かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

YMCAとつか乳児保育園(2回目受審)

対象事業所名 YMCAとつか乳児保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 横浜YMCA福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 244 - 0816
戸塚区上倉田町769-24
tel:045-870-3235
設立年月日 2001(平成13)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年11月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 YMCAとつか乳児保育園は平成13年にJR、市営地下鉄の戸塚駅 徒歩6分にある湘南とつかYMCA1階に開設され、社会福祉法人横浜YMCA福祉会により運営されています。子どもたちはさまざまな人々の温かい見守りの中で育っています。0〜2歳児、定員30名のアットホームな保育園です。休園日は、日曜日、国民の休日、年末年始(12月29日〜1月3日)です。「私たちは子どもの主体性を大切にします」をキャッチフレーズとして、子どもたちの「○○したい」「こうなりたい」という欲求や願いを満たし、一人一人を大切にしています。1、2歳児クラスは異年齢保育を取り入れ、2歳児は1歳児のリーダーとして、1歳児は2歳児を見ながらぐんぐん育っています。特別保育として、産休明け保育、延長保育、障がい児保育などを実施しています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○キリスト教を基本にして多くの活動を通じ子どもたちは豊かな感性をはぐくんでいます
 園はキリスト教の保育を中心に行っておりYMCAと連携し園の行事や活動を実施しています。年間を通じ子どもたちのさまざまな活動を展開しています。 4月はキリスト教の大切な祝日であるイースター礼拝があり、みんなでお祝いをします。5月の花の日には、日ごろから子どもたちを見守ってくれる近隣の方々に花を届けます。11月には「湘南とつかYMCAいーとつか祭」「収穫感謝礼拝」を実施しています。また、クリスマス会は、イエス・キリストのご降誕を保護者らとともにお祝いする会です。アドベント礼拝(待降節)を守り、クリスマスを迎える準備をしながら待ちます。このように地域の力と横浜YMCAの事業を十分に活用し、子どもたちのいろいろな興味に応えた経験と知識を提供することで、子どもたちの豊かな感性をはぐくんでいます。


○非常勤職員も対象にした多様で充実した研修制度により、理念にもとづいた保育を実践しています
 園内研修は研修担当者がリーダーシップを取り、非常勤職員を含む全職員を対象にし、子どもに対する声かけについて事例による研修を行っています。この研修は職員に好評だったものを、内容をより充実させて実施しています。非常勤職員が全員参加できるよう、曜日や時間を変えて同じ内容を3回行っています。また実際の保育の様子をビデオに撮り、職員間でカンファレンスを行い、子どもへの保育士のかかわり方、子どもどうしのかかわりへの対応の仕方など互いの良いところを学び合っています。園外研修では年齢別の発達の特徴、保護者支援、障がい児保育、食物アレルギー、積木ワークショップなど多様な研修を全ての職員が受講しています。多様で充実した研修制度により理念にもとづいた保育を実践しています。


○子どもの主体性を大切にしていく保育を行っています
 当園は乳児のみの園ですが、子どもの主体性を大切にしていく保育を行っています。子どもの発想を受け止めて、日々の活動に取り入れています。朝の会では、散歩のコースを子どもに聞いて行く場所を決めたり、何をしたいか聞いたりと、子どもの意見を取り入れています。子どもたちが電車を見たいということで散歩コースを変更することもあります。散歩に行きたくない子どもには別の遊びを促すなど、発達に応じて保育士が援助しています。食事の時間や午睡の時間もできる限り一斉ではなく、その子どもの生活や発達に合わせて無理のないようなスケジュールで保育を行っています。保育士は子どもたちに「何がしたい?」とやさしく静かに言葉かけをし、子どもたちは自分の言葉で思いを伝えています。


