かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスク吉野町保育園(10回目受審)

対象事業所名 アスク吉野町保育園(10回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 232 - 0013
南区山王町3-24-8 港横浜ビル1F
tel:045-250-5512
設立年月日 2007(平成19)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年08月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の特色】
・立地および施設の概要
アスク吉野町保育園は、横浜市営地下鉄ブルーライン吉野町駅から徒歩3分、昔からの商店やマンション、事業所などが混在した地域に立地し、7階建てビルの1階部分を使用しています。平成19年4月に開設し、現在0〜5歳児が51名(定員48名)在籍しています。
0、1歳児と2〜5歳児が、それぞれオープンフロアの保育室を仕切って使っています。玄関前とビルの裏手に園庭があり、プール遊びなどに使っていますが、天候が良ければ、ほぼ毎日近隣の公園に散歩に行っています。

・園の特徴
 専門講師による英語、体操、リトミック教室が週1回、ほかに月1回のクッキング保育などがあり、子どもたちの活動の幅を広げています。

【特に優れていると思われる点】
1.職員の連携によるきめ細かい対応
 0、1歳児と2〜5歳児が、それぞれオープンフロアの保育室で、トイレも1か所、玄関も広くないため、職員同士で話し合ってクラスにより散歩や活動をずらしています。集中して行う活動や大きな音を出す活動は、ほかのクラスが散歩に行っている間にする、空いている保育室を使う、など職員同士で連携して調整し、子どもが落ち着いて行動できるようにきめ細かい対応をしています。 

2.子どもたちの新たな育ちを促す異年齢交流
 0、1歳児の保育室は棚で仕切られていますが、一部分だけ低くして子どもがのぞくことができるようになっています。遊んでいる様子を眺めたり、一緒に踊ったりして刺激を受けています。
 2〜5歳児はオープンフロアで自然に交流しています。それ以外に、異年齢で散歩に行くときには自分より小さい子どもの手をつないで世話をしたり、5歳児が2、3歳児の着替えを手伝ったりしています。クラスを超えた集団での関係性を築くことによって、子どもたちの新たな育ちが促されています。

3.保護者の協力
 保護者会組織はありませんが、保護者から「園の行事の手伝いがしたい」との申し出があり、生活発表会用プログラム作り、衣装作りや段ボールを使った製作、当日の準備や後片付けに保護者の協力を得ています。入園式や卒園式の作り物、公園の遊具情報や公園までの道路状況を盛り込んだ「お散歩マップ」作りも、子どものために職員と保護者が協力して進めています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.保護者への情報提供
保護者アンケートでは、「子どものケガの説明」「感染症の情報提供」「子どもに関する重要な情報提供」について否定的な回答が30%前後となっています。お迎え時に担任が不在の場合も、遅番職員から伝えるか、手紙を使ったり後日口頭で伝えたりしていますが、確実に伝えるためのさらなる工夫が期待されます。

2.対応策の検討を促すための記録の整備
保護者からの要望やヒヤリハットなどは昼礼などで対応策を話し合っていますが、まとまった記録として残していません。また、配慮が必要な幼児について、職員会議や昼礼で話し合っていますが、個別指導計画を作成していません。後日振り返りをして対応策を検討するためにも、記録としてまとめておくことが望まれます。

3.地域交流と育児支援
 子どもが地域社会の中で育ち、また地域住民のニーズに応えていくためにも、地域との交流が期待されます。自治会や地域の行事への参加や、地域の団体と定期的に交流の機会を持つなどの取り組みや、園庭開放などの施設開放・交流保育などを通じて、地域住民への子育て支援が望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・設置法人の運営理念として「安全と安心を第一に」「いつまでも想い出に残る保育」「利用者のニーズに合った保育サービス」「職員が楽しく働けること」、基本方針として「自ら伸びようとする力」「後伸びする力」「五感で感じる保育」の充実を掲げており、子ども本人を尊重したものとなっています。

・子どもに対して威圧的な言葉かけや無視などの不適切な保育が行われていないか、子どもへの接し方の振り返りを昼礼や職員会議で行っています。

・職員は、設置法人作成の個人情報保護マニュアルをもとに、守秘義務の意義や目的について入社時研修を受けています。年度初めの職員会議でもマニュアルの内容について、再確認しています。

