かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスク上小田中保育園(8回目受審)

対象事業所名 アスク上小田中保育園(8回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 211 - 0053
中原区上小田中3-25-29 第三桂ビル1階
tel:044-740-5520
設立年月日 2008(平成20)年12月15日
公表年月 2017(平成29)年08月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設の概要・特徴>
【立地及び施設の概要】
 アスク上小田中保育園は、平成20年12月15日に開設され、1〜5歳児定員30名、現在の受け入れ31名の小規模保育園です。
 JR南武線の武蔵新城駅より徒歩8分の住宅街の一角に立地し、3階建てマンションの1階を園舎にしています。


【特徴】
 園庭は無く、道路に面した外壁にそってプランターを置き、花や野菜の栽培を行っており、近隣住民よりプランターへの水やり支援を受けたりして、地域とは友好的な関係にあります。戸外運動には、近隣の大小さまざまな公園を利用し、子どもの発達に合わせて選択し使用しています。
 設置法人から派遣される専門講師による「英語教室」「リトミック」「体操教室」「絵本を使った幼児プログラム」や、栄養士と行う「クッキング保育」など豊富なプログラムを保育に盛り込み、子どもたちの“生きる力”や“伸びる力”を育んでいます。


<特に優れていると思われる点>
1.戸外活動での幼児の自己挑戦 
 園には園庭がないため、天気の良い日は必ず戸外に運動(散歩)に出かけており、年齢・月齢にあわせて走り回れる公園を選択しています。中でも5歳児は大変意欲的に、自分の目標を一周50mのトラックを何周回るか、縄跳びでは4種類の跳び方をそれぞれ連続何回跳びに挑戦するかを、職員に事前に申告して、達成に向けて、一生懸命に頑張っています。


2.事業計画課題解決に全職員が参加
 中期計画の具体的な課題解決としての「事業計画」に、「絵本貸出の充実」「本箱の購入」「保護カバー」
「防災マップ作成」「降園マップ作成」など具体化した目標を掲げ、職員全員に各目標項目に役割分担を
決めて担当させており、職員会議で各項目の進捗状況をチェックしながら進めています。これは職員のモ
チベーションアップにもつながっています。


3. 保護者・子どもと園長以下職員の一体感
 園は小規模園なので、全職員と子どもたちは顔を合わせる時間が長く、職員は子どもたち全員を把握しています。そこから子どもたちと職員との心の距離が近く、子どもたちは全職員に親しんでいます。それと同時に、毎日のように玄関では全保護者が送迎時に園長と挨拶を交わしながら子どものことでの会話が進み、保護者の園に対する信頼が深まり、職員と子どもの心の近さと共に、今回の保護者アンケートでの高い満足度に結び付いています。


<特に改善や工夫などを期待したい点>
1. 新たに賃借したスペースを、職員の更衣・休憩室としても利用を
 狭隘の現園舎で、永年の懸案であった園舎拡張について、隣接に倉庫スペースを賃借することができました。そこは現在、行事用備品や遊具の置き場として利用し、本園舎内は多少の整理はできてきました。さらに、新たに賃借したスペースを、職員の更衣・休憩室としても利用できるような工夫・検討を期待します。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・職員は子どもの意思を尊重し、運動会や発表会で子どもの目標を聞き、達成できるよう支援しています。子どもができたことを認め、達成感を味わえるようにしています。


・性差に関し、無意識の言動について職員同士でチェックしあう仕組みができています。父の日、母の日をなくし、勤労感謝の日として、働く父母に感謝し、子どもたちからプレゼントを渡しています。


・子どもの人権について、園内研修で「川崎市子どもの権利に関する条例」の読み合わせを行っています。また、虐待対応マニュアルがあり、職員は入社時に説明を受けて、虐待の定義や対応方法が職員に周知されていて、日頃から着替えのときなどに子どもの身体をチェックするようにして、虐待の予兆を見逃さないようにしています。


・「個人情報管理規程」が備えられ、個人情報の書類は事務所で施錠管理し、個人名の入った書類は園外持ち出しを禁止しています。職員は子どもや保護者のプライバシー保護について、入社時研修や階層別研修で学んでおり、入社時に個人情報の取り扱いについて、誓約書を提出しています。


