かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市中川西保育園(2回目受審)

対象事業所名 横浜市中川西保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 224 - 0001
都筑区中川3-6-6
tel:045-913-2060
設立年月日 1934年04月01日
公表年月 2017(平成29)年08月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の特色】
・立地および施設の概要
横浜市中川西保育園は、平成9年4月開所されました。市営地下鉄中川駅から徒歩7分の、商業地域から中川西地区センターの前を抜けた閑静な住宅街の一角に位置しています。現在、児童は0歳児から5歳児まで134名(定員122名)を受け入れています。建物は全面ほぼ南面向きの2階建て鉄筋コンクリート造り(約900u)で、樹木や大型遊具や砂場がある約1100uの園庭があります。周囲は緑豊かな自然に恵まれ、子どもたちは、地域にあるさまざまな公園に散歩に行ったり、近隣の中川西小学校・中川西中学校、地区センターなどと交流を持っています。

・園の特徴
園目標に、「たのしくあそべるほいくえん」で、友達といっぱい遊ぶ子ども、感じる心の豊かなこどもを目指して、日々保育をしています。子どもたちの園生活(保育内容)を保護者に知ってもらうことをテーマに、「保育の見える化」に取り組んでいます。
また、育児相談や、育児講座、おひさま広場(園庭開放)、公園遊び、交流保育、ランチ交流などを実施し、地域の子育て支援に取り組んでいます。

【特に優れていると思われる点】
1.子ども同士が一人一人の違いを認め、育ち合いを援助する取り組み
子どもたちは、異年齢グループや日常的にクラスを自由に行き来して交流する中で、それぞれの役割を意識したり遊びを楽しんだり協力する楽しさや思いやり、頼りにする気持ちを育んでいます。日々、職員は、障がいのある子どもに対する自然な声かけや対応のモデルを示し、子ども同士が仲間として自然に関わる場面を意識して作っています。子どもたちは、車いすを押すのを手伝ったり、一人で遊んでいる場面を見守るなど、自然な関わりで接しています。活動に参加せずほかの遊びを楽しんでいる子どもに対しては、職員も子どももその子どもをありのままに受け止めています。また、職員は、園全体の子どもの様子を把握して連携を密にし、一人一人の子どもの情報を共有して、育ちを援助しています。

2.保育内容を保護者に伝える努力
昨年度より、「保育の見える化」として、職員は、食育・散歩・手作りおもちゃの作成の3グループに分かれて園内研修に取り組み、子どもたちの調理体験や散歩の様子を「虫めがね」と名付け、保護者にも分かりやすいように保育室に写真入りで伝えています。また、毎月のクラスだよりでは、各月のねらいや具体的な活動、子どもたちの様子を伝えています。クラスに応じて「春の歌は暖かくなった陽気を感じながら楽しむ」「みんなの前で自分の気持ちや思いを言葉で伝える」「身近な自然と触れ合いながら製作や言葉遊びに繋げ楽しむ」など活動内容を具体的に伝え、保護者の理解を深めています。行事の際の保護者の感想はクラスに模造紙を用意して貼ってもらい、他の保護者とも共有できるよう工夫するなど、「保育の見える化」を念頭に、分かりやすい情報発信に努めています。

3.地域資源を生かしたさまざまな交流
地域の資源を活用し、さまざまな世代と交流を行っています。近隣の中川西地区センターに本を借りに行ったり、近隣の小・中学校に出かけて、5歳児が小学生と遊んだり運動会の練習を見学し、乳児は小動物を見せてもらっています。幼児は、東京都市大学の竹林に呼ばれて学生と一緒にたけのこ掘りを行い、持ち帰ったたけのこを給食に出してもらっています。また、サツマイモ畑に出かけて芋の成長を見たり、芋畑の世話をしてくれている農家の方から綿密な写真入りの「成長の記録」をもらい、芋の成長の細かい様子に興味を持って見ています。稲づくりを手伝ってもらう農協の職員には、野菜の育て方の助言も受けています。園庭開放や散歩に出かけた公園で地域の親子と触れ合ったり、5歳児が高齢者施設を訪問して一緒に製作をするなど、乳児や小・中学生、大学生、高齢者など様々な世代との交流を計画し、子どもたちの生活の充実に取り組んでいます。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.個別指導計画の書式や育児相談記録の工夫
 クラスとしての月間指導計画や個別支援計画には保育士の自己評価欄がありますが、0〜2歳児個人別の月間指導計画にはありません。次期につながる評価・反省が分かりやすいような書式の工夫が望まれます。また、育児相談は月曜日から金曜日に受け入れ、園見学や育児支援で来園した地域住民からも相談を受けていますので、記録に残して今後の育児相談に活かすことが期待されます。

