かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

小学館アカデミーひよし保育園(3回目受審)

対象事業所名 小学館アカデミーひよし保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 小学館集英社プロダクション
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 223 - 0051
港北区箕輪町2-2-12 アリアソワンプレミアム日吉101
tel:045-560-1710
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年06月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【立地面での特色】
●概要
運営主体である、株式会社小学館集英社プロダクションは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県に保育施設を45ヶ所展開し、内、神奈川県(横浜市・川崎市)は、18ヶ所の保育園を運営しています。小学館アカデミー保育園は、保育理念である『「あったかい心」をもつ子どもに育てる』を全園で共有し、7つの基本方針をベースに、「楽習保育?」を中心した、保育環境(ラーニングセンター、みどりのあそび場、小学館ライブラリー)と、保育活動(遊び、生活)の両立を目指し、「あそび・せいかつ」から「まなび」へ導き、理念の実現に向けて保育を展開しています。保育理念に基づいた保育の内容の詳細は小学館アカデミー保育園のパンフレットに写真・イラスト等で分かりやすく記載され(ホームページからも閲覧可能)、各項目とも詳細、精緻に組み立てられており、法人のポリシーが各項目に溢れています。これらの取り組みは、職員教育で意思統合を図り、保育プログラムと環境を大切にした小学館アカデミー保育園を展開しています。


●とりまく環境
小学館アカデミーひよし保育園が位置する港北区日吉地域は、地域全体で市街化が進み、残された資源を保全、活用を考え、公共施設等の緑化を進め、居住環境の整備作りを推進し、幹線道路の交通を円滑化することにより、高齢者、子ども、障害者が安心して住める街づくりを進めています。また、駅前には慶應義塾大学があることから、住民と学生との交流や、文化を育む街づくりの方針を掲げ、「大学と緑と豊かな生活のまち」として、今後整備が進められています。園舎は、東急東横線の日吉駅から徒歩10分程度の綱島街道に面したマンションの1階部分を占有し、近隣には丘陵地の木々の生い茂る緑に富んだ公園や、竹藪や畑も残る自然豊かな環境にあります。園舎を入ると、ガラス張りの事務室が右手にあり、左側は0歳児保育室と1歳児保育室が独立して設けられ、玄関から正面には、調理室と、4歳、5歳児の保育室に並び、2歳、3歳児の保育室が設けられ、仕切られた開閉式のドアを開けるとオープン保育ができるように工夫されています。人工芝の園庭は、幼児保育室側と、園舎左手に設けられ、子どもたちは縄跳びなどで遊び、夏はプール遊びで楽しんでいます。元気いっぱいの園児が園庭で遊び足らない活動は、散歩や野外に多く出かけ、積極的に体を動かしています。


【特に良いと思う点】
1.まだまだ進化を続ける楽習保育?
前年度の優れた点では、楽習保育?のレシピと発表会が挙げられました。さらに、楽習保育?の進め方を工夫して、各保育園で保育のプログラムとして実施した実例を発表会で選定し、2年分のレシピ集が作成されていました。このレシピ集は、楽習保育?の幅・高さを大きく広げ、内包するプログラムが多岐に渡り、進化しています。今年度は、全小学館アカデミー保育園で楽習保育?の系列化に取り組んでいます。それは大きく楽習保育?を3つの大きなプログラム(@コミュニケーションプログラム、Aリズミック・運動プログラム、Bネイチャープログラム)に分け、小学館アカデミー保育園の保育の大綱を固めていく意向です。その中身は、コミュニケーションプログラムの中に、「ことば」の豊かさを身につけること、「本育」なども含まれており、3つの大分類に次ぐ中分類個々のカリキユラムの充実が図られていることが見えます。特に、出版大手の法人として推し進める「本育」が今後さらに進化されていくのか、大きく期待されます。


2.職員の資質向上に向けた「30秒の誓い」と3H活動の推進
全小学館アカデミー保育園では、今年度の方針として、「子どもと自分を守る30秒の誓い」と、「3H活動の推進」を進めています。この2つの活動は、子どもに止まらず、一人一人の職員にも向けた活動であることが特徴です。「子どもと自分を守る30秒の誓い」では、@人数のチェック(活動の区切り、区切りで員数の確認)、A環境と変化のチェック(子ども、保育士、スケジュールの変化確認)、B危機発生時には、「冷静」、「落ち着き」、「自分の5感」の3つにより子どもを守り、また、子どもを守ると共に、職員自身の保育活動を守ります。「3H活動の推進」では、3Hとは、「褒める」、「広げる」、「励ます」のスリーワードであり、保育の場面で子どもに対して「3H」を進めると同時に、職員同士でもスリーワードを上司、先輩・後輩、同僚の間で展開していきます。これにより、保育の質の向上が図られ、活動を進めることにより職員全体のボトムアップが期待され、今年度の目標として推進し、小学館アカデミー保育園全園で展開しています。


