かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

聖徳保育園

対象事業所名 聖徳保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 聖徳会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 221 - 0061
神奈川区七島町163
tel:045-421-2220
設立年月日 1948年05月31日
公表年月 2017(平成29)年08月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】

・立地および施設の概要
 聖徳保育園は昭和23年5月に開園し、戦後の焼け野原で青空保育を実践した地域の保育所として、開園から68年が経過しています。園は生後57日から就学前児童を対象としています。JR横浜線大口駅あるいは京浜急行電鉄子安駅から徒歩数分の下町の雰囲気が残り、地元住民の生活を支える大口通商店街に園はあります。園舎は道を挟み、第一園舎4階建て(4〜5歳児保育室他)、第二園舎3階建て(0〜3歳児保育室他、)の二棟あり、第一園舎は平成27年に建て替えをしています。設置法人は社会福祉法人聖徳会です。


・園の特徴
 開園から68年の歴史の中、利用者は親子2代、3代に亘っており、中学生になった卒園児が体験学習で訪問したり、保育士を目指し、実習生として学びに来たりしています。選挙の際には投票所として地域の人々に利用してもらっており、地域の商店街の中にごく当たり前に存在しています。
園の定員は207名で現在213名(0歳児15名、1歳児34名、2歳児45名、3歳児40名、4歳児39名、5歳児40名)が在籍している大規模園です。各学年複数以上の担任を配しています。1、2歳児の学年はオープンフロアを各3クラスに分け、それぞれで日常の活動をしています。


【特に優れていると思われる点】

1.「笑顔で、優しく、丁寧」な大規模保育園運営
 保育の理念、方針のほか、園長が今年度職員に伝えた「笑顔で、優しく、丁寧に」のメッセージを実践につなげられるよう定期的な学年会議、職員会議のほか、随時、あるいは必要に応じて開催するクラスミーティング、キャリアごとの会議など各種会議を通して全職員に浸透させています。さらに職員の勤続年数が長いことにも支えられ、職員間の風通しの良い関係とモチベーションの高さとともに、目指す保育への思いを統一し、在園児213名、職員数45名の大規模園の運営の円滑化に努めています。


2.子ども成長を丁寧に分かりやすくとらえる記録
 入園後の子どもの成長発達について、0〜2歳児クラスは毎月、3〜5歳児クラスは2か月ごとに経過記録として一人一人丁寧に記録されており、確認をしながら保育を進めています。特に成長発達の著しい0〜2歳児クラスの個別指導計画は、子どもごとにA4の用紙の裏表に半年ずつ「子どもの姿」「保育の目安と保育者の援助及び配置」を記録しており、子どもの成長を時系列的に分かりやすくとらえることができるようになっています。


3.日常の保育の中で育てている子どもたちの食への関心
 0歳児クラスは15名で月齢もさまざまなため、丁寧に援助をするために食事の時間を分けています。座る席には食事用エプロンを置き、乳児にも食事の時間が始まることが分かるようにしています。1歳児クラスになると、その日の給食の食材を見せ、野菜の説明や味覚の話をし、実際に触れる機会を作っています。給食の際は、見たり触れたりした食材がどのような献立になったのか再度話をするなど、低年齢児から日常の保育の中で食に対する関心を育んでいます。また、毎年3月は、卒園を迎える5歳児クラスの子どもたちにリクエストを聞き、出されたさまざまなリクエストに応えられるような献立の特別月間となっており、子どもたちも楽しみにしています。第三者評価の保護者アンケートの、「子どもが給食を楽しんでいるか」の質問は100%の満足度となっています。


【特に改善や工夫などを期待したい点】

1.保育室の環境構成の検討改善
 低年齢児クラスの保育室を仕切る衝立の使い方、広い空間のままとなっている4、5歳児保育室など、おもちゃ、教材、絵本などの配置や必要に応じたコーナー作りを含め、子どもがより主体的に活動できるような保育室の環境構成について、検討改善が期待されます。


2.幼児の戸外・園外活動の積極化

 園庭遊びのほか、天気の良い日は散歩に出かけ、商店街や行き交う地域の人々と自然に挨拶を交わしています。商店街の人々は園に理解を示し、温かく子どもたちの成長を見守る関係性を築いています。しかし、乳児に比べ、幼児の戸外・園外活動が少ないと思われます。平成27年の園舎建て替え前には行っていた午睡の後の散歩も含め、さらに積極的な活動が期待されます。


