かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜ナーサリー

対象事業所名 横浜ナーサリー
経営主体(法人等) 社会福祉法人 横浜婦人クラブ愛児園
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 235 - 0011
磯子区丸山1-17-17
tel:045-751-4654
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年03月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【立地面での特色】
●横浜ナーサリーの立地・概要
横浜ナーサリーは、JR根岸駅からバスで、国道16号(横須賀街道)から200mほど西に入り、円山町公園から北に小高い丘の上に位置し、環境の良いところです。周辺は、横須賀街道沿線の古くからの住宅地であり、道が狭く、湾曲した道並は大型のバスは運行が難しく、ミニバスが軽快に走っています。近隣には横浜市立脳卒中・神経脊髄センターや、横浜市市電保存館があり、古くは横浜市のアクセスは市電を利用し、町の形成も市電の沿線に開けたことが伺える情緒ある地域です。保育園の道を挟んで反対側には市立横浜商業高校の別科の建物と、丸山第一町内会館があります。社会福祉法人横浜婦人クラブ愛児園は、同じ建物内に保育園の横浜ナーサリーの他に、乳児院のデュナミス(定員24名)、児童養護施設の誠心学園(定員20名)を運営し、諸設備を整備し、互いに協力関係を構築すると共に、快適な生活環境を提供し、子どもたちの健やかな育成に尽力しています。
●横浜ナーサリーの保育の方針
法人全体の理念として、「誠の心を大切にし、子どもの可能性を育みます」を据え、この理念を根幹に、横浜ナーサリーの保育方針として「子どもの年齢や発達に応じた遊びや生活体験に四季折々の行事を交えて、心身の健全な成長、発達を図ります」を掲げ、子どもが心身共に健やかに、育成されるよう支援しています。保育の目標は、「基本的生活習慣を身につけた子ども」・「心身ともに豊かな子ども」・「意欲をもつ子ども」・「自分で考えて行動できる子ども」・「思いやりのある子ども」とし、職員は5項目の目標を常に意識して、子ども一人一人の感性や人間性を育み、子ども一人一人が自立し、調和のとれた人間関係を育成する保育を推進しています。保護者に対しては、連携を密に図り、保護者と一緒に大切な子どもを守り、共に育てるよう努めています。
【特に良いと思う点】
1.職員相互の信頼関係
横浜ナーサリーでは、子どもを健全に育成する前提として、職員は「誠の心」を備え、職員間の信頼関係に基づく保育を目指し、子どもが心身共に健全に成長・発達するよう推進に力を注いでいます。「誠の心」を根底に、職員の相互信頼関係と共にベクトルの合った保育が必要であり、園長は、そのためにも誰もが楽しく働ける環境作りと、働き甲斐のある職場作りに尽力し、今年度から1人主任体制を採用し、報告・連絡・相談のサイクルを整え、指示系列を一本化にして業務のベクトル化を図り、保育士が動きやすい体制を整えました。さらに、主任の指導の下、クラスリーダーのレベルアップを図り、保育と人間関係の両面でリーダーシップを発揮できる人材登用を図っています。また、園長は、体制の確立に向けて年3〜4回、職員一人一人の仕事上の提案や悩みについて聴く時間を設け、リラックスした雰囲気の中で話し合い、意見を職場改善につなげています。体制は根付いたところですが、新体制で順次良い信頼関係が顕在化しており、全職員の理解と協力と共に、努力の成果は大いに期待され、さらに、職員個々の技術力等の研鑚にもつながっていくことが期待されます。
2.保護者との円滑なコミュニケーション
園の運営に関して、「保護者とのコミュニケーション」については当園に限らず、どの園においても課題の一つとして工夫をしながら取り組んでいます。「コミュニケーション」の難しさは、価値観の違う選べない複数の相手との利害関係もある難しい環境の中で、良好な信頼関係を作ることがそもそも難題です。行事の日程に関して、例えば、140名の保護者の様々な職業形態において比率的にサービス業が多く、園の行事は土日に実施されるにあたり、土日休みではないサービス業に従事する保護者は中々行事に参加できない不満が少なからずあります。「参加できない」という保護者の主張の裏に、不満の最大の要因として、土日に行事を決定する圧倒的多数の意向に、決定事項が「当たり前」として判断されたのではないか、個々の意見を加味せず決定されることへの不満が生じたのではないか等、保護者の気持ちに気づき、園では、保護者の個の「心」に対して、昨年度から登降園の機会に、園長が一人一人の保護者に積極的に声かけを行い、コミュニケーションを取りやすい関係の構築を図る等、保護者と1対1で話せる体制作りを開始し、意向を聞くように取り組んでいます。保護者の「心」を大切した取り組みは、日々を重ねることで信頼と共に、目に見える成果へとつながっていくことが期待されます。
