かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小学館アカデミーなかやま保育園(3回目受審)

対象事業所名 小学館アカデミーなかやま保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 小学館集英社プロダクション
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 232 - 0016
緑区台村町399
tel:045-938-5651
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年07月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【立地面での特色】
●概要
運営主体である、株式会社小学館集英社プロダクションは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県に「小学館アカデミー保育園」を41ヶ所展開し、内、神奈川県(横浜市・川崎市)は、18ヶ所の保育園を運営しています。小学館アカデミー保育園は、保育理念である『「あったかい心」をもつ子どもに育てる』を全園で共有し、7つの基本方針をベースに、楽習保育?を中心した、保育環境(ラーニングセンター、みどりのあそび場、小学館ライブラリー)と、保育活動(遊び、生活)の両立を目指し、「あそび・せいかつ」から「まなび」へ導き、理念の実現に向けて保育を展開しています。保育理念に基づいた保育の内容の詳細は小学館アカデミー保育園のパンフレットに写真・イラスト等で分かりやすく記載され(ホームページからも閲覧可能)、各項目とも詳細、精緻に組み立てられており、法人のポリシーが各項目に溢れています。これらの取り組みは、職員教育で意思統合を図り、保育プログラムと環境を大切にした小学館アカデミー保育園を展開しています。


●小学館アカデミーなかやま保育園をとりまく環境
この辺りは、JR横浜線沿線の住宅地として近年、発展が著しい地域であり、横浜線沿線は途中の私鉄(京王線、小田急線、田園都市線、東横線)の利用で横浜、東京間とのアクセスが向上し、横浜線にも急行が運行され、住宅地として注目され、活気ある地域です。園舎は、2階建ての建物で、保育園機能として恵まれた造りとなっており、1階は乳児保育室(0歳〜2歳児)がそれぞれ3室設けられ、調理室、事務室となっています。2階は幼児保育室(3歳〜5歳児)各部屋3室と、面談室、職員の更衣室が備えられた構成になっています。小学館アカデミーなかやま保育園には園庭があり、丘陵の中腹の立地が生かされ眺望も良く、近隣には畑も残る環境に恵まれた保育園です。定員60名のところ、現在、待機児童枠を加味して71名を受け入れ、4月からは77名になる予定です。


【特に良いと思う点】
1. まだまだ進化を続ける楽習保育?
前年度の優れた点では、楽習保育?のレシピと発表会が挙げられました。さらに、楽習保育?の進め方を工夫して、各保育園で保育のプログラムとして実施した実例を発表会で選定し、2年分のレシピ集が作成されていました。このレシピ集は、楽習保育?の幅・高さを大きく広げ、内包するプログラムが多岐に渡り、進化しています。今年度は、全小学館アカデミー保育園で楽習保育?の系列化に取り組んでいます。それは大きく学習保育を3つの大きなプログラム(@コミュニケーションプログラム、Aリズミック・運動プログラム、Bネイチャープログラム)に分け、小学館アカデミー保育園の保育の大綱を固めていく意向です。その中身は、コミュニケーションプログラムの中に、「ことば」の豊かさを身につけること、「本育」なども含まれており、3つの大分類に次ぐ中分類個々のカリキユラムの充実が図られていることが見えます。特に、出版大手の法人として推し進める「本育」が今後さらに進化されていくのか、大きく期待されます。


2.職員の資質向上に向けた「30秒の誓い」と3H活動の推進
全小学館アカデミー保育園では、今年度の方針として、「子どもと自分を守る30秒の誓い」と、「3H活動の推進」を進めています。この2つの活動は、子どもに止まらず、一人一人の職員にも向けた活動であることが特徴です。「子どもと自分を守る30秒の誓い」では、@人数のチェック(活動の区切り、区切りで員数の確認)、A環境と変化のチェック(子ども、保育士、スケジュールの変化確認)、B危機発生時には、「冷静」、「落ち着き」、「自分の5感」の3つにより子どもを守り、また、子どもを守ると共に、職員自身の保育活動を守ります。「3H活動の推進」では、3Hとは、「褒める」、「広げる」、「励ます」のスリーワードであり、保育の場面で子どもに対して「3H」を進めると同時に、職員同士でもスリーワードを上司、先輩・後輩、同僚の間で展開していきます。これにより、保育の質の向上が図られ、活動を進めることにより職員全体のボトムアップが期待され、今年度の目標として推進し、小学館アカデミー保育園全園で展開しています。


