かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

トキワ保育園

対象事業所名 トキワ保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 二本の桜
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 220 - 0062
西区東久保町34-10
tel:045-231-3335
設立年月日 1933年12月03日
公表年月 2017(平成29)年10月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 トキワ保育園は昭和8年12月に開所して以来84年目と歴史ある保育園です。JR保土ヶ谷駅東口から徒歩10分またはバスで7分、横浜市営バス「西久保町」または相鉄バス「学園入口」で下車し、徒歩3分ほどのところにあります。社会福祉法人二本の桜が運営する定員60名(平成29年5月現在在籍59名)の認可園で、延長保育、障がい児保育などを実施しています。園の近隣は小高い丘陵に広がる古くからの住宅街で、世代交代が進み、東京や横浜への交通の便が良く新しい家も増えています。園は平成27年6月に新園舎が完成し、明るく機能的な造りで、地域とともに、職員全員で見守る保育のもと、子どもたちはテラスや園庭を活用し、元気でのびのびと過ごしています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○利用者に関する情報共有を徹底し、全職員で子どもを見守っています
 子どもに関するさまざまな情報は、個人面談や保護者との会話の中で聞き取りを行っています。特に新入園児に関する家庭での状況や保護者の要望などは「児童票」や保護者からの聞き取りから把握し、全体職員会議で一人一人の情報を職員に説明し、情報を共有しています。また、家庭の状況や子どもの様子など子どもの状況が変わったり、保護者からの要望や相談があった際には、職員間連絡ノートに記入し、記入された内容は、園長が確認をして、留意事項やアドバイスを記入したうえで全職員に回覧をして情報を共有しています。クラス会議で話し合われた内容は、リーダー会議で共有や検討をして、また全体職員会議で周知を徹底する仕組みを構築しています。全職員が子どもの状況を理解しているので、担任の保育士だけでなく、職員全員で子どもを見守り、支援する体制ができています。


○異年齢交流が自然にできています
 3〜5歳児は同じ保育室の中で一日を過ごしており、自由遊びの時間はいっしょにブロック遊びをしたり、絵本を読んだり、きょうだいのように和気あいあいと過ごしています。ルールのある遊びも異年齢で行いながら、幼い子どもたちも自然にルールを覚えていきます。5歳児の緻密な制作活動や給食の当番活動などを眺めながら、3、4歳児は、自分もできるようになろうとする意欲を持つ機会になっています。0〜2歳児も園庭で3〜5歳児といっしょに遊ぶ機会も多く、どの子どもも仲間意識を持って過ごしています。0〜2歳児は毎日、同じテラスを使っていっしょに過ごす時間があり、0歳児も2歳児の動きを見ながら刺激を受けています。職員も、すべての子どもたちの様子を把握しており、異年齢交流が安心して行われる環境にあります。


○地域との関わりを大切にして園の運営に生かしています 
 1933年(昭和8年)にこの地に開園以来84年目です。平成27年の新園舎完成の内覧会には、現在三世代にわたり園を利用されている方々も来園しました。園は年度初めに小学6年生までの卒園児に園の年間行事予定表を送り、園行事への参加の案内をし、多くの卒園児が来園したり、お祭りをはじめ、町内会の敬老会訪問など町内の行事やおつき合いを大切にしたりしています。近くの商店街に買い物に出かけたり、かまぼこ屋さんに来てもらい、さつま揚げづくりのクッキングなど日ごろのおつき合いを園の運営に生かしています。地元には園の卒園児も多く、地元を大切にし、地元の方々に支えられた園であり続け、地元の期待に応えられる園でありたいと園長、職員は頑張っています。