重要事項説明書に個人情報の取扱やプライバシ―保護への配慮についての記載があり、入園前説明会で説明し、写真などをホームページや園内の掲示に利用することについて、保護者から利用承諾書を得ています。

・虐待対応マニュアルがあり、職員は入社時研修で虐待の定義を学んでいます。園長が虐待の研修を受け、昼礼で虐待の種類と主な特徴について確認しています。1日に1度は着替え時に視診をし、疑わしい場合は写真にとることになっています。

・職員は、遊びや行事の役割について、子どもたちの希望や意見を尊重し、持ち物、服装や順番、グループ分けなどで性差による区別をしないで取り組んでいます。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・子どもの最善の利益を第一義に作成され保育課程を基に、年齢ごとに年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。

・子どもの表情や取り組みの様子から子どもの思いを汲み取り、言葉で表現できる子どもからは意見や要望を聞きとって、指導計画に反映して変更することもあり、子どもの主体性を大切にしています。

・入園説明会の日に、職員が親子面接を行い、子どもの様子や親子の雰囲気などを観察しています。保護者の不安が大きいときは、園長も加わって、保護者の不安を軽減するようにしています。

・オープンフロアのため隣のクラスの音楽や声が聞こえる状況にありますが、職員同士声をかけあって、散歩などで空いている部屋に移動したり、声が大きくならないように注意し合ったりしています。

・子どもの発達に合わせて、年度途中でもロッカーやパーテーションの位置を変えたり、おもちゃも入れ替えたりしています。ブロックやパズルなども、年齢に合わせて、大きなものから細かいものまで揃えています。

・雨や酷暑の時でない限り、少しの合間を縫ってでも散歩に出かけています。
1歳児から体操教室を行っており、マット遊び、短縄、大繩、ボールなどは、日常の保育にも取り入れています。

・職員は、子どもに無理やり食べさせることがないようにしています。授乳や離乳食の時間になって眠くなってしまい、起こしてみても無理な場合は、起きてからおやつを早めたりおやつの量を増やすなどの対応をしています。

・乳幼児突然死症候群の対策として、年齢ごとに時間を決めて呼吸を確認しています。2歳児までは、必ず仰向けで寝るように向きを変えています。

・活動の前後にトイレへの声かけはしますが、一人一人の排泄のリズムに合わせて、一斉に行かせることはしていません。トイレが一か所しかないため、子どもが並ばないように、クラスで重ならないように職員同士で気を付けています。

・登園時に職員が子どもの家庭での様子を聞きボード(検温結果、体調、保護者からの伝言、早番からの連絡事項)に記入し、降園時にその日の様子をボードの内容と遅番職員の気付いたことを保護者へ口頭で伝えています。

・年2回の個人面談では、家庭での子どもの様子や保護者の子育ての考え方や悩みを聞き、保護者の気持ちを尊重したうえで、子どもの成長の面から園が行いたい保育内容を説明し、理解を得ています。年2回のクラス懇談会では、クラスの状況や子どもの様子を伝え、保護者からの質問・要望を聞いています。

・クラスの1日の様子やトピックスを記載した物を玄関に掲示し、保護者が他のクラスの様子も理解できるよう工夫しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・環境が変わった場合には乳幼児突然死症候群(SIDS)の発生率が高いという統計を踏まえ、ならし保育が必要である旨の書類を入園前面談時に配付するとともに、口頭でも説明しています。

・特に配慮を要する子どもを積極的に受け入れています。横浜市中部地域療育センターや保健師から得られた最新の情報を基に、配慮を要する子どもとのコミュニケーションの取り方や関わり方が適切かどうかを話し合っています。

・食物アレルギーのある子どものトレイは色を変え、机を離しています。食事にはすべてラップをかけ、記名・除去したものを記載しています。職員がそばにつき、誤食のないようにしています。

・日本語のコミュニケーションが難しい子どもの場合は、ゆっくり話しかけたり、身振りを交えて伝えています。保護者に配付物を渡す際は、口頭で説明したり、翻訳アプリを使って対応しています。

・要望、苦情受付の担当者は園長であり、第三者委員や外部の窓口として南区福祉保健センターの連絡先を重要事項説明書に明記しています。

・設置法人が作成した健康管理マニュアルがあります。登園時にマニュアルに沿って、保護者立ち合いで検温し、家庭での様子や体調について聞き取り、0、1歳児は、生活健康記録に、2歳児以上は各クラスのボードに検温結果と聞き取り内容を記入し、全職員が確認・把握しています。

