かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

けいわ会上小田中保育園

対象事業所名 けいわ会上小田中保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 けいわ会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 211 - 0053
中原区上小田中1-28-25
tel:044-982-9215
設立年月日 2014(平成26)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年06月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【概要・立地面の特色】
けいわ会上小田中保育園は社会福祉法人けいわ会の経営です。法人は昭和37年、東京都杉並区で読書グループ「青い実の会」からスタートし、現在、保育園の運営を東京都に4園と、川崎市の民間移管として、けいわ会上小田中保育園を開設・運営しています。園は、南武線武蔵新城駅から徒歩7分程度の住宅地の中に位置し、付近は、多摩川の流域に発展した地域として戸建てを中心とする住宅や、新興マンションが立ち並び、アクセスの利便性から東京、川崎、横浜のベッドタウンとして注目され、待機児童も多い地域です。園舎は屋上を設置した2階建で、広い園庭も整備され、余裕のある設計となっています。また、優しい風合いの外観が周辺の住宅地にも溶け込んでいます。園舎内部は、玄関を入ると木をベースにした内装と木の香りが印象的であり、右手にはゆとりある事務室が設けられ、1階は幼児スペース(3歳〜5歳児)と一時保育室を設け、厨房、図書コーナーを設備しています。2階は乳児スペース(0歳〜2歳児)と多目的ホールが設けられ、全体的に開放感ある広々とした空間を確保しています。平日の9時半〜11時半は地域の子育て親子に園庭開放を行い、園児も地域の方に接する機会となっています。
【特に良いと思う点】
1. 食育と健康な体作り
けいわ会上小田中保育園の大きな方針として「健康な体作り」を掲げ、「良く遊び、良く食べ、良く眠る」を推進し、家庭と連携しながら、子ども一人ひとり、集団活動においても健康な体作りを大切にして取り組んでいます。さらに、子どもの成長過程に大切なバランスある食事を重視し、特に、食育に力を入れています。園では、主食提供を含む完全給食を実施しており、素材の味を大切にした和食を基調とし、魚を中心にした献立を作成し、子どもたちに美味しい食事を提供しています。年度始めには年間食育計画を作成し、家庭に配布しています。また、野菜の栽培・収穫体験を行い、子どもに素材を知らせることで食への関心・興味につなげています。
2. 異年齢保育の取り組み
園では、3歳〜5歳児を3つの異年齢グループを設け、名称をミックスジュースと名付け、「ぶどう」、
「みかん」、「ばなな」のグループを作り、行事時には一緒に活動しています。さらに、異年齢で3人組
を設定して様々な活動を行っています。これらの異年齢保育での取り組みは、昨今、兄弟の少ない現代
において疑似兄弟体験を具現化し、上の子は下の子を弟・妹として思いやりを育み、真ん中の子どもは
上の子を真似、次に下の子のお世話をする自覚を促し、一番下の子どもは上の子に憧れ抱く等、“三人
兄弟”としてそれぞれが学ぶ良い体験になっています。お誕日会ではプレゼント交換を行い、ハロウィ
ンの行事ではミックスジュースで楽しく活動を行いました。

3. 地域との連携と子育て支援
地域の子育て支援として、一時保育室(ひまわりルーム)を設け、非定型型及び緊急の一時保育を実施しています。一時保育は登録制とし、1日定員12人までを受け入れ、対象は0歳児(生後7か月)〜未就学児までの利用を提供しています。また、月曜日〜金曜日の9:30〜11:30に園庭開放を行い、毎月「こっこ広場」を実施し、また、年に2回「パパと遊ぼう会」など、地域の子育てを支援しています。園のバザーや夏祭りでは、地域に案内をして地域の方々と交流を持ち、園の理解につなげています。中原区の子育て支援とした子育てサロン(新城神社クラブ)では保育士を派遣して地域の子育て親子に遊びを提供し、園でのノウハウを活用してもらえるよう努めています。