《事業者が課題としている点》
 トキワ保育園の保育を言葉で伝え実際の保育に生かすことの難しさを日々感じています。それは職員の育成にも関わることで、伝えている事をどこまで理解し保育に繋げてもらえるか、伝え方一つをとっても十人十色です。常に職員の言動を確認したり、声をかけたりすることで話しやすい雰囲気を持ってもらえるよう配慮し、保育士経験の浅い職員には、日ごろから声をかけることを意識するようにしています。今年度は会議を増やし、担任同士ゆっくりと話をする時間を確保していきます。このほか、新園舎での保育も3年目を迎え、定員外受け入れなども行い、日々の保育も行事も一年間の流れが確実なものになってきました。今年一年会議等を通して職員と検討し、平成30年度より「園庭開放」や「公園保育」を充実させていきたいと考えています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

 保育目標に「丈夫で体力、気力がある子どもに」「元気よく友達と遊べる子どもに」「自分の事は自分で出来る子どもに」「思いやりがあり、感性の豊かな子どもに」の4つを掲げ、自立への援助と利用者本人を尊重したものとなっています。正面玄関に保育の理念・方針を掲示し、また、職員には、保育の理念・方針、保育課程などをファイルにして配付しており、常に確認ができるようにしています。新人職員には、園長が保育の理念・方針の説明を行い、職員会議では保育方針に沿った保育について、そのつど話をして共通理解ができるよう努めています。
 地元の中学校から「職業体験」としてのボランティアと専門学校などの実習生を受け入れており、守秘義務については口頭で説明をしています。守秘義務や個人情報の取り扱いについては「職員保育マニュアル」に記載してあり、年度初めにを配付をして全職員に周知しています。保護者には入園式の説明会で、お便りなどへの氏名・写真の掲載に関する個人情報の具体的な取り扱いについて話をして口頭で了解を得ています。また、お遊戯会のDVDの取り扱いに関しては、「誓約書」に記入してもらっています。その他必要があれば随時担任から保護者へ確認をするようにしています。緊急連絡先などの個人情報は、事務室や園長室の鍵のかかるキャビネットで保管し施錠しています。
 子どもの並び順やグループ分け、行事の役割、ごっこ遊びの配役、身につけるものの色などを性差で区別することはありません。家庭での状況や個人の様子などを細かく観察して、色分けやグループ決めでは好きなものを自由に選べるよう配慮しています。自由遊びの時間には、子どもたちは性差に関係なくままごと遊びやごっこ遊びを楽しんでいます。保育士が「良い子の勲章」を作成したときは、ピンクやブルーのリボンを男の子でも女の子でも選べるようにしています。保育士がブルーのリボンをつけたり、子どもが選んだリボンの色を見て「きれいな色だね」と声をかけています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

 保育課程に基づき、年齢ごとにクラス目標を立て、目標に沿って年間指導計画や月間指導計画、週案が作成されています。子どもの主体性を大切に考え、子どもの姿を観察し、態度や表情から子どもの意思を汲み取るように心がけ、また、話のできる子どもからは意見要望をしっかりと受け止めています。子どもの提案を保育に生かした場合は、その経緯を子どもに説明し、活動が広がったことに「ありがとう」と伝えることで、何でも言える雰囲気作りに努めています。また、「くれよんのくろくん」の絵本から、「レインボーアート」の製作につながり、子どもの自主性を反映した取り組みを行っています。
 0、1歳児の保育室は、1つの空間になっており、背の低い柵で区切り、子どもたちがゆったり過ごせるように工夫しています。また、職員は隣のクラスの様子を見ることができ、応援が必要な際にはすぐに対応できるようにしています。手洗い場もパーテーションで区切り、少人数でゆっくり手洗いを行っています。1歳児は、食事のリズムや時間帯が違うため、ゆっくり食べることができるよう食事と午睡の場所を分けています。すべての子どもたちは、テラス用の靴を持っており、異年齢でテラスで遊んだり、いっしょに散歩に出かけるなど交流する機会があります。
 0〜2歳児については、基本的生活習慣や生育歴など個人面談時に保護者から聞き取りを行い、子どもの発達に応じた個人別月案を作成しています。3〜5歳児については、特別な課題がある場合は、必要に応じて個別指導計画を作成して、保護者とは面談や日々の送迎時に説明をし、情報を共有しながら対応しています。子どもの発達や家庭の状況に応じて、個別指導計画を見直し、クラス会議や全体職員会議で対応方法などの周知を図り、職員間で共有しています。トイレットトレーニングや離乳食の進めかた、午睡などについては、保護者から希望を聞き、発達状態や園・家庭での状況を説明し、保護者の同意を得ながら進めています。

