かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

白楽あいいく保育園(2回目受審)

対象事業所名 白楽あいいく保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人母子育成会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 221 - 0065
神奈川区白楽100-5
tel:045-432-2889
設立年月日 2008(平成20)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年09月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
【立地】
 園は、東急東横線白楽駅から徒歩約3分、六角橋商店街の中に位置しています。社会福祉法人母子育成会が昭和47年に設立した横浜乳児保育所を、平成20年4月に園舎を全面的に建て替え、0歳児〜5歳児までを受け入れる「白楽あいいく保育園」と名称変更して開設した保育園です。園舎は鉄筋コンクリート3階建てで、定員90名のところ、現在97名が在籍しています。
 近隣には、生物保護区域となっている白幡池公園、白幡の森などの自然豊かな公園や、広い芝生広場のある岸根公園などがあり、散歩で出かけ、池で遊び、鳥や植物などから四季を感じています。


【特徴】
 伝統ある乳児保育の経験を活かし、子どもの思いに丁寧に寄り添った保育を実践しています。また、自主的な活動を大切にし、一人一人の生きる力が身につくようにしています。週1回、専門講師による3歳児〜5歳児対象の体操指導、4歳児、5歳児対象の和太鼓を行っています。


【特に優れていると思われる点】

1.家庭と連携し、共に育てる丁寧な保育
 園では入園の際、保護者に児童票の裏に「園に期待すること」「子育てで大事にしたいこと」を書いてもらっています。保護者の思いを受け止め、「共に育てる」という基本姿勢のもと、家庭との連携を大切にした丁寧な保育が行われています。0歳児の月間個別指導計画の中に「家庭との連携」欄を設け、保護者に伝えるべきこと、共有すべきことを明記して、連携を深めています。また、保護者との連絡帳は、4歳児の夏ごろまで、全員が利用しており、保護者に家庭での様子を記載してもらい毎朝確認し、園での活動の様子、食事、午睡、排泄の様子などを保護者のお迎えまでに記載して、家庭との連携を密にとっています。


2.動植物の飼育や栽培・園外活動などで、自然と触れあう体験
 園庭に桜、柿、夏ミカンなどの木があり、季節によりお花見や、実を収穫し、味わい、絵を描くなどしています。園庭の畑で、オクラ、ピーマン、ネギ、トマト、キュウリ、サツマイモなどを栽培して生育状況を観察し、収穫後はクッキングや給食の材料に使っています。プランターで、季節の花(菜の花、れんげ、アサガオなど)を育て、園舎内では金魚、鈴虫、アゲハ蝶、カブトムシを飼い、餌やりもしています。散歩先の「白幡池公園」で釣ってきたザリガニも飼っており、園庭ではセミの幼虫が羽化するところを見る体験もできました。ミニ図鑑を持って公園に行き、動植物の観察をしたり、松ぼっくりやどんぐりを拾って帰り、製作に利用しています。


3.安全に配慮して子どもの意欲と体力を育む支援
 遊びが意欲的に豊かに展開されるように支援して、子どもたちが進んで体を動かしています。園周辺の公園に行くときは、広場や斜面、大型遊具の利用や距離など発達過程に応じて選んでいます。また、子どもたちが、公園の斜面でのそり滑りをもっと急斜面でやりたいと言ってきた際には、職員は、過度に制限することなく、いかに危険を回避するかを子どもと考えながら、先ず職員が試し、安全を確認して行なっていました。園庭には、ボール、三輪車、フラフープ、鉄棒、滑り台、タイヤとびなど、様々な遊具を揃え、5歳児は他者と心を合わせる、支え合って成り立つ協働体験を遊びや運動に取り入れるなど、子どもの心身の発達を支援しています。


4.職員の主体的な委員会活動
 全職員による食育、安全管理、研修、環境、地域の5つの委員会があり、メンバーは職種を越えて編成されています。年度初めに年間の主な活動計画を立て、定期的に話し合いを持ちながら活動を進めています。例えば、安全管理委員会は、「日誌のヒヤリハットの集計・分析」「おもちゃや備品の点検」など安全管理に向けた様々な活動を行っており、その他の委員会も毎月の職員会議の中で活動状況を報告し、参加・協力を呼びかけています。職員は委員会活動を通じて園運営に主体的に関わり、責任を持って改善に取り組んでいます。


【特に改善や工夫などを期待したい点】

1.保育所としての自己評価の公表 
 今回の第三者評価における自己評価から、園としてのアピールポイントや課題が明らかになりました。今後、園としての自己評価を、園内掲示や園だよりに掲載するなど工夫して、保護者に表明(公表)していくことが期待されます。