3.常設ひろば事業の受託
小学館アカデミーなかやま保育園では、今年度3月より緑区の子育てひろばの事業の一端の委託を受け、「常設ひろば事業」を開設しました。子育てひろばとは、就学前の児童とその養育者を対象に、横浜市の認定こども園・保育所で、園の施設や人材を活かした地域の子育てを支援するもので、地域で子育てをしている保護者や子どもたちが楽しく過ごせるように、園庭を開放したり、育児講座や交流保育などを実施していきます。子育て中の母親と一緒に話しをしたり、仲間作りの輪も広がります。緑区での常設園は、公立園2園と小学館アカデミーなかやま保育園の計3園のみで、特に、民間園として横浜市、緑区の事業に貢献することで、地域の知名度と信頼性が増すことが期待されます。今回の第三者評価調査日が常設園開設の初日であり、緑区の職員が視察に訪問されており、地域への貢献に期待されます。


【さらなる期待がされる点】
1. 「本育」への期待
小学館アカデミー保育園が推進する楽習保育の中に「本育」があります。「本育」の内容は、1日1回の読み聞かせタイムと、小学館ライブラリーの活用が現状であり、一般の保育園も実施している内容と同じでもあり、法人の事業体として教育を一つの柱とされていることを踏まえ、「本育」が取り組まれることに「教育」との関連性や、本育での意味合いの裏付けなる何か・展開、があると、大きな期待が膨らむことは否めません。世間での本離れが喧伝される中で、子どもたちに「本」に興味と“わくわく感”を持たせることは活字、マスメディアを本業とされる法人の使命とも思われます。アイデア・工夫、若しくは多くのラインアップがされるのではと昨年も期待しましたが、現在のところ目覚ましいものは見えていません。楽習保育のレシピのような画期的なアイデアと同様、是非、「わくわくをつくろう」に則り、「本育」の展開を期待しています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ●保育理念・基本方針は、小学館アカデミー保育園全園共通で展開し、『「あったかい心」をもつ子どもに育てる』であり、7つの基本方針『「思いやり」・「生きる力」・「好奇心」・「経験、体験」・「得意」・「ことば」の美しさ、楽しさ・「地域との関わり」』を大切にして、保育サービスを提供しています。
●子どもの人権について、理念、方針に盛り込まれており、職員は入社時に研修を受け、「職員マニュアル」にも明記し、人権についての勉強会も実施しています。園では、子どもを尊重し、子ども一人一人を大事にし、子どもの人権を最優先に考えた保育について会議等で話し合い、確認し、施設運営業務マニュアルに明示された「人権を守るためのチェック」を行い、より良い保育に努めています。
●性差に関する配慮では、出席簿は月齢順にし、遊び方や行事での役割、持ち物や服装での区別や、グループ分けや整列も性別で区分けをすることはしていません。身体的、精神的な話をする場合は個々に対応し、コンプライアンスを守るようにしています。呼び方は、小学校での「さん」付けを配慮し、就学前には「さん」付けにしています。職員は、ジェンダーフリーに関する勉強を行い、理解を深めています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ●園の保育課程は、法人が策定した保育課程に沿い、園長主導により主任が全般のまとめを行い、地域の実態、周囲の環境等を加味して作成しています。小学館アカデミーなかやま保育園の保育課程の特徴は、6歳児の項目を加えている点にあり、年齢別に養護・教育のねらいを掲げ、子どもの育ちの最善の利益を第一に考えて策定し、子どもの資質に応じた作成が成されています。保護者へは、保育課程を園内に掲示し、保護者会等で園の年間指導計画、各クラス別の年間指導計画を分かりやすく表現にした資料を示し、保育内容を説明しています。
●新入園児の受け入れの際は、短縮保育(ならし保育)を行い、子どもの個性や、保育歴・保護者の状況に応じて臨機応変に対応するようにしています。0歳、1歳児の新入園児では、グループで職員が担当していますが、子どもが特定の保育士に懐いた場合は同じ保育士が関わるようにしています。保護者への連絡では、0歳〜2歳児は連絡ノート(複写式)を使用し、3歳児以上は市販のノートを活用して必要に応じて記入し、登降園時にも口頭で伝えるよう保護者との連携を密にしています。在園児への配慮では、進級児の持ち上がりの保育士が担当するよう努めていますが、職員全体で一人一人の子どもを確認できるようにし、個々の職員が子どもの「困り感」が理解できる体制を目指して園全体で取り組んでいます。