3 サービスマネジメントシステムの確立  年間指導計画や月案(月間指導計画)、週案(週間指導計画)は、子どもの発達や状況に応じてクラス担任が作成しています。日々気づいたことを担任同士や園長と相談し、クラス会議などで見直しを行い、次月の計画につなげていくように取り組んでいます。また、一人一人のケースについては、保護者の要望を踏まえて、全体職員会議で対応を検討しています。年間指導計画は、3月の年度会議で検討し、保護者の要望を取り入れて次年度の計画策定をしています。個別面談や連絡帳、日常の会話などから保護者の意見や要望の把握に努め、職員間連絡ノートや全体職員会議で情報の共有と検討を行っています。
 配慮を必要とする子どもを積極的に受け入れる体制ができています。配慮が必要な子どもの様子は、職員間連絡ノートに記入をして全職員に回覧をしています。気になる点については、全体職員会議で話し合い、より良い支援の方法を確認し、すべての職員が同じ対応ができるように、園全体で見守る保育を行っています。子どもの発達状況を見守りながら、保育については月案に対応と振り返りを記録し、次の計画を立てています。配慮を必要とする子どもについて研修で学び、研修報告書と資料をいっしょに回覧しています。適切に保育するために、必要に応じて全体職員会議で伝達研修を行い、職員間での情報共有を図っています。
 入園時に、アレルギーについて一人一人確認をし、食物アレルギーのある子どもは、医師が記入した「生活管理指導表」の提出をしてもらい、除去食で対応しています。また、献立表については、保護者に確認をしてもらい、栄養士とアレルギーの状況や変化について話し合っています。横浜市が策定する「保育所における食物アレルギー対応マニュアル」を保育室に常備し職員の周知を図っています。誤食を防止するために、朝のミーティングでアレルギーのある子どもの出欠と献立の確認をし、配膳時には栄養士と担任で口頭で確認をして、専用トレーに載せ、区別し間違えないように工夫をしています。
4 地域との交流・連携

 昭和8年に当地で開園以来地元に根を下ろし、園名義で地元自治会に加入し、町内会の会合に園長が出席したり、自治会班長などと話をしたりして、地域の実情や園に対する要望を聞いています。また、西区の合同保育講座に園が参加し、保護者に遊びの指導をしたり、育児相談を受けたり、園見学や園庭開放、夏祭りなどの園行事に参加した地域の保護者の育児相談に応じたりして、地域の子育て支援ニーズを聞いています。園長は西区の園長会議に参加し、分科会などで地域の子育て支援ニーズについて情報収集や検討会を行っています。
 園のホームページに園の概要や年間行事、デイリープログラムなどとともに食生活の配慮事項を載せて、給食の献立表は毎月更新しています。園の情報は西区や横浜市のホームページなどにも提供しています。夏祭りや運動会、焼き芋会、お餅つき会などの園行事を開催する際には、園の外塀などにある自治会の掲示板に行事のポスターをはらせてもらい、地域の方々の参加を募っています。育児相談については定期的に相談日を設けて実施はしていませんが、散歩で公園で出会った近隣の方や園見学に来られた方などを含め、随時育児相談に応じています。
 園の見学者や利用希望者の問い合わせには、入園予定者に配付する園のしおりに基づいて案内や説明をしています。問い合わせには園長が対応し、見学ができることも説明しています。園長不在時にはリーダーの職員、事務職員が常時対応できるようにしています。見学には保育の様子が良くわかる午前中を勧めていますが、保育に支障をきたさない範囲で、見学者の都合の良い日時に受け入れ、園長が案内しています。見学者には保育方針や利用条件、サービス内容などをていねいに説明しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