2.職員の給食
 職員の一部が検食者として給食を食べていますが、全員ではありません。職員が子どもと一緒に給食を食べて、日々の食事の場を楽しく共有できるようにすることが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念は「子どもの最善の利益を考慮し、その福祉の増進をはかり社会全体での子育て環境の整備に努める」で、基本方針は「子どもの様々な要求や気持ちを受け止め、安全に安心して楽しく過ごせる環境づくりをする」「子どもが、”大切にされている”と感じられるよう一人ひとりの気持ちに寄り添い笑顔で接する」「おもいきり遊び、自然に触れ、心動かされる体験を大切にする」「自分の気持ちを伝え、友達の気持ちをおもいやり、ゆずりあうこと、がまんすることの大切さを育む」「発達を理解し、一人ひとりの子どもに必要な援助や配慮を心がける」「保護者や地域とのふれあいを大切にし、共に子育ち・子育ての喜びを共有する」としており、いずれも子どもを尊重したものになっています。


・子どもの人権を尊重する大切さについて、昼礼、職員会議で話し合い、全職員で確認しあっています。年齢や子どもの性格などにも配慮して、分かりやすい言葉かけをして、声のトーンや職員が一方的に話し続けたりしないように気をつけています。言葉かけや子どもへの対応について、気になる場合は園長や主任が助言や指導をし、事例として職員会議で話し合うこともあります。


・個人情報取り扱いガイドラインがあり、全職員に配付して、守秘義務の意義・目的は、入社時に説明をしています。園長が、職員会議でも話をして、個人情報に関する書類は、園長の許可をとって、園内のみで閲覧可能としています。クラスにある「伝言ノート」や保育日誌の管理にも留意するようにしています。


・職員は父親、母親の役割について、特定の概念を持つことなく、子どもや保護者に接しています。昼礼、職員会議で、「男の子の遊び」「女の子の色、服装」など、無意識に性差による固定観念を持たないよう、職員間で確認しています。


・職員会議で、虐待について個別の事例、予防・対応などについて話し合い、虐待の定義についても職員に周知されています。登園時や衣服の着替えの際に子どもの観察をして、虐待の兆候の早期発見に努めています。虐待が疑わしい場合や明白になった場合は、神奈川区こども家庭支援課、横浜市中央児童相談所に連絡し、相談できる体制を整えています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・個人面談は年1回全員に実施し、個人面談以外でも、保護者の要望に応じています。クラス懇談会を年2回実施して、クラスの状況や子どもの様子を伝えています。また懇談会出欠確認票で「何を話し合いたいか」を保護者に書いてもらい、そのテーマについて質疑応答や、説明を行っています。


・子どもの年齢・発達に応じて、子どもの目線の高さの棚に、大きさの違うブロック類、布製玩具、職員の手作りおもちゃ、人形、ままごとセット、パズル・カード類、絵本や図鑑などが多数用意され、子どもが自由に取り出して遊んでいます。遊具の絵や写真を貼ったり、ひらがなで表示し、片付けやすいようにしています。


・子どもの自由な発想を遊びの中に活かしています。お絵かきをして、紙を持って動かして遊び始めたことから、割りばしを紙につけ、登場人物を増やし、皆で人形劇のように遊んだこともあります。


・職員は子どもの様子を見ながら、食が細い子には、量を減らすなど個々に対応しています。苦手なものがあっても、少しでも食べられたらほめるようにしています。乳児はスプーンの使い方も伝えながら、手づかみで食べても、自分で食べようとする意欲を大切にしています。


・眠れない子ども、眠くない子どもには、職員は午睡を強制せず、布団の上で横になり体を休めるように伝えています。絵本を読んだり、静かな遊びをして過ごす場合もあります。乳幼児突然死症候群を防ぐため、0歳児は5分おき、1、2歳児は10分おきに呼吸チェックをし、「呼吸チェック表」に記録しています。


・トイレットトレーニングは、1歳半すぎに、ある程度の排尿間隔があくようになったころから、保護者と連携を密にとり、無理のないように進めています。おもらしをしたときはさりげなく対応し、他の子に気づかれないように配慮しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・入園前に園長、主任、担任の保育士が面接を行い、子どもの生育歴や健康状態、食事・排泄などの生活の様子を聞き取り、面談シートに記入しています。


・クラスごとに一人一人の子どもの状況を話し合い、年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。また、ねらいに対してどうであったかをクラス担任を中心に職員間で話し合って評価・反省をし、次期計画に反映させています。


・0〜2歳児については、月間指導計画に基づいた個別指導計画を、一人一人の発達に合わせて全員に作成しています。幼児についても特別な配慮が必要な子どもには、個別指導計画を作成しています。入園後の子どもの様子は、0歳児は個別日誌に、1歳児〜5歳児は半期ごとに経過記録(成長発達記録)に、また、変化が見られたときに随時児童票に記録して、クラスごとにファイルしています。


