かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスク馬車道保育園(7回目受審)

対象事業所名 アスク馬車道保育園(7回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 231 - 0006
中区南仲通4-47
tel:045-650-6588
設立年月日 2009(平成21)年12月01日
公表年月 2017(平成29)年09月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
 アスク馬車道保育園は平成21年12月に開園した7年目の保育園で、定員は90名で現在0歳児から5歳児まで90名が通園しています。みなとみらい線馬車道駅から徒歩2分のところに立地する5階建ての単独園で、2階にテラス、屋上に園庭があります。横浜の中心地にあり、オフィス街ですが横浜港に近く、山下公園、象の鼻パーク、赤レンガ倉庫など散歩コースは豊富で、都会の中の園ですが、四季折々の季節感と景色を毎日の散歩の中で感じています。


・園の特徴
 都会の園のため自然に触れる機会を増やすため、横浜市営地下鉄沿線舞岡公園に田んぼを借り、子どもたちがどろんこになって、田植えや稲刈り、そこにいるオタマジャクシすくいなど、いろいろな自然体験活動を経験しています。また地域の保育園との交流、地元商店の協力を得てハロウィンを楽しむなど、地域との交流も盛んに行っています。


【特に優れていると思われる点】
1.年間を通じて行う子どもたちが自然に触れる活動
 子どもたちの散歩コースとして砂場や芝のある公園がありますが、本格的に土に触れることはできません。子どもたちが自然に触れる機会を作るため、戸塚区にある舞岡公園にボランティアの登録をして田んぼを借り、水田作り、田植え、稲刈、ハザ掛け、脱穀、精米と1年間を通した活動を計画し、実行しています。精米したお米は昼食のご飯や、餅つきをして、子どもたちが食べています。最初は泥の中に入ることを嫌がっていた子どもも来園の回数を重ねるにつれて、自然に水田に入ることができるようになりました。保護者も親子遠足として参加し、親子一体となった活動となっています。


2.子どもの様子が良くわかるクラスノート
 職員間の伝達ノート、クラスの様子を伝えるボードやノートを活用しながら、送迎時に園内での子どもの様子を可能な限り保護者に伝えています。特にクラスノートは、毎日の保育の様子として写真を入れ、分かりやすい文章で書かれていて、保護者から好評を博しています。


【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.保護者対応の強化
  園では舞岡に田を借りて、田植え・稲刈りなど「子どもたちに自然に触れる機会を設けている」にもかかわらず、保護者アンケートでは、「子どもの戸外遊びを十分にしているか」の項目が「不満・どちらかといえば不満回答合計24%」、「自然に触れたり地域に関わるなどの園外活動」の項目が「不満・どちらかといえば不満回答16%」という結果が出ています。
 また、「感染症の発生状況や注意事項などの情報提供」の項目では「不満・どちらかといえば不満回答合計26%」、「送り迎えの際のお子さんの様子に関する情報交換」の項目では「不満・どちらかといえば不満回答合計24%」という結果が出ています。
 これらを総合すると、前者では、園が日常的な活動として行っていることを積極的に保護者にアピールすることが不足していると考えられ、後者では園のさらなる努力が必要かと考えます。保護者への送迎時の対応やクラス懇談会などを通して、日頃の園の活動内容や子どもの様子を保護者に、より一層理解してもらえる工夫を望みます。


2.地域交流を通じた園の存在の認識強化
 園の周辺は商店と事業所で構成されるオフィス街で、園は独立ビルで、地域に対し園の存在感を高める必要があります。特に緊急時には園がそこにあることを、地域に知ってもらっていることが重要と考えます。ポスターで園にAEDが設備されていることを知らせるなどして、緊急事態の発生時に素早く対応できるよう、日頃から地域との交流を図っておくことが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・職員には、子どもの自尊心を傷つけるようなことのないように、事例を挙げて職員会議で確認しています。注意する場合も多様な言葉かけがあり、場面に応じて使い分けができるように、職員間で話し合いを行っています。職員が感情的になり、配慮に欠けた場合には他の職員がフォローし、子どもの気持ちに添えるように、園全体で見守れるようにしています。


