かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ダイアナ保育園

対象事業所名 ダイアナ保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 武蔵野ユートピアダイアナクラブ
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 240 - 0021
保土ヶ谷区保土ヶ谷町1-16-1
tel:045-715-6329
設立年月日 1978(昭和53)年01月01日
公表年月 2017(平成29)年12月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 当園の運営主体は社会福祉法人武蔵野ユートピアダイアナクラブです。開設は昭和53年1月1日です。定員は100名で、平成29年7月現在87名在籍しています。産休明け保育、延長保育、障がい児保育、一時保育も実施しています。園は、横須賀線保土ヶ谷駅から徒歩6分の所にあります。西口のターミナルを抜けると旧東海道の雰囲気を残す商店街を歩き、東海道本線の踏切を渡ったところにある7階建てのビルで、世代交代が進んだ古くからの戸建て住宅とマンションが共存する地域です。園児は駅近くや国道1号線を渡った先などの公園から、興味に合わせた公園を選び散歩を楽しんでいます。「自主性」「社会性」「創造性」を養う保育を保育理念として、子どもたちは伸び伸びと過ごしています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○ さまざまな経験を通じて子どもの可能性を養うカリキュラムを実施しています
 園は「5育」という、知育、教育、徳育、体育、食育が大きな特徴となっています。子どもがさまざまな体験を通じ、自分と異なるものへの理解と共感を感じられるように、心身の調和のとれた人間性をはぐくむ保育を実施しています。例えば、0歳児から英語、2歳児からコーラス、3歳児からは中国語など知育、教育が週のカリキュラムに組み込まれています。さらに、日本文化の茶道を取り入れ、礼儀作法と社会性など徳育を養っています。体育では体を鍛えるだけではなく、3歳児以下は体幹を鍛えるために背もたれのない椅子を使い身体バランスの発達を促しています。園の食事は栄養バランスの取れたものが提供されています。子どもの自主性、社会性、創造性を園生活ではぐくみ、グローバルな人間育成のための保育カリキュラムを実施しています。

○ おもちゃなどは自由に取り出し、片付けられる工夫があり、保育目標の「のびのび遊べる子ども」を実現できています 
 ブロックやパズル、汽車、縫いぐるみなどのおもちゃは、それぞれ籠や箱に入れて片付けています。0〜2歳児クラス、3〜5歳児クラスともに手の届く高さの作りつけの棚におもちゃ籠や箱を収納して、子どもたちは自由に取り出して遊んでいます。籠や箱、収納棚には中のおもちゃの写真が貼ってあり、もとの場所に片付けられるよう工夫されています。自由遊び時間が残り5分の知らせがあると子どもたちは片付けを始め、敷物まで決められた場所に片付けます。5歳児は年少の子どもが片付けに手間取っていると、片付ける棚の写真を指さし即座に教えてあげています。子どもたちが容易に片付けることができ、計画的な活動の中で、保育目標でもある「のびのびと遊べる子ども」が実現できています。

○ 法人グループ全体の施設を活用し、連携して、子どもたちは幅広い保育サービスを満喫しています
 当法人は、当園以外に埼玉県に老人ホーム3施設、医療機関などを運営しています。毎年6月の5歳児の「春の自然学習お泊まり保育」では、埼玉県の法人グループの施設に行き、田植えをした後、じゃが芋掘りをし、キャンプファイヤーを楽しみ、宿泊した翌日は系列のデイサービスや特別養護老人ホーム、軽費老人ホームそれぞれでハンドベルと歌を披露し、交流しています。8月は「夏のお泊まり保育」で箱根の法人グループの別荘でバーベキュー、キャンプファイヤー、花火、すいか割りを楽しむこともあります。10月には5歳児が「秋の自然学習お泊まり保育」で、春に田植えをした田んぼで稲刈りとさつま芋掘りを経験し、翌日春と同じように老人ホームで交流しています。子どもたちは自然の中でさまざまな体験をして、高齢者との交流も深めています。