・入園前の面接時に保護者からアレルギーについて聞き、食物アレルギー疾患のある子どもの保護者と栄養士が面談し、主治医の「アレルギー疾患生活管理指導表」を提出してもらい、除去食を提供しています。提供時は、個別名入りトレイとカラー食器を使用し、ラップをかけて名前と除去内容を明記しています。複数の職員が確認して配膳し、乳児の場合は職員が1人付いて誤食のないように配慮しています。


・「健康管理マニュアル」に基づき、子ども一人一人の健康状態を把握し、既往歴・予防接種状況などを「入園時面接記録」に記載し、クラスごとにまとめたファイルを作って看護師が保管管理をしています。健康診断、歯科健診の結果は、個別の冊子「おおきくなったね」にとじ込み、保護者に渡しています。


・毎月、地震・火災・津波・不審者対応などを想定して、避難誘導訓練を行っています。抜き打ちで訓練する場合もあります。避難場所の白幡小学校、広域避難場所の岸根公園への道順を把握しています。緊急連絡に必要な連絡先リストを事務室に掲示しています。消防署、警備会社への緊急通報装置があり、職員の緊急連絡網があります。


・苦情対応マニュアルがあり、苦情・要望の受付担当者は主任、解決責任者は園長とし、第三者委員の氏名・連絡先と共に玄関に掲示しています。行事後にアンケートを取り、意見箱、クラス懇談会、個別面談などで保護者の要望を聞いています。職員は普段から保護者とのコミュニケーションを大切にしており、送迎時には保護者に積極的に声をかけ、要望や希望を汲み取るように努めています。

4 地域との交流・連携

・地域住民に向けて育児講座を年に3〜4回実施し、「小麦粉粘土遊び」や「音楽会へのお誘い」、看護師による「歯磨き講座」などを行っています。園庭開放は月に2回実施し、夏場は泥んこ遊びや水遊び、プールも楽しむことができるようにしています。


・神奈川区保育園子育て支援連絡会に参加し、白幡の森で開催された「わいわいパーク」や神奈川区民まつりなどを通じて情報交換しています。地域のニーズが高い一時保育は、30名ほどの登録があり、一日に3〜4名を受け入れています。


・園行事の夏祭り、運動会、人形劇などに地域住民、町内老人会の方を招待しています。神奈川区の地域住民による防災ネットワーク「防災塾・だるま」との連携があり、防災訓練に参加したり、園のホールで会合を行っています。災害時は地域住民にホールを開放し、毛布を提供する用意があります。


・年長児が近隣の小学校に行き、校内見学や1年生に本を見せてもらう体験をしています。就学前に小学校教諭が来園し、年長児の様子を見てもらったり、担任と話し合う機会があります。


・中学生、高校生の職業体験を積極的に受け入れています。絵本の読み聞かせのボランティアを受け入れて、子どもたちがどんな絵本に興味があるかなどを話し合い、絵本の購入の参考にしています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・園長は年度初めの職員会議で職員に理念・基本方針を周知し、職員が指導計画を策定する際にも、理念、基本方針に沿っているかを園長、主任が確認しています。


・園の中長期的な方向性として、平成29年度から35年度まで7年間の中長期事業計画を策定し、一部については、今年度の実施項目として取り組んでいます。


・就業規則が定められており、その中に職員が守るべき法・規範・倫理などが明文化されおり、職員には入職時の研修や職員会議などで周知されています。


・「保育士人材育成計画表」があり、各経験年数の役割が記載されており、主任クラスまでの必要なスキルアップが明確になっています。


・設置法人のホームページで、園を含む設置法人の経営・運営状況(財務諸表、施設概要、サービス内容など)の情報を公開しています。

6 職員の資質向上の促進

・職員の経験年数と職務に応じて「保育士に求められる役割」「職場での育成」「外部研修」を定めた「保育士人材育成計画表」があり、人材の育成に取り組んでいます。職員は「保育士人材育成計画表」の受講すべき「研修」を参照にしながら、希望の研修を申し込み、園の研修委員会が「園外研修日程表」を作成し、計画的に受講できるようにしています。


・職員は毎年実施している意向調査で、目標を設定するとともに自己評価を行い、個人面談で園長からアドバイスや指導を受け、次年度の課題を明確にしてそれぞれ取り組んでいます。


・「職員業務分担表」に園長・主任・副主任、保育士の職務分担を明文化しています。園長は可能な限り、主任・現場職員に権限を委譲しています。緊急時は担当職員が判断し対応しますが、対応処理についての最終的な結果責任は園長が負う体制になっています。


・実習生受け入れの際はオリエンテーションを行い、園の理念や保育方針を説明しています。実習の目的に応じて、本人の希望も聞き、プログラムを決めています。早番、遅番を経験することもあります。最終日には園長・主任も交え、意見交換と助言をしています。

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