かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

グリーンポート桜木町保育園

対象事業所名 グリーンポート桜木町保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 ちとせ交友会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 220 - 0021
西区桜木町7-42
tel:045-290-1008
設立年月日 2014(平成26)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年11月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【立地面での特色】
●グリーンポート桜木町保育園の立地・概要
 グリーンポート桜木町保育園は、地下鉄高島町駅から徒歩2〜3分で、横浜駅にも徒歩圏内の利便性の良い場所に位置し、国道1号線と新横浜通りの交差点の一角、八洲学園(通信制)ビル(9階建て)の1階部分にあります。新横浜通りと根岸線の東側は横浜のベイエリアで、新しく開発された地区ですが、園舎が位置する西側には元々の丘陵地帯であったエリアに掃部山、伊勢山などがあり、横浜の文化施設が集まっています。掃部山は地下から湧く水を蒸気機関車の給水に利用していたことから鉄道山とも呼ばれ、大正3年に井伊家(井伊直弼)から横浜市に寄付され、掃部山公園となった由緒ある公園で桜の名所としても知られ、公園の一角には横浜能楽堂もあり、グリーンポート桜木町保育園の子どもたちの散歩コースとなっています。近くには県立図書館、県立音楽堂、伊勢山皇大神宮などもあり、横浜の文化に触れる環境が整っています。グリーンポート桜木町保育園は、平成26年4月に八洲学園大学付属ちとせナーサリーから現在の園に移行し、生後57日目から受け入れ、定員80名の中規模保育園です。構成では0歳児クラス6名、1歳児クラス12名、2歳児クラス14名、3歳児クラス16名、4歳児クラス16名、5歳児クラス16名となっており、家庭的な温かい雰囲気の中、一人一人の子どもを大切にし、子ども、保護者との信頼を構築し、子どもの育成に尽力しています。


●グリーンポート桜木町保育園の保育の方針
 グリーンポート桜木町保育園は、社会福祉法人ちとせ交友会(以下、法人)の経営です。法人は本部を東京都港区に置き、児童福祉施設、一時預かり、子育て支援拠点、放課後児童健全育成、障害児通所支援等を全国に展開しています。東日本地区では、首都圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)の保育園を運営しています。保育については、ピアジェの発達の理論を基に展開しています。ピアジェの発達の理論とは、4つの段階(感覚−運動期、前操作期、具体的操作期、形式的操作期)に、さらに4つの質的段階(シェマ、同化と調節、均等化、操作)が複雑に変化して行く理論です。法人はこの理論を保育に展開し、ちとせ保育園ステートメントブックにまとめ、保育に対する想いと保育士のスキルアップを図り、園を「Home」として据え、子ども・保護者・保育士の「心の拠り所」となる保育園を目指しています。「Home」の目指していることは、行き届いた安全な環境と、家庭的な温もりの中で、子ども一人一人の発達に合った保育を行い、生き生きと元気に遊び、友だちと育ち合い、自主性、自律性を持った子どもを育むことを目指しています。保育士は研修等により、理論に基づく保育を学び、実践しています。


【特に良いと思う点】
1.ピアジェの発達の理論をベースにした保育の展開
 法人系列全園で保育の基本に「ピアジェの発達」の理論を基に展開しています。この理論は、心理学の人間の思考に関するもので認知発達過程を表し、幼少期から知識等の積み重ねにより人間の認識が発生すると考え、思考の4つの各段階において、質的に異なる発達段階に関係や性質を変化させることにより、認識の発達のみではなく行動も内在化されて発達が進んでいく概念を、子どもの発達や教育に生かしています。職員は、ピアジェの発達の理論を学びながら、子どもたちの将来を見据えた連続した保育を進め、「遊び<活動の場面」では子どもに適切な環境を提供し、遊びを通して知能の発達を育み、「日常生活の場面」は、さまざまな場面を活用して、自分で考え、判断し、子ども自身で行動できるよう育んでいます。コンセプトの「Home」のベクトルや、コンセプトを掲げることの重要性を認識し、理念の裏付けとなる理論で保育を展開し、本質にも期待されます。


2.一時保育を活用した地域子育て支援
 グリーンポート桜木町保育園では、1日3名程度の一時保育と、1歳、2歳児を対象にした年間限定保育を受け入れ、現在、1歳児を2名程度受け入れています。園では地域社会への貢献を掲げ、一時保育、年間限定保育はその一環です。地域はオフィスビルとマンション等の高層住宅が中心であり、幹線道路が通り子ども同士で遊ぶには注意が必要な地域であり、また、核家族化や、他地域から移転の若い層も多く、初めての子育ての悩みを持つ方や、パート勤務者のレスパイトケア等、地域の子育ての悩み等に対し、一時保育は地域から望まれたものであり、子育て支援に尽力しています。子育て支援事業は3歳〜5歳児の保育室の一角に部屋を設定し、既存の園児との慣れる様子を考慮しながら保育を行っています。


