かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

神ノ木保育園(2回目受審)

対象事業所名 神ノ木保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 聖徳会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 221 - 0001
神奈川区西寺尾3−2−13
tel:045-431-9300
設立年月日 1950年04月01日
公表年月 2017(平成29)年07月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
 神ノ木保育園は、昭和25年4月1日に開園し、67年目を迎える社会福祉法人聖徳会が運営する保育園です。0歳児から就学前児童を対象とし、定員は204名で、現在201名が在籍している大規模園です。園は、JR横浜線大口駅から徒歩10分ほどの見晴らしの良い高台の閑静な住宅地にあります。
 運営主体の社会福祉法人聖徳会は、神ノ木保育園のほか、横浜市内に4保育園、埼玉県日高市に1園の計6保育園を運営しています。


・園の特徴
 園庭、砂場、屋上広場、どろんこ遊びができる園庭(通称どろどろランド)での活動のほか、園近隣には散歩や園外活動に適した公園が多くあるほか、小中学校、交番、消防署、商業施設などもあり、地域社会とのつながりを持ちながら戸外活動に取り組んでいます。園伝統の「みつ馬」(3本の木を三角形に組んだバランス感覚を養う遊具)は5歳児クラスになると本格的に取り組み、運動会で成果を披露しています。また、丈夫な体つくりのため、室内は冬季(幼児のみ)を除き、裸足で過ごしています。


【特に優れていると思われる点】
1.遊びを大切にした保育
 戸外での遊びを大切にしていることを保護者に伝え、重要事項説明書に明記して、実践しています。園庭、砂場、屋上広場、どろんこ遊びができる第二園庭での活動のほか、園近隣には散歩や園外活動に適した公園が多くあり、日々変化に富んだ戸外遊びができる環境の中で子どもたちは遊んでいます。職員は子どもから程よく離れ、遊びの妨げにならないようにしながらも、すぐ対応できるようにしています。各クラスの週案の活動欄は、「園庭遊び」「屋上で遊ぶ」「散歩(神ノ木公園)」などの戸外活動を中心に作成されています。
 園舎内の遊びの環境作りとして、保育室だけでなく、玄関ホール、廊下の一角、屋上に出るための踊り場におもちゃや絵本を置き、遊びのコーナーとして活用しています。0歳児クラス(20名)、1歳児クラス(24名)を3グループ、2歳児クラス(26名)を2グループに分けて活動をしているため、保育室以外のこれらの空間を活かし、子どもたちが小集団で好きな遊びができるようにしています。


2.子どもと地域との日常的な交流
 地域交流計画に基づき、神ノ木公園管理事務所の協力を得た年長児のチューリップの球根植えなどの活動、他の保育園児、小学生、中学生、高校生との交流、消防車に乗る体験、園庭開放や園行事に参加した地域の親子との交流保育など、地域を知る活動・経験を取り入れています。日常的な園外活動時にも、子どもたちは顔なじみの人々と挨拶をしたり、遊んできたことの報告をしたりと自然な関係を築いています。体験学習で訪れた中学生のプレゼントの手作りおもちゃは子どもたちのお気に入りです。5歳児クラスは、小学校訪問で見つけた手作りの暖簾を自分たちも作りたいと希望を出したことから製作に取り入れ、完成した作品は保育室出入口に飾っているなど、地域の人々との交流を通して子どもたちは成長しています。


3.安定した保育を提供するための職員の取り組み
 園長のリーダーシップの下、職員の連携が図られ、一人一人の高いモチベーションもあり、常に子どもを中心にした保育の提供に努めています。クラスミーティング、全体ミーティングなど目的に応じた各種の会議を定期的に開催し、職員間の情報共有、保育の確認に努めています。クラスごとに「授乳と離乳食」や「歌遊び」などの年間テーマを決め、定期的に学習会を行い、全体ミーティングで発表する機会があります。そのほか、経験の浅い職員を対象とした「すくすく会議」は、ベテランの職員が講師となり、学び合う場としています。(異年齢)交流保育、食育の実践報告もスキルアップに活かされています。


【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.保護者との個別の情報交換の工夫
 園の基本方針の理解度の向上、クラスだよりの工夫、お散歩マップの展示など、保護者全体への情報提供の丁寧な取り組みが伺えます。しかし、第三者評価の保護者アンケートでは、送り迎えの際のお子さんの様子に関する情報交換についての設問に「どちらかといえば不満」22%、「不満」9%との結果が出ています。日々のやりとりのほか、希望者だけでなく園として個別面談の機会の設定なども含め、個々の保護者との連絡・連携体制を強化し、保護者のさらなる理解が得られるような働きかけが期待されます。


