かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスク山下町保育園(6回目受審)

対象事業所名 アスク山下町保育園(6回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 231 - 0023
中区山下町27 スタイリオ山下公園ザ・タワー2F
tel:045-227-1385
設立年月日 2010(平成22)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年09月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の特色】
・立地及び施設の概要
 株式会社日本保育サービス系列のアスク山下町保育園は、横浜高速鉄道みなとみらい線「元町・中華街駅」より徒歩5分の、中華街と山下ふ頭の中間に位置するオフィスビル街の一角にあります。
 園は平成22年4月1日に開設され、現在0〜 5歳児59名(定員60名)が在籍しています。保育園は1階に商業店舗が入ったマンションの2階に入っており、保護者・子どもの登降園の際は、階段のほかにエレベーターを使用できます。
 園より徒歩5分のところに山下ふ頭に沿って山下公園があり、その近隣には大さん橋や赤れんが倉庫が連なっています。また、徒歩15分の距離に横浜公園やみなとの見える丘公園などがあり、子どもの年齢・発達や状況に合わせて、散歩や遊びに利用しています。


・特徴
 園目標には「大切にしよう!元気なあいさつ・ありがとうの気持ち のびのびと育てよう!心とからだ」を掲げ、職員はこれを行動規範として保育にあたっています。
 設置法人の専門講師による「英語」「体操」「リトミック」、栄養士による「クッキング保育」など、学ぶ楽しさを育むプログラムがあります。


【特に優れていると思われる点】
1.積極的な保育への保護者の受け入れ
 保育参観は、年に2回、1週間の参観週間を設けています。その他、ハロウィンやクリスマス会などの行事の際には、随時保育参観を受け入れています。また、2〜5歳児については、園児一人一人の誕生日に保護者を招待し、保護者は1日、職員の手伝いをしながら保育に参加しています。その日は子どもと一緒に給食を食べるなど、親子が楽しみにしている行事となり、特別な日として両親で参加するケースが増えています。


 
2.地域環境を有効に生かした園外活動
 園には31uの狭い園庭しかないため、天気の良い日には、必ず近隣の山下ふ頭沿いの「山下公園」や「港の見える丘公園」などに出かけ、子どもたちは自然に触れ、外遊びで十分に体を動かしています。また、横浜観光の中心地に位置している保育園の利点を生かし、積極的に地域の「KAAT 神奈川芸術劇場」「赤レンガ倉庫」「ハッピー広場 ハッピーローソン山下公園内」などの文化、公共施設に出かけて、地域の人たちとあいさつを交わして交流しています。


  
【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.保護者の自主的な活動が生まれるように、更なる支援を
 年2回の運営委員会では、園全体の様子を伝え、その後のクラス懇談会で子どもたちの成長の様を伝えており、90%の保護者が参加しています。また、保護者の園行事への参加やお手伝いも盛んです。この機会を活かして、保護者同士の交流や保護者と園との交流により、さらに友好的な関係づくりへの支援が期待されます。 


2.地域への子育て支援のやり方にさらなる工夫を
 官庁街の中の地域住民の少ない環境では、園として地域住民とともに子育て支援を行うことは、極めて困難です。中区の子育て支援事業に積極的に参加して、支援・協力することが望まれます。また、子育て支援組織とのつながりを持ち、園の育児相談などの情報を知らせるとともに、見学者の育児相談を機会に、気軽に育児相談ができることを伝え、情報提供することが期待されます。


3.平時より「第三者委員」を保護者に紹介する努力を
 第三者委員については、入園説明会、夏祭りや運動会などの行事に来園してもらい、保護者に紹介することで、普段から園には第三者委員を経由する「苦情解決の仕組み」があることを、確認し合っておくことが求められます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・「保育園業務マニュアル」には子どもへの言葉のかけ方など、子どもを尊重したサービスの標準的な実施方法が明示されています。職員は設置法人の入社時研修や階層別研修で学び、職員会議で振り返り、確認し合っています。


・性差に関しては、遊びの種類や役割、色や順番、グループ分けなど、性別による固定観念を植え付けないよう、子どもが自由に選択できるように配慮しています。「母の日」「父の日」のような男女別の行事なども、性別に関係のない「ペアレンツデー」として取り組んでいます。


・設置法人の「保育園業務マニュアル」の中に「個人情報について」を規定するほか、「個人情報管理規程」「個人情報保護マニュアル」が整備されています。入社時研修で、保育園で働くうえでの姿勢や法令順守・守秘義務について学び、個人情報守秘義務遵守の誓約書を提出しています。個人情報に関する取り扱いについて、入園時に保護者に説明し、ホームページなどに子どもの写真を掲載することについては、書面で同意を得ています。