3.現場への権限の委譲
横浜ナーサリーでは、今年度から英断を図り、主任の2人体制から1人主任体制とし、報連相を徹底し、ぶれない業務の一本化を進めています。体制の効果については、主任に権限を委譲し、行事や日々の保育について主任が大筋の基本を保育士に伝え、詳細はクラス担任、保育士に任せ、個々の保育士が有する能力を有効活用することにより、保育士それぞれの手腕が発揮され、自由な発想で保育が展開されるようになりました。年度末には振り返りを行い、次のステップへ進め、明るい展開が期待されます。課題点としては、いろいろな分野で能力差が表れる可能性もあり、次のステップでは優れた保育士の能力借用、切磋琢磨にて個々の保育士の能力の相乗への取り組みにつなげて欲しいと思います。企画力のある保育士、統率力のある職員、装飾、演出の得意な保育士、体操が得意な保育士、子どもに好かれる職員、笑顔の良い職員等、保育士一人一人の得意分野、能力をマトリックスで進めるとより素晴らしい保育ができると期待しています。

【さらなる期待がされる点】
1.セキュリティに関する問題
横浜ナーサリーでは、大きく2つのセキュリティに関する問題を課題として掲げています。1つ目は、外部からの不審者侵入を防ぐ対策としてフェンスの高さの改善、2つ目は、3施設共用玄関のセキュリティが挙げられます。28年度中に大人の背よりも高い1.8mのフェンスに更新すべく手配を行います。3施設共用の玄関は、現在は蛇腹の扉を採用していますが自動ドアを設置し、カード式の玄関ドアに改める予定でいます。最近は、様々な社会常識を覆すような話題が多い時代であり、設備のみでセキュリティ問題が解決できない時代となっており、子どものみならず職員の安全も考えた方策を積み重ね、よい方法を引き続き検討されるよう希望します。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ●保育理念、保育方針、保育目標は、子どもを尊重したものになっており、意識できるように園内4か所に掲示し、保育目標も、保育課程を保育室に掲示して、保護者がいつでも確認できるようにしています。職員は、子どもの人権を大切にし、気持ちに寄り添い、子ども一人一人の気持ちを尊重するよう心がけています。人権に関する研修を実施し、子どもの自尊心を傷つけないよう、一人の個として尊重することを全職員で共通認識を図っています。
●性差に関する配慮では、遊びや行事の役割、持ち物や服装での区別や、順番、グループ分けや整列も性別で区分けすることはしていません。出席簿は、乳児は生年月日順、幼児はアイウエオ順にし、個人シールも性別と無関係に選んでいます。また、制作等を行う際は、子どもが好きな色を選択できるように配慮しています。子どもや保護者に対して、父親・母親の役割を固定的に捉えた話し方や表現をしないように職員間で留意し、職員会議で振り返りを行っています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ●保育課程は、保護者の就労状況、家庭環境、周囲の環境を考慮し、理念・基本方針に沿って、子どもの最善の利益を第一義にして策定し、併せて全職員で前年度の年間指導計画の反省を踏まえて実施しています。保育課程の検討については、年1回、クラスリーダー・看護師・栄養士・主任を交え、見直し・検討を行う会議を開催し、クラスリーダーはクラスの要望等を把握した上で会議に参加しています。子どもの年間目標は、入園説明会、懇談会で説明し、保護者に配布しています。
●新入児受け入れの際は、短縮保育(慣らし保育)を実施し、期間については子どもの様子、状態に応じて臨機応変に対応し、子ども、保護者の不安の軽減に配慮しています。0歳、1歳児の主担当者は子どもが慣れた保育士におおむね決めるなど工夫し、子どもが安心できるように配慮し、全体で食事および個々の記録については担当を決めて継続し、クラスリーダー等、保育士全員でサポートをする体制を整えています。在園児への配慮では保育士1名は持ち上がりをできるよう配慮しています。保護者への連絡は、1日の子どもの様子をノートに記載し、保護者との連携の1つとし、送迎時にも口頭で子どもの様子を伝えています。