2.防犯対策の更なる工夫
門扉は施錠して顔を確認してから解錠し、警備会社と契約して事務所と1、2階に警報装置を付け、警察に通報できる装置を設置するなど、安全対策に取り組んでいます。しかし、保護者アンケートによれば、不審者侵入対策を望む声もありますので、更なる対策の強化が望まれます。

 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・子どもには愛情を持って接し、子どもとの信頼関係を作るように常に話し合っています。職員は、自然に子どもが集まってくるように環境を整えたり、名前を呼んで個別に分かりやすい言葉で説明したりしています。

・「子どもの権利条約」をもとに、全職員が人権研修を受けています。

・友達の視線を意識せず過ごせる場所として、ついたてや押し入れの下などがあります。子どものプライバシーを守れる場所として、廊下やホール、プレイルームなどがあります。

・守秘義務の意義や目的について、入職時に説明しています。職員は、個人情報取り扱いガイドラインに沿った対応をし、個人情報に関する話題は、園の内外でしないようにしています。

・横浜市作成の虐待防止マニュアルやチェックリストがあり、職員は都築区虐待研修を受講しています。

・虐待が明白になった場合は、横浜市北部児童相談所や保育担当課、都築区役所福祉保健センターなどの関係機関に迅速に連絡・連携する体制が整っています。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・保育理念や保育方針は、毎年初、都筑区長・課長、園長が職員に説明し、毎月のカリキュラム会議でも周知を図っており、事務所・各保育室・廊下に貼り出し、保護者にも伝えるほか、職員は常に目にして日々の保育にあたっています。

・カリキュラム会議などでサービス内容が保育方針に沿って実施されているかを話し合い、職員は保育姿勢に沿った保育を理解しています。

・職員は、子どもの気持ちをくみ取り、当日の活動の流れ、週の予定を知らせ、急な変更がある場合は、納得できるよう説明しています。

・言語での表現がまだ十分でない子どもについては、態度・表情から意思を判断して代弁したり仲介し、また言語表現ができる子どもからは、要望や意向を丁寧に聞いています。

・指導計画は、子どもの要望や活動の状況に応じて柔軟に変更しています。乳児の活動は、時間に余裕を持って進め、幼児では、日常的に興味や関心を持っていることの把握に努め、子どもの主体性を育める、余裕を持った計画になっています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・指導計画は、保育課程に基づいて、年齢毎に、年間・月間指導計画、年間活動計画表、異年齢児保育年間カリキュラム、食育年間指導計画、週案を作成しています。

・年齢ごとの食育年間指導計画を作成し、丸ごとのスイカや乾物の調理過程を見たり、トウモロコシの皮むきなど調理に参加する機会を設けています。園庭で育てた野菜や畑で収穫したサツマイモ、近隣の大学で掘ったたけのこなどがご飯に入っているときはそのことを伝えて、食事への関心と意欲に結びつくよう援助しています。生さんまの感触を味わったり焼いてさんまを開いた様子をみんなで観察する機会も持っています。

・保育園のしおりに、苦情解決責任者及び苦情受付担当者(園長)、苦情解決第三者委員2名の氏名・電話番号、苦情解決の仕組みを掲載し、入園説明会で保護者に説明しています。

・自分から意見表明しにくい保護者には、日ごろから職員側から積極的に声かけし、コミュニケーションを密にして、意見・要望を発言しやすい雰囲気を作るように努めています。物静かな子どもには、意識して職員が話しかけるよう配慮しています。

・保護者からの苦情・要望に対する解決策は、職員会議やミーティングで職員に周知しています。ヒヤリハットとしてトラブル例などは会議で報告し、記録しています。

・横浜市作成の安全管理マニュアルがあり、登園時や保育中の室内・戸外・食事・午睡での安全のための配慮ポイントを記載しています。また、園庭や公園での安全や配慮すべき事項について記載し、職員に周知しています。

・毎月避難訓練・通報訓練をしています。年1回は消防署から訓練の点検に来てもらい、今年度は防火服を5歳児が身に付ける経験をしました。

 

4 地域との交流・連携

・育児講座、おひさま広場(施設開放)、公園遊び、交流保育、育児相談、一時保育を行っており、参加した地域住民からのアンケートや相談を通じて、園への要望、子育て支援ニーズを把握しています。都筑区のネットワーク会議で、都筑区の子育て支援について検討しています。

