かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ひばり保育園(2回目受審)

対象事業所名 ひばり保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 宿河原会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 214 - 0021
多摩区宿河原6-46-6
tel:044-811-1255
設立年月日 1977(昭和52)年07月01日
公表年月 2017(平成29)年06月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
【概要・立地面の特色】
ひばり保育園は社会福祉法人宿河原会(以下、法人)の経営です。法人では認可保育園3園を運営し、加えて地域の子育て支援の場としての「ひばりかんとりーくらぶ」を運営し、会館の貸し出しや子育て支援などで地域に貢献しています。運営施設はJR南武線久地駅を中心として全て徒歩圏内にあり、系列園で日頃から交流を図っています。この辺りは多摩川河川敷の平坦地で、肥沃な土地として多摩川梨の生産地としても知られています。園舎は2階建てで、正門入口からは園庭で子どもが遊んでいる様子が見渡せる構造になっており、広い空と広い園庭の一体感が感じられます。保育室は1階に2歳〜5歳児、2階は0歳、1歳児が使用しています。園の特色の一つとして、異年齢保育を積極的に取り入れ、食事はランチルームを採用し、時間差で0歳・1歳児、3歳・4歳児、2歳・5歳児にて異年齢で食事を摂る体制を確立しています。また、朝夕の保護者対応として、専任者(保護者連絡担当)を配置し、保護者が誰に声を掛けたら良いかを明確にし、必ず声かけを行うことにより個々の家庭の様子を把握し、得た情報は保護者連携掲示板に記入して職員間の連携を強化すると共に、園の「実施と体制」を確立しています。
【特に良いと思う点】
1. 全職員で全園児を見守る体制
園では、クラス担任は決まっていますが、全ての子どもを全職員で見るという意識の基、情報の共有化を図り、保育にあたっています。担任以外からも一人ひとりの子どもが見守られ、安心して過ごしている点は最大の特徴です。職員の勤務はシフト制ではなく固定勤務制を導入し、早出、延長保育時間の職員も固定され、子どもはいつもの先生に安心感と心の安定を図って過ごすことができます。登降園時の保護者対応では、保護者連絡担当(キラキラポジション)を設置し、必ず保護者連携掲示板(キラキラボード)に記録し、情報の共有化を図っています。
2. そらまめタイムの推進
ひばり保育園では実体験を大切に考え、様々な経験の積み重ねを大事にしています。「そらまめタイム」
とは、そら豆のように、天に向かって真っすぐ伸びて行く子どもの姿を映したネーミングです。子ども
たちは実体験という「根」から生活、行事、創作という養分を吸い上げ、運動、食育、造形、音楽、音
読等を通して生活に「花」を咲かせ、そら豆の「実」を実らせる、という子どもも保護者も理解しやす
い保育を実践して子どもの成長をともに育んでいます。日常活動では、朝は玩具を極力使用せず、触れ
合い遊びを取り入れ、昼の会で伝達・伝承しています。
3. ランチルームの設置
ひばり保育園の食事はランチルームを採用し、異年齢で時間差にて食事を実施しています。異年齢の組
み合わせにより楽しく食事を摂り、食への意欲や、真似る、お世話をする等、食事マナーへの意欲も生
まれています。また、食事前にたくさん遊びたい児、お腹が空いて早く食べたい児、食事ペースがゆっ
くりな児等、色々な子どもの気持ちに沿って楽しく自由な気持ちで食事を進めています。幼児では、温
もりのある木のランチプレートで食の楽しさを味わい、乳児は、三点盛りの食事で食への意欲と基本的
な食習慣が身につくようにしています。
【さらなる期待がされる点】
1. 年齢別活動についての考え方