●0歳〜2歳児については、毎月、子ども一人一人の個別指導計画を作成し、特別な課題のある子ども、障害児などを含め、個別に指導計画を立案しています。気になる子どもについては、必要に応じて関係機関の指導を仰ぎ、適切に対応するよう努めています。指導計画の見直しについては、定期的および、必要に応じて随時行い、新たな課題ができた場合は、相談・解決が図れるよう連携し、保育にあたっています。個別指導計画見直の重要部分(個別の離乳食の進め方、トイレトレーニング等)については、保護者と連携をとり、重要事項の説明と同意を得て計画の作成・見直しを図っています。
●子どもと地域との交流では、緑区の文化・レクリエーション施設を利用し、消防署の見学や、公園、市民プラザの活用の他、ズーラシア、四季の森などに出かけ、地域の様々な人と交流する機会を設けています。食育での買い物に地域の商店を利用し、近所の方に挨拶をして交流をしています。保育まつり(緑っ子まつり)に参加して交流行い、就学を視野に入れた取り組みでもある、他園とのドッジボール大会も実施しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ●障害児保育のための環境整備では、園舎はバリアフリー構造であり、多目的トイレにオスメイトを設置し、エレベーターも設備されています。小学館アカデミー保育園全園共通で、障害児の受け入れ体制・書式を整えており、いつでも受け入れ可能な体制を整えています。関係機関との連携では、横浜市北部地域療育センター、緑区役所の保健師、ケースワーカーと必要に応じて相談・指導を受けられる体制を構築しています。
●虐待の定義については、入社前研修および、厚労省の虐待マニュアルで全職員に周知しています。虐待予防・早期発見については、職員は、登園時などに子どもの健康観察を丁寧に行い、「困り感」のある子どもや保護者について配慮し、きめ細やかな対応に努めています。現在、虐待はありませんが、防止策として、職員の「気付き」を何より大切にし、取り組みに期待されます。
●アレルギー疾患のある子どもには、医師の指示(診断書)に従って除去食を提供しています。給食時では、専用トレイ、専用食器、名札等を使用し、調理室と保育士で連携を図り、受け取り時には保育士がダブルチェックの確認を行い、誤食がないよう徹底しています。除去食のメニューは、指示書に従って別途作成し、保護者に伝えています。
●文化が異なる対応については、園では多国籍の子どもが在籍し、生活用語は母国語を理解し、互いの意思の疎通を図るように努め、子どもが安心して過ごせるように配慮しています。文化の違いによる食事の対応ついては、給食は無理強いせずに、保護者と連携を密に図り、徐々に食材や味付けに慣れるように見守っています。
●保護者からの苦情に関しては、入園のしおりに苦情受付窓口・受付方法を記載し、入園説明会等で保護者に説明しています。第三者委員の仕組みは玄関に掲示して周知し、権利擁護機関についての苦情解決窓口も紹介しています。
●事故やケガについては、病院等の緊急連絡先リスト等を完備し、ケガ報告・事故報告・ヒヤリハット、ヒヤリハットマップを作成し、毎月、ケガの状況を集計して職員会議で周知し、再発防止策を立て、再発防止に努めています。ケガについては、保護者へ軽重に関わらず必ず保護者に伝え、頭のケガにはついては病院で受診するようにしています。
4 地域との交流・連携 ●地域の子育てニーズは、緑区の幼保小連絡会、園長会議で得た情報やニーズに関して職員会議で検討し、役立てています。地域の子育て支援サービスでは、交流保育を実施し、地域の保育園と交流を図り、園庭開放を実施しています。近隣保育園との交流では、センター園(市立鴨居保育園)を中心に「緑っ子まつり」を協働で実施しています。今後、横浜保育室の3歳児の受け入れを検討しています。
