かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アートチャイルドケア武蔵中原(3回目受審)

対象事業所名 アートチャイルドケア武蔵中原(3回目受審)
経営主体(法人等) アートチャイルドケア株式会社
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 211 - 0041
中原区下小田中1-22-11フラワーハイツ中原1階
tel:044-750-2123
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年08月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【概要・立地面の特色】
アートチャイルドケア武蔵中原は川崎市のほぼ中央の中原区に位置し、北東部は東京都大田区と隣接し、その境には一級河川の多摩川が流れています。また、人口・世帯数は川崎市の中で最多であり、東京都心部や川崎・横浜へのアクセスに恵まれ、多摩川周辺の水辺や緑地の自然を生かした潤いのある街作りが進められています。アートチャイルドケア武蔵中原は、JR南武線武蔵中原駅から徒歩5分程度、東京・渋谷に通じる中原街道沿いに位置しており、武蔵中原駅から保育園までの道中には大戸神社もあり、周辺は昔ながらの町の風情が残った町並みが伺えます。アートチャイルドケア武蔵中原は、平成24年にアートチャイルドケア株式会社の保育新事業の認可保育園として開園し、定員40名、在席児童39名の保育を行っています。園舎は、マンションビルの1階部分にあり、玄関前には限られた敷地内に園庭も設け、夏には水遊びを行い、子どもたちの楽しい声が道すがら聞こえます。玄関入って左手は事務室になっており、事務室は来訪者、保育室へも目が行き届く造りになっています。送迎は原則的に玄関前のホールで行い、保育士(含む園長)が温かく迎える送迎風景が微笑ましい保育園です。 

       

 【保育方針】

アートチャイルドケア武蔵中原は、法人企業理念、保育理念、保育目標・方針に沿って保育事業のコンセプトを「生きる力」に捉え、「生きる力」の保育の実現に向けて、『生命を大切にする子ども』、『心身共にたくましい子ども』、『優しく思いやりのある子ども』の育みに取り組んでいます。「生きる力」とは、一人ひとりの成長に合わせて、“ふた葉”を保育者の援助により“りんごの実”に育てて行くことで、感動する心、たくさんの気付き、自分以外の人間の心に気付く思いやりの心や、忍耐力等を育成することをねらいとし、保育を実践しています。理念に沿って保育を推進するために、保育士はアートチャイルドケアの誓いを毎日唱和し、自らの自覚と共に、心から子どもの成長を考えた保育を推進しています。 


【特に良いと思う点】                                                                 

1. 【子どもに向き合う保育の推進】
アートチャイルドケアの保育の理念である「生きる力」を伸ばし育むために、生命を大切にし、心身共にたくましく、優しく思いやりのある子どもを育成するよう「向き合う保育」を推進しています。特に配慮を要する子どもについても、関係機関と連携を取りながら、日常活動を通じて保育士と子ども、子ども同士の信頼関係を築くよう努めています。そして、在籍児童数39人の小規模園の良さを生かした家庭的な保育を実践しています。


2. 【遊びを土台とした保育@】
「遊び」とは他人を認め、自然の美しさを知り、自分で考えて興味の幅を広げるものであり、幼児期には遊びを通じて成長していき、特に、体作りは「生きる力」の根幹を形成する源です。アートチャイルドケア武蔵中原では、外部講師による体操教室を展開し、園の意向、年齢別のねらいに沿って目標を設け、隔週で実施しています。遊びを土台とした体操教室を通じて「礼節」、「集中力」などが身に付くよう育んでいます。


3. 【遊びを土台とした保育A】
アートチャイルドケア武蔵中原では外部講師による英語教室を展開しています。体操教室と同様に、遊びを通じて子どもの成長を育み、英語教室では、英語の歌や発音を通して、音感、リズム感、視覚的な発達も期待されます。また、運動能力の向上と強い体力の醸成、そして体感したリズム感は一人ひとりの子どもの資質向上に効果が望め、期待されます。英語教室も園の意向とねらいに沿って進めています。


