かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

保育園小さなほし

対象事業所名 保育園小さなほし
経営主体(法人等) 社会福祉法人 藤雪会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 252 - 0804
藤沢市湘南台5-1-2
tel:0466-41-3660
設立年月日 2010(平成22)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年01月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
保育園小さなほしは、平成22年4月に特定非営利活動法人子ども未来じゅくが開設しました。その後、平成27年9月に社会福祉法人藤雪会に運営が変更されました。園は3つの路線の交わる利便性の良い湘南台駅から徒歩3分程の場所にあります。周辺は古くからの住宅地や新しいマンションなどの集合住宅の他に商業施設も交じり合う地域となっています。
園は6ケ月児から就学前児童を対象とし、定員60名で現在は65名が在籍しています。また、一時預かり、病後児保育も実施しています。
園の理念である「子どもの生きる根っこが育つ「今」を大切にします!」園目標の「元気にあふれ、思いやりのある子ども」を基に0歳から5歳まで途切れのない、繋がりのある保育に努めています。食育活動では、0歳児から5歳児まで、それぞれの年齢にあった食育活動を行っています。活動を通して子どもたちが「優しさ・思いやり・生命の大切さ・四季の変化を感じる」などの感性を育むことができるような取り組みを行った保育をしています。


≪優れている点≫
1. 一人一人の心の育ちを大切にした関わりを持ち、子どもは安心して園生活を過ごしています
法人の理念、保育方針に子どもの権利や一人一人の育ちを保障した保育を掲げ、園としても子ども一人一人の人格の大切さ、一人一人を丁寧に受け止めることを大切にし、共通認識として日々の保育を行っています。保育士は子ども一人一人のありのままの姿を受け入れながら、それぞれの発達の中で、より良く過ごすことができるように支援しています。子どもたちの成長に応じた関わりを意識して、その状況に応じて最良の方法を考え子どもたちと向き合っています。
子ども同士のケンカやトラブルの時、子どもだけで解決できそうにない時には、保育士が間に入り、それぞれの話を聞いています。保育士は、「どうしてそう思うの?」「やりすぎじゃない?」など子どもが相手の気持ちを想像できるような声掛けを行っています。話し合いで解決できない時には、他の子どもと少し離れた場所で、子どもが泣きやむまで待ったり、話しかけたりして子どもの気持ちが落ち着くように働きかけています。
保育士は見守るべきところ、手を貸すところ、寄り添うところ、向き合うところなど、子ども自身の気持ちや相手の気持ちを理解できる心の成長を考えながら子どもに接しています。自分の思いを認めてくれる安心感を得ることで、子どもたちも思い思いの主張ができる関係性が育まれています。
保育士たちの日々子どもを大切に思う気持ちのなかで、信頼関係が築かれ子どもは安心して園で過ごすことができています。
2. 食育活動を通して、保育全体の繋がり(連続性)を図っています
卒園時において、子ども一人一人が食に関して興味を持ち、自分の身体を大切に感じることができることを目指して、様々な場面で食育を取り入れています。
職員の栽培担当係は、各クラスと相談しながら栽培する野菜を選び、収穫した野菜を給食で提供するように計画しています。枝豆を栽培して夏の枝豆を楽しむと共に、そのまま大豆になるのを待ち、収穫後にみそ作りを行っています。干し柿づくりでは、干し柿にする前の柿の渋さを舌で感じたり、餅つきの時には餅になる前のもち米に触ったりと食物の変化を実際に感じることができるようにしています。
食育の中で米を研いだり、干し柿を作ったり、みそを作ったりして、日本の食文化を伝えています。また、日本の伝統行事を知る事を目的に、餅つきを行ったり新年会で獅子舞を鑑賞したり、豆まきを行うなど日々の保育の中で自然な形で日本の文化に触れることができるよう努めています。
お誕生会の寸劇で「芋ほり」が行われた日の給食は「お芋ごはん」が提供されています。また、年に1度、魚の解体ショーを行い、命あるものを食べているという事を伝えています。生命の輪廻を伝えることで自分自身を大切にしなければならないことも伝えることができるようにしています。
これらの事が子どもの成長と共に理解できるよう、0歳児から5歳児まで繋がりのある食育計画を立てています。乳児クラスでは食材に触ることから始め、食材を商店に買いに行き代金の支払いをして帰って来たりもしています。幼児クラスになると、ホットケーキ作り、白玉団子つくり、カレーつくりと子どもたちが食事を楽しめるような計画を立てています。子どもたちが、食を楽しみ、興味が持てるように、職員は連携を取りながら保育にあたっています。そして食育から、子どもたちが自分の身体を大切にすることができることを目指しています。