基本的には全園児による異年齢保育を実施し、大きな1つの保育室を中心として保育の良さを発揮しています。また、兄弟姉妹のような関係で生活できることは、核家族、1人っ子も多い中で貴重な体験になり、思いやりを育みます。しかし、同年齢の子ども同士の切磋琢磨の点について、年齢差は能力差につながり、同年代同士で競う機会により成長につながる面は否めません。異年齢と年齢別保育をさらに意識しながら、年齢別活動の計画ではより多めに企画していくことも1つの考え方と思われます。
2. さらなる職員の質の向上
保育は、一人ひとりの保育士の質と職員間の連携が大切であり、異年齢保育の推進を支える職員の鉄壁な連携も、一人の保育士の不注意により、蟻の一穴から堤防は崩壊し兼ねます。全園児による異年齢保育を支える保育士の力を常に全職員が維持する為には、現在の力のある保育士に加え、全職員の標準化と共に、さらなる個々の職員の日々の研鑽と、全体の質の向上に努め、ひばり保育園ならではの鉄壁なコミュニケーションの維持を期待致します。
3.歯のケアの推進
園では、歯を大切にする考えの基、食後の歯磨きについては、うがいとデンタルガムの活用を行っています。その効用については「生活のしおり」で説明され、且つ、しおりの中で「歯磨きは、家庭でしっかり磨く習慣をつけて下さい」のメッセージを伝えています。園児と家庭には理解されていると思いますが、ひばり保育園へ入園を希望する方に対しても、デンタルガムの活用と歯磨きの習慣の考え方を園のホームページ等でメッセージを発信することにより、子どもの歯を大切にすることに対する有効なメッセージになるのではと思います。
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ●「子どもの人権の尊重」を軸に、保育理念に「子どもに夢を、保護者に安心を、子育て応援します」を掲げ、子どもの気持ちを受け止め、心に寄り添い、子どもが自主的に思いを伝えられるような保育を心がけています。保育に参加できない子どもについては、無理強いせず、子どもの気持ちを尊重して個別に対応し、また、朝夕の時間帯はコーナー遊び、室内遊びや園庭での遊びを選択できるようにし、子ども一人ひとりの人権を保障した保育を行っています。
●虐待の早期発見については、虐待防止対応マニュアルを完備し、朝の視診を行い、子どもとの会話を通して変化に留意し、キラキラポジション(保護者との連絡担当)で保護者から情報を得、子どもの気持ちを担任とフリー職員で把握し、子どもの不安に配慮し、必要に応じて、広い空間で複数の職員で対応するようにしています。
●個人情報に関して、重要事項説明書に明示し、入園時に保護者に説明を行い、保護者に承諾書に署名をもらっています。プライバシー保護については、入職時に個人情報、守秘義務に関する誓約書を交わし、オリエンテーションで重要事項説明書に沿って説明しています。作品展等に出展する際は、保護者に同意を得、出展作品は子どもの名前表示に配慮しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ●利用者満足の把握に向けて、意見箱の設置を行い、全体説明会、クラス懇談会等で意見を聞く機会を設け、また、保護者の個別面談や保育参加を通して要望や意見を聞いています。園全体に関する利用者満足については、今年度、第三者評価を受審し、保護者のアンケート結果や評価の結果を得て、利用者満足の向上に役立てていきます。職員は、保護者に対して日々の挨拶に一言加えてコミュニケーションを図り、積極的に子どもの様子を伝えるよう心がけています。
●苦情解決の仕組みについては、苦情解決窓口、苦情解決責任者、第三者委員の連絡先等、苦情解決体制を生活のしおりで示し、直接苦情を申し出る事ができることを知らせています。保護者からの相談・意見等について、園長は保護者説明会で何時でも受け付ける旨を伝えています。意見や苦情を受けた際は、迅速な対応に努め、協議が必要な場合はその旨を伝え、報告日を調整して回答するよう努めています。子どもからの相談は、個別に対応し、場合に応じて落ち着いた環境でじっくり話を聞くようにし、プライバシーにも配慮しています。