3.合同保育の利点
小学館アカデミーひよし保育園では、3つの保育室を活用して、0歳児、1歳児、2歳・3歳児、4歳・5歳児の異年齢保育を行っています。特に、4歳・5歳児のクラスについては、人員配置要件では年齢別に1人の担任要員のところ、異年齢で行うことにより複数担任制が採用でき、子どもに対する気配り・目配り等、手厚い体制で「あったかい心をもつ子ども」の育みへの具現化に成果が上がっています。異年齢保育では、上の子どもが下の子どもの世話をしたり、教え、下の子どもも上の子どもを見て学び・育つ利点に良い効果を上げています。また、職員間の連携が強化され、意思疎通と情報共有が円滑に図られています。


【さらなる期待がされる点】
1. 「本育」への期待
小学館アカデミー保育園が推進する楽習保育?の中に「本育」があります。「本育」の内容は、1日1回の読み聞かせタイムと、小学館ライブラリーの活用が現状であり、一般の保育園も実施している内容と同じでもあり、法人の事業体として教育を一つの柱とされていることを踏まえ、「本育」が取り組まれることに「教育」との関連性や、本育での意味合いの裏付けなる何か・展開、があると、大きな期待が膨らむことは否めません。世間での本離れが喧伝される中で、子どもたちに「本」に興味と“わくわく感”を持たせることは活字、マスメディアを本業とされる法人の使命とも思われます。アイデア・工夫、若しくは多くのラインアップがされるのではと昨年も期待しましたが、現在のところ目覚ましいものは見えていません。楽習保育?のレシピのような画期的なアイデアと同様、是非、「わくわくをつくろう」に則り、「本育」の展開を期待しています。小学館アカデミーひよし保育園としては、職員で構成された「絵本グループ」が毎月、年齢に応じた適切な絵本を購入し、今年度は、保護者に対しても毎月の園だよりに異なった絵本作家を取り上げ、購入した絵本の内容も紹介して伝える取り組みを行っています。