《事業者が課題としている点》
 保育士不足が園の課題です。 通年で募集をかけるとともに、保育士にとって働きやすい職場を作るために、法人全体でも協議を続けていきます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  職員は年度初めの職員会議で、マニュアル「個人情報保護制度について」「行動規範」で研修を実施し理解を深めています。法人として「横浜YMCAプライバシーポリシー」を規定しています。職員会議では、どのような事例が個人情報にあたるのかを話し合っています。実習生やボランティアの受け入れに関しては、オリエンテーションで個人情報にあたるものを特定して規範を示し、周知に努めています。保護者には年度初めの全体懇談会で重要事項説明として、広報への子どもの写真掲載について説明し意向を確認しています。また法人のホームぺージへの写真掲載については、毎年度、承諾書をもらっています。個人情報に関する書類は施錠できる棚で管理しています。
 「共通確認事項」「子どもの人権について」などのマニュアルを年度初めに読み合わせて職員で確認し、子どもの人権についての理解を深めています。人権を尊重することの大切さを、保育士だけでなく職員全員が理解できるようにしています。YMCAの願いや保育理念を玄関や職員更衣室のドアに掲示して常に目に触れるようにし、職員が子どもと接する時に子どもの人権について意識できるようにしています。保育士倫理綱領や理念については書面にし、職員間で考え方を確認、共有しています。職員は、子どもたちに対してせかしたり強制したりせず、穏やかに接するよう心がけています。また、子どもの年齢や発達に合わせて、わかりやすい言葉を使って話しかけています。年齢が低い子どもの気持ちはしぐさや様子などから読み取るようにしています。
 保育室内に本棚やままごとセットなどを利用してコーナーを設けており、子どもたちはそこで落ち着いて過ごすことができます。また、事務室などを利用し、人目を気にせず保育士と一対一で話し合える空間があります。おもちゃが用意され職員が子どもを見守る体制が整っています。おねしょの後始末は、沐浴室やトイレで行い、布団もほかの子どもに見られないように干して、子どもの気持ちに配慮しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  入園にあたって、主任や担任が子ども同伴で保護者と面接をし、子どもの様子を観察しています。入園説明会に参加できない保護者には、別途時間を設けて個別に対応しています。面接内容は「入園時面接表」に記録し、子どもの様子とあわせて職員全体ミーティングで配付し共有しています。保護者には、入園前の子どもの様子、生活リズム、こだわりや興味、食事の進み具合などを児童票、食事調査票、健康調査票に記入してもらいます。これらの調査票に書かれた内容について面接で保護者に確認し、さらに子どもを育てるうえで気をつけてきたこと、大切にしてきたことについて聞き取りをし、把握した内容は日々の保育に生かしています。
 年間指導計画、月間指導計画、週案は、クラス担任が中心となり複数の職員がかかわって、子どもたちの発達状況に応じて作成しています。園長や主任が指導計画を読み、気づいた点は職員に再検討を促すなど、きめ細かく指導しています。各職員は、年間指導計画、月間指導計画、週案、保育日誌の中の自己評価欄を活用し、評価、見直しを行っています。職員は常に保護者の思いの把握に努め、懇談会や入園説明会でも意見を募っています。また、子どもの変化やトイレットトレーニング、離乳食の進行などについて、連絡帳や日常の会話を通して保護者の要望や意見を把握し検討しています。年間指導計画は年度末に全職員で見直しを行い、評価、改定を行っています。
