かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

クオリスキッズ港南中央保育園

対象事業所名 クオリスキッズ港南中央保育園
経営主体(法人等) 株式会社 クオリス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 233 - 0003
港南区港南5-2-9
tel:045-846-8177
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年10月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【立地面での特色】
●クオリスキッズ港南中央保育園の立地・概要
クオリスキッズ港南中央保育園は、横浜市営地下鉄港南中央駅から南へ150m程度のところに位置しています。港南中央駅周辺は港南区の中心の地域にあたり、駅前には港南区役所、港南警察署、郵便局、港南水道局等、官公署が駅周辺に集中し、商業施設も充実が進み、利便性も良く、上大岡駅へも徒歩圏内の地域です。港南中央駅が面している鎌倉街道は交通量の多い主要な道路ですが、鎌倉街道から1本道を入ると住宅地が広がっており、クオリスキッズ港南中央保育園は閑静な丘陵地の住宅街に位置しています。近隣には南台小学校、笹下保育園があり、道沿いは桜並木になっており、春には桜が満開になり子どもたちの散歩コースにもなり、四季折々の季節を感じながら五感を育む環境が身近にあります。クオリスキッズ港南中央保育園は保育園専用の2階建ての園舎であり、外観は住宅地に溶け込み、内装については法人代表のこだわりが随所に見られ、基調はアーティスティックな作りで、基本的に壁に貼り紙等を貼り出さないことにより明るく清潔な印象を醸し、玄関スペースはすっきりとした開放感があります。園舎は丘陵地の中腹にあり、保護者は電動自転車で通園される方が多く、駐車場は近隣に数台分を確保して保護者に配慮しています。園舎1階は、大きな保育室をパーテーションで仕切って3歳〜5歳児の各保育室が設けられ、パーテーションを開放すると大きなホールに展開され、行事等で有効活用がされています。2階は0歳〜2歳児の保育室になっており、屋外遊戯場やウッドデッキが設けられ、乳児クラスで活用し、子どもたちは体をいっぱい動かして楽しそうに遊んでいます。

●クオリスキッズ港南中央保育園の保育の方針
クオリスキッズ港南中央保育園は、本社が大阪に位置する株式会社クオリス(以下、法人という)の経営です。法人は保育分野、介護分野、障害分野の事業を推進し、関西、関東で福祉サービスを展開し、発展ある会社です。保育分野は、東京で3園、横浜は4園を運営し、関西では3園展開しています。介護分野では、居宅・訪問事業所10施設を運営・実施し、経営方針に、「保育サービスを通じて、地域社会に貢献する」を掲げています。保育方針は、「豊かな人間性をもった子どもに育成すること」に据え、保育目標に3つの項目を掲げ、1.「子どもが健康、安全で情緒の安定した生活ができる行き届いた環境を提供する」、2.「人とのかかわりを大切にし、人に対する愛情と信頼感を育てる」、3.「自然や社会への興味や関心を育て喜んで話したり、聞いたりする」を展開して保育を進めています。また、通常のクラス活動・自由保育に加え、専任の専門講師による英語教室や、リトミック教室、体操教室、サントレ(幼児のための言葉の教育)を導入し、子どもの将来を見据え、幼児期に大切な「育み」に力を入れています。クオリスキッズ港南中央保育園では、遊びの中で伸び伸びと楽しく学習できるよう、子どもの負担にならないよう配慮しながら豊かな幼児期の“可能性”の推進に取り組んでいます。

【特に良いと思う点】
1.音楽に包まれた保育の推進
クオリスキッズ港南中央保育園では、音楽に包まれた保育を大切にしています。「音楽」を生かした取り組みでは、体を動かしリズム感を育てるリトミック、遊びの中で音楽を楽しむ合奏(楽器)、リズム遊びの活動、“今月の歌”を決めて全園児が同じ歌を歌える取り組み等、音楽に包まれた保育園生活を推進しています。園では、音楽、歌に親しむだけではなく、幼児教育の1つと捉え、幼児期から楽器等を用い、音楽を全身で感じ、音感・リズム感・表現力を養い、バランスのとれた心身の発達を育み、音楽を通して子ども自身が自分を表現できる軸作りの一環に力を入れています。

