かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アートチャイルドケア津田山きらら(5回目受審)

対象事業所名 アートチャイルドケア津田山きらら(5回目受審)
経営主体(法人等) アートチャイルドケア株式会社
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 213 - 0033
高津区下作延6-6-21 アネックスK1階
tel:044-281-8889
設立年月日 2008(平成20)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年08月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【概要・立地面の特色】
アートチャイルドケア津田山きららは、JR南武線津田山駅から徒歩3分程度のところにあります。津田山駅の以前の工場跡地東側には川崎市立下作延小学校があり、西側は「スノーヴァ溝の口R246」(全季節対応屋内スキー場)、食品スーパー、川崎市子ども夢パークとなっています。また、駅周辺には霊園関連の店が多いのも特徴的な津田山です。近年、南武線のアクセスが格段に向上し、川崎への通勤はもとより、登戸、溝の口、武蔵小杉経由で東京への通勤にも便利なことから、住宅地として見直され、発展が目覚ましい地域でもあります。
アートチャイルドケア津田山きららは、平成20年にアートチャイルドケア株式会社の保育新事業の認可保育園として開園し、定員30名、在席児童31名の保育を行っています。園はマンションビルの1階部分で、玄関を入ってすぐの部屋は幼児の保育室となっており、左側は乳児の保育室とし、乳児室の奥に事務室を設け、子ども、保育士にも目が行き届くようになっています。登降園は原則として玄関前のホールで出迎え、保育士(含む園長、主任)は保護者と密にコミュニケ―ションを図り、温かみのある保育園作りがされています。


【保育方針】
アートチャイルドケア津田山きららは、法人企業理念、保育理念、保育目標、基本方針に沿って保育事業のコンセプトを「生きる力」に据え、「生きる力」の保育の実現に向けて、『生命を大切にする子ども』、『心身共にたくましい子ども』、『優しく思いやりのある子ども』の育みに取り組んでいます。生きる力とは、一人ひとりの成長に合わせて、“ふた葉”を保育者の援助により“りんごの実”に育てて行くことで、感動する心、たくさんの気付き、自分以外の人間の心に気付く思いやりの心や、忍耐力などを育成することをねらいとして、実践しています。理念に沿って保育を推進するために、保育士はアートチャイルドケアの誓いを毎日唱和し、自らの自覚と共に、心から子どもの成長を考えた保育を推進しています。


【特に良いと思う点】
1. 【子どもに向き合う保育の推進】
アートチャイルドケア津田山きららでは、「向き合う保育」を展開しています。「向き合う保育」とは、「保育士が子どもの目線に合わせ」⇒「お互いの気持ちに気付き」⇒「心を通い合わせる」⇒「信頼関係が築かれる」サイクルを循環し、大人の都合で子どもたちを“向かせる”のではなく、大人自らがこのサイクルを心がけています。保育士は、子どもの目線を大切にし、一人ひとりと向き合い・関わり合い、日常を通じて保育士と子ども、子ども同士の信頼関係を築いています。31人の小規模園の良さを生かした家庭的な保育を実践しています。


2. 【遊びを土台とした保育】
アートチャイルドケア津田山きららでは「向き合う保育」の1つとして、外部から講師を招き、遊びを土台とした体操教室と英語教室を展開し、年齢別に目標を設け、各々隔週で行っています。楽しく遊びながら『知育』『体育』『愛情』『礼節』『集中力』『バランス力』『情操』を育成し、人間形成への重要な幼児期の感性を育んでいます。らに、体操講師が行う子どもの補助の仕方等から職員も体操の指導の方法について学ぶ機会としています。


3. 【食育の推進】
アートチャイルドケア津田山きららでは食育に力を入れ、少人数体制のメリットを生かし家庭的な食育を進めています。年間の食育計画を保育士と栄養士で立案し、推進しています。食育に伴う栽培ではプランターで夏野菜を育て、子ども一人ひとりのバケツに稲作をして収穫する等、興味・関心につなげ、調理体験では月に1〜2回実施し、給食では三色食品群の栄養の話をして食への意欲を促しています。平成29年1月の食育では、栄養士が体の「食道・胃・小腸・大腸」をイラスト化したエプロンを着用して、季節の「七草」の話しを伝え、楽しく健康の興味につなげています。今後は、調理体験以外にも栄養素について、絵本の活動への取り組みに期待されます。