・設置法人には「虐待対応マニュアル」があり、全職員は入社時研修などで、虐待の定義や防止に向けたポイントなどについて理解しています。虐待が疑わしい場合は担任から園長へ、園長から設置法人へ報告し、その指示を得て中区子ども家庭支援課、横浜市中央児童相談所へ通報・相談できる体制を整えています。


・園での外国籍や帰国子女への対応に関して、子どもたちは毎週の英語教室で、外国人講師と英語に親しむ機会があり、その機会を通じて、世界には日本以外の国があり、言葉や文化に違いがあることを学んでいます。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・保護者には年度初めの運営委員会で保育の基本方針を話しています。また、行事や懇談会で子どもの様子や保育の基本方針を伝えるようにしています。各行事の後には保護者アンケートを実施し、意見や感想を聞いています。毎日の送迎時には、できる限り多くの保護者に声をかけ、話しやすい雰囲気づくりをしています。クラス懇談会を年2回、個人面談を年2回行い、保護者から直接園に対する意向や要望を聞くようにしています。


・乳児クラスでは、職員は子どもの心に寄り添って関わり、思いを受けとめ、成長過程を捉えて、サークルや牛乳パックで作った柵で囲って小さな居場所を作ったり、マットを利用してコーナーを作り、子どもたちが落ち着いて遊べるようにしています。幼児クラスでは、子どもに「何がしたいのか、どのようにしたいのか」を問いかけながら、机の上での個別の遊びができる場を確保し、キッチン台やままごとセットの前ではごっこ遊びが、広いスペースでは組み立て遊びなど、子どもが落ち着いて遊べる環境を工夫しています。


・職員は子どもをよく観察して食べ方や食べる量を把握し、少食の子どもには、あらかじめ盛り付けを少なくして、食事を楽しめることを大切にしています。お代わりの時間や、食事終了時間は年齢に合わせて、壁掛けの大きな時計の数字やカラーマークで時間を示して、子どもが自分のペースで食べることができるよう、言葉をかけて支援しています。月1回クッキング保育(2歳児以上)に取り組み、食べることへの関心と楽しさを伝えています。


・基本的生活習慣を身につけるために、保護者と連携しながら手洗い、服の着脱、トイレットトレーニング、歯磨き、スプーンから箸への移行を進めています。子ども一人一人のペースを大切に、子どもができたことを褒めながら取り組んでいます。


・午睡は、眠れない・眠くない子どもには無理強いせず、布団の中で静かに過ごせるようにしています。また、絵本の読み聞かせをしたり、体をなでて心地よく眠れるよう配慮しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

保育課程は、保育理念や基本方針「子どもの自ら伸びようとする力、後伸びする力を育てる保育を、感受性や好奇心を自然な形で伸ばす、五感で感じる保育の充実を」に則って、さらに、園目標として「大切にしよう!元気なあいさつ・ありがとうの気持ち のびのび育てよう!心とからだ」を掲げ、養育、教育、地域との関係など、年齢別に子どもの発達状況に合わせて作成しています。


・指導計画は、保育課程に基づき、年齢ごとに年間指導計画、月間指導計画、週案を、クラスリーダーと担当職員で日常の子どもの成長の様子に合わせて作成し、職員会議などで話し合って全職員が共有化しています。


・食物アレルギー疾患のある子どもについては、入園時に保護者から医師の「生活管理指導表」を提出してもらい、栄養士と面談して対応を協議し、園長、担任に伝えています。誤食事故を防止するため、アレルギー児の食事はお代わり分も含め、名前付きの緑色の専用トレイに乗せ、栄養士と職員が確認し、保育室内で再度職員同士が声を出して確認しあったうえ、最初に配膳しています。アレルギー児の机は別に用意して、職員が一人付き、誤食を防いでいます。


乳幼児突然死症候群対策として、うつぶせ寝を禁止しています。0歳児は5分毎、1、2歳児は10分毎に呼吸チェックをして記録しています。うつぶせ寝や横向きの子は仰向けに直し、記録しています。幼児は30分毎に呼吸チェックをしています。


・子どもたちの健康診断は年2回、歯科健診は年1回、蟯虫検査は年1回、3、4歳児対象の尿検査を年1回、4歳児対象の視聴覚検査を年1回嘱託医によって実施しています。健康診断結果や身体測定の結果は、決められた書式によりその都度保護者に伝えています。また、すべての子どもの健康診断結果に基づいて、嘱託医と常時相談ができるように連携を図っています。


・設置法人の作成した衛生管理マニュアルがあり、これに基づいて衛生管理を行っています。


・設置法人の作成した安全管理マニュアルが整備されており、保育室のロッカーは耐震シートを設置し、本棚・布団庫などはネジで固定し、転倒防止対策をしています。非常災害時を想定して、毎月通報訓練、避難訓練、消火訓練などを、年に1回不審者対策の訓練を行っています。保護者への緊急連絡体制や、医療機関など緊急連絡先をリストにし、緊急時にはどの職員でもすみやかに対応できるようになっています。