3.職員の結束力の強化
 グリーンポート桜木町保育園では、職員の結束力の強化に取り組んでいます。結束力強化のベースに、ピアジェの構成論を基本とし、展開には「WAY」の冊子を用意し、職員が常に確認できるようにしています。「WAY」には9つのセクションから成り立ち、「WAY1」はチームワーク、「WAY2」は子ども一人一人、「WAY3」はチャレンジ、「WAY4」はみんなの「Home」について、「WAY5」は仕事・人生を楽しもう、「WAY6」は温かい人間関係、「WAY7」は変化を楽しむ、「WAY8」はNo Border、「WAY9」は魅力ある先生、等、セッションごとにわかりやすく綴られています。これらは、+C(Plus Chitose point)であり、職員一人一人の総合力が「ちとせ交友会」(法人)の力となり、「One for all, All for one」(一人はみんなのために、みんなは一人のために)を根幹とし、常に仲間のことを意識できるよう導いています。園では、チームで自らの役割を理解し、職員の結束力の強化に取り組んでいます。


【さらなる期待がされる点】
1.実習生の受け入れの強化
 グリーンポート桜木町保育園では、実習生、ボランティアとも積極的に受け入れる姿勢を持ち、体制も整備されています。園の開設は平成26年4月であり、2年半の経過の中で園内体制固めと共に利用者、保護者との信頼関係の構築に尽力されてきたことを考慮し、今後、実習生の受け入れは要員確保のポイントでもあり、現有保育士にとっても新しい保育教育の実態、後進を指導することにより成長、向上が図られる等、効果が見込まれます。平成29年2月には実習生3名の受け入れを予定し、園長は、実習生の受け入れを機会に、今後さらなる働きかけをして行く意向でいます。法人は多くの保育園を関東地区で展開し、実習校と連携もあると思われますので、紹介を得たり、特に、京浜地区の大学の保育課へ積極的にアプローチを図る等、後進の指導、育成へのさらなる尽力を期待しています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●保育方針として、法人系列全園で「ピアジェの発達」の理論を基本として保育を実施しています。園を「Home」と据え、保育目標に展開し、園のパンフレットや重要事項説明書に記載し、玄関等、保護者の目につきやすいところに掲示して理解を促しています。職員に対しては、洗面所、更衣室等に掲示して常に確認できるようにし、全体会議等を活用して理念を確認し、全職員で目標を共有して保育にあたっています。


●園長は、『職員の行動の規範』集を活用して、園内研修で読み合わせをして理解を促しています。また、就業規則の「WAY」の項に「子ども一人一人の尊重」を定め、大切にし、人権に関する研修を実施して研鑚を図っています。保育士は、子どもの気持ちや発言を肯定的に受け止め、子ども自身で素直に言葉に出せるよう保育に努め、一人の個として尊重することを全職員で共通認識を図っています。


●性差に関する配慮では、遊びや行事の役割、持ち物や服装での区別や、順番、グループ分けや整列も性別で区分けすることはしていません。また、遊びや制作での色決めなどは子どもが好きな色を選択できるように配慮しています。子どもや保護者に対して、父親・母親の役割を固定的に捉えた話し方や表現をしないようにしています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育課程は、自律性を持った子どもの育成をベースに作成し、さらに地域の実態、周囲の環境を考慮し、子どもの発達、最善の利益を第一義として年齢ごとに策定しています。園長は、年度初めに、園の目指すべき方向を職員、保護者に説明し、職員会議、全体会議で目標に沿った保育ができているかを確認しています。保育課程に基づき、クラスごとに年間指導計画を作成しています。子どもに対しては、年齢に合わせて分かりやすい形で週の目標、毎日の目標を伝えています。子どもの主体的な意見や要望は取り入れるようにし、言語化できない子どもは表情や態度から汲み取っています。


●新入児受け入れの際は、入園前質問シートの中で案内し、短縮保育(慣らし保育)を実施し、保護者の事情や子どもの様子に応じて対応しています。基本的には全保育士で全ての子どもを見る体制であり、0歳、1歳児は個々の保育士との良好な関係を尊重し、子どもが安心できるように配慮しています。在園児への配慮では、主に乳児クラスに対し、なるべく前担任の1人がクラス担任として持ち上がりを配置するよう考慮しています。保護者への連絡は、0歳〜2歳児は連絡ノートを使用して連携を密にし、3歳児以上のクラスはホワイトボードにて保護者に伝え、送迎時にも口頭で子どもの様子を伝えるよう努めています。