《事業者が課題としている点》
 保育士の安定化を課題としています。働きやすい職場ですが、諸事情による退職者が重なるとなかなか安定しないので、来年度は多めに採用し、退職者が出ても大丈夫なように配置したいと考えています。職員室や書類庫の整備も課題としています。予算と相談しながら、職員室へのエアコン設置を検討しています。また、ボーナス(特別賞与)の支払い方法についても課題として取り上げたいと考えています。


 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

 保育理念は「自主性、社会性、創造性豊かな情操教育をもとに円満な人格を育成し、心身の調和のとれた人間性の発達を図る事を目的としております」、保育方針は「常に乳幼児が安定感をもって十分活動できるようにし、その心身諸能力を健全で調和のとれた姿に育成するように努めなければならない。従って、養護と教育が一体となって、豊かな人間性をもつ子どもを育成する」としています。保育理念と保育方針は保育課程とパンフレットに記載され、それに沿った目標が「入園のしおり」と保育課程に記載されています。職員は保育方針を職員会議で確認しています。子どもを育てる「5育(知育、教育、徳育、体育、食育)」の考えを基にした保育は、保育方針に沿って行われています。
 業務マニュアルに個人情報に関する記載があり、職員に守秘義務が周知されています。ボランティアや実習生にもオリエンテーション時に守秘義務、個人情報の取り扱いなどを説明しています。保護者には進級オリエンテーションの時に個人情報の使用について、例えば、就学のため小学校に送る保育所児童保育要録の中に個人情報が入ることなどを説明しています。個人情報について、子どものプライバシーを守るためにも口頭だけではなく、今後は重要事項説明書への記載や、書面にて保護者から同意書を受領されることが望まれます。現在、新しいホームページを作成中ですが、その中のブログなどに園児の写真を出すことに対しても、同意書について検討されるとよいでしょう。なお、園の個人情報は主任が鍵のかかる書庫に保管し、管理しています。
 男の子だから、女の子だからという区別はなく、子どもが遊びを自主的に選べるようにし個人を尊重しています。スモックの色も個々に好きな色を着ています。子どもに、保護者についてお父さんだから、お母さんだからのような役わりを固定的にとらえた話し方はしていません。父の日、母の日という行事はありませんが、勤労感謝の日はどのような日であるか子どもたちに話しています。卒園式のプレゼントはみんな同じ色で、証書を入れるケースも同じものを渡しています。ごっこ遊びの中でも、子どもたちは自由に遊びの役柄を選んでいます。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

 保育課程は、保育方針や保育目標「明るく元気な子ども 思いやりのある子ども のびのびと遊べる子ども」などを明記し、子どもの健やかな発達のために養護と教育のねらいを定め、各年齢に応じた生活や活動の内容を記載しています。さらに、食育に関する課程も独立して立て、子どもの最善の利益を第一に作成しています。開園は7時30分からですが、保護者が園で子どものしたくができるよう配慮し、7時20分から入園可能としています。保育課程は非常勤の職員も含めた現場の職員の意見を基に、園長、主任がまとめて作成しています。保護者には進級オリエンテーションで、理念や保育課程などは園長から、園生活のルールなどは主任から話をしています。
 保育課程を基に年齢ごとに年間保育目標を掲げ、1期から4期までのねらいに沿った「年間指導計画」「月間指導計画」を担任が作成しています。また、0〜2歳児については個々の発達状況に合わせた個別の月間指導計画が立てられています。週日案は日々の保育を基本に日誌に記載されています。日々の子どもの様子を見て気持ちを吸い上げ、理解しやすい端的な言葉で活動などについて子どもに伝えています。指導計画は子どもたちの自主性を大切にして、柔軟に対応しています。例えば、幼児のミックス散歩(3〜5歳児いっしょの散歩)は自分たちの行きたい公園を提示された中から選択することができます。
 0〜2歳児は個別指導計画を作成しています。配慮を必要とする子どもがいるときは、年齢に関係なく個別の指導計画を作成し、個別の目標は子どもの発達に合わせて随時見直しを行っています。そして、必要に応じて主任や担任が保護者と相談したうえで計画を実施しています。指導の方針は職員会議などで話し合いが持たれ職員間で共有しています。例えばトイレットトレーニングは、園での排泄の状況や発達状況を伝えたうえで、保護者からの希望を聞き、相談しながら進めて、子どもにとって一番良い状態になるような指導を心がけています。