・運動会などの行事の前には近隣にチラシを配布しています。園の周囲の掃除、雪かきを積極的に行い、フェンスの外も花や野菜を植えて近隣の人に楽しんでもらい、園で育てた苗や種を配布しています。5歳児が、芋ほりで収穫した芋を近隣におすそ分けをし、近隣や公園のゴミ拾いをしています。

・他保育園や保育室とは、プール開放、積み木で遊ぶ交流、ドッジボール大会などで交流しています。

・小学校には5歳児が年に数回行って小学生と遊んだり運動会の練習を見せてもらうなどの交流をし、乳児も小動物を見に行っています。

・幼児が東京都市大学でのタケノコ掘りに参加し、5歳児が高齢者施設ハピネスを訪問し交流しています。

・ボランティアによる月1回のお話し会では幼児に読み聞かせや素話をしてもらい、高校生の夏休み体験講座には3名が参加し、感想を聞いています。稲づくりを手伝ってもらうJAの職員3名には、野菜の育て方の助言も受けています。

 

5 運営上の透明性の確保と継続性

・園長は、年度初めの職員会議で、保育理念・保育方針について説明し、方針に沿った保育が実践されているか確認し、理念・方針・園目標に沿ったクラス目標を策定するよう促しています。

・重要な意思決定にあたっては、園長が、保護者会会長と話し合ったり保護者会に出席し、目的、理由などを伝え、継続的に意見を聞いています。

・職員に向けてコンプライアンス研修を実施しています。新聞などで報道される他施設の不祥事記事などを題材に職員会議やミーティングで話し合うほか文書で回覧し、全職員に向けて注意喚起・啓発しています。

・ゴミ分別用のごみ箱を用意して保育室にも設置し、職員の指導で子どもたちも分別に努めています。廃物は倉庫内に分別して保管し、まとめて処理しています。

・園内の職員がゴミGメン担当となり、分別や節電、待機電力カットについて注意喚起しています。前年度比を念頭に節電や節水に心掛けています。エコキャップ運動を実施、保護者や来園する近隣住民に協力を呼び掛けています。

・玄関前に雨水タンクを設置して雨水を貯留し、草花の水やりなどに利用するほか、夏のプールで使用した水は、園庭の打ち水として再利用しています。夏にはゴーヤ、へちま、朝顔で緑のカーテンを作っています。

・横浜市や都筑区、メディアなどから、事業運営に影響のある情報を得、情報の分析・検討を行っています。

・園としての「見える化」を課題として昨年度より継続して、全職員で取り組んでいます。また、今年度よりローテーション勤務が始まり、合同保育の環境についても課題として、取り組んでいます。

 

6 職員の資質向上の促進

・職員は、人事考課制度の中で毎年自己評価をして、課題を明確にして目標を定めています。

・内部研修として、接遇・わらべ歌・絵本の構成について実施しています。非常勤職員も参加しやすいように、2、3回に分けて実施することもあります。

・職員は研修受講記録を作成し、園長・主任は一人一人の研修成果を評価して、次年度に活かしています。

・カリキュラム会議の前には非常勤職員を含めてクラス会議をしています。おもちゃや道具を常勤職員と一緒に製作しながらコミュニケーションをとっています。

・保育日誌や年間指導計画、月間指導計画には、自己評価欄があり、ねらい、配慮事項に対して、振り返りをするようになっています。

・園の保育方針と園目標、今年度の課題、取り組み状況、保護者アンケート、次年度の課題・改善を明記した「保育所の自己評価の結果について」を掲示しています。

・クラスとしての月間指導計画には保育士の振り返り欄はありますが、個人別の指導計画には振り返り欄がありません。自己評価を記録に残すことで振り返っての確認ができるように、個別指導計画にも振り返り欄を定型化することが期待されます。

・業務改善の提案などは、職員会議、乳児会議、幼児会議などで募っています。今年度からローテーションが始まり、各職員の意見を聞いています。

・毎年、横浜市が職員に仕事満足度調査を行っています。園長は職員と最低年2、3回は面談し、個人目標のほか満足度や要望、悩みを聞いています。

・実習生マニュアルがあり、園のパンフレット「実習にあたって」に基づいて方針や守秘義務などの説明をしています。オリエンテーションの際に実習生の希望を聞いて組み立て、実社会でも活躍できるような指導実習を行っています。

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