●園生活に関する情報は、毎月園だよりおよび定期的にクラスだよりを発行し、その日の保育の様子は乳児では連絡ノート、3歳以上はホワイトボードで知らせしています。各クラスにデジタルカメラを置き、園外活動、子どもの生活等を保育士が収め、掲示して保護者が閲覧できるようにし、また、メールシステムを活用して定期的に写真を配信する等、様子が伝わりやすい工夫をしています。各クラスの保護者懇談会では、各担任が保育の流れ、進級に向けての活動等を具体的にわかりやすく説明しています。


●保護者の保育参観について、年度初めに年間行事予定表を配布し、保護者が予定を立てやすいように配慮しています。保育参観は年2回実施し、複数日を参観期間として設定し、出席しやすいようにしています。保育参観や保護者懇談会(後、面談)に出席できなかった保護者に対しては、資料を渡し、後日改めて面談を実施するよう配慮しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

●障害を持つ子どもについては、個別カリキュラムを設定し、保護者の要望は全職員に周知し、対応できるようにしています。職員は、研修会に参加して最新情報を得、研修後は復命書(報告書)を提出して職員間で学習を行い、報告書は更衣室で閲覧できるようにし、情報の共有化を図り、知識を深めるよう役立てています。障害児保育のための環境整備では、スロープを設け、障害者用多目的トイレも設備しています。専門機関との連携では、横浜市中部地域療育センターと連携を図り、西区福祉保健センターこども家庭支援課、西区保健師、児童相談所、ケースワーカー、医療機関等とも必要に応じて相談、指導を受けられる体制があります。


●虐待の定義については、法人作成の『行動の規範集』に明記され、全職員に周知しています。また、園内研修において読み合わせを行い、理解を深め、意識を高めています。虐待予防・早期発見については、職員は、子どもの健康観察を行い、無断欠席が続くなどの心配な状況があった場合は、連絡を入れて家庭の様子の確認をし、必要に応じて関係機関と連携し、早期対応を心がけています。


●アレルギー疾患のある子どもの除去食対応では、かかりつけ医の診断書と除去食指示書を基に、適切な対応を行っています。アレルギー児への対応が必要な場合は、職員間で情報を共有し、アレルギー食の提供について確認しています。前月末に翌月献立および個別除去表を、アレルギーを持つ児の保護者に配布し、担任保育士、栄養士、園長または主任で面談の上、除去、代替食を確認し、適切に対応しています。毎朝、アレルギー食の確認を栄養士・担任・園長または主任で行い、給食時に複数の職員でダブルチェックを行い、誤配膳、誤食がないよう徹底しています。


●文化が異なる子どもへの対応については、子どもたちに言語・表現・食事や生活習慣、考え方の違いを伝え、自然に身近に様々な文化に触れられる環境作りに工夫し、尊重しています。現在、外国人子女が多く在園し、同言語が話せる子どもと関わることで、安心感が持てるよう対応を心がけています。また、日常最低限必要な言葉を職員が習得し、コミュニケーションに役立てています。外国籍に係わる保護者については、必要に応じて配布物にルビを付け、子どもに通訳をお願いする等、個別に説明して対応しています。また、必要があれば通訳ボランティアの依頼ができる体制にあります。


●保護者からの苦情などに関して、苦情解決に関する規定および苦情申出書を整備し、入園のしおりに「苦情解決制度について」を記載し、苦情解決についての案内を保護者に配布しています。また、苦情解決責任者、受付担当者、第三者委員、連絡先を明示し、園内にも掲示していつでも直接連絡できるようにしています。権利擁護機関など他機関の苦情解決窓口も周知しています。自分で意見を表明するのが困難な園児や保護者に対して職員から声かけを行う等、利用者満足に取り組んでいます。保護者からの意見は、行事ごとのアンケートから意見等を抽出し、保育に生かしています。


●事故やケガについて、事故報告書、ヒヤリハットに記入し、職員会議で報告し合い、事例からリスクを学び、対応策を講じ、全職員で共有して再発防止に努め、改善策を実施しています。通院利用する医療機関は、一覧表を作成し、連絡体制を整え、事務室に貼り出し、事故発生時には速やかに事態に対応できるようにしています。保護者への連絡については、ケガの部位、軽重にかかわらず状況を報告し、記録しています。


