かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

パピー保育園

対象事業所名 パピー保育園
経営主体(法人等) 有限会社 ジェーエム企画
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 210 - 0846
川崎区小田2-2-3
tel:044-201-7160
設立年月日 2016(平成28)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年11月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設の概要・特徴>
 パピー保育園は、平成28年4月1日に開設された認可保育所です。園は川崎駅から、バスで約15分、又は川崎新町駅からは徒歩7分のところにあります。バス通りから路地を1本入った、静かな住宅街にある3階建マンションの1階全体が園舎となっています。近隣には、小田中央公園、セソール公園、リジェンヌ公園などがあり、子どもたちの散歩にも適した環境にあります。園には小型のプールが備え付けてある園庭もあり、プールを使用しない時期には蓋で覆い園庭として広く使う工夫もしています。
 園の定員は、1歳児から5歳児までの30名と小規模で「少人数ならではの手厚い保育」を目指して運営を行っています。
 保育理念を「職員の和で子どもたちを包み込み、笑顔いっぱい・ぬくもりいっぱいの共に輝ける保育園」ほか2項目を掲げています。保育目標(「心身ともに健康な子ども」ほか4項目)及び保育方針を明確にして保育を行っています。
 

<特によいと思う点>
1.園運営の体制を見直し、積極的な改善に取り組んでいます
 開園初年度には、園運営を行う中での様々な問題点が発生したため、園として問題点を整理、分析し、原因把握を行いました。その結果、問題点解決を早めるために保育士全員を正規職員とし、増員も行い体制を強化しています。この早期の強化策の実施により、保育運営の改善につながっています。
 園は開園2年目を迎え、さらに外部からの視線での第三者評価を受審することで、さらに改善、向上へ向けて取り組む姿勢を見せています。さらに今後は自己評価を定例的に行い、改善につなげる仕組みを進めています。


2.改善や工夫の早期実現を重ねて、職員が保育に専念しやすい体制が取られています
 保育を支える記録や事務的な作業を工夫して行うことで、職員が保育に専念できる体制が整っています。SIDSチェック表は事前にすべての子どもの姓名を記載して作成することにより、担当者はチェックのみに集中することができて業務の効率化につながっています。子どもたちの登園時の持参品通知もリストを数種類用意することで、確認に要する時間を短縮でき、漏れもなく保育に集中できています。保護者に伝えなければならない事は確実に伝わるように、場所や方法の改善も行われています。地道な工夫や改善を即時に実施して、効率の良い業務につながり保育の質の向上が図られています。


<さらなる改善が望まれる点>
1.保護者の理解と連携が期待されます
 園ではお誕生日会やクリスマス、ハロウィン、七夕など季節に合った行事を行っています。保育参観・運動会・発表会等の行事は保育への支障を考慮し実施しないこととしています。しかし保護者の一部からは日々の様子を知る機会や保護者を交えた行事を望む声があります。保育室内の様子についても、見学可能なことを保護者へ案内していますが、なかなか申し出るのが難しい雰囲気との意見もありました。
 子どもには園と家庭との連続性も必要です。子どもの情報についての伝達方法の検討や園の方針などに保護者の理解を得る機会を検討し、保護者と園とで協力し合う体制づくりが望まれます。


2.自己評価を活用し、組織として取り組む仕組みが期待されます
 職員が少人数でシフト制のため、職員会議を定例的に開催することが難しい状況です。今回は管理職や職員個々による自己評価を実施して第三者評価を行い、業務の見直しにつなげています。
 しかし、園内では、職員同士の意見交換や改善の園内研修につなげる活動までに至っていません。今後は職員会議などの機会を定期的に持ち、情報共有と整合化を図り、改善検討を園全体(全員参加)で行うことが望まれます。組織的に職員全員が参加して話合い、改善に取り組むことにより、職員の意欲向上と保育の質の向上が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

子どもを尊重した保育について、職員間で共通理解を持つように取り組んでいます。子ども一人ひとりの意思を尊重し、自主性、自己肯定感を大切にしています。子どもの気持ちに寄り添い、午睡をしたくない子どもや、午睡が長くて夜なかなか寝ない子どもなど、家庭での生活リズムなどを考えて、あえて午睡をせずに過ごす子どもなど、保護者と連携を取って、子ども一人ひとりの意思や状況を配慮したきめ細やかな保育を行っています。子どもの成長に応じ、子どもの思いや気持ちを受け止めながら、援助や支援を行っています。


虐待の防止、早期発見については、日頃から登園時や着替えの際に、子どもの身体の視診を丁寧に行っています。虐待にも色々なケースが考えられるため、身体的な部分だけでなく、服装や言葉遣いの変化などにも気をつけて見守っています。気がかりな点が見受けられた場合は、写真を撮り記録に残します。関係機関と連携を取りながら慎重に対応をします。疑いがある場合も、保護者とコミュニケーションを図り、信頼関係を築きながら、改善に向けて取り組んでいます。児童相談所など関係機関と定期的に連絡を取り、早期発見や対応に取り組んでいます。