・職員は子どもの意思を尊重し、運動会や発表会で子どもの目標を聞き、達成できるよう支援しています。子どもができたことを認め、達成感を味わえるようにしています。


・乳児のトラブルには、職員が仲立ちをして、「こっちの子は痛いんだよ」「ごめんねと言おうね」と互いの気持ちを伝えるようにしています。幼児の場合は、子ども同士で解決ができるように見守っています。相手の子持ちを考えて、自分がどんな気持ちになるかを話しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・保護者の意向を聞く機会は、送迎時の会話、運営委員会(懇談会)、個人面談、行事後のアンケートがあります。自分の意見を口に出せない保護者には、ご意見箱の利用を促したり、個人面談での話し合いを行っています。


・苦情受付体制について、入園前説明会で「入園のご案内(重要事項説明書)」に沿って保護者に説明をしています。また、玄関にご意見箱を設置しています。送迎時には、園長や職員が保護者に声をかけ、話しやすい雰囲気にして、保護者が意見や要望を出しやすいようにしています。


・保護者からの床が冷たいとの意見にはマットを敷くことで解決しました。また、運動会で写真スペースが狭いとの意見には、写真スペースに入る人数を各家庭1名としたところ、公平感があり好評を得られました。


・職員は児童家庭調査票や保護者からの情報、子どもの発達状況から子ども一人一人の違いを考慮しながら保育を行っています。子どもの発達状況に応じ、子どものリズムに合わせて、分かりやすい言葉で一人一人に、子どもの要求や要望を汲み取りながら対応をしています。


異年齢保育については、園内外で、椅子取りゲーム、ロディなどを使ったリレー、ケイドロ、氷鬼などみんなで遊ぶ時間を設けています。保育室が2部屋のため、1、2歳児と、3〜5歳児が日常的に異年齢で過ごしています。3歳児と5歳児がペアを組み、5歳児が3歳児の世話役として関わっています。


・幼児クラスでは、室内には、子どもの成長にあった絵本、ブロック、ままごと、人形、乗り物、パズルなどを備えています。子どもが、やりたいように描く、書く、作るが自由にできるように粘土、色鉛筆、クレヨン、折り紙などの素材を用意しています。


・特別に配慮を要する子どもに関しては、その子どもの特性を把握して、個別指導計画を作成することになっています。今年度は障がいのある子どもはいませんが、配慮を要する子どもに関して、保護者に家庭の様子を尋ねたり、園での日々の様子、支援の状況対応方法をアドバイスしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・見学、入園説明に関しては、分かりやすく構成された設置法人標準スタイルのパンフレット、重要事項説明書を用意し、対応しています。見学については事前申込制をとっており、見学希望者の要望を聞いたうえで実施しています。原則は希望者の要望に合わせますが、園から効果的な見学日時を提案する場合もあります。


・川崎市では保護者との入園契約は、川崎市が行い、園には「決定通知書」が送付され、その後、保護者説明会を開き、重要事項説明書を配付の上、園長が内容やサービスについて保護者に細かく説明しています。


・新入園に際しては、子どもの不安軽減を考え、また、環境の変化による心理負担が乳幼児突然死症候群(SIDS)の危険性に結び付くなど、保護者に説明して理解を得るようにしています。園では、初日は短時間、子どもが保護者と一緒に過ごすことから始め、徐々に在園時間を延ばす「慣れ保育」を行っており、その期間は、子どもの様子を見ながら保護者と相談の上、決めています。


・園長と年長児クラス担任は中原区の幼保小連絡会議に出席し、小学校関係者などと意見交換を行い、また、年長組が小学校見学を行ったりして、就学に備えています。また、小学校教師が園に来訪した折には、話の内容を「園だより」で保護者に伝えています。就学を控えた保護者には、運営委員会にて小学校との連携について伝えています。育ちの連続性の必要性から小学校への情報共有のため、「保育所児童保育要録」を児童票の発育記録などをもとに、クラス担任が作成し、園長によるチェックの上、小学校に送付しています。


保育課程を基にして、各指導計画策定は各クラス担任が行い、策定にあたっては、職員会議にて子どもの様子などを全職員で把握・共有し、話し合って取り決めています。また、事前に把握できた保護者や栄養士意見なども取り入れ、策定責任者の園長のチェックを受け確定しています。


・設置法人の園長会議の内容は、週会議、職員会議で的確に全職員に周知し、欠席者には必ず議事録を回覧し、周知しています。日々の状況については、子ども一人一人のその日の様子を“伝言ボード”に必ず何か記入するシステムをとっており、職員間で確実に引き継ぎが出来るようになっています。