2.行事を大切にした保育
クオリスキッズ港南中央保育園は、「季節の行事」に力を入れて取り組んでいます。日本の伝統行事に加え、海外の伝統行事や、日本の季節折々の行事を保育に取り入れています。子どもたち、保護者や、近隣の子育て中の親子等にも一緒に楽しめ、思い出に残るような充実した行事を提供したいと取り組んでいます。そして、それぞれの行事がいつしかクオリスキッズ港南中央保育園の独自性のある定番行事につながっていくことが期待されます。また、子どもたちに、日本の豊かな季節折々の伝統行事の意味合い、行事の習わしなどを伝え、毎年繰り返される行事の開催により、伝統は次代に受け継がれていきます。海外の伝統行事(ハロウィンやクリスマス等)の実施により、子どもたちは海外の文化、宗教、風習の違い等も学んでいます。子どもたちは、家庭で希薄になりがちな伝統行事をクオリスキッズ港南中央保育園で経験し、一人一人の子どもの心に思い出を刻んでいます。

3.スキンシップを大切にする保育
クオリスキッズ港南中央保育園の保育は、子どもとのスキンシップを大切に考えて保育にあたっています。スキンシップは人間の本能的な欲求であり、触れ合うことで愛情が交換され、自律神経もリラックスして安心感を得ます。クオリスキッズ港南中央保育園では0歳児から5歳児の子どもたちに保育士がスキンシップするよう常に心がけて保育にあたっています。乳児の場合はスキンシップにより、安心・安定・信頼関係を育み、年長児の分別ある子どももまだまだスキンシップを望み、特に不安を感じた時にはハグをしてあげたり、個々の喜びをスキンシップで共感する等、園ではスキンシップにより子どもと信頼関係を構築し、安定ある保育に努めています。

【さらなる期待がされる点】
1. 食育の強化の期待
開園5年目を迎え、今後さらに食育に力を入れて行く意向を示しています。園では、行事に力を入れ、行事を通して「食」に対する習慣も含めて食への関心につなげています。また、給食だよりを発行し、人気のあるレシピや、旬の食材と行事の関係を掲載して興味を促していますが、さらに、子どもが食材に触れる機会や、野菜作り(きゅうり、オクラ等)の栽培を通して、自分で育てた野菜、自分で収穫した野菜を調理する体験や、給食・おやつで食す等、食育活動の取り組みに期待されます。また、それ以上に都会の子どもに畑の経験は希薄であり、土に触れる良い経験にもなります。港南区は谷戸の多い地形で、まだ畑も残る地域性を活用し、地域との交流と併せて推進されることを望みます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●経営理念である「保育サービスを通じて、地域社会に貢献する」を基本に、保育方針を「豊かな人間性をもった子どもに育成すること」に置いています。法人が運営する保育園では、経営理念および保育方針を根幹として保育を展開することを必ず順守することとし、保育方針に沿って園独自の保育を推進しています。一定期間ごとに保育マニュアルの読み合わせを行い、全職員が基本方針の理解の基、保育にあたるようにしています。また、園長、主任は、職員の意見を吸い上げ、年度初めにサービス内容の確認および見直しを実施し、年間指導計画の立案の際は、園の理念、保育目標の周知徹底を心がけています。

●個人情報の取り扱いや守秘義務については、厚生労働省(平成26年3月)の個人情報保護のガイドラインやマニュアル等を整備し、全職員(ボランティア・実習生含む)に周知し、共通認識を図っています。保護者に対しては、年度初めに個人情報の取り扱い(肖像権等)の確認を行い、同意を得ています。個人情報が記載されている文書・記録は、施錠できる棚に保管、管理し、園外への持ち出しを禁止にしています。また、個人情報の記載されている書類は全てシュレッダーで廃棄しています。

●性差に関する配慮では、全園児が平等に活動できるよう、遊びや行事の役割、持ち物や服装での区別、順番、グループ分けや整列も性別で区分けすることはせず、遊びや役割等については子どもたちの意見を尊重しています。子どもや保護者に対して、父親・母親の役割を固定的に捉えた話し方や表現をしないよう努めています。また、無意識に性差による固定観念で保育をしないよう互いに注意し合っています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育課程は、子どもの最善の利益を第一義とした経営理念および保育方針に沿って策定しています。保育課程の作成では、職員で検討の場を設け、家庭の状況、地域の実態、周囲の環境を考慮して意見交換等を図っています。保育課程に基づき、クラスごとに指導計画を作成しています。常に、子どもの興味や関心等を観察および状況把握を行い、職員間で共有し、保育内容の見直しや、計画に反映させるよう心掛けています。

●短縮保育(ならし保育)を実施し、期間は原則2週間程度に定めていますが、個々の状況を見ながら臨機応変に対応しています。新入園児に対しては、パート職員も含め、同じ保育士が対応するよう配慮しています。在園児の配慮では、新入園児への配慮に偏ることがないよう、他クラスの担当保育士もかかわるようにして配慮しています。また、異年齢保育を多く取り入れ、特に、4月は進級前の担任も含めて異年齢での散歩等も意識的に取り入れています。