【さらなる期待がされる点】
1. 施設のさらなる有効活用を
けいわ会上小田中保育園は、民間移管の施設であり、新園としては広い園庭に恵まれた保育園です。設備にも余裕があり、ひまわりルーム(一時保育室)など地域に開かれた設備も充実しています。保育園単体としては申し分ありませんが、地域の小規模な保育園への精神的、施設的バックアップが期待されます。現状では旧来の公立保育園より優り、職員一同日々努力している点は高く評価できますが、現在の公立のセンター園に準じた機能も期待され、小規模な保育園も望んでいると思われます。ぜひ、幅広いネットワークが構築できるよう努力、工夫を期待しています。
2. 地域のニーズへのさらなる対応を
園では、地域の子育て親子に向けて、保育園のノウハウを活用してもらえるよう子育て支援に尽力しています。昨今、核家族の時代において、世代間で子育てを継承する環境が希薄となり、現代の母親は子育ての悩み、子どもと一緒に遊ぶ余裕、子どもとのコミュニケーション方法を含め、保育園のノウハウが必要な方はまだまだ沢山いることでしょう。子育て相談に来園される方はその時点で大丈夫ですが、内に埋もれた家庭もあると考えられます。区役所や児童委員等との連携などでそのような家庭に手を差し伸べることができないか、園の資源の活用と共にぜひ、一考して欲しいと思います。
3.職員の資質のさらなる向上
現在の職員一人ひとりの資質について、限られた時間の中でヒアリングを行ったところ職員面接での保育士、栄養士は明るく、意欲を持って保育に取り組む姿勢を確認し、また、各保育室で従事する保育士もにこやかに元気よく保育に当たっていることを観察により確認できました。園では、手厚い職員配置を整え、リーダーも備え、保育環境が整いつつありますが、特に、正規、非常勤職員等が一緒に仕事をする上において、利用者にとっては非常勤職員も同じ園の“先生”であることの自覚を促し、さらなる園の質の向上に向けて、非常勤職員のレベルアップが必要に思われます。継続して今後共、園全体の質の向上に推進を図って行かれることを期待しております。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ●園では、子どもの最善の利益を考え、子どもの人権を尊重し、日々の保育にあたっています。保育課程を策定する際も「子どもの最善の利益」を基本として展開を図り、職員は、法人の定期研修を受け、「子どもの最善の利益・子どもの尊重」について、理解を深めています。また、子ども一人ひとりの情報は職員会議で共有を図り、園全体で共通認識の下、取り組んでいます。
●虐待の早期発見については、マニュアルを完備し、クラスファイルに「虐待発見シート」(虐待等の発見のポイントを記載)を備え、着替えの際の視診を大切にし、「いつもと違う」を発見できるよう心がけ、虐待の早期発見に役立てています。職員は虐待に関する対応、知識を学び、共通認識を図り、意識を高めています。
●個人情報に関して、重要事項説明書に明示し、説明を行い、就学や地域の関係機関への情報提供に関しては保護者から同意を得ています。プライバシー保護については、マニュアルの中に記載し、職員は理解しています。利用者のプライバシーの配慮では、プールや身体測定の着替え時には外部から見えないよう配慮し、お泊り会等においても子どもの羞恥心に十分配慮しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ●利用者満足の把握に向けて、平成26年度の民営化に伴う保護者アンケートで意見を集約しその後の改善に尽力し、現在は、行事ごとにアンケートを実施し、送迎時に個別の意見を抽出し、玄関にご意見BOXを設置し、メールでも受け付け、意見を述べられる環境作りを行っています。また、保護者の個人面談を実施し、要望や意見の声を受け止めて保育に反映させています。園全体に関する利用者満足については、今年度、第三者評価を受審し、保護者のアンケート結果や評価の結果を得て、利用者満足の向上に役立てていきます。
