かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

若木保育園

対象事業所名 若木保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 若木会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 257 - 0028
秦野市東田原440-5
tel:0463-81-6332
設立年月日 1976(昭和51)年05月01日
公表年月 2017(平成29)年11月 〜
使用評価項目 国基準ガイドライン版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

≪特に評価の高い点≫
1)理念、保育方針を明確にし、職員全体で園の目指す保育を実施しています

 園は理念、方針とその実践に向けての保育手法「裁かない保育」を園内研修資料にまとめ、新任者研修、職員会議、園内研修などで職員に周知しています。毎月のカリキュラム検討会では、指導計画の作成、評価、見直しを行う中で、保育内容が理念、方針に沿っているか話し合っています。
 保育課程、指導計画は理念に沿った保育が実践できるように独自の様式を作り、日々の振り返りの中で立ち戻れるように工夫しています。
 自己評価の機会を多く設け、職員は人事考課制度の中のビジネスマナー、実力評価、成果貢献評価を通し、常に自己の取り組みが理念や保育方針に沿っているかを確認しています。成果貢献評価では、目標設定と達成度の評価を行っています。
 新任者に対してはチューター制をとり、コミュニケーションノートを用いて日々の指導や助言をしています。クラスではクラス評価にチームとして取り組み、お互いの気づきを話し合っています。園全体での取り組みを通し、職員は方向性を共有し目指す保育の実現に向け取り組んでいます。


2)保育士の見守りのもと、子どもたちは自分らしさを素直に表現し、園生活を楽しんでいます
 

 保育士は、「裁かない保育」の実践を目指し、一人ひとりの子どものありのままを受け入れるように努めています。子どもを注意する時にも、そのような行動をした理由を推察し、否定語や禁止語ではなく、それに代わる肯定的な言葉を探し、子どもが自分で気付けるように導いています。
 理念に基づく保育士の見守りのもと、子どもたちはのびのびと園生活を楽しんでいます。保育士に自分の全てを受け止めてもらい、子どもたちは保育士に素直に甘え、自分の思いを言葉や表情で表しています。保育士に話を聞いてもらおうと思い思いに話しかけている子どもの姿を見ることが出来ます。
 自由遊びの時間には、子どもたちは友達と園庭の遊具やスロープで遊んだり、ごっこ遊びをしたり、水遊びを楽しんだり、虫を探したりと自分の好きなことをして遊びこんでいます。


3)丹沢大山国定公園にあるという地域環境を活かした保育を実践しています

 丹沢の山々や富士山が臨める恵まれた自然環境を活かし、園は戸外遊びに力を入れています。
 0歳児は外気浴から始まり、5か月頃からは園庭での外遊びが始まります。歩けるようになると園庭での探索活動から園外の散歩へと出かけます。自分で歩ける範囲の距離と定め、年齢や発達に合わせて周辺の田畑、山道へと距離を伸ばしていきます。
 3・4・5歳児になると大山を始めとした丹沢国定公園の山々にお弁当を持って遠出をし、5歳児の富士登山が集大成となっています。
 このような取り組みを通し、子どもたちは体力だけでなく、目的に向かって頑張る精神力や友達を思いやる心などを養っています。また、四季折々の豊かな自然に触れることを通し、感性を養い科学する目を育てています。


≪改善を求められる点≫
1)マニュアルのさらなる整備が期待されます
 
 園は健康管理マニュアル、衛生管理マニュアル、安全管理マニュアルなど各種マニュアルを策定しています。
 マニュアルや手順書はフローチャートを用いるなどして分かりやすく使いやすいように工夫されているものもあります。しかしチャート化やファイルの綴じ方に統一がされていない部分も見受けられました。マニュアルを見直し差し替え、保管方法を明確にするなどの整備が必要かと思われます。また、見直した日付が記載されていないものもありますので、定期的(年に1回など)に見直されることが期待されます。
 マニュアル類は、判断に迷った時に活用するもので、職員が統一した対応がとれるように使いやすく、理解しやすくしておくことが必要です。今後の職員の入れ替わりなども考え、職員がいつでも確認できるように整備や工夫されることが期待されます。