3.保護者の意見・要望に対する丁寧なアプローチの継続
 行事後や1年の振り返りの保護者アンケートを行い、意見や要望の把握に努めています。アンケートはその都度集計し、玄関掲示で意見要望に対応できること、検討を要することなどフィードバックをしています。今回の第三者評価における保護者アンケートで満足度の高くない項目なども参考に、保護者の意見・要望に対し、丁寧なアプローチを続けられることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念(事業運営方針)は児童憲章を基に「子どもたちの自主性・創造性・社会性を育てる さらに 今日的な課題に適応できる柔軟性を身につける」で、「1人ひとりの発達に見合った保育 心と身体の自立を促す保育」を保育方針としています。保育目標は「未知なるものに興味・関心を持つ」「自分を認め、他人を受け入れる」という主旨とし、保育にあたっています。


・年度初めに園長・主任が職員に保育の姿勢、子どもへの言葉遣いや対応について話し、子どもの気持ちに添って声をかける姿勢を大切にすることを全職員が再認識しています。


・個人情報取扱いガイドラインがあり、守秘義務や個人情報を含む書類の取り扱い方法などについて周知徹底を図り、職員は入社時に守秘義務に関する誓約書を提出しています。入園説明会で保護者に個人情報の取り扱いについて説明し、ホームページへの写真掲載の了承を確認しています。個人情報に関する記録は、事務室の施錠のできる書庫に保管し、個人情報が入っている書類やUSBなどの電子媒体の園外持ち出しを禁止しています。


・日頃より、職員には性差を意識するような話し方や態度、固定観念で保育しないように職員会議で話し合っています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・保育理念、基本方針に基づいた保育を実践するために、それらを保育課程に明記しています。保育課程に基づき、年齢ごとに前年度の反省をふまえた年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。職員は、毎月の職員会議(ケース会議含む)、随時行う学年会議や乳・幼児会議で、話し合いや振り返りの時間を設け、子どもの様子を共有し、保育に活かしています。


・2歳児クラスまで月ごとの個別指導計画を作成しています。計画は柔軟に変更・見直しを行っています。保護者には離乳食の進め方、午睡時間、トイレットトレーニングなど、一人一人の成長過程の把握が必要な事項で説明し、同意を得ています。


・保育内容の遊びでは、子どもの年齢、発達に応じたおもちゃ、教材、絵本などを用意しています。0〜3歳児クラスと4、5歳児クラスは別園舎のため、日常的な関わりは難しい面がありますが、他年齢学年の保育士と連携をとり、散歩に一緒に行く、幼児が乳児の保育室で遊ぶなど週案を立てる際に検討しています。


・散歩時の公園の移り変わる草花や木々の様子から季節を感じています。


・食事、排泄、睡眠については一人一人の発達状況・健康状態や生活パターンを把握・考慮しながら、保護者と連携を取り、家庭との連続性を心がけています。園で提供している食事について、月1回給食会議で調理の工夫点など話し合い、次回の献立に反映しています。栽培活動、クッキング、食環境整備は年齢発達に応じて実践しています。


・0〜2歳児クラスは個別の連絡帳、幼児は必要に応じて伝達カード、送迎時のやりとり、懇談会、保育参観、園行事など保護者との交流の機会を設けています。園だよりなど毎月の配付物で情報提供をしています。日々の保育の様子は、玄関のホワイトボードで知らせています。コメントのほか、週に1度は職員が撮った写真を展示しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・入園時に把握した生育歴を始め、入園後の子どもの成長発達記録は、児童票、健康台帳に記録し、個別にファイルしています。0〜2歳児は毎月、3〜5歳児は2か月ごとに発達状況を確認しています。記録内容は事務室のキャビネットに保管し、全職員が共有できるようにしています。進級時には、児童票を基に、新旧の担任で申し送りを行っています。


・「神奈川区幼育支援会議」に園長が出席しています。出席者は小学校教諭、民生委員・児童委員、ケースワーカー、保健師、(ケースによって児童相談所職員)で、配慮や見守りが必要な子どもたちについて、地域で見守り、協力し合えることを話し合っています。虐待やアレルギー、発達支援に関する外部の研修で得た最新の情報を基に職員会議で話し合ったり、園内研修を行い日々の保育の中に活かしており、すべての職員が同じ認識を持って保育にあたれる体制があります。