●苦情解決の仕組みについては、苦情解決制度を設け、直接苦情を申し出る事ができることを掲示し、保護者に知らせしています。保護者からの意見等は、職員会議で迅速に協議を図り、内容を精査し、改善が必要な点は園の見解を示し、園全体に係わる内容は公表しています。各クラスにリーダーを設置し、保育士一人ひとりの機微の部分にサポートを行い、保護者の対応体制を構築しています。年度初めに保護者に体制を伝え、サービスの向上に努めています。
●子ども一人ひとりについて、クラス会議で発達の状況を確認し、報告し合い、乳児クラス及び、配慮が必要な子どもには個別指導計画を作成し、共有を図り、支援ができる体制を整えています。また、生活環境等を理解及び受容し、子どもの情緒にも配慮しています。特別の配慮が必要な子どもについては、保護者、関係機関と連携を図り、職員配置に配慮し、子どもの可能性を大切にして保育にあたっています。また、子ども同士の関わりの中から共に育まれるよう援助しています。 
●登降園時には挨拶や声掛けを行い、担任は、「視診表」に目を通して子どもの様子を確認してから保育に入るよう心がけ、保護者にその日の子どもの様子や、健康状態等を伝えるようにしています。休息(昼寝含む)の長さや時間帯は、子どもの状況、年齢やその日の体調に応じて休息や時間の調整に配慮する等、子どもの生活リズムを大切にしています。
●延長保育では、異年齢児での合同保育とし、マットやカーペットでコーナーを設定し、子どもが落ち着き、安定した気持ちで過ごせるよう保育環境を整え、自由に遊べるようにしています。また、保護者が同じ保育士に話しができるよう、朝の保育士、夕方の保育士の配置にも配慮しています。引き継ぎ等、伝達事項については「視診表」の確認を徹底し、保護者、担任に伝わるよう体制を整えています。
●食育については年間食育計画を策定し、保護者に配布して園の取り組みを説明しています。食事の献立は、和食を中心として旬の食材を取り入れ、素材の味が活きる味付けを心がけ、子どもが季節を感じられる食事を提供しています。食育活動では、幼児は包丁で野菜を切ってクッキングの体験を行い、3色栄養群を学び、食育の効果を高めています。アレルギー対応については、誤配膳、誤食が無いよう確認を行い、細心の注意を払って実施しています。また、配慮食にも対応しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ●園の必要な情報は、ホームページで園の概要を知らせる他、園見学者にしおりを配布し、口頭でも説明を行い、写真をプロジェクターで投影する等、情報を提供しています。サービスの開始時には、重要事項説明書(保育園のしおり)で説明及び周知を図り、慣れ保育を実施しています。慣れ保育は目安の予定表を用意し、日程については子ども、家庭の事情を考慮して臨機応変に対応しています。保護者とは密に連携を図り、0歳〜2歳児は連絡帳を活用し、送迎時にも子どもの様子を伝え、不安等の軽減に努めています。
●指導計画は、クラス会議で原案を作成し、職員会議等で話し合い、最終的に主任・園長が確認の上、承認し、全職員で共有しています。計画については、適切な時期に評価と反省を実施し、次の計画作成に反映させています。けいわ会上小田中保育園は民営移管を踏まえ、サービス実施状況の記録は、川崎市書式を継続して活用し、川崎市のマニュアルを基に園内研修を行い、記録の仕方の統一性を図っています。個人情報に係わる記録は、事務室の鍵のかかる書庫に保管しています。
●提供するサービスの実施方法については、川崎市のマニュアル及び、法人のマニュアルを整え、標準的な実施方法を明文化し、クラス会議、職員会議で保育の振り返りを行っています。年間指導計画は、保育課程を基に、養護と教育の各領域を意識して策定し、定期的に保育内容の評価・反省・見直しを実施し、次期に反映させています。さらに、状況、必要性に応じて都度見直しを図り、柔軟に取り組み、より良い保育を目指しています。
4 地域との交流・連携 ●地域に向けた情報は、インフォメーション(掲示板)を園の入り口に設置し、園の情報、川崎市や中原区の子育てに関する情報、地域情報誌等に案内を掲載して地域に発信しています。毎月、「こっこ広場」、園庭開放を行い、年2回、「パパと遊ぼう会」を実施する他、園でのバザーのポスターや、夏祭りを案内し、近隣の親子、地域の方に利用してもらっています。園庭開放や園見学の利用者から育児相談を受付け、一時保育を実施し、地域の子育てに寄与しています。園の園庭は広く、在園児とも自然に一緒に遊ぶ機会を提供しています。
