かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アートチャイルドケアろりぽっぷたまプラーザ(2回目受審)

対象事業所名 アートチャイルドケアろりぽっぷたまプラーザ(2回目受審)
経営主体(法人等) アートチャイルドケア株式会社
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 225 - 0002
青葉区美しが丘2-12-1
tel:045-905-1766
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年08月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【立地面での特色】
●アートチャイルドケアろりぽっぷたまプラーザの立地・概要
アートチャイルドケアろりぽっぷたまプラーザは、東急田園都市線たまプラーザ駅から徒歩7分程度、通勤する保護者にとっても利便性のよい場所に位置しています。たまプラーザは、元々は丘陵地帯でしたが、東京急行電鉄による東急多摩田園都市計画に沿って開発された地域であり、都会の便利さと郊外の自然、恵まれた環境を兼ね備えた街づくりがされています。駅周辺は商業施設を充実させることで利便性を図り、住宅地には商業施設を一切建てずに、随所に創られた公園や樹木の並木道が美しい景観を演出しています。
アートチャイルドケアろりぽっぷたまプラーザは、旧横浜市認可保育所「ろりぽっぷ邑横浜」として平成17年4月に開園した保育園を平成25年4月からアートチャイルドケア株式会社が運営しています。これまでの保育方針を尊重し、アートチャイルドケア株式会社の有するサービスや職員教育制度などの相乗効果を図り、企業理念の「保育を通して社会に貢献する」を実践に向けて取り組んでいます。園名の「ろりぽっぷ」(ぺろぺろキャンデー)の名称は、地域、卒園児に親しまれていることからその名を残し、継続して地域に愛されています。
保育園は、マンションの1階部分を園舎として利用し、近くには美しが丘公園や、美しが丘小学校、保育園も点在しており、子育てに適した落ち着いた地域にあります。マンションは南北に建てられており、保育室には西から陽光が入り、南北に沿った道に立派な桜並木が植栽され光を遮っていますが、反面、夏の西日は柔らかな日差しとなって保育室に注ぎ、快適な佇まいとなっています。
園舎は、玄関は広いホールが設けられ、大きな水槽が印象的です。ホールから右の廊下に沿って手前の大きな保育室は幼児保育室となり、奥に乳児保育室が設けられ、道側に沿った全保育室は明るい陽光が入っています。廊下の左側は手前から調理室、医務室、保健室、5歳児クラスが配置されています。事務室はマンションの1戸分を別途借用して離れていますが、職員間の連携を密にして子どもたちの安心・安全に十分配慮しています。定員は90名で現在、在席児童100名の保育を実施し、毎日、園内の各クラスで保育士(含む園長、副園長、主任)が子どもたちを丁寧に迎え、温かい保育園作りがなされています。

●アートチャイルドケアろりぽっぷたまプラーザの保育の方針
アートチャイルドケアろりぽっぷたまプラーザは、企業理念、保育理念、保育目標・方針に沿い、保育事業のコンセプトを「子どもたち一人ひとりのあるがままを受け入れ、やさしくあたたかくの姿勢で接する」に据えています。園では、子ども一人一人をあるがままに受け入れ、「やさしくあたたく」の姿勢で子どもに接し、伸び伸びと遊び、安心して生活できる環境を提供し、家庭と共に子ども、保護者、保育者の「共育」を目指しています。アートチャイルドケアろりぽっぷたまプラーザでは「向きあう保育」を展開し、特徴として、表現力・創造力を育む造形活動、想像力や記憶力を身に付ける絵本の活動、野菜等の栽培活動により成長を学び、異文化への興味、関心、理解を深める英語遊び、自然環境を守るためのエコ活動に力を入れています。また、本部が一貫して推進している「生きる力を伸ばす保育」の「生きる力」については、子ども一人一人の成長に合わせて、“ふた葉”を保育者の援助により“りんごの実”に育てて行くことで、感動する心、たくさんの気付き、自分以外の人間の心に気付く思いやりの心や、忍耐力などを育成することをねらいとして取り組んでいます。これらの保育を推進するために職員は、アートチャイルドケアの誓いを毎日唱和し、自らを戒めると共に心から子どもの成長を考えた保育にあたっています。また、食育に力を入れ、クラス別の食育に加え、栄養士と調理師が中心となって「食育行事」を考案して取り組み、毎年、見直しおよび反省により次年度の計画につなげ、食育行事の充実を図っています。