3.地域と様々な関わりを持ち、交流関係を大切にしています
地域の保育園や小学校、中学校、子育て支援センターなどと頻繁に連絡を取り、情報交換を行ったり、困りごとへの意見交換をしたり相互に協力し合う関係性が築かれています。
近隣保育園から運動会用具を借りたり、近隣の小学校へは、飼育している動物の観察をさせてもらったり、夏休み期間中など中学校での使用が無い時に校庭をお借りして遊ぶこともあります。
また、中学校からは職業体験の受け入れや、保育部の部活動としての受け入れを7年前から毎年行っています。保育部の学生によるパネルシアターを子どもたちに披露してもらうなど、有意義な交流が行われています。また学生に保育園や子どもたちの姿を知ってもらい、興味を持ってもらうことで次世代の保育者育成にもつながる可能性のある取り組みとなっています。
隣接する介護施設からは毎年サンタクロースに扮した職員の来訪を受けたり、園行事への招待や地域の防災訓練、町内清掃や公園清掃に職員が参加するなど、地域交流を大切にし、地域の一員として受け入れられる活動を行っています。


≪工夫している点≫
1.各種の利用者に対して受け入れ体制を取っています
平日や土曜日の保育の他に長時間保育や延長保育も行っています。また、障がいのある子どもや配慮が必要な子どもの個性にあった関わりに配慮して受け入れ、保育を行っています。常勤の看護師を配置して病後児保育を行っています。市の関係機関と連携をとり配慮が必要な子どもを積極的に受け入れ、家庭背景や子どもの発達状況を考えて、一人一人丁寧に保育を行っています。


≪課題や改善することが期待される事項≫
1.中長期的展望を職員で共有化して、職員育成や保護者理解の推進が期待されます
職員の経験・能力・習熟度に応じた期待水準を明確にして、職員の育成計画を行い、施設運営を担う次世代のリーダー、専門的スキルを持った職員などを中長期的計画として育成することが期待されます。
また、保護者との協力関係や信頼関係を構築する為、園の進む方向、保育理念、目標、方針などの理解に向け、より一層の説明や周知を図ることが期待されます。更に方針などについての保護者理解を確認する機会や取組みを設け、園と保護者とが共有意識を広げられることが期待されます。