・職員は入社時に守秘義務の意義や目的について説明を受け、設置法人作成のマニュアルがあり、誓約書を提出しています。実習生は、事前もしくは当日に守秘義務順守を確認しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・幼児のクラスは子どもたちが自由に遊び整理しやすい場所に、おもちゃや絵本棚を設置しています。クレヨンやお絵描き帳などは一人一人専用の道具箱に用意し、いつでも取り出せるようになっています。乳児クラスは月齢に合わせて、職員がその都度いくつかのおもちゃを取り出して選んで遊べるように配慮しています。


・園の屋上のプランターで枝豆、ほうれん草などの栽培をし、玄関の花壇では朝顔やひまわりを育て生育を観察しています。遠足で舞岡公園まで出かけ、田植えや稲刈りを体験しています。年間を通して稲作を親子で体験しています。3歳児は田植え、4歳児以上は稲刈りと脱穀を体験し、餅つきやおにぎり作りへと発展させています。2歳児クラスではオタマジャクシを育て、池に放しに行きました。


・周辺に山下公園、新港パーク、横浜公園などの広い公園があり、雨天や猛暑の時以外は季節や自然を体感できるコースを選んで散歩に出かけ、トンボやバッタや蝶をとったり、落ち葉を拾ったりして自然に積極的に触れています。


・子どもたちが配膳のときに自分で食べられる量を職員に伝え、盛りつけの量を調節しています。苦手なものがあっても無理強いせず「一口だけでも食べてみようね」と声かけし、完食できる喜びを味わえるようにしています。


・乳児の授乳はそれぞれの子どもの事情に合わせた時間に、目を見て抱っこして与えています。離乳食の開始時には保護者と連携を取り、一人一人のペースに合わせて行っています。離乳食がすすみ、友だちを意識し始めた頃からは、テーブルをかこみ数人で楽しい雰囲気の中で食事ができるように心がけています。


・午睡の際はカーテンを閉め部屋を暗くし、オルゴールの音楽をかけ室温の調節をし、静かに安心して眠れるような環境づくりをしています。乳幼児突然死症候群に対して0才は5分ごと、1、2才児は10分ごとに睡眠をチェックし記録するとともに、うつぶせに寝せないように配慮しています。3歳児以上は30分おきに状況を確認しています。保護者にも入園説明会でこの取り組みを伝え注意を促しています。


・登園時に家庭での子どもの様子を聞き、体温や機嫌のほか表情や動きなども観察し、保育中に体調の変化があった場合には、保健日誌や保育日誌に記載し、職員間で引き継ぎを行い、お迎え時に状態を知らせています。


・保育中に感染症を発症した場合は子どもの既往症を考え、症状を見ながら、猶予がある場合には保護者の休憩時間を選んで連絡するなどの配慮をしています。早めの迎えが難しい場合には事務所などで預かり、集団感染を防ぐよう配慮するとともに対象児がゆっくりと休める場を提供できるようにしています。


・玄関はオートロックになっていますが、施設の老朽化とともに、雨天時湿度が高い時に度々不具合が発生しているため、できる限り玄関の事務所に職員が常駐するよう努めています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・運営理念は「安全・安心」「いつまでも想い出に残る保育」「利用者が本当に求める保育サービス」「職員が楽しく働ける」であり、基本方針は「子どもの自ら伸びようとする力・後伸びする力、五感を感じる保育の充実を目指す」、園目標は「明るく、仲良く、たくましく」として、子どもと保護者を尊重したものとなっています。


保育課程は理念・基本方針に基づいて作成し、子どもの利益を尊重するものとなっており、親子ふれあい教室(ひよこクラブ)や中区のグランマ保育園事業(絵本の貸し出し)、地域行事に参加する園外に向けての内容も盛り込んでいます。


・入園前説明会を3月初旬に開催し、園長と担任予定職員が保護者と面接し、離乳食やアレルギーなど配慮の必要な場合は栄養士とも面接を行っています。入園時に「児童家庭調査票」「健康調査票」「お子様の状況について」「健康診断書」などの書類の提出を依頼しています。これらの書類を職員間で共有し、クラス担任だけでなく園全体で把握できるようにしています。