【特に良いと思う点】
1.「オープン保育」の推進
アートチャイルドケアろりぽっぷたまプラーザでは、クラスの名前に月の呼び名を用いています。「しんげつ(新月)」(0歳児)、「みかづき(三日月)」(1歳児)、「ゆみはりづき(弓張り月」(2歳児)、「げんげつ(弦月)」(3歳児)、「もちづき(望月)」(4歳児)、「いざよい(十六夜)」(5歳児)とネーミングし、子どもの成長を「月の満ち欠けの一周期」と重ね、年齢と共に違う表情を見せる子どもを表しています。古語が消えて行く中、卒園児は日常触れる機会のない知識を自然な形で覚えることができるようになっています。オープン保育は、「げんげつ」(3歳児)、「もちづき」(4歳児)、「いざよい」(5歳児)のクラスで実施し、年齢別の保育室は低い棚で仕切り、子どもの顔、声が「見える」保育を実施しています。オープン保育の良さは、職員においては、@保育のすすめ方がお互いに見えること、A保育のすすめ方を相互に研鑚できること、B子どもは担任以外の保育士とも話ができること等の利点があります。互いに「見える」ことで、保育士は相互に助け合いが可能であり、また、複数の目で安全が確保できる点も大きなメリットです。さらに、子ども一人一人の発達課題での手厚い配慮や、年長児には自覚が芽生える契機となり、年少児は成長のモデルと身近でかかわることができ、発達が促される等の利点があります。上下、同年齢の有機的な関係作りが構築され、効果的に保育が実施されています。

2.異文化に触れる英語遊び活動の展開
アートチャイルドケアろりぽっぷたまプラーザでは英語遊びを取り入れています。園には専属の外国人職員が在籍し、週4日、0歳〜5歳児の子どもたちを中心にかかわっています。英語遊びでは、英語の歌を歌ったり、クイズをしながら視覚、聴覚、言語で英語に楽しく触れる機会を設けています。英語遊びは、レッスンとしての位置付けではなく、保育補助として異文化に触れることや、何より子どもに楽しんでもらうことを目的としています。

【さらなる期待がされる点】
1. 先進園として系列園の範となる保育活動の展開
アートチャイルドケアの保育園は急激に拡大・発展を続けている法人であり、アートチャイルドケアろりぽっぷたまプラーザでは余裕ある職員体制でスタートしました。現在は、派遣保育士を導入し、職員体制の充実に努め、現有の職員の質は高いレベルを維持しながら保育にあたっています。今後、さらに職員数の確保、新規採用者の教育の2つの課題の解決の取り組みが望まれます。また、現有職員の質の高さを生かして後進の育成に期待いたします。教育は時間を要するものですが、計画的な育成と、「ろりぽっぷ邑」OBの期待に応えられる陣容の育成を期待しています。

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●保育理念や基本方針は、「子どもたち一人ひとりのあるがままを受け入れ、やさしくあたたかくの姿勢で接する」であり、職員は、保育理念と基本方針を理解し、子ども一人一人をあるがままに受け入れ、「やさしくあたたかく」の姿勢で子どもたちと接しています。保育士は、子どもが元気で、良く遊び、生き生きとした子どもに育てたいと考え、保育を進めています。また、「保育者の手引き」を職員に配付し、年1回は必ず確認して共通認識を図っています。

●職員は、相応しくない言葉掛け、不適切な発言、人格を辱めるような行動、急かす等、常に職員同士で声を掛け合い、注意し合っています。オープン保育室の環境上、より良い保育を考える機会を得、職員間で切磋琢磨する機会や、具体的なアドバイスをし合う関係が築けています。園長は、職員の精神衛生面に配慮し、休暇・休息を取れる環境作りをし、職員個々の資質を高められるよう配慮しています。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

保育課程に基づき、年齢ごとに指導計画を策定し、月案で展開するようにしています。園では、画一的および指導的な保育を行うのではなく、日々の保育から各活動へスムーズに子どもが参加できるよう「導入」を大切に考えて実施しています。例えば、活動に対して、子どもの意思を尊重し、無理強いすることなく、思いを受け止め、子ども自身から参加できるよう環境作りに心がけています。