●3歳未満児は個別指導計画を策定し、子ども一人一人の状況に応じた保育目標を設定し、特別な配慮が必要な子どもについても、個別指導計画を作成し、個別の月間カリキュラム、個人記録を作成して情報共有を図っています。各クラスの保育内容と個々の指導計画に沿い、子どもの状況に合わせて柔軟に変更や見直しを行い、保護者とも連携・共有を図っています。支援が必要な子どもについては、行事前等は、参加の仕方や対応について保護者と面談し、理解を得、協力体制を整えています。
●保護者の保育参加について、前年度中に年間行事予定の一部を配布し、保護者が予定を立てやすいように配慮しています。保育参加は期間を長く(10月〜1月)設定し、0歳、1歳児は保育参加とし、2歳児以上は保育参観(2歳児年2回、3歳児以上年2回)を行っています。期間を長く設けることにより参加を促し、保育参観の参加者は多い状況です。保育参観、懇談会に出席できなかった保護者に対しては、プリントを渡し、保育参観についてはホワイトボードに参観の様子を記載して伝えています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ●障害児保育のための環境整備では、建物内は段差を無くし、オスメイト対応を備えた障害者用トイレを設置し、エレベーターも設備しています。専門機関との連携では、年2回、横浜市南部療育センターの巡回相談を受け、磯子区保健センター、磯子区保健師、児童相談所、医療機関等とも必要に応じて相談、指導を受けられる体制があります。園では、共に育ち合うことを大切にし、障害児がパニック等を起こした際はクールダウンできる場所を用意し、無理のない範囲で配慮しながら集団活動を行っています。
●虐待の定義については、マニュアルを整え、全職員に周知し、オリエンテーションで説明を行い、意識を高めています。虐待予防・早期発見については、職員は、登降園での視診を行い、家庭支援の必要な保護者とは信頼関係を築き、必要な援助を行い、磯子区役所、専門機関と連携を図り、相談できる体制を整えています。また、長期欠席している家庭にはこまめに連絡をいれるように心がけています。園では、相談等ができる環境作りとして、1対1で対話できる機会を年に数回設ける取り組みを始めています。
●アレルギー疾患のある子どもの除去食対応では、かかりつけ医の診断書と「保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表」の提出を基に、個人別献立表を作成し、保護者と密に連携を図り、月1回、保護者面談にて個別献立表を確認してもらい、適切な対応を行っています。また、「個人別献立表」のコピーを保護者、クラス担任、調理室、栄養士が持ち、毎日の食事を確認し、食事連絡帳にて毎日の食事記録をとっています。給食会議は月1回開催し、アレルギーについての研修報告、ヒヤリハットの報告を行い、情報の共有化を図っています。
●文化が異なる子どもへの対応については、外国籍の家庭の多い地域でもあり、自然に身近に異文化に触れられる環境があり、子どもたちには言語・表現・食事や生活習慣、考え方の違いを伝え、尊重しています。外国籍に係わる保護者については、絵カードを使用したり、連絡ノートに「ローマ字」や「ひらがな」で記入する等、必要に応じて個別に説明して対応しています。園では中国籍の家庭が多いので、中国籍同士のコミュニケーションを促進できるよう努めています。全く日本語が分からない保護者については、保護者同士の友人関係を活用して対応することもあります。また、宗教食の提供体制も整えています。
●保護者からの苦情などに関して、入園時に「苦情解決制度について」を配布し、第三者委員の連絡先を明示し、園内にも掲示しています。保護者から要望や苦情が述べやすいよう、意見箱を設置し、年1回、保護者懇談会や園に対するアンケート等で保護者の意見を聞き、利用者満足に取り組んでいます。自分で意見を表明するのが困難な、またはいつもと様子の違う子どもや保護者に対しては、職員が声掛けを行い、話しやすい雰囲気作りをしています。
●事故やケガについて、安全管理に関するマニュアルを整備し、事故等の発生時は速やかに連絡が取れるよう、各クラスで緊急連絡ノート(保育時間調査票に代わる簡易型)を作成し、軽傷の場合も全職員に周知できるよう、職員用の連絡ノート(職員内部用/メモでケガを報告・チェックに使用)を用意し、0歳〜2歳児は各クラスに備え、3歳〜5歳児は全体で把握できるよう活用し、共有化を図っています。