児童票、保育日誌、個別指導計画に子どもの成長発達の記録をしています。児童票に0、1歳児は毎月、2〜5歳児は3か月ごとに発達状況を追記しています。これらの書類は個人情報保護のため、事務室の書庫に施錠保管をしています。


・障がいのある子どもやアレルギー疾患のある子どもなど、特別に配慮を要する子どもでも分け隔てなく受け入れています。


・リーダー会議や職員会議の中で、共有しなければならない個別のケースについて、事前に書類を提出して話し合いを行い、ケース会議議事録に記録しています。


・要望・苦情の受付担当者は主任で、解決責任者は園長となっており、「入園のご案内(重要事項説明書)」に明記しています。第三者委員を2名立てており、第三者委員は、苦情を申し立てた保護者や苦情解決責任者の求めに応じて双方の話し合いへの立ち会い助言を行う役割を持つことを、入園前説明会で保護者に説明しています。

4 地域との交流・連携

・地域の子育て家庭を対象とした園独自の企画である親子ふれあい教室「ひよこクラブ」の中で園への要望を聞き、地域の子育てニーズの把握に努めています。中区のグランマ事業に参加して、絵本の貸し出しを行っています。


・育児相談は毎週水曜日14:00から窓口を設けています。ひよこクラブ参加者から相談を受けることもあり、電話での給食についての相談には看護師が受け答えをしました。


・毎年ハロウィン行事には地域の商店に協力依頼をし、子どもたちが商店を訪れています。近くの老人介護施設には年2回年長児が訪問し、伝承遊び、こま作りなどを行い交流しています。


・中区民祭り「ハローよこはま」に遊びに行ったり、大桟橋の大型船を見に行ったり、地域で開催される行事に積極的に参加しています。5歳児のお泊まり保育では洋光台のはまぎん子ども宇宙科学館を利用し、スマイルミッション2016「宇宙プロジェクト」に参加し、発表会で宇宙をテーマにした発表などを行っています。


・運営理念や保育の流れ、年間行事など保育所として必要なサービス内容を、園のホームページに掲載して情報提供しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・パンフレットに園の基本方針、利用条件、サービス内容などを記載し、問い合わせにはこの内容に沿って説明しています。


・保育園業務マニュアル及び就業規則に守るべき法・規範・倫理などが明文化され、社員に対する研修も行われています。コンプライアンス委員会を設置しており、職員が直接委員会に通報することができる制度があります。委員会への連絡先は事務所内や職員の休憩室に掲示しています。


・園長は、設置法人園長会(月1回)、横浜市私立園長会(月1回)、中区公民園長会議(年6回)、幼保小連絡会議(年2〜3回)に出席し、情報の収集をしています。園長が得た情報で重要なものは職員会議で職員に知らせています。


・園運営上の重要事項や、昨年の第三者評価の結果で浮かび上がった重要課題は職員会議で説明し、全職員に周知して改善に向けて取り組んでいます。

6 職員の資質向上の促進

・「人材育成ビジョン」が設定され、人材育成の方針が明確にされています。設置法人主催の様々な研修が、職員の能力、経験年数に応じて用意されています。園長は前期と後期に職員と面談を行い、研修受講の進捗状況と目標への達成度の確認をしています。


・年間指導計画の期毎、月間指導計画、週案、保育日誌を定型化し、それぞれ振り返りや評価・反省の記入欄が設けられています。評価・反省は子どもの育ちや意欲を重視したうえで、職員との関わりで子どもが変わった、成長したなど、子ども主体で計画のねらい通りになっているかを振り返っています。


・設置法人で作成した「人材育成ビジョン」があり、職員の経験・知識レベルに応じた期待値が明文化されています。保育園業務マニュアルに職務分担が明確にされています。


・園長は臨機応変に対応し、責任の所在を明らかにするため、クラス内のことについては担任に任せています。権限を委譲された件について、園長・主任への報告・連絡・相談を徹底するよう指導しています。


・実習生受け入れマニュアルがあり、基本的な考え方、方針について職員は周知しています。受け入れの窓口は園長で育成の担当者は副園長と担当クラス担任が行い、オリエンテーションで園の基本方針や守秘義務、配慮事項などを伝えて誓約の署名をもらっています。

詳細評価(PDF615KB)へリンク