【さらなる期待がされる点】
1. 【さらなる本部機能の活用と統一された保育活動の展開】
アートチャイルドケア津田山きららでは法人本部、園が一貫して「生きる力を引き出す保育」、「遊びを土台とした向き合う保育」を推進し、職員は法人本部の作成したマニュアル、書式等を活用した保育の展開が図られています。開設から安定までの段階では早期展開に効果があったと思われますが、「生きる力を引き出す保育」、「遊びを土台とした向き合う保育」の実施や、さらに遊びを土台とした3つの柱の遊びとして体操、英語教室、絵本に関しても次なる段階への展開が期待できます。1つ々が大きな発展性を秘めている大きな命題ですので、現状に満足せずバージョンアップした各々の次ステップを見せてもらえることを期待しています。


2. 【正規職員の量と質の充実】
現状、各保育園とも保育士の確保に苦慮し、保育士の絶対数の確保と質の向上が求められる中、アートチャイルドケアの保育園では派遣の保育士を活用しています。派遣保育士は保育技術の面では保障されていますが、園の発展の為では業務に1線を画し、派遣会社規定の範囲に定められた中、一丸となって標準化を図って進んでいくには踏み出しにくい状況も否めません。正規職員の確保のために、地元の若い力を自園で育成するなどの方策等の一考が望まれます。時間は要しますが、正規職員への育成の早道ということも考えられますので、検討等を期待しております。


3.【派遣保育士、新人職員の有効体制の構築について】
派遣の保育士、新人職員を有効に活用する1つの考え方として、徹底した業務分析が挙げられます。保育士がやるべき業務を徹底的に洗い出し、具体的な業務として与えることです。これには法人本部と共同で与えるべき業務を詳細に明確にし、管理職はその進捗を管理する方法です。管理職は管理業務と隙間となる業務及びオーバーフローをした業務を担当することになりますが、派遣会社との明確な契約により派遣保育士の業務範囲が明確になります。ただし、この方法は大きく展開している組織に有効であり、徹底した業務分析については法人本部主導で実施してみる価値はあるのではないかと思います。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●自由保育では、子ども自身が好きな遊びを選択できるようコーナーを設定し、子どもの思いを大切にした保育を進め、自主性を高めるよう取り組んでいます。保護者や子どもの情報は、職員間で共有し、子どもを尊重したサービス提供について共通認識を図っています。子どもの人権については、川崎市の子どもの権利条例を配布し、園内研修を実施して意識を高めています。


●虐待の早期発見については、対応マニュアルを完備し、保護者と密にコミュニケーションを図り、送迎時に親子の関係、子どもの心身の状態の変化に気付くようにしています。職員は虐待に関する対応、知識をマニュアルに沿って園内研修で学び、共通認識の基、予防に努めています。園では、複数職員での担当制を設定し、職員間で注意し合う環境を整え、複数の職員が関わりながら子どもを見守っています。


●プライバシー保護に関しては、「プライバシー保護に関するマニュアル」を整備し、特に肖像権については、入園時の説明会において保護者と書面で取り交わした上で掲示、掲載するようにしています。園外に写真や情報を提供する場合は、送迎時等に保護者に伝え、同意を得るようにしています。また、写真使用時は都度、保護者から承諾書をもらっています。就学先の小学校に児童要録を送る際は、保護者にも知らせています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

●利用者満足の把握に向けて、玄関に意見箱を設置して意見を述べられる環境作りを行い、行事後はアンケートを実施し、集計結果は開示しています。また、年1回、法人主催で年度末にCSアンケートを実施し、結果は保護者への公表及び運営委員会で意見を聞き、保育に反映させています。保護者からの意見は職員会議で話し合い、園全体で改善に取り組み、次年度につなげています。園全体に関する利用者満足度については、今年度、第三者評価を受審し、保護者のアンケート結果や評価の結果を得て、利用者満足の向上に役立てていきます。