2.さらなる地域との交流増進
小学館アカデミーひよし保育園では、横浜市の地域子育て支援事業を開始してから3年が経過し、地域との交流は開設当初より密に交流が図られてきており、今後さらに、地域との交流活動が期待されます。地域の高齢者施設からの交流の声掛けの機会を生かし、高齢者と園児の触れ合いの定期的な機会や、町内会の行事への参加、地域の公立の保育園を中心とした近隣保育園との保育見学、保育参加の相互交流等を図り、子どもの生活の連続性を踏まえ、地域社会と連携して保育を展開していかれることを期待しています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ●保育理念・基本方針は、小学館アカデミー保育園全園共通で展開し、『「あったかい心」をもつ子どもに育てる』であり、7つの基本方針『「思いやり」・「生きる力」・「好奇心」・「経験、体験」・「得意」・「ことば」の美しさ、楽しさ・「地域との関わり」』を大切にして、保育サービスを提供しています。基本方針は、パンフレットや園の玄関、事務所に掲示し、期初の職員会議で、全職員で理念に沿った保育を話し合い、共通認識を図っています。
●子どもの人権について、理念、方針に盛り込まれており、職員は入社時に研修を受け、「職員マニュアル」に明記され、人権についての園内研修でも行っています。園長は、保育士に保育・教育の面から理解を促し、注意をする際は声を荒げず、個人を尊重して穏やかに取り組むよう、より良い保育に努めています。
●性差に関する配慮では、名簿は生年月日順にし、遊び方や行事での役割、持ち物や服装での区別や、グループ分けや整列も性別で区分けをすることはしていません。身体的、精神的な話をする場合は個々に対応し、コンプライアンスを守るようにしています。しかし、夏のプール時や、運動面や遊びの大胆さの差異を考慮し、状況に応じて男女別の遊びを提供することもあります。職員は、父親・母親等の役割を固定的に捉えた話し方や、表現は行わず、理解しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ●園の保育課程は、法人が策定した保育課程に沿い、理念・基本方針を記載し、地域の実態、周囲の環境等を加味して作成し、小学館アカデミーひよし保育園の保育目標を加え、子どもの育ちの最善の利益を第一に考えて策定されています。保護者へは、入園の説明会や期初の懇談会で分かりやすく表現した資料と共に、説明しています。
●新入園児の受け入れの際は、短縮保育(ならし保育)を行い、通常、1週間〜10日を目安とし、子どもの個性や、保育歴・保護者の状況に応じて期間を決めるようにしています。在園児への配慮では、進級児の持ち上がりの保育士が担当するようにし、3月末に新学期に向けて保育室の移動を行い、新担任との関係性を作り、子どもたちに新入児を受け入れる喜びを伝え、心の準備をしています。保護者への連絡では、0歳〜2歳児は連絡ノート(複写式)を使用し、3歳児以上は市販のノートを活用して必要に応じて記入し、登降園時にも口頭で伝えるよう保護者との連携を密にしています。
●0歳〜2歳児については、毎月、子ども一人一人の個別指導計画を作成しています。現在、特別支援対象の幼児は在籍していませんが、課題のある子ども、障害児などを含め、個別に指導計画を立案しています。気になる子どもについては、必要に応じて関係機関の指導を仰ぎ、適切に対応するようにしています。週間指導計画の見直しについては、必要に応じて随時行い、新たな課題ができた場合は、相談・解決が図れるよう職員間で連携を図り、保育にあたっています。個別指導計画見直の重要部分(個別の離乳食の進め方、トイレトレーニング等)については、保護者と連携をとり、協同で進めています。
●子どもがそれぞれの遊びに集中できる環境作りを工夫し、各クラスにラーニングセンターを工夫して設け、コーナーの1つとしてゴザも活用しています。ライブラリーコーナーでは、絵本等の内容・冊数が充実しており、職員で構成している「絵本グループ」が毎月、年齢に応じた適切な絵本を購入しています。園では、昨年度に続き、今年度は、「本育」の取り組みとして、保護者に対しても園だよりに毎月、異なった絵本作家を取り上げ、購入した絵本の内容を紹介して伝えています。また、子ども自身が絵本を選んで借りて帰り、翌日、返却するルールを決め、園児一人に対して、平均年間100冊以上も貸し出される等、本育を進めています。
●保育理念、保育方針は、園のパンフレット、入園のしおりに記載し、保護者の目に付くように園内にも掲示しています。園だより、クラスだよりには行事ごとのねらいを記載して理解を促しています。行事後は保護者アンケートを実施し、保育方針が理解されているかを把握しています。職員は、保育理念の「あったかい心を持つ子どもに育てる」ことを大切にし、想いを持ち、理念の具現化と共に保育にあたっています。
●園生活に関する情報は、各クラスで「今日の保育」と題し、ねらいや遊びの様子を掲示し、全ての年齢の内容が確認できるように情報を提供しています。また、園だより、クラスだより、保健だより、給食だよりを毎月発行し、園のブログや写真販売、トピックス写真の掲示等で、保護者に保育の内容、子どもの様子が伝わるようにしています。今年度は、ビデオ上映会(日頃の子どもの様子)を4月・9月・2月に実施し、日常の保育の様子、子どもの成長が確認できる機会を設けています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ●障害児保育のための環境整備では、園舎はバリアフリー構造であり、多目的トイレにオスメイトも設備されています。小学館アカデミー保育園全園共通で、障害児の受け入れ体制・書式を整えており、いつでも受け入れ可能な体制を整えています。現状、障害児保育は実施していませんが、関係機関とは連携し、専門機関から助言を受ける体制も整えています。