 

3 サービスマネジメントシステムの確立

 年間指導計画や月間指導計画は、子どもの発達状況を把握し、公立園の書式を参考にして担任が作成しています。その後園長、主任が記入内容を確認し、実施しています。園長からの指導もあり、内容はわかりやすく、端的に記載するよう心がけています。それぞれの計画の中にある自己評価の欄で各自振り返りをし、計画の見直しを行っています。クラスの様子はクラス会議で職員に周知されています。トイレットトレーニングの時期など個別の対応が必要なものについては、保護者の意見や要望を把握し、対応を検討し計画に反映しています。
 多機能トイレや車椅子対応のエレベーター、段差のない保育室、エントランスのスロープなど、バリアフリーの環境を整えています。また、障がいのある子どもの入園に備えて、横浜市西部地域療育センターや専門機関との連携を取っています。専門機関からのアドバイスや対応の方法は、職員会議などで全職員に周知されています。職員は障がいの特徴や対応を理解するために、さまざまな研修に参加しています。さらに、インクルージョン保育の研修に参加して、在園する子どもたちが、障がいのあるなしやその程度、種類にかかわりなく、自然に一人一人に必要な保育園生活を送れるように支援しています。研修内容はファイルに記載し、職員会議でも周知されて、日々の保育に生かされています。
 食物アレルギーのある子どもに対しては、横浜市の「保育所における食物アレルギー対応マニュアル」に基づき、医師による生活管理指導表が提出されてから給食を実施しています。食物アレルギーのある子どもの給食については、栄養士が除去食献立を作り、保護者に配付しています。誤食防止のために、アレルギーのある子どもは食事の時に席が決まっています。食事のトレイ上には子どもの名前と除去食品名を表示し、さらに食器の色を変えてだれが見てもわかるようにしています。食物アレルギーのある子どもの一覧表を作り、会議や掲示を通して全職員に周知するようにしています。

 

4 地域との交流・連携

 地元在住の法人理事長が、40年前に保土ヶ谷区の要請を受け本園を開設した経緯もあり、園長も地元町内会に知己も多く、自治会会合をはじめ、地域の園に対する要望が伝わりやすい状況となっています。園庭開放や一時保育の利用者や、園の見学者などからさまざまな相談を受けており、こうした中から地域の子育て支援ニーズの把握に努めています。また、保土ヶ谷区主催の保育所紹介・合同保育講座に参加した地域の未就園児の保護者からの相談や話からも、子育て支援ニーズを収集しています。園長は保土ヶ谷区や横浜市の園長会の分科会などで地域の子育て支援ニーズについて情報交換し、検討しています。
 園の入口横に園庭開放や交流保育の日時の案内を出し、地域住民へ情報提供し、育児相談にも応じています。園のホームページでも園の内容を紹介しています。保土ヶ谷区こども家庭支援課や横浜市こども青少年局のポータルサイト「ヨコハマはぴねすぽっと」にも園の情報を提供しています。育児相談は主任が主に対応し、相談者の都合を考慮して特定日とせず、随時受け付けています。一時保育や園庭開放、交流保育の利用者や、公園に散歩に行った時などにも育児相談を受けることがあります。運動会や夏祭り、バザーなど園の行事に地域の子育て家庭の参加を募るときには、園の入口横に案内を掲示したり、地元のビルの掲示板に貼らせてもらったりして情報提供に努めています。
 将来の利用者のために、園のパンフレットやホームページなどを用意して園の情報を提供しています。パンフレットには、園の保育理念や保育内容、保育園概要として開設日、定員、職員数、利用料、保育時間などを記載し、一日や年間のスケジュール、施設案内を写真付きで紹介しています。パンフレットは見学者や入園希望者に配付しています。ホームページにはパンフレットの内容のほか、クラス編成や園へのアクセスを載せ、決算書類、保育所の自己評価を公開しています。現在、園の利用者のためにホームページを改定中です。園の情報は保土ヶ谷区こども家庭支援課や横浜市こども青少年局のホームページ「ヨコハマはぴねすぽっと」などに進んで提供しています。

 