●苦情解決の仕組みについては、苦情解決窓口、苦情解決責任者、第三者委員の連絡先等、苦情解決体制を掲示し、直接苦情を申し出ることができることを掲示し、保護者に知らせています。園では、保護者が相談や意見が言いやすい雰囲気作りに努め、年1回以上個人面談を実施して意見を聞き、一人ひとりの思いを大切にするようにしています。子どもの意見等は日々の保育を通して常に子どもの声に耳を傾け、保育に取り入れるようにしています。


●3歳未満の子ども、障害をもつ子どもについては個別指導計画を作成し、発達の過程や生活環境等を理解し、一人ひとりに合った対応を心がけ、個別にカンファレンスを行い、個々の発達に沿って保育にあたっています。配慮が必要な子どもについては、通常保育の中で共に育まれる保育を心がけ、必要に応じて法人専属の専門の先生に助言を得、全職員で援助しています。


●朝の受け入れ時は、受け入れた職員が保護者から家庭での様子や子どもの体調等を聞き、引継ぎノートに記入し、朝礼にて職員間で情報を共有しています。休息(午睡含む)については、寝食、遊びの場所をそれぞれ確保し、静かな環境で休息できるよう配慮し、また、家庭での生活状態を考慮して調整する等、子どもの生活リズムを大切にしています。年長児は、就学に向けて徐々に午睡を減らし、小学校生活に備えるようにしています。その日の子どもの様子や健康状態等は、昼礼での情報共有や日課表、伝言ノートを活用して担当職員以外でも保護者に伝えられるようにしています。


●延長保育は、子どもが落ち着き、安定した気持ちで過ごせるよう環境を整え、玩具の設定にも工夫しています。子どもたちは、部屋を広々と使って遊び、元気に楽しく過ごしている姿を調査訪問時に確認できました。延長保育では補食や、夕食を提供し、お迎え時は子どもの体調等について保護者に伝達できるよう申し送りの体制を整えています。異年齢保育については、日常から異年齢で過ごす機会を設け、朝夕の合同保育では異年齢で一緒に遊べる遊びのコーナーを設定し、楽しく過ごせるよう保育環境を整えています。


●給食は和食を基本とした献立を提供し、おいしく食べることを大切にして年齢ごとのテーブルに担任保育士が付き、その日の出来事などを話しながら楽しく食べられるよう食事環境と食育に取り組んでいます。食物アレルギーをもつ子どもについては、川崎市の基準に沿い、医師の指示書を基に対応し、アレルギー除去食は、別盆にて誤配膳、誤食が無いよう徹底しています。体調の優れない子どもは、家庭と連携し、園の可能な範囲で配慮食にも対応しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

●園の必要な情報は、ホームページ、法人の情報誌「きらきら通信」、パンフレット、園のしおり、園入口の掲示板により情報を提供しています。また、園見学者にもパンフレット、入園案内を配布しています。サービス利用開始後は慣れ保育を実施し、期間、日程の目安を説明し、他園に通園経験のある子どもや家庭の事情を考慮して臨機応変に対応し、子どもの不安やストレスの軽減に努めています。


●指導計画は、保育課程を基に、アセスメント・評価に沿って年間指導計画を策定し、各クラス担任が期間、月間、週案、日案を立案し、共有しています。乳児及び幼児で必要な子どもについては個別月間指導計画を策定し、個人記録に沿ってアセスメント・評価・個人別カンファレンスを実施しています。子どもに関する実施状況は、アセスメントは統一ある様式を活用し、日常保育の記録(児童票の追記、個人面談記録、個人記録等)を行い、共有及び把握を行い、個人情報は管理に十分留意し、適切に保管しています。記録の記入方法については、園長が助言・指導し、記録の仕方の統一に努めています。


●提供するサービスの実施方法については、アートチャイルドケア保育園共通の各種マニュアルを完備し、マニュアルに沿って標準的な実施方法により保育を実践できるようにしています。年間指導計画は、年間・期・週ごとに評価を実施し、反省と見直しを行い、改善点を次年度に生かせる仕組みを構築しています。反省と見直しについては園長、主任がチェックし、修正及び加筆し、共通認識を図っています。