●地域への園の理解促進のための取り組みとして、行事(夏祭り)に近隣の方々、老人ホーム、高齢者グループホームの高齢者に案内し、園の取り組みや子どもの様子を見てもらう機会を設けています。また、自治会の回覧板やお祭りに参加し、近隣の小学校の行事への参加、幼保小との交流等を設け、町内会の行事では栄養士が「非常食」の調理を行ったり、中学生が園長インタビューに来訪する等、交流を図っています。さらに、小規模保育園との連携や、認可外保育園の0歳〜2歳児を受け入れ、地域の親子に向けた絵本の貸し出しも行っています。
●ボランティアの受け入れでは、一般大学生、通信制学生の夏休みボランティアや、シルバーボランティアの除草、体育のボランティア指導、中学校の職業体験学習などを受け入れています。ボランティア受け入れのためのマニュアルがあり、担当は園長とし、マニュアルに基づいてボランティアを受け入れ、今後さらに、積極的に受け入れていく意向です。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ●守るべき法・規範・倫理等は、「ブルーファイル」(入社前研修資料:マニュアル相当)に明文化され、研修で徹底しています。職員は、保育士倫理綱領や就業規則を順守し、実践に即した規定としての職員マニュアルを常備し、常に確認できる体制にしています。経営、運営状況等の情報は、小学館アカデミー保育園グループとしてホームページで公開しています。コンプライアンスに関して、法人本部より運営事務局会議の安全委員会で討議された事例が配信され、園内研修で取り上げ、職員は守るべき規範について再確認しています。
●環境整備では、施設運営業務マニュアルの中に環境方針が明文化され、ヨコハマ3R夢(スリム)方針を意識し、ゴミの減量化と分別に取り組んでいます。省エネ対策としては、節電や、エアコンの設定温度を心がけ、実践しています。●中・長期計画は、法人本部の運営事務局会議でのアジェンダが作成され、それらを基に、園長は、中・長期計画(基本的に体質改善計画を中心とし)を立案し、事業計画を策定しています。「常設ひろば事業」受託についても中・長期計画の中で計画されています。中・長期計画で重要な情報は、必要に応じて会議やミーティング等で職員に報告し、重点改善課題として設定しています。
6 職員の資質向上の促進 ●小学館アカデミー保育園に勤める職員としての行動目標を明文化し、専門性・社会人性・人間性を総合的に判断し、一般職員から主任、園長への人事管理へとつながる考え方を定めています。法人で研修計画が策定され、入社時研修、フォローアップ研修、ステップアップ研修等を設け、テーマ別や、職種・役職別に実施し、該当者は参加しています。また、人事考課制度があり、個人別目標の設定、個人別能力向上シートの作成を行い、目標と研修計画に沿って面接を実施し、人事の異動も含め人事政策を展開しています。園では、子どもの見守りについて、保育士が援助する必要性の判断ができる人材を育成することが重要と考え、子どもが困った時に援助できる体制作りを進めています。
●サービスの評価では、職員会議で年間目標を提示し、保育士は定期的に自己評価を行い、取り組むべき課題を明確にし、改善策・改善実施計画を立て、次年度につなげる仕組みを整えています。また、運営委員会において、保護者、自治会長、嘱託医と情報交換を行い、楽習保育のレシピ作り等、さらなる保育サービスの向上につなげています。保育士は、子どもの発達に応じて現場の動線作りを見直し、保育レポートで振り返り、日々の保育につなげています。また、透明性ある保育を心がけ、気づきを得られるよう日々保育にあたっています。外部から保育の技術の評価・指導等は、法人本部の指導の他、法人系列園との交流や、ボランティアの体育指導によるアドバイス、「英語で遊ぼう」の講師等から受けています。
●法人にて職種別に期待される職員像を明文化しています。人事考課制度による面接の際は、個々の異動の希望、クラス担当の希望も含めて各保育士の意向を聞いています。園では、月当番、各プロジェクト、役割分担表を明文化し、行事は保育士の提案により運営・実施しています。園と法人本部の連携を図る施設担当者を設置し、園長と協力しながら運営を推進しています。職員からの業務提案では、帳票類に関しての提案に対し、改善ができた事例もあります。例として、保育日誌は1週間のフォーメーションを組み込んだものに改善されました。園長は、職員に対し、「常々期待される大人であれ」と啓蒙し、職員のモチベーションにつなげています。

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