2.外部からの侵入に対する対応策
 第三者評価の保護者アンケートでは「外部からの不審者侵入を防ぐ対策」については、約30%の保護者が否定的な回答をしています。登降園時のオートロック式の門扉の閉め忘れについては、保護者に向けても、掲示でお願いをしていますが、徹底できていません。今後の検討、対応が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・設置法人内の保育園共通の園訓は、「三つの柱」である子どもの「自主性」「創造性」「社会性」を育て、さらに今日的な課題に対応できる「柔軟性」を身につけるで、「ひとりひとりの発達に見合った保育」「心と身体の自立を促す保育」を保育方針としています。保育の理念や基本方針に基づいた保育目標のほか、園としての思い「戸外での遊びを大切にする」「子ども一人一人に丁寧に関わる」ことを園長以下全職員の共通理解とし、実践につなげられるよう全体ミーティングなどで折にふれて思いの確認を行っています。


・園長・主任は、子どもへの声かけは、命令口調や否定的、威圧的でなく、穏やかにわかりやすく丁寧に行うよう指導しています。職員は、日頃から声の大きさやトーンに気を付け、保育中に不適切な声かけに気がついたときは、職員同士で注意喚起しています。職員は、子どもたちにも「ぽかぽかことば」と「チクチクことば」があることを話しています。


・「個人情報ガイドライン」に、守秘義務の意義や目的が明記され、入職時や年度初めの全体ミーティングで個人情報保護について再確認しています。高校生のボランティアや職場体験の中学生や実習生へは、それぞれの受け入れガイドラインに沿って守秘義務について説明し、実習生からは誓約書の提出を受けています。保護者には、個人情報の取り扱いについて、入園説明会で説明し、ホームページや園だよりに使用する写真に関する同意書を保護者から得ています。


保育課程に「性差や個人差への留意固定的な意識を植え付けない」を配慮項目に組み込んでおり、職員同士で反省する仕組みをつくっています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・保育理念、基本方針に基づいた保育を実践するために、それらを保育課程に明記しています。保育課程に基づいた年間指導計画から月間指導計画、週案を作成しています。職員は、職員ミーティングをはじめとする各種会議で話し合いや、振り返りの時間を設け、子どもの様子を共有し、保育に活かしています。


・2歳児クラスまで月間の個別指導計画を作成しています。計画は柔軟に変更・見直しを行っています。保護者には離乳食の進め方、午睡時間、トイレットトレーニングなど、一人一人の成長過程の把握が必要である旨、説明し同意を得ています。


・遊びに重点を置き、友だち同士、一人で遊びこめる環境構成を考えています。0歳児クラス20名、1歳児クラス24名、2歳児クラス26名での保育をしており、0、1歳児クラスは3グループ、2歳児クラスは2グループに分けて活動をしているため、玄関ホール、廊下の一角、屋上に出るための踊り場におもちゃや絵本を置き、保育室以外の遊びのコーナーとして活用しています。生き生きと生活する子どもは生き生きと表現するということを大切に考えています。異年齢交流計画に基づいた活動のほか、自然な流れでの交流も日常的にあります。


・戸外遊びも大切であることを、保護者に伝え(重要事項説明書に明記)、実践しています。園庭、第二園庭(通称どろどろランドでのどろんこ遊び)、屋上園庭のほか、園周辺の大小さまざまな公園に行き、子どもの年齢や発達に合わせ体を十分に動かせるようにしています。5歳児クラスになると本格的に取り組む「みつ馬」は、園の伝統的な取り組みで、竹馬のようにバランス感覚を養ったり、運動能力向上に役立っています。


・食事について、「食育年間指導計画」があります。たくさん遊び、お腹がすいたという感覚を大切にし、食事をより楽しめるようにしています。職員は「実践報告」を提出しています。子どもたちは、食育ボード、食材に触れる、当番活動、給食の盛り付け、クッキングなど年齢に応じて取り入れ、食への興味関心を広げ、食の大切さを学んでいます。毎月給食会議を開き、反省点、クラスからの報告、要望などを意見交換し、調理の工夫や献立に反映しています。排泄、睡眠については一人一人の発達状況・健康状態や生活パターンを把握・考慮しながら、保護者と連携を取り、家庭との連続性を心がけています。


・0〜2歳児には個別の連絡帳があります。その他送迎時のやりとり、園だよりなど毎月の配付物、園内掲示で情報提供をしています。保護者会組織活動のほか、園行事、年3回のクラス懇談会、年2回の保育参加などを通し、保護者と常にコミュニケーションを図るよう努めています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・入園時に把握した生育歴を始め、入園後の子どもの成長発達記録は、児童票、健康台帳に記録し、個別にファイルしています。乳児は一人一人の発達状況に応じ、1、2か月ごと、幼児は2か月ごとに発達状況を確認しています。記録内容は事務室のロッカーに保管し、全職員が共有できるようにしています。


・職員は、発達支援、虐待、アレルギーなど配慮が必要な子どもの様子については昼礼、クラスミーティング、全体ミーティングなど各種会議で報告、話し合い、記録を残しています。配慮が必要な子どもの保育について外部研修、園内研修など職員間で学んでおり、すべての職員が同じ認識を持って保育にあたる体制があります。