【さらなる期待がされる点】
1.【地域とのさらなる交流】
平成24年度に開設し、地域との交流も少しずつ増え、園の行事やイベントの際は、参加を呼びかけています。園では子育て支援の充実や、「the0123アート子育て研究所」(法人系列の子育て研究所であり、子育てについての幅広い情報をHP上で提供)の紹介など、来年度から本格的に実施したいと考えています。また、「中原っ子祭り」への協力、公立保育園との合同避難訓練も実施しました。これらを積み重ねる努力は、地域との交流・協力体制として実を結んでいくと思います。継続と共に、地域とのさらなる交流に向けて活動していくことが望まれます。


2. 【正保育士の量と質の充実】
現状は、保育士の確保に苦慮していますが、保育士の絶対数の確保と質の確保が求められる中、アートチャイルドケアの各園では派遣の保育士を活用しています。派遣保育士は、保育の質・技術の面では保障されているものの、派遣会社の範囲内に止まる点で、園の発展につながりにくいという課題もあります。人材の確保と、保育の質向上のためにさらなる正規保育士の育成が期待されます。


3.【派遣保育士・新人保育士を使いこなせる体制の構築】
派遣の保育士、新人保育士を有効に活用する手段のもう1つの考え方として、徹底した業務分析が挙げられます。保育士がやるべき業務を徹底的に洗い出し、具体的な業務として与えることです。これには法人本部と共同で与えるべき業務を詳細に明確にし、管理職はその進捗を管理する方法です。管理職は管理業務と隙間となる業務及びオーバーフローをした業務を担当することになりますが、派遣会社との明確な契約により派遣保育士の業務範囲が明確になります。ただし、この方法は大きく展開している組織に有効であり、徹底した業務分析については法人本部主導で実施してみる価値はあるのではないかと思います。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●園では、集団生活に耐えうる人格を形成しながら、成長できるよう、一人の人間として尊重した保育を実施しています。保育士は、常に子どもを褒め、一人ひとりの成長に合った保育を心がけています。また、子どもを尊重し、戸外遊びでは遊ぶ遊具は子どもの意志決定に任せ、自主性を高めています。保育士の言葉遣い等に関しては、職員間で互いに注意し合い、新入職員には、研修で周知徹底しています。性差、文化、宗教等について固定観念を持たないよう共通認識を図っています。


●虐待の早期発見ついては、マニュアルがあり、毎日の着替えの際に観察を行い、早期発見に努めています。また、園内研修を実施し、職員で虐待における知識や共有を図り、子どもの心身の状態、保護者の様子を把握し、予防に努めています。専門機関とは、連携体制を整えている他、中原区では個別支援ワーカーが家庭訪問も実施しています。


●プライバシー保護に関しては、「プライバシー保護に関するマニュアル」を整備し、特に肖像権については、入園時の説明会において保護者と書面で取り交わした上で掲示、掲載をするようにしています。
園外への写真使用に関しては、都度、保護者から写真使用承諾書をもらっています。就学先の小学校に児童要録を送る際は、保護者にも知らせています。園庭での水遊びの際は、子どもの羞恥心やプライバシーに配慮し、テントで目隠しする等、外から見えないように配慮しています。保育士は、子どもとの関わりを大切にし、子どもの気持を大事にして保育にあたっています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

●保護者の意見は、運営委員会(保護者代表、第三者委員、園長、本社関係者)、保護者会の開催、個人面談時、行事後のアンケートにより意見等を把握する機会を設けています。また、法人では年1回、CSアンケートを実施し、集計結果は園にフィードバックされ、利用者満足に努めています。保護者からの意見や要望等は、真摯に受け止め、園全体で改善に取り組み、計画に生かしています。今年度、第三者評価を受審し、利用者アンケートや評価の結果を得て、利用者満足の向上に役立てていきます。