・保護者からは懇談会、アンケートなどで意見や要望を聞く機会を作っています。また送迎時の担任とのやりとりのほか、連絡帳や、日常会話、普段の様子から意向を汲み取るように心がけています。アンケートはその都度集計し、玄関掲示でフィードバックしています。


・健康管理・衛生管理・安全管理などに関する各マニュアルを整備し、マニュアルに基づいた対応や訓練を行っています。行政、医療機関、児童相談所など必要な関係機関・地域の団体をリスト化しています。

4 地域との交流・連携

・神奈川区の「赤ちゃんの駅」、園庭開放、育児相談事業を行っており、これらを通じて地域住民の子育て支援ニーズの把握に努めています。また、神奈川区子育て支援連絡会の定例会、神奈川区の園長会で地域の子育て支援への取り組みについて意見交換しています。


・地域の日本童謡の会のメンバー達が毎年園に来て子どもたちと交流しています。地区の幼・保・小連携会議が年4回あり、出席して意見交換をしています。数校の中学校の体験学習を受け入れ、また、地域の中学校に進学した卒園児が園を訪問しています。他園との交流機会を持っています。選挙時の会場として施設を利用してもらっています。


・朝、職員が園周りと商店街を掃除しています。商店街や消防署に勤労感謝の日に子どもたちから感謝の手紙を渡しています。


・散歩に出かけ、大口商店街を行き交う地域の人々と自然に挨拶を交わしています。商店街の人々は園に理解を示し、温かく子どもたちの成長を見守る関係性を築いています。


・実習生については実習の目的に応じ、効果的なプログラムを工夫しています。実習後に、実習生と主任、担当職員が意見交換し、感想、反省などを話し合っています。歴史のある園のため、卒園児が保育実習生として学びに来ています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・職務規定に倫理規程、服務規程を明記し、職員が不正・不適切な行為を行わないように周知しています。区の子ども家庭支援課からの情報など職員会議で話し合い、不適切な行為を行わないよう職員の意識を高めています。


・ホームページに経営・運営状況を公開しています。


・「よこはまECO保育所」に認定され、玄関に掲示してあります。


・年度初めの職員会議で園長が理念や園目標について話し、職員に周知しています。さらに年2回の園長面談で、職員が理念、園目標を理解していることを確認しています。


・園の重要な意思決定(第二園舎の建て替え、行事の開催方法など)については保護者説明会で経過、決定事項を説明し、意見交換をしています。


・主任育成のプログラムがあります。主任は園長のサポートのほか、日々クラスを回り個々の職員の業務状況やクラスの様子を把握して、職員の補助に入るなど職員の心身の健康状態に配慮し、職員が働きやすいようにしています。


・事業運営に関する重要な情報を設置法人管理部が収集・分析しています。

6 職員の資質向上の促進

・設置法人が策定した人事考課基準表にて保育士の経験・能力・習熟度に応じた職員の役割についての期待水準を明文化しています。園長は可能な限り主任・副主任・リーダーに権限を委譲し、緊急時、園長不在時には主任・副主任・リーダーの判断に任せて、事後に上位の職員に報告することになっています。職員会議、リーダー会議、乳幼児会議、クラスミーティングなどさまざまな場面で業務改善の提案がないかを職員に聞いています。また、園長は年2回の面談以外にも随時職員と個別に面談し、職員の満足度・要望を把握しています。


・職員の経験年数や役割を考慮して研修計画を作成し、職員に対して研修が行われています。関東ブロックや全国対象の保育大会、外部研修(保育情勢、厚生労働省の文書、保育の流れなどのテーマ)に職員が参加しています。研修で学んだことは園に報告書を出すとともに職員会議で発表して保育に活かしています。園内研修は、年間計画に基づいて実施しています。職員会議は原則全員参加としています。非常勤職員は園内研修のみならず、外部研修に参加できる体制を整えています。


・年間指導計画、月間指導計画、保育日誌が定型化されています。職員はきめ細かく子どもを観察しており、評価・反省の欄に子どもの心の育ち、意欲、取り組みの過程について記入しています。職員は日々の子どもの姿や保育実践について、クラスで話し合い、対応の仕方を改善し次期の計画に反映させています。

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