 園内は掃除がきちんとされて清潔に保たれています。保育室や調乳室はマニュアルに沿って掃除や消毒をしています。保育室には加湿・空気清浄機を設置し、採光は十分です。照明は時刻や天気などに合わせて適宜使用しています。園内の換気は、午睡の後など決まった時間に定期的に行うほか、子どもたちが室内で運動した後や、においを感じたときなど随時行っています。施設内の温度管理は、季節ごとに基準を決めて行っています。音楽の音量や保育士の声の大きさに配慮し、落ち着いた雰囲気があります。おとなの声よりも子どもの声が響く保育園を目ざし、保育者も意識しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  入園時の短縮保育(慣れ保育)については目安の期間を設定しています。入園説明会で保護者に説明し、子どもが無理なく保育園に慣れるようゆとりを持って日程を組むようにしています。慣れ保育を始めてからの子どもの状況変化には個別に対応しています。抱っこひもやタオルなど、子どもの安心材料となる物の持ち込みにも対応しています。大まかな個別の担当を決めています。個別記録の作成も担当を決めています。保護者とは連絡帳を通して子どもの様子を毎日詳しく報告し合っています。在園の子どもたちが新年度のクラスになじめるように、保育士を多く配置したり状況に応じて外遊びやコーナー遊びを取り入れるなど、きめこまやかな対応をしています。
 子どもの成長が具体的にわかるように、「すくすくカード」に成長過程を個人経過記録として記録しています。保護者の提出した児童票、健康調査票、食事調査票をもとに個人記録を作成しファイルしています。一人一人の個別記録は毎日記録しています。個人経過記録や児童票など、個別の記録は事務室の扉のあるキャビネットに保管し、全職員が情報共有できるようにしています。重要な申し送り事項などで業務を引き継ぐ際は、「引き継ぎ表」を活用して文書で引き継ぎを行うとともに、口頭でも保育士どうしが伝え合うようにしています。進級時の引き継ぎは年齢ごとに行っています。
 特別な配慮を必要とする子どもの受け入れに際し、YMCAの使命や保育理念に照らして、個別のケースについては月案ミーティングや職員会議で話し合うほか、必要時には主任や担任が保護者と個人面談を行っています。職員は、YMCAのオルタナティブ事業部から定期的に巡回指導を受けたり、横浜市内の各地域療育センターが実施する研修等を受け、配慮を必要とするケースに関して知識と対応技術を習得しています。研修に参加した職員は報告書を作成し、職員間で回覧するとともに会議やミーティングで内容を共有しています。なお、各種会議の記録、面接記録、指導計画、日誌などは、必要に応じていつでも閲覧できるようにキャビネットに保管されています。
4 地域との交流・連携  地域の子育て家庭を対象に身長体重測定を毎週木曜日に行っています。そのほかに月1回地域の地区センターでも身長体重測定を行っています。身長体重測定の際には地域の子育て家庭と懇談し、育児相談や育児講座など地域の子育て支援のニーズを把握しています。また、園開放やプール開放、子どもを対象としたコンサートをまた実施してほしいといった要望を把握しています。毎週金曜日に行う園開放でも育児相談を実施していますが、そこでも園への要望を把握しています。戸塚区の公立私立合同の園長会に参画し、ほかの保育園や幼稚園とともに、地域の虐待防止の取り組みについて検討し、連携して取り組んでいます。
 把握した地域の子育て支援のニーズに基づき、園長と2名の地域支援担当者(内一人は主任)により年度初めに地域子育て支援の年度計画を作ります。この計画を全職員で話し合い子育て支援に取り組んでいます。親子で遊ぼうと題した園開放や親子体操など、地域の子どもと遊ぶ機会を充実させることを話し合っています。園では、プール開放や地域の子どもと遊ぶ企画などを立てた園開放や、身長体重測定に取り組むほか、誕生会に地域の子どもを招待しています。離乳食試食会、親子体操、おもちゃの広場等の育児講座も行っています。これらの活動はそれぞれ記録し、親子で遊ぼうではアンケートも実施し、翌年の活動に生かしています。