子どもや保護者に関する情報など個人情報の守秘義務については、全職員が周知し、遵守しています。小学校就学への連携や保育園の転園、保育中の急病による病院受診に限り個人情報の外部提供があることを保護者に周知しています。保護者からは「個人情報使用同意書」に署名、捺印をもらい同意を得ています。保育室の窓には可愛らしい絵柄の窓フィルムを貼り、中が見えないように工夫をしたり、プール遊びの時には、サンシェードをつけて外部から覗かれないように配慮しています。子どもの羞恥心に配慮をした保育を心かけています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

日常の保育にあったては、職員は子どもの意思を尊重し、信頼関係を育んでいます。保護者とは、日々のコミュニケーションを大切にし、話やすい雰囲気を作り信頼関係を築くように努めています。登園時には保護者から子どもの家庭での様子や要望なども聞くようにしています。その日に保護者に伝えなければならない事は担任がメモ書きにして貼る工夫をしています。お迎え時にはそのメモを見て漏れのないように伝え、また、園での一日の様子やエピソードも伝えています。普段の自然な保育中の様子を玄関のフォトフレーム映像で伝えています。


子どもと担任との信頼関係を基盤にし、気持ちを委ねられるような人間関係作りを心がけています。保護者とは相談や意見が言いやすい雰囲気作りや信頼関係を大切にし、話しやすい環境を整えています。玄関にはご意見箱を設置し、保護者が意見を出せる体制になっています。子どもや保護者からの意見は職員全員で共有し、速やかに対応し改善に繋げています。


職員は個々の家庭環境、生活リズムを把握しており一人ひとりに合った対応を心がけています。縦割りの異年齢で活動することが多く、様々な人間関係や協同的な体験を通して、相手をいたわる気持ちや優しさを育んでいます。特別に配慮が必要な子ども(障害のある子どもを含む)に対しては、職員同士が連携し他の子どもと同じような生活が送れるように手厚い保育を心がけています。職員を加配し、研修にて研鑚し、自然な形で共に育ち合う環境を作っています。専門機関のアドバイスによる、安心して過ごせる個別スペースについて検討中です。

3 サービスマネジメントシステムの確立

園の利用定員は1歳児から5歳児までの30名です。「少人数ならではの手厚い保育」を目指して、きめ細かな運営を行っています。その日の子どもの情報は、連絡帳での情報交換だけに頼らず直接伝えることを心がけています。保護者に伝えたい情報はメモに残し、玄関先に置き職員間で共有しています。送迎時には保護者に口頭で伝えることを大切に考え、担任以外の職員でもメモに残した情報を漏れなく伝達するようにしています。


保育課程に基づき、保育計画、年間指導計画、月間指導計画、週日指導計画・日誌を作成しています。月末には、園長を中心に指導計画の見直しの要否も検討しています。子どもの情報は、児童票・発達経過表(健康状態、身長・体重等)に記録され、園児別フォルダに綴って管理されています。身長・体重等成長の様子については、連絡帳にも転記して、保護者にお知らせしています。保育園開設の1年間は種々問題があったことを踏まえ、直接保育に携わる者9名全員を正規職員に切り替えました。その後、子どもたちの情報も、職員間で共有できる体制が整備されました。


災害発生時の子どもの安全確保については、毎月訓練を行っています。初期消火については毎月、その他の災害発生時については、消防署の指導も受け訓練を実施しています。災害発生時の避難場所は260メートルの距離にある田島中学校、小田中央公園が指定されており、散歩時などにも出かけています。子どもの安全確保として、戸外活動時には誘導ロープや散歩カーを活用する、SIDS対策として業務マニュアルで職員への注意点を徹底する、地震等の災害時については、連絡網を活用して園から保護者へのお知らせを優先する、避難場所は園に表示するなどルールを細かに徹底しています。


保育園での生活と家庭での生活の連続性を意識して保育を行っています。職員は登園時には家庭での様子を必ず保護者に確認しています。園では、一人ひとりの成長や発達にあわせ、食事、排泄、衣類の着脱、清潔保持など無理なく基本的な生活習慣が身に付くよう、家庭と連携しながら進めています。家庭と連携を取り、午睡が長くて夜なかなか寝なかったり、入眠に時間がかかる子どもには無理に午睡をさせずに、別の部屋で静かに過ごしています。お迎えは玄関で、主に園長が対応し、子どものその日の様子やエピソードを伝えています。