●虐待の定義については、入社前研修および、虐待防止マニュアルで全職員に周知しています。虐待予防・早期発見については、職員は、登園時などに子どもの健康観察を行い、着替えの際や、シャワー時に視診を心がけています。防止策として、法人の運営事務局会議(園長会議)で得た虐待事例などを基に、全職員に情報を周知し、共有し、話し合っています。
●アレルギー疾患のある子どもには、横浜市書式に基づいた医師の指示(診断書)に従って除去食を提供しています。また、家庭と連携を図り、6ヶ月(子どもによっては12ヶ月)ごとに見直しを図り、診断書は別綴りを設け、アレルギー一覧表を作成しています。
●文化が異なる対応については、外国籍に係る保護者と互いの理解が図れるよう、園で対応できるところと、家庭に協力してもらうところを双方で確認し、理解し合い、子どもが安心して過ごせるように配慮しています。英語対応の保護者の場合は、英会話のできる職員が対応し、互いの意思の疎通を図るようにしています。
●保護者からの苦情に関しては、苦情処理に関するマニュアルがあり、入園のしおりに苦情受付窓口・受付方法を明示し、入園説明会等で保護者に説明しています。第三者委員の仕組みについては、玄関に掲示して周知し、権利擁護機関についての苦情解決窓口も周知しています。
●事故やケガについては、普段利用する病院と区別して救急病院の一覧を明確に表示し、対応に備えています。また、ケガ報告書・事故報告・ヒヤリハット・ヒヤリハットマップを作成および記録し、職員会議で周知し、再発防止策を立てて防止に努めています。ヒヤリハットマップは、園内、散歩、公園用を作成して活用しています。
4 地域との交流・連携 ●地域住民に対する園の情報提供については、ホームページやブログに掲載して提供する他、園見学者、地域開放等や育児相談を通しての提供が主になっていますので、今後さらなる工夫が期待されます。育児相談は、毎週火曜日16:00に設定して実施しています。育児支援のお知らせや保育園情報は、港北区子育て情報サイト、広報よこはま港北区版に掲載され、わかりやすく情報が提供されています。
●地域に対して、園の理解促進のための取り組みとして、行事(夕涼み会)に近隣に案内し、園の取り組みや子どもの様子を見てもらう機会にしています。また、ハロウィンワークラリーや、親子での保育体験の行事を通して地域と交流を行うように努めています。近隣の慶応義塾大学付属中学・高等学校から運動会での用具を借用したり、地域の就学先の小学校とも交流を行っています。港北区主催のわくわく広場や地域ケアプラザ主催のにこにこ広場の子育て支援行事では、パネルシアターを実施したり、楽器類を貸し出す等、協力しています。
●ボランティアの受け入れでは、ボランティア受け入れのためのマニュアルがあり、担当は園長とし、マニュアルに基づいてボランティアを受け入れ、希望者があれば、積極的に受け入れていく意向です。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ●守るべき法・規範・倫理等は、「ブルーファイル」(入社前研修資料:マニュアル相当)に明文化され、「保育の基本編」、「勤務の心得編」を通して周知・徹底しています。職員は、保育士倫理綱領や就業規則を順守し、実践に即した規定としての職員マニュアルを常備し、常に確認できるようにしています。経営、運営状況等の情報は、小学館アカデミー保育園グループとしてホームページで公開しています。コンプライアンスに関して、法人本部より運営事務局会議の安全委員会で討議された事例が配信され、園内研修で取り上げ、職員は守るべき規範について再確認しています。
●環境整備では、施設運営業務マニュアルの中に環境方針が明文化され、ヨコハマ3R夢(スリム)方針を意識し、省エネルギーと環境配慮の促進に向けて、電灯スイッチにピンクと青色テープで目印を付け、スイッチを入れる時間帯を区別して節電を実践し、ゴミの減量化と分別にも取り組んでいます。緑化推進では、園庭のプランターで花を植え、栽培を楽しみながら緑化をすすめ、環境教育につなげています。
●中・長期計画は、法人本部の運営事務局会議でのアジェンダが作成され、それらを基に、園長は、中・長期計画(基本的に体質改善計画を中心とし)を立案し、3年事業計画を策定しています。中・長期計画で重要な情報は、必要に応じて会議等で職員に報告し、重点改善課題として設定しています。園の重点改善課題については、園全体の問題として全職員で検討し、取り組んでいます。
6 職員の資質向上の促進 ●小学館アカデミー保育園に勤める職員としての行動目標を明文化し、専門性・社会人性・人間性を総合的に判断し、一般職員から主任、園長への人事管理へとつながる考え方を定めています。法人で研修計画が策定され、入社時研修、フォローアップ研修、ステップアップ研修等を設け、テーマ別や、職種・役職別に実施し、該当者は参加しています。また、人事考課制度があり、個人別目標の設定、個人別能力向上シートの作成を行い、目標と研修計画に沿って面接を実施し、人事の異動も含め人事政策を展開しています。さらに、保育の専門性を高めるためのアドバンス研修では、希望者が研修を受講できる機会を設けています。
●サービスの評価では、職員会議で年間目標を提示し、保育士は定期的に自己評価を行い、取り組むべき課題を明確にし、改善策・改善実施計画を立て、次年度につなげる仕組みを整えています。
●法人にて職種別に期待される職員像を明文化し、能力、経験、習熟度等の期待基準を記載した「求められる職員像」としています。職員は、期待水準を目標として目指し、日々研鑽しています。また、園長・主任・保育士・看護師・栄養士の職務分担表もあります。人事考課制度では、個人の目標設定と達成度を勘案し、園長と面談後、法人本部にて評価され、昇給・賞与に反映されます。園長との面接の際は、個々の異動の希望、クラス担当の希望も含めて各保育士の意向を聞き、満足度も把握しています。年度末には、法人本部が各職員に対して「職務改善事項アンケート」を行い、職員の意向を把握しています。

詳細評価(PDF1,365KB)へリンク