かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ポプラ保育園(2回目受審)

対象事業所名 ポプラ保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 特定非営利活動法人 ポプラの会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 241 - 0022
旭区鶴ヶ峰1-25-11
tel:045-382-4523
設立年月日 2006(平成18)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年12月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
NPO法人ポプラの会が運営するポプラ保育園は、平成10年8月からの横浜保育室としての運営を経て、平成18年4月より認可保育所として地域の保育サービスを担っています。平成26年には近隣にポプラ第二保育園が開設し、協力し合って保育運営をしています。
ポプラ保育園は相鉄線鶴ヶ峰駅から徒歩2分のビル内にあるため、園庭での活動を補う園外(公園)保育に力を入れています。近隣に遊具の整った椚谷公園、鶴ヶ峰公園、白根公園など8か所の公園があります。
園の保育理念は「子ども一人一人を大切にし、保護者からも信頼され、地域に愛される保育園を目指す」とし、「豊かな人間性を持った子どもを育成する」を保育方針としています。
保育室の特徴から、1・2歳児と3・4・5歳児はそれぞれ同室で過ごす時間を十分確保した異年齢保育を実施しています。また、駅に近い環境のもとに、地域の子育て支援として、入所していない親子の集いの場の提供や旭区の支援事業に参加しています。

 

≪優れている点≫
1.戸外(公園)活動などを通じて異年齢保育に力を入れています
保育目標に「よみがえらそう豊かな五感」をモットーとして、散歩やリズム運動を重視しています。発達に応じて学び、一方的に何かを教えるのではなく、子どもに自然に備わった五感を働かせて、体験することが学習の第一歩と捉え実践しています。
保育園の一日は、登園から朝の会までと、夕方のお迎えを待つ間の延長保育は異年齢児の合同保育としています。また昼食時やおやつの時は、1・2歳児、3・4・5歳児はそれぞれ同じ部屋で保育し、幼児クラスでは4・5歳児が配膳やその確認の当番を担当し、年長者のリーダーシップを発揮しています。
特に散歩のときは、目的地の公園までの道のりを5歳児と3歳児で手を繋ぎ、年下の子を思いやる状況が見られます。園では異年齢保育の機会を大事にし、「豊かな心を育てる」の保育目標を実践しています。


2.卒園児や保護者の思い出作りを行い、人間性の育成につなげています
園では、人間として大切な子どもの時期を過ごす園生活を、充実した楽しい生活の場となる様に配慮しています。就学前の子どもたちには、内面を培った言葉やイメージを表現できるようにしています。絵や文章によるカルタづくりを通じて、与えられた課題や生活経験を表現しています。子どもの作品を陶磁器の焼き物にして、玄関の壁一面に飾り卒園後の思い出として残しています。
また、保護者にとっての思い出作りとしては、卒園児に対する保護者のメッセージをタイムカプセルに入れて、同一法人が運営するポプラ第二保育園の園庭に埋め6年後に掘り出すことにしています。園では、中期の視点から園児や保護者の思い出作りの実践に努めています。


3.「年間食育計画」を作り給食を楽しみながら食育に繋げています
園内のプランターに種をまき、その成長過程を観察し、観察画の製作や調理体験に活かしています。季節ごとの行事食では七草粥の青菜を展示、お月見の由来や柏餅の説明をして、関わりのある野菜の絵本を題材に読み聞かせをしています。
幼児クラスでは、さんまの塩焼きをメニューに取入れ、箸の使いかたや、食べ方を楽しい食事の中から学んでいます。給食の食材は、旬の食材を取入れ、無農薬・減農薬。有機栽培・胚芽米を中心に使い、昆布やかつおからだしを取り、健康への配慮をしています。


≪課題や改善することが期待される事項≫

1.職員の育成に向けた業務マニュアル集の整備
職員の採用面談で、園長はポプラ保育園の理念・方針や保育目標について語り、理解し賛同した職員を採用しています。入職後の育成については、基本となるマニュアル等を配付し、1年の体験等を通じて基本となる保育のレベルアップを図っています。また、自己評価や年に1回の園長との面談を通じて、更なる保育技術の向上に努めています。一方で、マニュアルについては基本的なものから、テーマごとに専門的なものまで多種多様に作られています。
現行マニュアルは該当のファイルに収録されていますが、業務のレベルアップや標準化の面からすると十分に使えるようには整理されていません。「何時でも、誰でも、何処ででも」参考に出来るマニュアル集となるように、保管場所(保育室と事務室)や利用上(新人職員からベテラン職員まで)での整備について検討が期待されます。