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 保育理念、保育方針、保育目標は、利用者本人を尊重したものとなっています。園の事業計画で子ども一人一人の個性を尊重した関わりを行うことを掲げています。職員は18項目の「人権チェック表」を基に年2回の自己の振り返りをしています。項目の中に「子どもが他の思いや意志をはっきり言うことが出来るように配慮しています」「保育に対する相手の思いや考え方を受け止め聞く事が出来るなどを確認しています」などの項目があります。「ものの言い方・伝え方のルールとマナー」の冊子を職員で回覧し学んでいます。
子どもが安心して落ち着ける場所や友だちや保育士の視線を意識せず過ごせる場所を設けています。廊下や玄関ホールにも絵本やおもちゃを置き、静かに過ごせるコーナーがあります。子どもは事務所や事務所奥の小部屋を使うこともあります。話したい事があれば自分から事務室に来て話を聞いてもらう子どももいます。
園児の個人情報は事務所の鍵のかかるロッカーに保管し、職員の個人情報は園長・副園長が管理する鍵のかかるロッカーに保管しています。「個人情報保護に関する基本方針」を全職員に回覧して周知し、情報漏えいの規定について誓約書を職員から得ています。園児の写真取り扱いについては保護者から「同意書」を得ています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 保育理念、基本方針に基づいた保育を実践するために、それらを保育課程に明記しています。保育課程に基づいた年間指導計画から月間指導計画、週案を作成しています。職員は、昼ミーティング、職員会議などで子どもの様子を共有し、子どもの状況、意向を保育に活かすようにしています。
0〜2歳児クラスの全員、幼児クラスにおいても配慮の必要な子どもには個別指導計画を作成しています。昼ミーティング、職員会議で常に情報の交換、共有を行い、子ども一人一人の発達に合わせ、計画の振り返り、見直しを行っています。保護者には、園での子どもの様子を伝えながら計画を説明し、同意を得ています。
大人の思いで遊びを妨げないように配慮し、自由遊びの時間を多く取り入れるようにしています。子ども一人一人の心の育ちや、集団の特徴を保育士同士で話し合い、集団遊びの楽しさをクラスを超えて共有できるようにしています。自分の気持ちを自由に表現できる活動では、幼児はリトミック(月1回)、4・5歳児は講師による楽器演奏(月1回)行っています。陶芸や茶道も活動に取り入れています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 入園時に把握した生育や生活記録、入園後の成長発達記録、個人面談記録などを個人ファイルに収めています。経過記録は期ごとに評価を行っていますが、変化があった時には、随時追加の記録を行っています。記録は鍵のかかる書庫に置き、必要な職員はいつでも確認することができます。また、昼ミーティング、職員会議で常に情報共有を行っています。
職員は、配慮が必要な子どもの様子について職員会議、昼ミーティングなどで話し合い記録に残しています。様々な配慮が必要となる中で、発達支援コーディネーター養成研修、藤沢市虐待研修、食物アレルギーの研修などに参加し、子どもが必要とする保育のあり方を職員で共有するようにしています。
意見箱の設置、懇談会、個人面談、運営委員会、毎日の送迎時など保護者から意見や要望を聞く機会があります。保護者からの要望や苦情は、小さなことでも職員会議やミーティングで職員に周知し、対応策を話し合っています。要望や苦情は、記録に残し蓄積して今後に活かすようにしています。
4 地域との交流・連携 地域の町内会役員、近隣のマンション管理人、主任児童委員などとの交流があり、情報を共有しています。月1回の民間園長会に参加し情報交換を行っています。子育て支援センターに子育てサロンの案内を置いています。その際には支援センターの様子を聞き、地域の支援ニーズを把握するようにしています。園のホームページでは、一時保育、病後児保育や子育て・子育ち応援メニューとして親子ルーム(きらきら)と親子のフリースペース(ほっこりカフェ)を案内しています。
園のフェンスに育児相談、栄養相談の受け入れを掲示しています。町内会の回覧板、園のホームページでも保育相談の受け入れを案内しています。「園だより」を近隣住民や小中学校に配布し情報提供をしています。毎月の親子ルーム「きらきら」では、親子で遊んでもらいながら園を知ってもらうと共に、保育士、看護師、栄養士が対応し、相談を受けています。保育に必要な関係機関をまとめたファイルがあり職員で情報を共有しています。
藤沢市内の他の保育園と連携を取り、市民ギャラリーに幼児の作品を展示し園の紹介をしたり、地域の七夕祭りでも、毎年作品と短冊の展示をしています。地域の自治会や保育園と行事備品等の貸し借りで連携が取れています。保育園の開放では、親子ルーム「きらきら」で未就園児の親子を対象に、毎月1回の保育活動を行っています。月2回の「ほっこりカフェ」ではアートセラピーやエクササイズ等を行ってきました。療育相談や文化活動を行っているグループに場所を提供しています。園の防災訓練、餅つき、クリスマス会には自治会の地域住民や高齢者施設の入居者を招待しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 事業運営に影響のある情報は運営法人で収集、分析を行っています。また、園長も、施設長連絡会、業務会議、藤沢市民間保育園園長会議などに出席し、情報を収集しています。重要な情報は、職員会議で報告し重点改善課題として設定しています。
職員は毎年、ガンバリマンチェック(個人)、係ごとの自己評価を行っています。個人、係の目標設定を年度初めに行い、中間期と年度末に評価反省を行っています。年度末に園長は職員の行った自己評価を取りまとめ、園の自己評価につなげています。
組織及び職員が守るべき法・規範・倫理などが掲載された、園規則・就業規則・法人総会資料を全職員で回覧し、職員に周知しています。年度毎に運営法人が現況報告、財務諸表を作成し、運営法人ホームページに掲載しています。
6 職員の資質向上の促進 園内研修として、安全管理についての研修を継続的に行っており、安全管理マニュアルの見直しをしています。今年度は安全管理の研修と共に、「子どもの遊ぶ環境つくり」をテーマに挙げ、大型遊具の作成を全職員参加で行っています。作成した大型遊具は、ままごと(台所)、家、などで、子どもが興味、主体性を持って、全身を使い遊ぶことができるようになっています。外部研修としては要支援児受け入れ保育所派遣型研修、発達支援コーディネーター講座、保育研修、食物アレルギー緊急対応研修会など様々な研修に参加しています。職員が参加した研修内容は職員全員で共有し、保育の質を高めるため、職員会議で研修報告を行ったり、報告書の回覧を行っています。
年間指導計画、月間指導計画があり、それらに基づき月間目標、週案が策定されています。これらは、自己評価を行う書式が定型化されています。園長は日誌に書かれている内容を確認し、職員が次の指導計画に反映できるようアドバイスを行っています。自己評価は、子どもの活動やその結果だけでなく、子どもの発達や意欲、取り組み姿勢などを大切にし、その視点に沿って行われています。
 現場にいる職員が主体的、自発的に判断して保育にあたれるよう、クラスリーダー、保育運営リーダー、事務分担等、仕事の担当や責任者を明確にし権限を委譲しています。担当者同士が連携し、業務がより良く行えるようにしています。園長は折に触れアドバイスをしています。

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