食器は子どもたちに人気のキャラクターを多く取り入れて、「おいしいね」と声掛けをしたり、楽しく食べられるような雰囲気を作り援助しています。献立は、お楽しみメニューや特別メニューなどメリハリをつけ、食材によっては小さく切ったり、混ぜ合わせてみたりと見た目にも食欲がわくように工夫しています。アレルギーに対しては、アレルギー対応マニュアルに沿って対応し、除去食や代替食を提供しています。3歳児未満には、個別に職員が付き、他児の介助はしないでその子だけに対応して誤食がないように徹底しています。

保育士は散歩の時などに交通ルールや道路の歩き方などの指導、室内では遊び方のルールを子どもたちと一緒に考えて、自分自身で気をつけることが出来るように年齢に合わせて指導しています。保育士は転びやすい子どもに特に気をつけています。プール期などは子どもが高揚するので、その都度注意喚起をしています。保護者に対して感染症や乳幼児突然死症候群等に関する情報を提供し、ブレスチェックなど予防に努めています。午睡の布団はうつぶせ寝のリスクが低いブレスエアーを使用し、うつぶせ寝を発見したらすぐに仰向けにしています。


苦情解決の仕組みについては、相談窓口を設置し、苦情受付担当者、苦情解決責任者、第三者委員重要事項説明書に明示し、直接苦情を申し出ることが出来ることを入園時に保護者に伝えています。また、玄関にはご意見箱を設置し、苦情受付の電話番号やメールアドレスも伝え、保護者はいつでも色々な方法で意見を出せる体制になっています。苦情の円滑、円満な解決を図るため、苦情解決手続き規定に則り対応しています。

4 地域との交流・連携

保育園として、育児相談や夏場にはプール開放日を設定して園の入口に掲示をしています。しかし現在までのところ希望者は無い状況です。保育園の機能を活かして、地域に向けたサービスの提供も大切にしたいと考えていますが、小規模園ということで、スペースや人員等の問題による制限もあり対応策を模索しています。


川崎区支援室と連携し、助言や指導を頂いています。認可保育園として幼・保・小連絡会議には園長が参加しています。川崎区との連携を中心に地域との関係を密にすることを大切にしています。現段階では1歳児1名、2歳児2名の定員超過に対応して受け入れを実現しています。また園のオーナーは、地元で長く活躍されてきた方で、保育園と地域の連携にも協力を頂いています。地域の福祉ニーズを把握するための事業活動の第一歩としては、地域で開催する「公園清掃」に積極的に参加しています。これを契機に少しずつ前進したいと考えています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

施設経営理念「人と人のつながりの拠点として、地域に愛される保育園を目指す」と定めて玄関に掲示、保育課程、保育計画の保育理念にも明示しています。園のパンフレットでは「運営方針」3項目の一つとして盛り込まれています。1クラスの人数が6名、30名定員の小規模な園ということもあり、園からのお知らせは「園だより」の形式は取らず、月2〜3回は園から連絡票としてカラー用紙を使用した「お知らせメモ」を発行しています。他に「食育だより」は月間の予定を含めた詳細なお知らせとして作成しています。 


 改めて質の向上に向けた取り組みを行いたいと考え福祉サービス第三者評価を活用、外部からの目でみた結果を踏まえ対策を進めたいと考えました。厚生労働省の「保育所における自己評価ガイドライン」に沿った保育士等及び保育所の自己評価及びその公表は、次の対策として取り組みます。園としては、父母の参加を強いることを極力少なくして保護者が安心して仕事を継続できる女性の社会進出に寄与することを目指しています。この考え方が理解されていないものも見受けられ、園の方針を、より分かりやすい形で、徹底する施策を強化します。

6 職員の資質向上の促進

開設初年度には人材の確保に関しての反省があり、保育士全員を正規職員として配置しました。さらに、川崎市の基準を超えた9名を配置し、初年度に発生した問題点の改善を行い、人材確保の大切さを再確認しています。遵守すべき法令・規範などは就業規則に盛り込まれて、会議等でも折に触れ、職員に周知しています。職員数も少ない環境にありますが、それだけに職員をいかに効率よく育成するかが園運営を行う上で欠かせない事項と考えています。その意味からも職員への教育研修は、最重要課題であると位置づけています。


職員の研修計画としては、園内研修として「ピアノ研修」、「絵本の読み聞かせ研修」「子どもの安全、発達を支援する研修」の3課題を、園長・主任が指導しています。外部研修としては、今年度でのべ13名が参加し、終了後レポートを提出してもらい、全員に回覧をしています。個人別に受講資格(勤務履歴を中心にして、対象者を選択)がある人を優先して研修計画が策定されています。


保育士を全員正規職員化し、配置人数にも余裕を持った結果、残業はほとんどなく職員への負担軽減につながっています。夜間に園内研修を開催する場合には、20時を過ぎた分の残業手当も支払われています。現在、職員の有給休暇は、申請があればほぼ取得可能な状況です。職員の仕事の持ち帰りは禁止し、園児の少ない土日や遅番での時間を有効に使うよう指導して、職員の健康管理にも配慮しています。

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