2.地域交流を進め、保育園と地域の活性化促進
保育所の専門性を活かして地域の子育て支援拠点事業を行っています。毎週木曜日に開催の「リズム運動」への参加を呼び掛けるほか、限定的に育児相談等を実施しています。また自治会に加入しており、行事などに施設を開放して地域の方を招待しています。
しかし、地域支援などの交流は部分的であり、ボランティアもマニュアルを用意していますが受け入れ実績はありません。今後は、保育機能の専門性を発揮し、積極的な情報発信や定期的な育児相談の実施などが期待されます。また、自治会や様々な団体へ情報発信を行い、ボランティアの積極的な募集や地域の子育て支援により、地域と園の双方の活性化につながることが期待されます。

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 子どもの人権を大切にする保育園の理念、保育方針及び6項目の保育目標をあげています。発達に応じた学びに配慮をし、一方的に何かを教えられるのではなく、子どもに自然に備わった五感を働かせて体験して得ることが学習の第一歩ととらえています。日常生活や遊びなどを通じて、言葉や文字を使う力、絵を描く力、数や図形を理解する力が育めるようにしています。毎月の職員会議で、子どもたちの現状に合わせた保育を実施できるように振り返りをしています。
日頃の保育において、子どもの心に寄り添い、穏やかで分かりやすい言葉で接するように心がけています。子ども同士のトラブルでは、否定的な言葉は使わず、なぜその行動をとったのか、相手の立場になって考えてみるように話しており、子どもからの発信を汲み取るようにしています。プライバシーが守られる空間、おむつの交換では工夫をしています。一対一の話し合いがあれば、階段の踊り場で静かに話ができるように対応しています。子どもの呼び方は全員〇〇さんと呼んで人権に配慮しています。
個人情報の取り扱いについては、入職時に「守秘義務契約書」を交わしています。園だより等で子どもの写真を載せることはありませんが、旭区の保育の広場での展示物で保護者の承諾のもと、子どもの写真を使用しています。個人情報に関するファイルは、鍵の掛かる部屋に保管しています。 
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 おもちゃは、子どもの取出しやすい位置に置かれ自由に遊べるようになっています。絵本は季節に応じて入れ替えをする物もありますが、どんな絵本でも幅広く興味がわくように年齢での区別はしていません。牛乳パックを使った、電車や車、積み木、布で覆ったゴムボールなど、ぬくもりのある手作りのおもちゃなどが用意されています。
1階は、0・1・2歳児のスペースでクラスごとにパーテーションで仕切ることができます。0歳児と2歳児の扉は、一部が透明になっており互いに、隣のクラスの活動に興味があれば眺めることができます。保育士は、遊びに入る前に約束事を説明しており、一斉活動でも年齢ごとにルールに違いのある遊びを取入れています。園は子どもの作った作品を大切にしており、玄関にはタイルに焼き付けられた卒園児一人一人の絵を壁に貼り付けています。園内には子どもたちの希望を取入れた製作品で、紙バッグに、何色もの色を自由に重ねた個性的な作品も展示されています。
異年齢交流は、朝・夕の活動があり、公園に合同で散歩に出掛けることもあります。子ども同士の関わりに配慮した保育をしています。子ども同士のけんかに気付いたときは、否定的な言葉を使わないように、子ども同士でどんな解決方法をしていくのか見守り、子どもの気持ちに寄り添い助言をしています。散歩や体を動かす活動を積極的に取入れています。リズム運動や運動の成果を年一回、旭区の公会堂などを利用し「生活発表会」で披露しています。体力作りには、戸板のぼり・リズム運動・体操・階段上りなどを取入れています。散歩は「お散歩マップ」があり、その日の活動に合わせて8か所のコースから選んでいます。
3 サービスマネジメントシステムの確立 「健康管理マニュアル」に基づき一人一人の健康状態を把握しています。年2回、嘱託医による健康診断・歯科健診、月1回、身長・体重測定を行っています。その結果とこれまでの既往歴・出生歴等・アレルギー・、予防接種等を記録する「予防接種歴、罹患歴査票」があり、園医、園、保護者で確認し合い、子どもの状態を把握しています。健康管理を適切に実施できるように、子ども一人一人のファイルがあり、入園から卒園までの記録をファイルし経過が把握できるようにしています。
「衛生管理に関するマニュアル」があります。各トイレに、汚物処理、嘔吐処理についての手順マニュアルを掲示し、必用なキッドを備えています。処理方法の取得については、職員が実際に処置した状況を振り返り報告、見直しをすることで、常に適切な対応ができるように職員会議で確認しています。