●3歳児未満の子どもおよび、特別な支援が必要な子どもについては、個別指導計画を策定しています。特に、特別な支援が必要な子どもについては、保護者との連携を密にし、必要な時に個別面談を行って要望等を聞き、情報共有を図りながら子どもの発達状況に応じて柔軟に変更・見直しを行っています。個別指導計画の重要部分(トイレトレーニング、歯磨き、箸の使用等)については、保護者と話し合いの上、家庭と連携して実施しています。

●子どもの記録としては、定めた書式(児童票、個人面談記録、健康状況記録等)に記録し、記録内容は書庫に保管し、全職員が閲覧できるようにしています。重要な申し送り事項は記録し、進級時に職員間で申し送りおよび、話し合いを行っています。共有すべき内容は日々、職員共通の回覧板で共有を図っています。保育所児童保育要録を作成し、就学先の小学校に送付しています。

●食事までの過程に関心が持てるよう、園内探索を行い、給食室の調理の場面を見学する機会を設けたり、幼児クラスでは当番活動を通して、配膳や片づけを行っています。月1回、調理保育を実施し、食材や食事への興味・関心につなげ、厨房が保育室に近く、給食のできる匂いや、調理する職員の姿を見ることにより食事を豊かにするよう工夫しています、

●トイレトレーニングについては、2歳後半くらいから保護者と相談の上、個人差を尊重し、家庭と連携して無理強いしないよう個々に進めています。トレーニング中の排泄状況は、申し送り表を活用して職員間で共有し、降園時に保護者にも伝えて家庭と連携しています。排泄に失敗した際は、子どもの羞恥心に配慮するよう心掛け、さりげない対応に努め、シャワーを活用して気持ち良く過ごせるようにしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

●障害児保育のための環境整備では、建物はバリアフリー対応を整え、園内にオストメイトのトイレ、テラスへのスロープ、エレベーターの設備を施し、環境を整えています。特別支援児のいるクラスは職員を加配で配置し、障害児保育について看護師による研修会を実施して、知識と対応技術の研鑚を図っています。専門機関との連携では、特別支援児の保護者の同意の下、港南区役所の保健師や、よこはま港南地域療育センターと状況報告等で連携を図り、訪問および助言・指導を受けています。園では、日常的に他の子どもとの関わりの中で保育を進めています。

●虐待の定義については、保育マニュアルに定義、通告等の体制が記載され、全職員に周知しています。職員は、朝の受け入れの際や着替えの際に視診を心がけ、保護者の生活環境の変化を把握し、日々、子どもの様子に注意を払うよう努め、関係機関に相談できる体制を整え、定期的に港南区役所のケースワーカーと連携を図っています。家庭支援の必要な保護者については、職員から声をかけるよう心がけています。

●アレルギー疾患のある子どもの除去食対応では、医師の指示書に従って適切な対応を行っています。職員に対して、アレルギー疾患についての必要な知識や情報について周知し、全アレルギー児の疾患について一覧表を作成し、会議等で徹底するようにしています。アレルギー児を持つ保護者とは入園時に看護師、栄養士、担任と十分に面談を行い、連携を密にし、除去食を提供しています。給食時は、専用トレイを用い、コンタミネーションが起こらないよう、口頭、書面でチェック体制を強化しています。

●文化が異なる子どもへの対応については、今年度は、外国籍の子どもは在籍していませんが、在籍時には入園時や日常で密に情報を共有し、生活習慣等も十分に確認し、文化や生活習慣、考え方の違いを尊重しています。外国籍に係わる保護者・子どもについて、意思疎通が困難な場合は、ジェスチャーや絵カードを活用してコミュニケ―ションの工夫をしています。

●保護者からの苦情などに関して、重要事項説明書に苦情・相談の窓口担当者、港南区役所相談窓口を明示し、第三者委員に直接苦情を申し立てることができることをお知らせしています。また、要望や意見等を聞く機会として、意見箱を設置し、懇談会や行事後にアンケートを実施し、利用者満足に取り組んでいます。

●苦情・要望があった場合は、苦情対応マニュアルに沿い、第三者委員を交えて解決する体制を整えています。苦情等については職員会議等で周知し、記録は保管および蓄積し、今後に役立てています。保護者が意見を表明し難い場合は、連絡ノートを活用してもらい、行事後等、意見をいただいています。
●外部からの侵入に対して、年1回、不審者侵入を想定して不審者対応訓練を実施しています。園舎は非常通報装置を設置しており、非常時は110番につながるようになっており、安全を確保しています。玄関はセキュリティシステムを活用し、カードキー以外は入室できない構造であり、門扉は登降園の時間以外は施錠しています。不審者情報は、横浜市、港南区役所等からメールで入手し、情報を得ています。