2)保護者への情報発信の方法をさらに工夫されることが期待されます
 
 園は保育目標に保護者の目指す姿を記載し、子どもたちと保護者と保育者の連帯を大切にしています。保護者に対しては、資料を配布するとともに、入園時オリエンテーションや保護者会などで説明しています。保育士は朝夕の送迎時には保護者とコミュニケーションに努め、保護者との関係作りに努めています。
 このような、園の努力にもかかわらず、保護者からは、園からの情報が保護者に伝わっていないと思われる意見があります。時代の変化に伴い保護者や環境も変化していることを考慮して、保護者とのより良い関係を構築するためにも情報発信のさらなる工夫が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

子どもを尊重した保育の標準的な実践手法として「裁かない保育」を明文化し、職員会議や園内研修で説明しています。保育士は、毎月の実施評価で自己の保育を振り返っています。保育士は大人の価値観で子どもを捉えず子どものありのままを受け入れ、否定語や禁止語ではなくそれに代わる肯定的な言葉を探すように努めていて、保育士間で注意し合う土壌が育っています。


子どものプライバシー保護等の権利擁護についてマニュアルに明記し職員に配布しています。研修などは実施していませんが、職員はビジネスマナーの自己評価で毎月振り返っています。シャワーの時に目隠しをする、幼児の着替えはロッカーの陰でするなど、子どもの羞恥心へ配慮しています。気になる事案があった時には、職員会議で取り上げ話し合っています。


苦情解決の仕組みを整備し、玄関に掲示するとともに、オリエンテーション資料に記載し保護者に周知しています。苦情や意見、要望は職員会議で対応について話し合い、記録に残しています。苦情内容と結果は保護者の同意を得て公表しています。苦情に至らない意見、要望は文書にまとめ、内容と解決策、園の考えを保護者にフィードバックしています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育士は、子どもの表情や言葉、活動への姿勢、しぐさ等を観察し子どもの意向を把握しています。保護者に対しては、年2回のアンケート、保護者会、個人面談等で把握しています。保護者会には全職員が参加しています。また、日々の保護者との会話の中からも保護者の意向を聞いています。把握した結果は職員会議で検討し改善につなげています。


0、1歳児クラス、1、2歳児クラス、3〜5歳児クラスの異年齢縦割り保育を行っています。高齢者施設への訪問、障害者施設との餅つき交流、近隣の人との交流、4、5歳児の合宿、5歳児の富士登山など子どもが主体的に自然や社会に関わることができるよう工夫した取り組みを行っています。0歳児は5か月頃から午前中は園庭で過ごし、年齢に応じて活動の場を広げ、社会的ルールを身に着けられるよう配慮しています。


食育計画」に基づき、期別、月間計画を作成しています。落ち着いて食事がとれる環境、雰囲気作りに配慮し、職員は食材や調理方法を説明し、苦手な物も食べられるよう援助しています。季節の行事やバイキング、バーベキュー、お弁当の日を設け、食事が楽しくとれるよう工夫しています。月1回調理室だよりと献立表を配付し、食事のサンプルの掲示、年3回給食試食会を開催しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

保育について標準的な実施方法は入社時のオリエンテーション資料、園内研修資料に保育理念、全体計画、保育課程、事業計画、倫理綱領が図式化、明文化され、子どもの尊重、プライバシーの保護、権利擁護に関わる姿勢が明示されています。勉強会、自己評価、クラス評価、実施評価表で振り返り、職員の理解を図っています。保育の実践的な実施方法については、週1回のクラス打ち合わせ、月1回のカリキュラム会議、半期、年度末の振り返りで検証、見直しが定期的に実施されています。