・玄関に意見箱を置き、行事後や1年の振り返りの保護者アンケートを行い、意見や要望の把握に努めています。アンケート結果は、園だよりやお知らせの配付でフィードバックしています。今年度、懇談会時の保護者意見から、幼児クラスの1日の様子を伝える玄関掲示を当日中でなく翌日まで掲示することに変更をしています。


第三者委員2名のほか、外部の苦情解決窓口として、横浜市福祉調整委員会、かながわ福祉サービス運営適正化委員会、神奈川区の子ども家庭支援課の連絡先を玄関に掲示しています。


・健康管理・衛生管理・安全管理などに関する各マニュアルを整備し、マニュアルに基づいた対応や訓練を行っています。行政、医療機関、児童相談所など必要な関係機関・地域の団体をリスト化しています。

4 地域との交流・連携

・園庭開放、交流保育、育児相談といった地域の子育て支援をしています。また、神之木地区センターで行う「わいわいパーク」で栄養士と調理員が、離乳食の講習・試食会を行っています。園庭開放や、交流保育時には実施記録をつけています。実施状況、参加者からの感想・質問、保育士のコメント欄もあり、今後の取り組みに活かせるしくみがあります。


・地域の公園管理事務所、保育園、小・中・高等学校と定期的な交流機会を持っています。散歩や公園遊びなど園外活動を積極的に行い、子どもたちは地域の人々と顔なじみの関係を築いています。


・園のホームページのほか、毎月の園だよりを、神之木地区センター、神ノ木公園、西寺尾小学校、西寺尾第二小学校などに掲示・配付して、情報提供をし、園庭開放・育児相談、運動会、お楽しみ会やクリスマス会などの行事参加も呼び掛けています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・設置法人の平成21年〜35年の中長期事業計画があり、それに基づき、園内設備の整備、幼保小交流、栽培の充実を園の平成27年〜29件の中期計画として作成しています。長期目標は、地域との係わり、子育て支援、職員の園内研修の充実を設定しています。


・子どもの健全な育ちを中心に作成した保育課程は、毎年見直しを行い、常に子どもの姿に合わせたものになるように話し合っています。保護者に配付している重要事項説明書(神ノ木保育園の保育)に、保育課程に基づいた年齢ごとの保育の指導計画(年間目標)を掲載し、新入園児説明会時に園長が説明をしています。保育課程は各保育室に掲示しています。


・職員は「年間自己評価目標表」を設定し、年2回園長面談による達成度の評価を受けています。毎年園としての「自己点検、自己評価結果報告」ファイルを玄関ホールに展示、公表しています。


・職員が守るべき法・規範・倫理などは「職員倫理規定」等に明記しています。


・経営状況、運営状況は設置法人のホームページで、財務諸表や現況報告書として公開されています。


・設置法人の園長会や、神奈川区の園長会で、他施設での誤飲・誤食などの事例検討の説明を受け、自園に持ち帰り、全体ミーティングで話し合い、それらの不適切な行為を行わないように啓発しています。


・「保育所の核となる人材育成研修」で、計画的に主任・副主任、学年リーダーを育成しています。主任は、園長に協力し、職員に対する適切な指示や指導で、職員一人一人が保育に取り組む意欲を高めるよう努めています。


・ポスター「もったいないを楽しもう!」を作成、掲示し、省エネやリサイクルに積極的に取り組んでいます。

6 職員の資質向上の促進

・設置法人で理念、方針を実現するための人事考課基準表(人材育成計画)を作成し、経験年数別に求められる役割と保育技術を明記しています。設置法人の人材育成計画に基づき、園の研修計画を作成しています。また、クラスごとに年間テーマを決め、定期的に学習会を行い、全体ミーティングで発表しています。経験の浅い職員を対象とした「すくすく会議」は、ベテランの職員が講師となり、学び合う場としています。(異年齢)交流保育、食育の実践報告もスキルアップに活かしています。


・非常勤職員に対しては、園内研修への参加、全体ミーティング録の回覧、研修レポートの回覧などで情報共有し、資質向上に取り組んでいます。クラスリーダーが非常勤職員の指導担当となり、保育が円滑に進むよう業務内容の調整や相談にのっています。


・計画立案時に計画のねらいを記入し、振り返りにあたっては子どもの育ちや、意欲、活動への取り組みを重視しています。また、職員自らのスキルの反省と見直しも行い、その後の計画に反映させています。


・園長は可能な限り、現場職員に権限を委譲しています。緊急時は担当職員が判断し対応しますが、対応処理についての最終的な結果責任は園長が負う体制になっています。また、園長は、職員からの日々の保育の中での改善提案や意見を、全体ミーティングをはじめとする各会議や日常会話の中で把握しています。

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