●園では、子ども同士のケンカについて、子どもの成長に欠かせない要素であり、自我を形成する機会と捉え、双方の言い分に耳を傾け、平等に援助し、子ども自身で気づき、考えて行動できるように導いています。配慮が必要な子どもには個別指導計画を作成し、発達相談支援コーディネーターの有資格者等、職員配置に配慮し、援助方法等を周知し、全職員で温かく保育にあたっています。
●登降園時にはキラキラポジションにより、保護者に挨拶や声かけを行い、家庭の様子を把握し、得た情報はキラキラボードに記載し、子どもの健康確認や伝達事項を職員間で共有を図っています。保護者への連絡は、0歳児は連絡ノートで密に連携を図り、1歳、2歳児は任意で連絡ノートにて伝達をしています。休息(昼寝含む)については、子どもの状況、年齢やその日の体調に応じて取り入れ、個々の生活リズムを大切にしています。年長児は就学に向けて、年明けから午睡は行わないようにし、小学校生活に備えるようにしています。
●園では、クラス担任は決まっていますが、全ての子どもを全職員で見るという意識の基、情報を共有して保育を実施しています。職員の勤務はシフト制ではなく固定勤務制を導入し、早出、延長保育時間の職員も固定され、子どもはいつもの先生といつも一緒に、心の安定を図って過ごすことができます。
長時間保育は、子どもが落ち着き、安定した気持ちで過ごせることを第一に考え、時間帯や人数、子どもの成長段階に応じて工夫しています。
●ひばり保育園の食事はランチルームを採用し、異年齢の組み合わせにより楽しく食事が摂り、食への意欲や、真似る、お世話をする等、食事マナーへの意欲も生まれています。幼児では、温もりのある木のランチプレートで食の楽しさを味わい、乳児は、三点盛りの食事で食への意欲と基本的な食習慣が身につくようにしています。アレルギー除去食については、アレルギー児の対応食を先に調理し、誤配膳、誤食が無いよう名札、トレーで区別し、ラップをして他の食品が混ざらないよう、細心の注意を払って実施しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ●園の必要な情報は、法人のホームページ、リーフレットにて情報を提供しています。電話問い合わせや園見学者にもサービス選択に必要な情報を提供し、生活のしおりで説明しています。また、地域活動を通してリーフレットを配布しています。サービス利用開始後は、慣らし保育を実施し、子ども、家庭の事情に応じた日程を作成し、子どもと保護者が保育園で一緒に過ごす期間を設け、園に慣れ親しみ、不安等の軽減に配慮しています。
●指導計画は、保育課程に基づき、子ども達の姿に合わせて策定し、月案ごとに評価、見直しを行い、毎日、朝の会、昼の会に活動の確認と調整を実施しています。「そらまめタイム」では、音楽・運動・集団遊び・製作・食育等の実体験を推進し、子どもの育ちに必要な領域を万遍なく設定して実施しています。実施状況の記録は、年齢に応じた記録様式を活用し、子どもの日常の記録(児童個人記録、保育日誌、個人ノート)を行い、把握及び共有しています。各クラスの動向、子どもの日々の活動の様子は、ボードに記載し、保護者に伝えています。
●園では保護者説明用冊子を3種類用意し、生活のしおり(入園のしおり)を2種類とQ&A質問集を作成しています。生活のしおりの1種は園見学者用として設け、通常提供される入園のしおりに相当したしっかりした内容であり、園見学者の不安にも配慮しています。入園者に配布する生活のしおりは、保存用と明記し、園の案内と保護者マニュアルが一体化したような素晴らしい内容です。加えて Q&A質問集が添えられ、園全般に関して良くある質問に詳細に回答し、保護者に安心を添えて提供しています。
4 地域との交流・連携 ●地域に向けた情報は、掲示板を園の入口に設置して園の案内を発信し、また、園のホームページや川崎市ホームページ、川崎市保育会ホームページで園の情報や第三者評価結果を開示しています。園見学者にも保育園資料を配布し、説明しています。多摩区役所主催の作品展では見学者に園のリーフレットを配布しています。
