として、職員はモンテッソーリ教師養成コースを受講し、日々の保育に生かしています。職員は自己評価表を作成し、年間4回園長と面談して目標達成度の検証など振り返りを行う機会を設けており、資質向上の体制が整備されています。
 非常勤職員にも、園が目ざしている保育内容や職員に求める心得のほか、散歩や事故対策、保健など、分野別のマニュアルを配付しています。園ではマニュアルを基準として、職員による対応のばらつきをなくすとともに、ミーティングでの確認などで、サービス水準の維持に努めています。非常勤職員の配置は、主任が適性や経験を勘案しながら、ほかの職員との組み合わせを工夫したシフト表を作成しています。非常勤職員の指導責任者は園長ですが、時間的に研修参加が難しい非常勤職員には、研修に参加した職員が研修資料をもとに内容のポイントなどを伝達するほか、年に一度は非常勤職員も含めた全体研修を行っています。
 職員は毎年、自己評価を行っています。園長は、この評価表を踏まえて4月、8月、12月、3月に個人面談を行い、各自に総評を提示しています。また3月には、それぞれ職員が年間の振り返りを行い、次期の目標を設定するというように、自己評価が目標管理システムとして機能しています。保護者から、モンテッソーリ教育やヨコミネ式教育法の体操などの保育サービスに一定の評価を得ていますが、職員はより一層の保育の質の向上のため、外部研修に参加し、会議や園内研修を開き、知識や技能の習得に努めています。モンテッソーリ教育や体操のヨコミネ式教育法の指導者を招いて、日常の保育の評価・指導を受けています。

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