4 地域との交流・連携

●地域に向けた情報は、インフォメーション(掲示板)を園の入り口に設置し、園の行事やイベント情報を提供し、ホームページにも掲載して地域に発信しています。また、地域の自治会にもお知らせしています。さらに、地域の商店街等を活用し、園の情報の案内の配布や、ポスター等の工夫の取り組みを検討し、町内会の行事や子ども会等の行事に参加する等、地域との交流の取り組みに期待されます。


●高津区主催の子育てイベントや、行政等の情報を入手し、園が参画でき得る取り組みを検討し、地域の子育て親子、他保育園との交流・活動を図っていく意向でいます。地域のボランティアについては、法人本部と連携し、受け入れ体制を準備しています。


●関係機関との交流、団体との連携では、高津区公私立園長会、高津区ブロック園長会議、高津地区幼保小連携会議等に出席して情報交換を図り、川崎市中央療育センターや、高津区保健センター、児童相談所、地域民生委員とも連携し、情報を得ています。また、地域の老人福祉施設と交流があり、園に来訪してもらい園児と一緒に遊ぶ機会を設け、行事(ハロウィン)等を通して交流を図っています。今後、福祉ニーズに対応する事業、活動に協力できる体制作りに取り組んでいきます。

5 運営上の透明性の確保と継続性

●法人で作成された3カ年経営方針を基に、年間の経営方針計画が策定され、それに沿って保育課程、年間指導計画、各年齢の年間計画を立案し、園全体で共有を図っています。園長の役割、責任、職務については就業規則に明文化され、人事考課項目にも詳細に定め、日々の朝礼、昼礼等で園長自ら表明しています。また、運営組織及び職務分担表を作成して分掌業務を明確にし、サービスの質の向上に努めています。


●園長は、理念、方針の実現を前提に人事配置の適正に努め、保育業務を明確にして、運営に尽力しています。サービス内容は定期的に見直しを行い、保護者からの意見、園の課題を職員会議等で検討し、高津区ブロックの園長会議での報告は会議等で職員に伝え、改善に向けて園全体で取り組んでいます。


●保護者に対して、行事ごとにアンケートを実施し、年1回顧客満足度(CS)アンケートを行い、利用者の意見を把握しています。CSアンケート結果は法人本社で集計・分析し、園にフィートバックを受け、第三者評価受審の機会を改善にもつなげていきます。利用者満足に向けた取り組みの結果は、改善に向けて職員間で検討し、改善結果は保護者に伝え、保育に反映させるようにしています。

6 職員の資質向上の促進

●法人本社の採用戦略室を中心に、人材の採用・確保に注力し、川崎市の職員配置基準での必要数と各職種(保育士、栄養士、看護師)の役割に応じた人員体制を構築しています。新入職員の教育については、OJTによるメンター制度(新人教育係)を導入して人材育成を図っています。また、園の入所状況、保育時間等を踏まえた上で、早・遅番の短時間非常勤職員の雇用により、常勤職員の長時間勤務の軽減に努めています。


●職員の教育・研修に関しては、法人の経営方針計画に策定され、法人本社主催の年間研修スケジュールを示し、職員に参加しやすいようにし、職員の資質向上、専門性を高めるよう取り組んでいます。職員は、個別の研修計画に従い、法人本社主催の研修と共に外部研修に参加して研鑚を図っています。年度末には、個別で受講した研修の反省を含めて見直しを行い、次年度の計画に反映しています。


●園長は、職員の日々の様子を確認し、人事考課の面談、職員アンケートを実施して要望・意向を把握し、年次有給休暇の消化バランスや、時間外勤務の状況を確認し、長時間勤務にならないよう月次でチェックを行い、働きやすい職場環境作りに尽力しています。福利厚生では、法人でベネフィットステーション(福利厚生のアウトソーシングサービス)に加入しており、職員の健康維持、リフレッシュに配慮しています。また年1回、健康診断を受診し、産業カウンセリングを受けられる体制も整え、職員の健康管理を行っています。

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