●ボランティアの受け入れについては、受け入れ手順書を用意し、事前にオリエンテーションを行い、個人情報等、注意事項を伝え、受け入れ体制を整えています。ボランティアでは、実習に入る前の保育学校の生徒や、職員の家族、中学校の職業体験などを受け入れています。
●関係機関との交流、団体との連携では、中原区公私立園長会、幼保小の園長会等に出席し、地域ブロックの話し合いにも参画し、地域の子育て情報、ニーズの把握に努めています。地域の子育て支援として、一時保育室を開設し、地域に開放すると共に、地域の子育てを支援し、地域の子育て親子から情報やニーズの把握に努めています。地域の子育て支援の一環で、子育てサロンに保育士を派遣し、協働で進めています。園の方針として育児相談、交流事業の他、専門家、学識経験者による講演会等も開催し、地域に開かれた保育を目指しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ●理念・基本方針は、ホームページや園の案内に掲載し、玄関にも掲示して保護者に理解を促しています。職員に対しては、入職時に法人理念・行動指針の説明を行い、理解しています。中・長期計画は、法人の施設長会議で検討を図り、本部理事会で決定し、財務計画の他に成長計画(職員の育成計画)等も設定しています。クラス別の年間指導計画は、全体会で前年度の反省を基に計画を作成し、前年・次年度のクラス担任を含めたクラス会議でまとめ、クラス別に作成した内容は主任・園長が確認し、決定しています。
●園長は、職務基準書、職能資格等級表を整備し、園長の権限を明示し、職務分担表を作成して分掌業務を明確にして権限の委譲を行い、サービスの質の向上に努めています。また、各セクション(看護師、栄養士、事務、主任、施設長等)の合同会議を開催し、業務の合理化、保育環境等について話し合い、副園長と共に改善に向けた運営に尽力しています。
●職員の質の向上に向けて、各職員は目標を設定し、年2回、自己評価を実施しています。目標に沿って展開した結果を評価し、自己評価を基に面接を行い、自己の課題を抽出し、次年度に組み入れて保育にあたっています。また、利用者アンケート内容の結果に沿った反省及び見直しを行い、課題を明確にして次期の保育園の自己評価に反映させ、質の高い保育を目指して取り組んでいます。
6 職員の資質向上の促進 ●人材の採用、人員体制については、法人が策定した中・長期計画に基づき、常に適正な人材確保に取り組み、けいわ会上小田中保育園では基準を上回る人員配置が成されています。0歳児は定員9名に対して担任4名を配置し、1歳児では21名に対して担任5名であり、さらに、夕方6時までは1名の担任が必ず待機している体制を整え、手厚い保育と共に、緊急時の態勢に備えています。遵守すべき法令・規範・倫理等はマニュアルを作成し、全職員に周知しています。
●職員の教育に関しては、職員研修体系を設定し、年間研修計画の策定を行い、階層別教育を実施して職員の資質向上、専門性を高めるよう取り組んでいます。研修受講後は研修レポートの義務化を図り、職員会議で報告し、職員一人ひとりの資質向上に役立てています。研修内容については、前年度の受講した研修内容の反省及び評価を行い、園の保育に実践できる研修内容を選定し、次年度の計画に向けて見直しを図っています。
●園長は、職員の日々の様子を確認し、声掛けを行うなど配慮に努め、職員の意向、意見は主任等からの情報を参考にしながら、相談しやすい職場環境を作るよう努めています。また、TKC(会計ソフト)のデータを活用し、有給休暇の取得、残業状況等を分析し、有給休暇の消化バランスを確認し、シフトに配慮しています。福利厚生では、東京都社会福祉協議会共済会(積み立ての退職金制度)に加入し、リフレッシュ休暇の年2日間の付与や、資格取得の補助制度を整え、健康保険組合、産業医、カウンセラー等を活用できるようにし、職員の心身のケアを行っています。

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