・幼児安全法の資格を取得して、子どもの緊急時対応に備えています。園から横浜港の海までの距離は200m弱、海抜も0mと低く、水害に見舞われることが想定されます。園では月々の避難訓練の中に、乳児・幼児ともに非常階段を使い、5F(約15m)へ避難することを組み入れて実行しています。


重要事項説明書に苦情・相談受付連絡先として、第三者委員、苦情受付担当者(リーダー職員)、苦情受付責任者(園長)、設置法人、中区福祉保健センターこども家庭支援課を記載し、入園説明会で保護者に説明しています。

4 地域との交流・連携

・近隣の本町小学校で行っている園の運動会に、地域住民を招待しています。また、中区区民まつり「ハローよこはま」や中区主催の「保育園駅伝大会」に毎年参加し、年4回、幼保小の連絡会議に園長と5歳児クラスの担任が出席をして情報交換に努めるとともに交流を図っています。ハロウィン行事ではホテルなど近隣施設に協力を依頼し、仮装して訪れた子どもたちへお菓子の配布をお願いしています。


・園の見学者からの育児相談があり、随時相談を受けています。前年度まで、山下公園内コンビニエンスストアで開催していた「りんくひろば」での育児相談は、今年度は職員に余裕がなかったので実施できませんでした。


・天気の良い日にはできるだけ散歩に出かけて、子どもたちは近隣の方とあいさつを交わしています。山下公園への散歩時、太極拳をしている馴染みの方たちとハイタッチのあいさつを交わしています。遠足などの行事の前に近隣の大型スーパーマーケットへ買い出しに行って、地域の人たちと交流を図っています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・倫理規律、服務規律については就業規則、社会人としての心構えやコンプライアンスについては保育園業務マニュアルに明記され、職員は入社時研修で理解しています。また、設置法人にコンプライアンス委員会を設置し、職員の不正を直接通報できる内部通報制度があり、事務室に掲示しています。


・保護者に協力してもらい、エコキャップを回収しています。ゴミの分別を行い、ゴミの減量化とリサイクルのための取り組みを行っています。保護者から牛乳パックやペットボトル、新聞紙などの廃材を提供してもらい、製作や手作り玩具、コーナー作りの材料として利用しています。また、行事参加の際には、箸やコップを持参してもらい、省エネ活動に協力を呼び掛けています。


・各行事の後に保護者アンケートを実施しています。また、年度末を控えた2・3月には保育全般にわたって1年間を振り返ったアンケートを実施し、保育方針の理解度を確認ができるようにしています。アンケート結果については、年度初めの運営委員会において、園長より口頭にて説明し、保護者の理解を得ています。


・園目標を玄関に掲示し、理念・基本方針を事務室に掲げ、設置法人発行の小冊子「明日への保育」は入社全社員に配付しています。設置法人作成の理念をまとめた「クレド」を全職員に配布し、配付時に全員で内容を読み合わせています。


・運営に関し、設置法人では弁護士や会計士などの専門家の意見を取り入れています。園では設置法人の研修や外部研修でリスクマネジメントの専門家の研修を受け、また、障がい児保育に関して横浜市中部地域療育センターの助言を受けています。

6 職員の資質向上の促進

・園長は人材構成が十分か否かをチェックし、必要な場合は設置法人に補充を申請します。職員の研修計画は、設置法人作成の「保育士人材育成ビジョン」に基づいて、職員は、年度初めに園長と面談し、自己啓発目標を定め、前期・後期の研修計画を作成します。その後、半期に一度園長面談を行い、進捗状況の確認・評価・反省をしています。


・設置法人の職員向け研修は経験年数別に必須の階層別研修と自由に選択できる自由選択研修があります。自由選択研修には非常勤職員も参加が可能となっています。設置法人は職員からの研修レポートやアンケート、「職員意見BOX」からの意見を参考に、研修体制や内容の見直しをしています。また、横浜市や中区の研修もあり、職員は積極的に受講しています。研修後、レポートを提出して職員会議などで情報を共有しあい、資質の向上を図っています。


・設置法人には職員の育成研修の一環として、主任研修があります。今年度は主任がいないため園長が主任業務を兼ねており、提出書類の点検を行なったり、自ら保育に入ったり、実際に現場を観察することで、職員の業務状況を把握しています。


・園長は若い職員に対しては、社会人としての常識や保育技術に関することまで、助言・指導を行っています。また、職員の体調が悪そうな時は声かけして早退や休みをとるように促し、シフトの調整をしています。職員の休暇希望を取り入れてシフトを作成するなど、職員の精神的・肉体的な健康面に配慮しています。


・「実習生受け入れマニュアル」があり、園長が実習生に対し、園の保育方針、利用者へのプライバシー保護や守秘義務について説明しています。受け入れ担当者は園長ですが、今年度は受け入れの実績はありません。

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