5 運営上の透明性の確保と継続性

 年間指導計画や月間指導計画、保育日誌(週日案)などの保育士の自己評価結果は、クラス会議や職員会議などで報告し合い、話し合っています。話し合いの中から、地域の公立保育園見学の希望が出て実現させ、レイアウトの変更など園の保育の改善に生かしています。また、クラスごとの保育士の自己評価を基に、保育所の自己評価として、横浜市の様式を基にした「保育所における自己点検・自己評価」を職員全員で話し合い、作成しています。これは園の理念や方針、保育課程を踏まえて、全部で65の評価項目を4段階で自己評価するものです。保育所としての自己評価は園のホームページで公表しています。
 就業規則には守秘義務や個人情報保護など職員として守るべき法、規範、倫理などを明記してあります。全職員は入職時に入園のしおりと就業規則を配付され、園長や主任から説明を受け、誓約書を提出しています。新年度に向けて3月に非常勤職員も含めた全体職員会議が開かれ、園長より職務の心得と法令順守について周知徹底を図っています。法人本部での新人研修でも法令順守を学んでいます。園の経営、運営状況は園のホームページで、法人所属の「ダイアナ保育園拠点区分事業活動計算書」として公開しています。他施設などで発生した子どもの虐待など不適切な事例は、新聞記事などを基に速やかにミーティングなどで学び、早期発見や注意点の再確認をしています。
 現在の7階建ての園舎は完成後3年目で改修など大きな案件はまだありませんが、砂場を移設しました。以前は園庭の北側にあり、特に冬は隣のビルの日影や木陰で寒いという保育士の意見があがりました。職員会議などで検討し、南側の玄関前への移設を決定し、保護者にも手紙で説明しました。また、従来から課外学習として英語を個人に依頼していましたが、開催が不規則になることもあり、定期的に専門学校の講師に来園してもらうよう変更しました。現在は毎週木曜日午後4時から、3クラスに分かれ学んでいます。バザーの参加者を増やしたいという園の希望もあり、今年度からは園の作品展と共催することになりました。運動会や発表会など園の大きな行事では、全職員が役割を分担して取り組んでいます。

 

6 職員の資質向上の促進

 研修担当の主任は、横浜市などが主催する研修を中心に職員の研修希望を募り、職務の必要や本人の成長を考えた指名研修を加えて年間の研修計画を作成しています。今年度は障がいのある子どもをはじめ、さまざまな配慮を必要とする子どもの研修を受講しています。また、内部研修ではマニュアルの確認研修などを行っています。外部研修受講者は研修報告を作成し、月1回の午睡時間中の職員会議の場などで、研修報告を行っています。受講できなかった職員には研修報告を回覧して共有を図っています。園長と主任は、受講者の研修成果の職場への活用状況や感想から、研修を評価して、次の研修計画に生かしています。
 非常勤職員を含む全職員に入園のしおりとパンフレット、就業規則を配付しています。また、年度末には来年度に向けての全職員の全体会議で、園内ルールと業務マニュアルを学んでいます。業務にあたって、主任は保育の経験や熟練度などを考慮して常勤職員と非常勤職員の組み合わせを工夫したシフト表を作成しています。非常勤職員は常勤職員とともに内部研修を受け、本人が希望したり、職務の必要から園が指名したりして外部研修にも参加しています。非常勤職員もリーダーを決め、職員と同じ責任を持たせています。非常勤職員の指導担当は主任ですが、休憩時間中にも会話などを通じて職員間のコミュニケーションを図っています。
 保育士の自己評価は、年間指導計画は四半期ごとに、月間指導計画は、0〜2歳児は個人別の月ごとに、3〜5歳児はクラスの月ごとに、また保育日誌は日ごとに、定型化した書式により行っています。自己評価は、計画のねらいと関連付けています。保育士の自己評価は、例えば月間指導計画では「身の回りの習慣は個人差もあるので、自分でできるよう、焦らず繰り返し励まし、しっかりと習慣づけられるようにしたい」とか「プール遊びに抵抗のある子どもには寄り添って一人一人のペースで慣れるようにしていく」など子どもの挑戦する意欲や努力の過程を大事にして行っています。職員は自己評価を通して、自己の実践を振り返り、その改善やその後の計画作成につなげています。

 

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