 園はホームページなどで将来の利用者に園の情報を提供しています。西区こども家庭支援課には写真や園の方針などの掲示をお願いしています。横浜市のヨコハマはぴねすぽっとなどでも園の情報を見ることができます。園のホームページには沿革、定員、建物などの園の概要、保育方針、登降園時間、職員体制、年間行事、デイリープログラム、給食と費用、園へのアクセスなどの必要な情報を載せて、給食の献立は毎月更新しています。園は現在、見学者などにも配布できるリーフレットを作成中です。
 「就業規則」の中の「服務規律」には守秘義務や個人情報保護など職員として守るべき法、規範、倫理などが明記され、入職時に配付される「職員マニュアル」にも「職員の心得」として明記され、職員に周知しています。園の運営状況や経営情報は園のホームページで公表しています。園の行事や日常保育、給食献立などを紹介し、法人としての資金収支計算書も公表しています。他施設などでの虐待など不適切な事例があったときは、新聞記事などを基に朝礼やミーティングで周知し、早期発見の方法や対応について再確認しています。
 園は従来は木造の園舎でしたが、老朽化が進み、平成26年の社会福祉法人への移行を機に鉄筋コンクリートの新園舎への建て替えを行うことにしました。職員には職員会議などで、保護者には保護者会の場で建設の必要性と計画内容を説明し、手紙を配付したり、質疑にていねいに回答し了承を得て、平成26年4月から翌年6月まで近隣の商店街の一角の仮園舎での保育となりました。この間保護者には随時手紙を配付し進行状況を知らせたり、不満や問題点を話し合いで解決していき、平成27年6月に新園舎が完成しました。やむなく旧園舎で卒園式を行った新小学1年生だけに真っ先にお披露目会を行いました。こうした重要な意思決定の際や運動会、遠足など主要な園の行事の際は組織をあげて取り組んでいます。

6 職員の資質向上の促進

 研修担当のリーダーの職員は、主に西区の年間研修予定表を基に職員には年に1つ以上の外部研修受講を目標に参加を勧め、研修計画を作成しています。内部研修は主に毎月の職員会議の場で非常勤の職員も参加して行っています。園外研修では、乳幼児や遊びなどの保育技術、食物アレルギー、救命救急法、大規模災害対応などの緊急・危機管理、食育、給食栄養などの食育管理などのほか園長やリーダーなどの階層別養成研修などに参加しています。外部研修参加者は研修報告書を作成し、内部研修やミーティングで成果発表や実技指導を行い、職員間の共有を図っています。園長や研修担当者は研修成果の活用状況などから研修を評価して次の研修に生かしています。
 非常勤職員には職員と同じ「園のしおり」や職員の心得、保育の基本と配慮事項などを合わせた「職員保育マニュアル」を配付しています。業務にあたっては、勤務のシフト表を園長が作成していますが、経験や熟練度などを考慮して職員と非常勤職員の組み合わせを工夫しています。非常勤職員は職員会議中の内部研修などを受講していますし、本人が希望したり、職務の必要から園が指名したりする場合も職員と区別なく研修に参加することができます。非常勤職員の担当者は基本的に園長が努め、職員間のコミュニケーションを図っています。
 保育に関する自己評価は、年間指導計画は四半期ごとに、月案、週案、保育業務日誌は各期日ごとに自己評価欄などでクラスごとに評価・反省を行っています。自己評価は期初や各期日ごとの目標やねらいと関連づけています。保育の自己評価は、例えば「運動会の練習ではできたことは思いきりほめてあげ、一つ一つ出来ることが増えていくような関わりをしていく」などと、子どもの活動の全ての結果だけではなく、子どもの取り組む姿勢や過程を大事にして行っています。職員は自己評価を通じて、自己の実践を振り返り、その改善や次期の計画作成につなげています。

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