 

4 地域との交流・連携

●地域住民との交流では、港南区の冬フェスティバル(スポーツセンターで実施)に参加し、地域のニーズを把握するようにしています。幼保小連絡会では年長児と地域の他園と交流を図り、港南区のマラソン大会には地区の保育園の園児が集まって参加し、交流しています。また、園見学や一時保育を通して、保護者に要望等を聞いています。地域の町内とは、在園児の家族が町内会の方であったことから町内会への加入に至り、今後さらに、地域のニーズを把握する意向でいます。

●地域への園の理解促進のための取り組みとして、地域の町内会への加入を通して地域の行事等に参加し、園の行事にも町内会の方や、地域の方々の招待、一時保育利用者に案内をして行く予定でいます。小学校との交流では、運動会で小学校の体育館を借用し、港南区の冬フェスティバルでは園の体育機材等の貸し出しを行い、交流しています。幼保小連絡会を通じて各機関と積極的に連携を図り、友好的な関係作りに努めています。

●園のサービス内容・保育方針などの情報提供は、園のホームページやパンフレット、港南区の広報誌に園の詳細を掲載しています。横浜市の「ヨコハマはぴねすぽっと」、ひまわり通信にも情報を提供しています。見学者や来園者には保育内容を記載したパンフレットを配付して説明し、職員体制・サービス内容の詳細、料金についても伝えています。利用希望者からの電話問い合わせ等については、園長、主任、看護師が主に担当し、丁寧な対応に努めています。利用希望者には園見学を案内し、問い合わせ、その他の場合でも積極的に園見学を勧めています。秋の見学時で多い場合は、1日10人以下と人数を決め、見学者にもゆったりした中で園内を見てもらえるようにしています。

●ボランティアの受け入れマニュアルを整え、職員に周知しています。受け入れと指導の担当者は主任と副主任とし、園の保育内容を説明し、しっかり面談を行い、記録を残しています。今年度は実績がありません。

 

5 運営上の透明性の確保と継続性

●職員の守るべき法・規範・倫理等は、保育マニュアル、就業規則に明示され、職員は守るべき倫理を遵守しています。経営、運営状況等の情報は、ホームページ等で一部開示しています。リスクマネジメントについては、会議で他施設の事例等について検討および周知し、守るべき規範について再確認しています。

●環境整備では、横浜市のヨコハマ3SR夢(スリム)プラン政策に賛同し、分別、ゴミの減量、節電を心がけ、花壇や野菜栽培による緑化促進、地域のゴミ集積場の提供等を行っています。保育では、包装紙や廃材を使用した活動を行う等、リサイクルの意識を高め、園全体で環境への取り組みを行っています。

●法人で、中・長期的計画が策定され、組織運営、事業拡大に備え、運営やサービスプロセスの新たな仕組みを常に検討しています。法人は、人材の確保・新人職員、教育、即戦力なる職員の異動等、次代を担う職員の研修等を行い、育成に努めています。外部の機関や専門家などのアドバイスでは、英語、体操、リトミック、サントレの外部専門講師を取り入れ、法人顧問弁護士、NPO法人りんぐりんく(アドバイサー)等から指導・助言を受けより良い園運営に生かしています。

6 職員の資質向上の促進

●必要な人材の採用については、法人本部と法人系列各園と共同で必要な要因を話し合い、採用計画を練り、保育所の理念を踏まえた保育を実施できるよう人材を確保しています。人材育成については、法人で教育計画を策定し、計画に沿って園で教育研修の実施に取り組み、毎年、職員の目標を設定し、保育の振り返り、目標の達成状況を面談で確認し、評価を行い、職員の資質向上を図っています。

●職員の自己評価は、横浜市作成の保育士の自己評価、自己の振り返りを年度末に実施しています。自己評価は、年間保育計画に沿って振り返り、子どもの活動内容、結果だけでなく、子どもの育ちや意欲、取り組む過程等を大切にして行い、業務改善やその後の計画作成に反映させています。園全体の振り返りは年間、月間の指導計画に評価と反省を記載する欄を設け、職員一人一人が自身の保育の振り返りがしっかり行えるように工夫しています。

●保育所の自己評価については、保育所の理念や保育の方針、保育課程に沿い、年度始めの全体会議で、職員の自己評価の結果を基に今後の課題等を話し合い、結果は主任がまとめて職員に示し、保育に生かしています。保育所としての自己評価は、玄関に開示しています。今年度、第三者評価を受審し、園の課題、改善に向けて取り組んでいきます。

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