4 地域との交流・連携 ●地域の子育て支援サービスのニーズを把握する取り組みでは、保育園の見学会や町内会の掲示板にポスターを貼り、相談事業、育児相談の案内をし、ニーズの把握に努めています。また、園の行事に町内の方々(子どもが通園している、または通園していた町内会の役員の方等)を招待し、様々な要望を聞く機会にしています。横浜ナーサリーは、町内会と連携し、地域の防災拠点になっています。
●地域の子育てニーズに関しては、職員会議等で地域住民を対象とした「子育て相談」の普及について話し合っています。法人内の児童養護施設(誠心学園)と交流し、誠心学園の「普通の家庭の子どもと同じようにしてあげたい」という希望を受け、横浜ナーサリーの子どもたちと1日を通して一緒に遊べる日を設け、措置児童の自立支援に協力しています。また、地域住民向けの研修会等も開催して行きたいと考えています。さらなる検討・実行に期待しています。
●ボランティアの受け入れでは、「ボランティア受け入れのための手引き」を整え、受け入れ担当を定め、事前にオリエンテーションを行い、子どもの接し方や約束事項等を説明することにしています。現在、ボランティアの受け入れ、中学、高校生の体験学習等の希望はありませんが、能動的な取り組みを一考されると良いと思います。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ●職員の守るべき規範・倫理について、「横浜ナーサリー運営管理規程」」に明文化され、職員に周知し、守るべき倫理を遵守しています。経営や運営状況は、社会福祉法人として中項目までの公開は義務化に基づき、横浜市ホームページ、社会福祉法人団体ホームページ、全国社会福祉協議会ホームページ、経営者協議会ホームページに公開し、職員へは職員会議で示しています。コンプライアンスについては、重大事例(不正事例含む)が発生した場合は都度、情報を共有し、職員は守るべき規範について再確認しています。
●環境整備では、ゴミ減量化・リサイクル、省エネ、緑化について、法人系列園3施設で協力し、取り組んでいます。ゴミの分別を徹底し、省エネ対策として、職員間で声を掛け合い、廊下や使用していない部屋の照明をこまめに消すなど、節電に努め、順次、LED化を図る予定でいます。緑化推進では、園庭の樹木の種類の増加に取り組み、緑化を進めて行きます。ヨコハマ3R夢プランの取り組みでは、横浜市のリサイクルキャンペーンのポスターを貼り、イーオちゃん、マモルンジャーに来園してもらい、子どもたち共々、省エネに取り組んでいます。
6 職員の資質向上の促進 ●保育所運営について、厚い人材構成への意向を持ち、常に補充を検討しています。組織ヒエラルキーは、園長(施設長)、主任、クラスリーダーの体制であり、一般職員の中からクラスリーダーが、クラスリーダーの中から主任が順次育成される体制作りが大切と考え、主任候補の育成に取り組む所存でいます。人事面接では職員一人一人の希望の確認を行い、クラス担任への希望、退職の予定等を併せて把握しています。人員補充のため、採用を優先し、入職後に研修を強化して育成に努めています。
●横浜ナーサリーでは、福祉サービス第三者評価の横浜市評価項目を活用して毎年、自己評価を実施し、年度末に振り返りを実施しています。保育会議を設け、行事の反省やヒヤリハットの情報共有等を行い、より良い保育に向けて努めています。地域療育センターや、児童相談所の医師による研修を受け、子どもに対する技術援助指導を受けています。また、月2回、リズム研修を受ける等、研鑚を図っています。
●業務日誌様式に、保育方針のねらいに対しての振り返り、反省を記載できるようにし、改善に努める仕組みを整え、自己評価に取り組んでいます。また、年間指導計画、月間指導計画、週案、日案まで、日誌への記録と共に次につなげていくことを大切にし、振り返りでは取り組む過程を重視して行っています。
●階層別の経験・能力・職位に応じた役割とした期待水準は明文化されています。園の業務は、主任は1名、係制度、プロジェクト制度(交流保育など)を取り入れ、リーダーには可能な限り権限を委譲しています。園長は、職員と個別面談を実施し、職員の満足度、要望について把握し、職員の意欲を引き出し、業務改善については主任等と話し合う体制を構築しています。園では職員からの提案制度を設け、その制度が根付くことを前提として個別面談を活用し、職員のやりがいにつなげています

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