・設置法人は「保育園業務マニュアル」で保育サービスを標準化し、基本事項や手順を定めています。全職員は入社時の研修や、園内研修などでさらに深く学び、保育に活かしています。設置法人の園長会議で、各園から寄せられたマニュアルに関する課題をまとめ、年度末にマニュアルを改訂しています。


・毎月、火災、地震などを想定した避難訓練を実施し、全職員が、初期消火、通報、避難誘導などの役割を順番でこなし、非常時に備えています。


・設置法人からは系列他保育園での事故事例などが、毎日午前、午後の2回、アクシデント共有メールとして配信されます。また、系列外の保育園での事故事例については、設置法人の関係部署より園長に直接連絡があり、直ちに園全職員で情報を共有し、注意を喚起しています。

4 地域との交流・連携

・園ホームページでは写真入りで分かりやすく情報を提供し、中原区役所にもパンフレットを置くなどして情報を発信しています。


・地元の子育て世代に「夏まつり」「親子リトミック」「運動会」「芋掘り」「お楽しみ会」などへの参加をポスターなどで呼びかけ、参加者を得ています。


・自治会には入っていませんが、運営委員会メンバーの提案により、AEDの地元への提供を予定しています。


・園長は、幼保小連絡会議、施設開放委員会、中原区園長会議に出席し、意見交換並びに地域情報の入手に努めています。


・園は川崎市社会福祉協議会主催の“川崎市保育まつり”に参加したり、また、年長児は近隣の保育園児と一緒に中原区主催の“なかはらっこシアター”などに参加し、就学前の子ども同士の関係作りに役立たせています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・設置法人の保育に対する理念・基本方針を入園のしおり(重要事項説明書)、パンプレット、保育課程に記載し、また、園内に掲示しています。


・理念・基本方針は、職員の入社時研修にて周知しています。会議などで議論が錯綜した時などは原点である理念に立ち戻り、問題を整理して進めるようにしています。


・園は「中長期計画」の目標を「安心安全な保育の場を提供し、自ら考え、行動でき、友達を大切にできる子どもを育てる保育をする」「地域に根ざした保育園を目指し、活動を増やしてゆく」として、各々の目標に対して、具体的作業内容を定め、保育を進めています。


・園は「中長期計画」の初年度を「事業計画」として位置づけており、「事業計画」の各課題に対して、この1年間での具体的行動計画を立て、各行動テーマに対しては、職員の担当責任者を定め、定期的に振り返り、進捗状況をチェックしながら進めています。


・「中長期計画」「事業計画」は、園長が職員会議で職員に周知し、年度末の保護者懇談会で説明しています。保護者懇談会では事前にレジュメを用意し、説明内容が分かりやすくなるように努めています。


・職務分担表に園長をはじめ、各クラスリーダー、クラス担当職員、フリー職員などの役割について明記し、園長は毎年度初めに職員に説明しています。


・園長は園運営のために予算の消化状況や適正人事配置、残業状況、節電・省資源などに重点を置き、経営管理を進めています。


・園長は各職員とは年3回、また必要時面談を行い、意見の把握に努めています。全職員は年2回の自己査定により、振り返りを行っています。さらに、毎年第三者評価を受審し、外部からの視点を保育に活かしています。


・園長は設置法人の園長会議や中原区合同園長会議などで保育事業全体の動向などに関する情報を入手しています。

6 職員の資質向上の促進

・就業規則内に職員の守るべき法令・倫理事項が定められ、職員には設置法人の入社時研修や園内研修にて周知されています。設置法人のコンプライアンス委員会の案内を職員の更衣室に貼りだしています。


・人材育成ビジョンに基づいて、経験に応じた研修が組まれています。職員は、年度初めに年間研修計画を提出し、中間で見直し、年度末に総括しています。職員は前年度の査定内容を含め、園長との面談により目標を確認し、スキルアップに励んでいます。


・園長は、研修を受講した職員から感想を聞き、各研修の問題点を把握して、園長会議に持ち寄って、研修の見直しを行っています。


・園長は職員の有給休暇消化率や時間外労働、休憩時間実態を把握しています。


・職員は設置法人には福利厚生制度があり、法人が契約するフィットネスクラブ、また、自治体よる家賃補助制度などがあります。設置法人には外部のメンタルケア会社との契約も行っており、職員は無料でカウンセリングや相談が出来る仕組みがあります。

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