●地域に対して、育児相談や栄養相談を随時受け付け、一時保育事業、ぴかぴかくらぶ(保育士とあそぼう)を実施し、子育て支援地域活動として、「ひばりかんとりーくらぶ」(会員制)を併設し、地域の親子、親同士が交流できる場を提供しています。ボランティアの受け入れについては、マニュアルを整備し、中学生の職業体験等を受け入れ、保育養成校等と連携を図っています。
●関係機関との交流、団体との連携では、多摩区ブロック園長会、幼保小連携会議、次席会議、主任会、栄養士連携会議、看護師連携会議、年長児担当者会議等に積極的に参画しています。地域の福祉ニーズを把握するための一時保育事業及び子育て支援地域活動を行い、地域の子育て情報、ニーズの把握に努めています。また、年長児は近隣保育園の年長児交流会等に参加し、就学につなげられるようにしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ●理念・基本方針については、ホームページ、パンフレットに掲載し、保護者向け掲示板にも掲示して、理解を促し、全体説明会でも説明しています。職員に対しては、新任職員・中堅職員のオリエンテーションにて説明し、理解を深めています。また、年2回、経験年数に応じて「自分が理念を理解しているか」のチェック表を活用して理念の理解度を確認し、気づきを促しています。法人では、理念や方針の実現に向けて、中・長期経営計画(5ヶ年計画)を策定しています。
●園長の職務は、職員の職務と併せて職務分担表に明文化し、管理者層を含め、園内の組織図を作成し、職員会議で周知しています。園長は、職員の詳細な分掌事項を定め、年度初めに職務分担表に分担業務、担当職員、責任者を定め、権限移譲について伝えています。また、固定勤務制で子どもたちに安心できる環境を整え、併せて効率化も図っています。園では玄関にチケット販売機を設置し、現金のやり取りをなくす工夫をする等、経営の合理化を図り、保育環境整備に向けて取り組んでいます。
●サービス内容について、定期的に評価を行う体制に取り組み、自己評価は各年度に実施し、サービスの質の向上に努めています。法人の系列園で共通項目の自己評価を実施し、保育運営の振り返りを合同会議を行い、評価を定期的に実施しています。職員個々には、年2回、自己評価チェック表を活用して振り返りを行い、課題を明確にして次年度に反映させています。
6 職員の資質向上の促進 ●人材の採用、人員体制については、川崎市保育会園長会で3期に分けて一括採用を行い、職員の保育の連動、継続等を具体的に示し、必要数と確保数を決定して採用を行い、内定後は早期にオリエンテーションを実施しています。また、保育実習の受け入れから採用につなげています。園では、円滑な保育業務への処遇を意識し、川崎市規定に順じた手厚い体制で人材確保に努めています。遵守すべき法令・規範・倫理等は、入職時に個人情報の扱いに関する誓約書に署名して守秘義務を遵守し、社訓により周知徹底を図っています。
●研修は、年間研修計画を作成し、川崎市保育会で開催される研修会の他、法人内研修を実施し、職員の資質向上、専門性を高めるよう取り組んでいます。職員は、組織が求める専門技術や専門資格を自己評価チェック表に明示して研鑚しています。研修受講後は研修報告書を提出し、職員会議や昼の会で伝達研修を行い、報告書を回覧し、一人ひとりの資質向上に役立てています。研修計画については、法人内研修のテーマや外部研修内容の評価を行い、次年度の計画に向けて見直しを図っています。
●園長は、職員の日々の様子を把握し、要望や意向、意見は副園長、主任等からの情報を参考にしながら、定期的に面談を実施して相談しやすい職場環境を作るよう尽力しています。職員の有給休暇の消化率や時間外労働のデータは定期的に事務担当者がチェックを行い、情報を基に管理者会議で改善策を検討し、働きやすい職場環境作りに取り組んでいます。福利厚生では、川崎市保育会の職員厚生会に加入しています。また、法人の福利厚生として休憩時間を利用し、職員がリフレクソロジーやスポーツアロマの施術が利用できるようにし、職員のリフレッシュに取り組んでいます。

詳細評価(PDF1,054KB)へリンク