 園では地域子育て支援活動として、毎週金曜日に園開放を行い、その際には育児相談も行っています。夏の水遊びや身長体重測定、地域の子どもを招待する園の誕生会などを実施し、情報は園の外にある掲示板に掲示し地域に情報提供しています。また、園と同一法人の学童保育などといっしょに作っている広報紙「わいわいだより」に、子育て支援のプログラムを掲載し、舞岡地区センターに置かせてもらい地域の子育て家庭に情報提供しています。なお、育児相談は園開放の時だけでなく、随時受け付けています。また、入園相談や園見学の際にも、子どもの離乳食や生活リズムなどの育児相談を行っています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  法人の「保育園ガイド」やホームページ、園のホームページやブログなどにより、将来の利用者に園の情報を提供しています。横浜市にも情報提供し、市のホームページで園の情報を見ることができます。保育園ガイドには、保育方針や保育目標、行事などを掲載しています。園のホームページには、一日の流れ、行事、保育時間、地域活動、給食などの園の概要とともに、Q&Aも掲載し、将来の利用者の疑問に答えています。ブログは、日々の園での子どもの様子について写真入りでわかりやすく掲載しています。法人のホームページは、横浜市のホームページからリンクしており、料金や職員体制も掲載されています。
 問い合わせには園長や主任が担当し、常時対応できるようになっています。電話や直接来訪しての問い合わせには見学できることを伝えています。見学は随時受け付け、保育に支障をきたさない範囲で、見学希望者の都合の良い曜日や時間に合わせて受け付けています。その際、午睡の時間を避け、なるべく子どもの生き生きとした様子を見ることができる時間帯を勧めています。見学者には「保育園ガイド」に基づいて、保育方針や保育目標などの考え方や日常の保育内容を説明し、育児相談にも応じています。見学者は見学者受付台帳、来訪者記入用紙に記録し、質問などは園の運営に生かせるようにしています。
 保育士は、指導計画の自己評価に基づき、職員会議などで保育目標の達成状況を話し合い、翌月の計画や目標を見直しています。そして、年間指導計画を検討・作成する際に職員相互に話し合い、翌年度の方針検討や方針策定に生かしています。園の自己評価は保育方針や保育目標に沿って園独自にフォーマットを作成しています。園の自己評価は、年間指導計画の反省や指導計画とは別に法人で作った保育士の自己評価の内容を反映させ、園としての次年度以降の課題についても明らかにしています。年2回の保育士の自己評価を基にした、園の独自フォーマットによる園の自己評価を年度末に行い、その結果を玄関に常置して公表しています。
6 職員の資質向上の促進  実習生の受け入れはマニュアル「実習生を受け入れるにあたって」に基づいて実施しています。保育の考え方、安全への配慮、子どもの人権やプライバシー保護、個人情報保護について十分説明しています。実習生の受け入れ担当者は主任と、法人の主任資格級試験に合格した保育士1名の2名で担当しています。受け入れにあたっては、実習生の紹介やプログラム、受け入れ日程などを職員会議で周知しています。実習生は、保育士養成の専門学校や短大から受け入れています。実習前にはオリエンテーションを行い、プログラムに基づいて有効な実習となるよう工夫しています。実習の終了後には感想や意見を記入してもらい、今後の活動に生かすようにしています。
 採用は、保育への姿勢と専門性の視点で行っています。職員は国の基準より多く配置し、退職者が出た場合なども速やかに募集します。非常勤職員は園で募集しますが、常勤職員は法人が募集し、法人から配置されます。研修は、理念や保育方針の視点から、全職員対象の法人主催の研修が実施されています。また「研修実施計画表」に基づき全職員対象に年間研修計画を作成しています。職務の適正、能力発揮、成果を主な内容とする「現在の職務」、「能力開発」の状況、「将来の仕事」などの視点で個々の職員が年度半ばに記入する「自己申告書」に基づき、園長による職員面接を毎年10月から11月にかけて行っています。そこで、資質向上の目標に沿った達成度を評価しています。
 外部研修担当は主任で、研修実施計画表を作成します。別途園内研修の担当も決めています。外部研修では、年齢別の発達の特徴、保護者支援、障がい児保育、食物アレルギー、積木ワークショップなど多様な研修を全ての職員が受講しています。園内研修は非常勤職員を含む全職員を対象にし、子どもに対する声かけについて事例による研修を行っています。研修受講後、研修報告書を提出し、職員会議で報告し情報共有しています。毎年の保育実践の総括や、面接の際の個々の職員の希望などを踏まえ、園長、主任により研修内容の見直しを行い次年度に生かしています。

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