●保護者とは、送迎時の会話を大切にし、話せる雰囲気作りを行い、担当保育士だけでなく、全職員で対応に努め、子どもたちの状況についても園全体で把握し、かかわるようにしています。子どもの意見は、日々の保育を通して常に子どもの声に耳を傾け、意見を保育に取り入れるようにしています。


●職員は、子どもの家庭環境、生活を把握して総合的な姿を捉え、連絡ノート等で保護者と密に連携を図り、一人ひとりに応じた対応に努めています。子ども同士のケンカについては、保育士はケガがないよう見守りながら、双方から話を聞き、お互いの気持ちを伝えられるよう援助しています。統合保育については、職員は共通理解の基、園全体でかかわり、無理のない範囲で集団生活に溶け込めるよう支援し、通常保育の中で共に成長できるように援助しています。定期的に川崎市中央地域療育センターの巡回を受け、情報交換を行い、助言・指導を受けて保育に生かしています。


●朝の受け入れ時は、受け入れた職員が保護者から家庭での様子や子どもの体調等を聞き、引継ぎノートに記入し、朝礼にて職員間で情報を共有しています。日々の子どもの様子については、昼礼や日課表、伝言ノートを活用して共有を図り、担当職員以外でも保護者に伝え漏れのないようにしています。休息(午睡)については、寝食、遊びの場所をそれぞれ確保し、静かな環境で休息できるよう配慮し、家庭での生活状態を考慮して調整しています。年長児は、午睡を徐々に減らす等、就学に向けて環境作りをしています。


●延長保育の時間は、子どもが落ち着いて過ごせるように環境を整え、玩具の設定にも工夫し、補食や夕食を提供しています。子どもたちは部屋を広々と使って遊び、元気に楽しく過ごしている姿が調査訪問時に確認できました。合同保育(朝夕)では、異年齢で楽しく遊べるよう遊びのコーナーを設定し、保育環境に配慮しています。


食育活動では、食事に関心を持てるよう取り組んでいます。献立は和食を基本とし、おいしく食べることを大切にし、年齢ごとのテーブルに担任保育士が付き、その日の出来事等を話しながら楽しく食べられるよう、食事の環境に配慮しています。食物アレルギーを持つ子どもについては、川崎市の基準に沿い、医師の指示書に基づいて適切に対応しています。除去食に関しては、別盆にて配膳対応し、チェックを行い、誤配膳、誤食が無いよう徹底しています。体調の優れない子どもは、家庭と連携し、園でできる範囲で配慮食に対応しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

●川崎市役所、園独自のホームページ、パンフレット、ミニ版パンフレット、入園のしおり、中原区の広報誌等で園の情報を提供しています。園のホームページのブログも毎月更新しています。園見学については、施設長が対応し、園内の案内、保育内容の詳細を説明しています。慣らし保育は、保護者に日程の目安を説明し、家庭の事情を考慮して実施し、子どもの不安やストレスの軽減に努め、子どもが安心して園生活を始められるよう配慮しています。アレルギー児の場合は4者(保護者、園長、担任、栄養士)面接を実施しています。


●入園前に児童票・生活状況票等を提出してもらい、生育歴などについて把握しています。保育課程を基に年間指導計画を策定し、月間→週間→日案を立案し、評価・反省を行っています。また、乳児や配慮を要する子どもには個別月間指導計画を策定し、定期的にアセスメント、見直し、評価を実施しています。子どもの記録では、児童票、健康記録・発達個人票・観察個人記録に子どもの成長と共に記録し、職員間で情報を共有しています。また、アートチャイルドケア保育園統一の書式(児童票への追記、個人記録等)により、子ども一人ひとりの心身の状況や生活の様子を把握および共有し、年度末に反省、見直しを行っています。