ヒヤリハット記録は、「事故報告書」に詳細に記録され、職員会議で反省と今後の対策を話合っています。これまでの怪我や事故の発生による、場所、対処、解決までの経験を職員全員で周知し保育の安全対策に役立てています。「毎月事故防止チェックリスト」を基に振り返りを行っています。外部からの安全対策として、施錠とインターホン顔確認と、保護者のICカードによる入退室の管理で対応しています。園は地域の町内会に加入しており回覧板で防犯情報を得ることができます。ビルのオーナーが保育園と同じ建物に住んでおり、情報を得ることが可能です。
4 地域との交流・連携 行政が主導する地域子育て支援拠点事業には、園の専門性を活かした支援サービスとして、毎週木曜日の子育て支援(育児講座やリズム運動)の他、通常の保育に支障をきたさない範囲で、通常時間内の一時保育(緊急保育、リフレッシュ保育)、産休明け保育等を実施しています。この他、「絵本の貸し出し」等を掲示版で周知しています。
運動会、リズム運動、生活発表会などの行事には、卒園児、保護者、他の保育園児等を招待しています。地域のケアプラザを定期的に訪問し、高齢者と折り紙等を通じて交流しています。年長組は近隣の小学校に訪問し小学生との交流を通じて入学に備えています。地域の入園していない子どもたちの為には、リズム運動や図書の貸し出しを実施しています。また5歳児は「幼・保・小連携交流会」や地域の「5歳児交流会」に参加し就学に備えています。
保育園のパンフレットは旭区が主導している「あさひ子育て保育園ひろば」へ提供するほか随時見学者に提供しています。見学者には園内の各部屋を案内すると共にパンフレットを配付して説明をしています。またホームページでは「保育目標」「施設紹介」「職員体制」「園の保育内容」「年間行事」等の情報を提供しています。利用希望者からの見学には、保育時間内に来ていただき、基本方針・利用条件・サービス内容等について説明すると共に、子どもたちの普段の様子を見てもらうようにしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 事業者として守るべき法・規範・倫理は、関連の業務マニュアルに記載の他、守秘義務について、「個人情報の保護に関する法律」を詳しく職員に周知すると共に自己評価を実施しています。また入職時には守秘義務について契約を交わしています。園の経営状態や運営状況の情報を公表するため、玄関に決算書類一式を掲示して、保護者は何時でも閲覧できるようにしています。他園での不適切な事例が紹介されたのを機会に、園では、消耗品などの購入時のチェック体制を見直し、園長以外に二人の職員が点検する様に改善しています。
重要な意思決定にあたり、園長は理事会・運営委員会や保護者懇談会での意見を参考にしています。理事会・運営委員会には前年度の事業報告や新年度の事業計画を報告すると共に集約された保護者の声を聴いて園運営の参考にしています。また、保護者懇談会では運動会の会場確保の方法について参考になる提案を貰っています。
中長期的な事業の方向として、ポプラ保育園は平成10年から無認可・横浜保育室を経て平成18年4月よりは認可保育園として今日まで役割を担ってきました。この間に平成26年にポプラ第二保育園を開設しています。現状では敷地・建物が限定されているためサービスの提供能力の拡大計画は有りませんが、現状施設において「製作品を加工した卒園児の思い出作り」「カプセルを活用した保護者と園児の思い出作り」等新たなサービスを実践しています。
6 職員の資質向上の促進 職員の採用に当たっては、当園の保育理念・保育方針等に賛同する職員を採用しています。新入職員には非常勤職員を含め「入園のしおり」に基づき理念・方針・保育目標等の基本事項から年齢別の発達に応じた「五感での体験」を学習する保育実務や保育士のあるべき姿勢等を一年間かけて指導することとしています。一般職員は年に一度、「自己評価シート」により自己評価を行い園長との対話を通じて資質向上に努めています。
園では職員全員を対象に「自分自身の目標について」の作文の提出を求めており、この結果により、市が計画する研修会への参加者の選定をしています。園内の研修は常勤・非常勤の区別なく参加することとしており、主に職員会議の機会を充当しています。園外で実施するキャリアアップ研修会等は常勤職員が優先して参加していますが、参加者は毎回報告書を作成し職員会議にて報告し共有化に努めています。
職員は年に1回自己評価をしたうえで、園長と面談し指導を受けています。また、外部からの講師を招いた勉強会の機会は設けていますが、定期的な具体的な勉強会や他園での工夫・改善事例を参考とした勉強会の実施は今後の課題としています。職員の役割は組織図及び職務分担表により、園長以下主任保育士、保育士、調理員、事務職員、そして嘱託医師について業務内容を明確化しています。

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