・設置法人作成の感染症マニュアルがあり、保護者へは入園前説明会で重要事項説明書をもとに、感染症に罹患した場合の対応方法や登園の目安、登園許可証が必要な基準を説明しています。

・感染症が発生した場合は、病名(型名)、発生クラス、人数などを玄関の掲示板で保護者意見を取り入れて背景を赤にして白地の用紙で掲示しています。

・衛生管理マニュアルに基づき、朝、給食後、おやつ後、夕方に保育室の清掃、玩具の消毒などを行い、保育室清掃記録表に記入しています。

・毎月避難訓練を実施し、地震や火災時の通報や連絡体制、一時避難所などへの誘導や避難方法などを確認しています。

・子どものケガや事故は、必ず園長に報告し、保健日誌に記載すると共に、ボードに記載し、お迎え時に保護者に伝えています。子どものケガは、状況により「けがの記録」または「アクシデントレポート」に記録し、昼礼や職員会議で報告・情報共有し、再発防止策を検討し、改善を図っています。

4 地域との交流・連携

・南区の園長会や幼保小連絡会、設置法人の園長会、見学者などから把握した地域の子育て支援ニーズを、職員会議で定期的に話し合っています。

・夏祭りのポスターを近隣のコンビニエンスストアに掲示しています。設置法人のホームページに日々の保育の様子や行事の様子を職員のコメントと写真で掲載しています。南区のホームページにも園のサービス内容を掲載しています。

・日枝小学校の1年生との給食交流会に5歳児が参加しています。子どもたちは、散歩中に出会った人やお店の人、公園にいる人に元気よく挨拶をして友好関係を築いています。

・近隣の睦町保育園のプールを借りたり、横浜みなみ薫保育園とは、相互訪問や一緒に公園に出かけ、ゲームで遊んだ後、弁当を一緒に食べるなどで、定期的に交流を図っています。日枝神社の節分祭に4、5歳児が参加しています。

・「実習生・ボランティアガイドライン」があり、ボランティア・実習生の申し出があればマニュアルに基づいて受け入れ、園長が説明することになっています。今年度受け入れはありませんが、平成27年度に、実習生の受け入れ記録があります。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・不正・不適切な行為を行わないよう守るべき法・規範・倫理が就業規則、保育園業務マニュアルに明記され、職員は入社時に研修を受けています。設置法人にコンプライアンス委員会があり、電話番号が職員ロッカーの横に掲示してあり、職員は不適切と思ったことを直接通報することができます。

・設置法人のホームページで、事業内容、決算概要、中期経営計画などの情報を公開しています。

・他施設の不正、不適切な事案については、設置法人から届いたメールをもとに、職員間で未然防止の方法などを話し合ってレポートにまとめています。

・園目標に「ものをたいせつに」とうたい、職員だけでなく子どもや保護者にもゴミの減量やリサイクルの意識を持つように訴えています。

・重要な意思決定である今年度の年度途中の園長交代について、園長と次期園長が各保護者に直接話をして、了解をとっています。

・設置法人で事業運営に影響する情報を収集・分析しているほか、園でも地域の情報を幼保小連携事業などで収集しています。

・運営面での重要な改善課題、たとえば情報通信技術(ICT)による業務の効率化について、職員間で話し合って園全体の取り組みとしています。

6 職員の資質向上の促進

・設置法人作成の「保育士人材育成ビジョン」に基づき、階層別・経験年数に応じた人材育成計画が策定されています。人事考課制度により、職員は自己査定シートを基に年2回自己評価を行い、園長と個人面談し、評価基準に基づいて園長による達成度の評価を受けています。

・設置法人で階層別研修や自由選択研修が計画・実施され、職員の研修計画に基づいて受講しています。

・研修受講後はレポートを提出し、回覧して職員が情報共有しています。横浜市主催の研修を受講した職員が職員会議で園内研修として発表しています。

・年間、月間の指導計画、週案、保育日誌などの定型化された書式があり、それぞれ評価反省の欄が設けられて、振り返りを行い、記入しています。

・毎年受審する第三者評価での職員の自己評価や、日々の保育での振り返り、クラスや全体での振り返りの中で見つかった課題や提案について、昼礼や職員会議で話し合い、改善に取り組んでいます。

詳細評価(PDF622KB)へリンク