●提供するサービスについては、アートチャイルドケア共通の各種マニュアルを完備し、マニュアルに沿って、一定水準以上の対応ができるよう職員の統一認識を図っています。マニュアルは保育士がいつでも閲覧できるようにしています。園児のプライバシー保護については、新入社員に対しては新入社員研修で周知徹底しています。各種マニュアルについては、必要に応じて改定する仕組みを整え、系列全園に係る点については、園長から法人教育研修部に伝え、検討する体制が構築されています。

4 地域との交流・連携

●地域に向けた情報提供では、園の正面門扉に園の行事やイベントを掲示して情報を提供し、ホームページにも情報を掲載して地域に発信しています。また、地域の自治会に対してもお知らせしています。さらに、近隣の商店等を活用し、チラシの配布やポスターの掲示等の工夫の取り組みを検討する等、地域との交流が期待されます。


●中原区のイベントや行政等の情報を入手し、園が参画でき得る取り組みを検討しています。ボランティアについては、法人本部と連携し、ボランティアを受け入れる体制を整えています。


●地域との連携については、中原区の公立・私立園長会議や、幼保小連携会議(園長会と実務者会がある)等に出席し、情報の共有を図っています。川崎市中央地域療育センターや中原区保健センター、地域民生委員、児童相談所と連携して情報を収集し、地域の福祉ニーズに対応する事業・活動に協力できる体制作りを推進しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

●法人で作成された3カ年経営方針を基に、年間の経営方針計画が策定され、それに沿って保育課程、年間指導計画、各年齢の年間計画を立案し、園全体で共有を図っています。園長の役割、責任、職務については就業規則に明文化され、人事考課項目にも詳細に定め、日々の朝礼、昼礼等で園長自ら表明しています。また、運営組織及び職務分担表を作成して分掌業務を明確にし、サービスの質の向上に努めています。


●園長は、理念・基本方針の実現を前提に人事配置の適正に努め、保育業務を明確にして、運営に尽力しています。サービス内容は定期的に見直しを行い、保護者からの意見、課題を検討し、法人本部での園長会議の内容は職員会議等で職員に伝え、園全体で改善に向けて取り組んでいます。


●保護者対象に、行事ごとに利用者アンケートを実施し、年1回、顧客満足度(CS)アンケートを行い、利用者の声を聞いています。CSアンケートは本社で集計・分析してフィートバックされ、第三者評価の受審を改善にもつなげていくよう考えています。また、保護者の要望や質問、顧客満足度(CS)アンケートの結果等は、職員間で検討し、改善に努め、改善の結果は保護者に伝えています。

6 職員の資質向上の促進

●法人本部の採用戦略室を中心に、人材の採用・確保に注力し、川崎市の職員配置基準での必要数と各職種(保育士、栄養士、看護師)の役割に応じた人員体制を構築しています。新入職員の教育については、OJTによるメンター制度(新人教育係)を導入して人材育成を図っています。また、園の入所状況、保育時間等を踏まえた上で、早・遅番の短時間非常勤職員の雇用により、常勤職員の長時間勤務の軽減に努めています。


●職員の教育・研修に関しては、法人の経営方針計画に策定され、法人本部主催の年間研修スケジュールを示し、職員に参加しやすいようにし、職員の資質向上、専門性を高めるよう取り組んでいます。職員は、個別の研修計画に従い、法人本部主催の研修と共に外部研修に参加して研鑚を図っています。年度末には、個別で受講した研修の反省を含めて見直しを行い、次年度の計画に反映しています。


●園長は人事考課面談等で職員の意向を把握し、年次有給休暇の取得状況をチェックし、人事考課と面談で業務状況や意向を確認し、時間外勤務の状況を確認し、就業時間が長時間にならないよう、月次でチェックを行っています。福利厚生では、法人の福利厚生制度が利用できる環境にあります。また、会社としてベネフィットステーションに加入しています。職員は健康診断を年1回受診し、産業カウンセリングを受けられる体制もあり、健康の維持管理に活用しています。

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