子どもや保護者の状況やニーズは児童票、健康診断書、母子手帳、入園時の家庭訪問、年2回の個人面談、アンケートで把握し、指導計画に反映しています。指導計画の評価と見直しは、週1回のクラス打ち合わせ、月1回のカリキュラム検討会等定期的に行い、参加できなかった職員は連絡ノートで確認し、全職員は内容を周知しています。


リスクマネジメントに関する責任者は園長、主任です。各クラスで子どもの日常のヒヤリハットや事故の記録を収集し、月1回のカリキュラム検討会やチーフ会議、ヒューマンエラーの園内研修で安全確保のための評価、見直しを定期的に行っています。

4 地域との交流・連携

クラスの運営目標に「地域との連携」を掲げ、地域との交流を積極的に図っています。散歩で地域住民と日常的に交流するほか、自然観察施設「くずはの家」や児童館等を定期的に利用しています。高齢者施設を定期的に訪問し歌やダンスを披露したり、障害者施設と餅つきで交流したりしています。地域の催し物等の情報は掲示し保護者に提供しています。


コミュニティ保育(地域の子育て支援サークル)3団体に月1回保育士を派遣し、保育指導や援助を行っています。開催時には園庭開放や遊具、施設の提供、園児との交流等をしています。また、一時保育、育児相談も実施しています。災害時の地域の一時的な拠点となれるよう非常食の準備等をしています。


「保育ボランティアの受け入れについて」で基本姿勢を明文化しています。秦野市社会福祉協議会の夏の高校生ボランティアや中学生の職場体験などを多数受け入れ、事前オリエンテーションで園の方針や子どもへの関わり方、配慮事項等を資料を用いて説明します。また、日本舞踊の指導など、地域住民のボランティアも受け入れています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

理念、基本方針を玄関に掲示するとともに全体計画、指導計画、ホームページ等に記載しています。職員研修用資料に保育理念、基本方針及び園が目指している「裁かない保育」を分かりやすく記載し、新任者研修、職員会議、園内研修等で周知徹底を図っています。保護者に対してはオリエンテーション資料、文集等に記載し保護者会で説明しています。


平成28年度〜35年度までの中・長期計画とそれを踏まえた年度ごとの事業計画を作成しています。中・長期計画では、理念や基本方針の実現に向けたビジョンが明確に示されていて、経営課題の具体的な解決・改善策が示されています。年度ごとの事業計画には保育活動計画、養護・教育活動、安全管理、職員教育などの項目ごとに具体的な内容が記載されています。


指導計画や行事計画、日誌などには自己評価の欄があり、クラスで話し合い保育内容の自己評価をし、園長または副園長、主任がチェックしています。職員およびクラスの自己評価を基に、園としての自己評価を実施しています。自己評価の結果は職員会議で発表し、課題は次年度の重点改善課題とし、園全体で改善に向けて取り組んでいます。

6 職員の資質向上の促進

若木保育園規則及び組織図に園長の役割と責任が明文化されています。園長は、職員会議やミーティング、園内研修などを主宰し、組織をリードしています。園長は職員研修用資料を配布し、職員が園の理念や方針、園が目指す「裁かない保育」の実践法について職員への周知徹底を図っています。


人事考課制度の成果貢献評価で、目標設定と達成度の評価を行っています。考課者との話し合いで目標設定をし、中間面接でチェックし助言を受けています。目標達成度の評価は一次考課者、主任、園長で行い、フィードバックしています。 新任者に対してはチューター制をとり、コミュニケーションノートを用いて日々の指導や助言をしています。


新任者、中堅職員などそれぞれの経験や習熟度に応じ効果的なものとなるよう研修内容を工夫しています。全職員参加の内部研修のほか、保育技術やピアノ個別レッスンなどのテーマで内部研修を実施しています。非常勤職員を含め全職員が年1回以上、外部研修に出席しています。研修に参加した職員は研修レポートを提出するとともに、職員会議で報告しています。外部研修の情報は回覧して、自発的な研修参加希望者には休暇を優先的にとれるようにするなど、参加を推奨しています。

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