●外部からの侵入に対して、玄関にカメラ付きインターフォンを設置し、来園者の確認ができるようにしています。園は、警備会社と契約し、園舎前には交番もあり、定期的にスクールサポーターに巡回してもらい、不審者情報も得ています。また、西区役所からもFAXにて配信され、情報を入手しています。

4 地域との交流・連携

●地域の子育てニーズは、園長が地域の会議に出席し、その情報は職員に周知して話し合い、次年度の計画に役立てています。地域の子育て支援サービスでは、交流保育、一時預かり、相談事業を実施しています。また、戸部コミュニティハウスで行われる育児相談の手伝いを行い、6月に行われるとべとべサロンで出前保育の案内をしています。


●地域への園の理解促進のための取り組みとして、行事(夕涼み会、運動会)に地域の方々を招待し、園の取り組みや子どもの様子を見てもらう機会を設け、地域の西区民まつり、みなとみらいのさくらフェスタ、横浜駅前のシェラトンホテルのX‘masツリーの展示に参加しています。また、幼保小との交流、同ビルの八洲学園高校と交流を図っています。小学校との連携では、年長児と小学生の交流を平成29年2月に予定しており、園長は小学校へ授業参観に行く等、今後につなげています。公立保育園園長や町内会長から地域交流に関する情報を得、積極的に参加するよう努めています。近隣の横浜保育室アミー園には園庭・園舎開放を行っています。


●ボランティアの受け入れでは、手引きを用意し、高校生のインターンシップでのボランティアを受け入れています。ボランティア受け入れ担当を定め、手引きに沿って事前にオリエンテーションを行い、子どもの接し方や約束事項等を説明し、理解を促しています。終了後は、意見を日誌に記録し、運営の参考にしています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

●職員の守るべき規範は、「職員の行動の規範」・「基本行動マニュアル」・「就業規則」に明文化され、職員に周知徹底を図り、職員は守るべき倫理を遵守しています。法人では情報共有システム「アルリット」を導入し、法人系列全園で情報を共有し、不適切な事案を含む様々な情報を得、職員に周知し、研鑚を図る機会に活用しています。


●環境整備では、環境方針を定め、環境フローチャートを作成して実践しています。園内に分別用のゴミ箱を設置してゴミの分別を行い、子どもたちも各保育室のゴミの収集を当番で行っています。ゴミは同ビルの産業廃棄物収集時に出し、生ゴミも業者に回収してもらっています。省エネ対策としては、節電や、コピー紙の裏紙を使用して実践し、牛乳パック等をリサイクルで制作活動に活用しています。緑化推進では、園庭のプランターでの栽培で緑化を進め、水道局の緑化事業に参加を申し込み、取り組む予定でいます。

6 職員の資質向上の促進

●必要な人材の補充は法人本部で採用し、パート職員については地域で採用しています。園では人材育成計画を基に、一般職、専門職の目標管理シートを活用し、職員個々に作成および目標を設定し、年度末にシートを基に園長と面談を行い、達成状況等を確認して反省点を明確にして次の課題につなげ、資質向上を図っています。また、全職員がさまざまな研修に参加できる体制を整え、推進しています。


●職員、非常勤職員の研修体制については、法人で全体研修を実施し、非常勤職員の場合は時間内での出席にて費用も負担しています。園内研修は非常勤職員も参加し、テーマを決めて定期的に実施しています。外部研修は経験年数や役割に応じた知識・技術を身につけることを目的にして受講を促し、受講後は復命書(報告書)を提出し、復命書は全職員が閲覧できるよう共有化を図り、個々の質の向上に役立てています。また、交流保育では、保育理念の共有化をねらいとして実施していています。


●毎年、自己評価を行い、職員は目標管理シートで振り返りを実施し、改善に努めています。法人系列園、公立保育園と交換研修を実施し、他園の保育参観や他園の保育士と意見交換を行うことで、自園の保育に生かしています。また、西区役所企画の「オープン幼・保月間」の受け入れ園として職員の研鑚の機会につなげています。


●階層別のキャリアパスイメージを設定して期待水準として明文化されます。「目標管理シート」を使った目標管理も行っています。園の業務の担当制については、各クラスのリーダーに可能な限り権限を委譲して任せています。園長は、定期的に全職員と面接を行い、園への要望・質問について面接シートに記入の上、面談を実施し、個々の職員の心情、満足度等を把握するよう努めています。また、要望に応じて理事長面談も行っています。園長は、職員一人一人の技術・知識が深まるように支援に取り組み、職員のやりがいにつなげています。

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