●玩具等は、各年齢・発達に応じた玩具や絵本を揃え、共用の場所に設置して子ども自身で自由に取り出して遊べるようにしています。オープン保育室の特性を生かし、低い棚、テーブル等を活用してコーナーを作り、一人一人が好きな遊びを楽しめる環境作りをしています。乳児では、コーナーを基本的に設け、月齢に合わせた空間作りを行い、運動遊びの時には広く活用しています。

●動植物の飼育や栽培の取り組みでは、年ごとにクラスで栽培する野菜等を相談して決め、プランターで夏野菜(きゅうり、ミニトマト、茄子、オクラ、いんげん、ピーマン、パブリカ、じゃがいも、ハーブ)等を育て、水やりや観察を通して、成長や収穫の喜びを体験しています。収穫した野菜は栄養士と相談の上、食育につなげています。飼育では、魚やカブト虫を育て、餌やりや世話を通して「命」について学び、自然の不思議の興味につなげています。

●献立は、季節感のある旬の食材を大切にし、郷土料理等を取り入れて提供しています。食材の産地は保護者に公表して安全を保障し、当日の献立は展示をしています。給食では昨年から個別にランチョンマットを敷いて楽しい食事の雰囲気作りをしています。行事食の誕生日会では、手作りのケーキに誕生日児の名前を書いて、旗を立てる等、わくわくする雰囲気作りと皆で楽しめる誕生日会を行っています。

●保護者の相談、面談については、プライバシーを確保しながら相談できるよう環境を整えて配慮しています。相談を受けた職員は園長・主任に報告し、内容によって園長等が同席して適切に対応できるようし、保護者も安心できるよう配慮しています。個人面談は年2回行い、保護者から希望があれば、随時面談を行っています。相談内容は記録し、必要に応じて継続的なフォローができるようにしています。

 

3 サービスマネジメントシステムの確立

●配慮を必要とする子どもについては、ミーティング(週2回)で話し合い、記録を残し、職員間で共通理解を図っています。職員は法人本部の研修に参加し、得た最新情報は会議で報告し、職員間で共有を図りながら、実践につなげています。法人本部に療育担当職員が在籍し、アドバイスや今後の保育内容についての検討機会を設けています。また、必要に応じて青葉区の保健師や、地域療育センターあおばと連携を図り、相談、助言を受けています。

●アレルギー疾患のある子どもの除去食対応では、医師の診断書を提出してもらい、適切な対応を行っています。職員は、アレルギー疾患について研修を受け、必要な知識や情報を得、日々周知徹底しています。配食時は除去食対応マニュアルに沿って、複数職員でチェックと声出し確認を行い、専用トレイ、別食器、名札等を使用し、誤配膳、誤食がないよう徹底しています。

●苦情に関するマニュアルを整え、苦情・要望があった場合は、第三者委員を交えて対応する仕組みを整え、受けた要望・苦情は取りまとめ、職員会議で苦情の解決策を検討し、対応しています。検討結果の議事録は開示しています。保護者に対しては、苦情に関して年度末にまとめて掲示し、改善策や園の考えを伝えています。

●感染症等について、登園停止基準や保育中に感染症等の疑いが生じた場合の対応は、入園のしおり、パンフレットに記載して周知し、入園時の懇談会でも説明しています。保育中に発症した場合は、速やかに保護者に連絡し、個別対応すると共に、場合に応じて保健室で看護し、悪化した場合も想定して、連絡体制を取っています。園内で感染症が発生した場合は、園内での感染症蔓延に注意し、保護者に注意喚起の掲示をしています。最新の感染症情報は、職員間で情報を共有し、保護者にも掲示、メール配信等で啓蒙しています。

●外部からの侵入に対して、年2回、不審者侵入を想定して園内、公園等での不審者対応訓練を実施し、子どもたちにも重要性を伝えています。建物として警備会社と契約し、玄関は施錠し、玄関出入口は電子ロックでカードとテンキーで開閉され、登園時間も記録されるシステムになっています。

4 地域との交流・連携

●地域の子育てニーズは、園の見学者、育児電話相談等から子育てのニーズを把握しています。特別保育では一時保育、延長保育、障害児保育を実施し、地域の子育て支援サービスでは、青空保育、親子クッキングを園のスキップの会(職員の有志が集まって行う保育の広場)を通して実施し、保護者の知り合いの親子も参加する等、好評を得ています。
●地域への園の理解促進のための取り組みとして、園行事のポスターを園前に掲示し、行事の見学も受け付け、運動会やお楽しみ会への参加を促し、園の取り組みや子どもの様子を見てもらう機会を設けています。また、地域の防災訓練や地域の子育て活動に参加し、交流を図っています。小学校、地域の行事には積極的に参加し、小学校とは就学に向けて連携を図っています。散歩先の公園では他の保育園と交流を持ち、子どもたちの就学後につなげています。

●ボランティアの受け入れでは、「ボランティア受け入れのためのマニュアル」を整備しています。受け入れ、育成担当を定め、受け入れ時に園の思い、基本方針や活動内容を説明し、仕事内容をしっかり伝え、理解を促しています。ボランティアの受け入れ実績では、社会体験事業の受け入れを行い、記録を残し、終了日には反省会を設け、学生の感想や思いを聞き、次の受け入れに生かしています。

 

5 運営上の透明性の確保と継続性

●職員の守るべき法・規範・倫理等は、業務マニュアル、就業規則、社内通達等で周知徹底し、保育士としての倫理観を遵守するよう指導しています。経営、運営状況等の情報は、本社の決算報告書、横浜市役所へ提出する事業計画・事業報告で公表し、ホームページにも開示しています。リスクマネジメントでは、他施設の事例等について検証し、ケースワークに役立て、守るべき規範について再確認しています。

●各クラスの運営に影響ある情報を収集し、リーダー会議やミーティングで議論を行い、検討結果は周知し、園全体で取り組んでいます。法人本部での園長会議で得た経営層の意向、状況等は、職員会議で職員に周知しています。

●中・長期的事業の方向性を定める計画は、3ヵ年中期計画が29年9月を最終月とし、計画の反省と次期3ヵ年中期計画立案を実施する予定になっています。法人に「ベストパートナー委員会」があり、「日本一保育者が働きやすい会社」を目指して体制作り
に取り組んでいます。園長は、法人本社の園長会議で情報を取集し、社会の情報やニーズに目を向け、保育園として最善のサービスを提供して行けるよう職員の育成に取り組んでいます。

6 職員の資質向上の促進

●人材育成については、本社で経験年数別研修体制を構築し、法人系列他園の良い点を見て学ぶBML(ベンチマークラーニング)も実施し、新たな学びや情報交換を図り、育成に力を入れています。正規職員は人事考課制度があり、各職員で目標を設定し、達成度、次期目標を園長に提出し、各自の課題、取り組むべき目標を確認しています。また、リーダー会議において各クラスの課題を抽出し、職員の育成につなげています。

●職員、非常勤職員の研修体制については、職員会議の中で園内研修として全体で学ぶ時間を設け、外部研修等を受講した職員は研修内容を発表し、情報の共有を図り、一人一人の資質向上に役立てています。共有を必要とする研修に必要な職員が受講できるよう推進している他、本社の研修にも参加し、経験年数や役割に応じた知識・技術を身につけています。研修後は、園内研修や回覧等で、情報の共有化を図っています。また、日常保育に必要な研修内容を精査して評価を行い、反映させています。園では、「スキップの会」で園の課題、職員の資質向上への提案を発信し、ロールプレイや、研修の場を設けています。

●毎月、職員の自己評価を行い、保育園の自己評価については、年度末に話し合い、評価を実施しています。定期的な監査、第三者評価等を通して園の課題を明確にし、目標を立てて取り組み、改善につなげています。工夫・改善した良いサービス事例は、月報(計画や記録の書式)に記載し、園長と振り返りを行い、きめ細やかなサービス、保育の質の向上に努めています。

●人事考課の基準として、経験年数別に期待水準を自己評価票に明文化すると共に研修体制を確立させています。業務に、役割分担、クラス担当を決め、可能な限り権限を委譲し、業務中に突発的な事態が発生した場合は職員が自主的に判断し、行動できるよう指導に努めていますが、現状、勤務形態等を考慮し、責任および権限の明確化を図るには苦慮しています。


 

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