かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

しののめ保育園(2回目受審)

対象事業所名 しののめ保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 しののめ会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 236 - 0014
金沢区寺前1-8-28
tel:045-791-5043
設立年月日 2005(平成17)年09月01日
公表年月 2017(平成29)年07月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地及び施設の概要 
社会福祉法人しののめ会系列のしののめ保育園は、京浜急行金沢文庫駅より徒歩10分の、周りに集合住宅が立ち並ぶ一角にあります。
園は平成17年年9月1日に開設され、0歳から5歳児の定員90名、現在95名が在籍しています。
園の近くにも数多くの子どもが散歩に利用できる公園がありますが、なかでも、東に800mの所には、波静かな、広い人工砂浜の「海の公園」があり、また、北方1qの所には、有名な称名寺の広い庭園をも包み込む、自然豊かな「称名寺市民の森」があり、子どもたちの発達に合わせて、日常の散歩で利用しています。
園舎の南側には陽光を遮るものがない500u弱の園庭を有し、ここでも子どもたちは自由時間をおもいっきり走り回って遊んでいます。園庭西側のフェンスに沿って、「水生生物ビオトープ(人工川、池)」があり、地域のさまざまな水生動物が住みつき、繁殖しており、子どもたちは四季折々の生物の変化や、冬には分厚く張られた氷などを観察し、体験しています。


 
・特徴
園は0〜1歳児(2階)、2〜5歳児(1階)と分けて、それぞれ、日常は異年齢児保育を行っており、同じ年齢、月齢でもその日のプログラムに幾つかの選択肢を設け、子どもに選ばせるようにし、徹底的に子どもの意向にそった、年齢別ではなく、興味や発達の違いを捉えた保育を実践しています。


【特に優れていると思われる点】
1.子どもの主体性を育てる異年齢児保育の実践
園では、どんなことをして遊びたいか、園外に出る散歩なのか、園庭遊びか、又は、保育室内での遊びかなど、幾つかの選択肢の中から(言葉で表現できない子には、写真付きボードを使用し、職員が支援しながら)選ばせる保育を実践しています。2階の0〜1歳児と1階の2歳児ではその日の朝の会でプログラムを決めさせ、1階の3歳児以上は、週初めに園庭を含めた園外活動を何曜日に行うかを選択させて、一人一人が違ったプログラムで保育園生活を進める方式をとっています。子どもたちは相談のできる年齢では、友だち同士が相談し合って、活動の場を選択し、結果として、1つのプログラムに年齢幅の広がった子どもが集まり、子どもたちは見通しを持って1週間の保育を受けることになり、子どもの主体性が醸成される異年齢交流が実践されています。


2.地域に立脚した保育園運営
園では毎日の一時保育や園庭開放のほかに、毎月1回、園2階の地域交流を目的とした「こもれびルーム」を開放し、地域の未就園児親子を対象とした「スマイルタイム(地域子育て支援)」(テーマ;「絵具で遊んでみよう」「離乳食を作る」「ブラッシング(歯磨き)」など)を実践しており、毎回5組の受け入れに対して、希望者が多く、順番待ちの状況にあります。今後は、開催回数や定員を増やすなど、さらに地域貢献を進めていく計画です。


3.非常勤職員のモチベーションアップにつながるパート会議
園では月1回の職員会議のほかに、月2回の「パート会議」を開き、パート職員のほかに園長、主任が出席しています。開催時間は午睡の時間帯を利用しますが、その間の子どもの付き添いは常勤職員が行っています。その結果として、非常勤職員のヒアリングの際にも、職員が園の優れている点の一つに挙げるほど好評でした。


4.園自己評価結果のホームページによる保護者への公表
園では毎年の職員による「自己目標達成シート」による自己評価を実施しており、園長はその結果を園全体の自己評価としてまとめあげて、問題点を抽出し、対応計画を打ち出して園のホームページに掲載しています。園運営を保護者と園が協力して進める姿勢がうかがわれます。


【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.登降園時の玄関ドアの電子錠施錠のさらなる徹底を
保護者アンケートによれば、外部からの不審者侵入防止対策について、否定的回答が40%に達しています。登降園時の保護者で混雑する時間帯に、事務所からの確認を受けずに玄関ドアから入ることができる状況があり、オートロック、カードキーの採用などで、より安全策を講じてほしい要望も出ています。保護者の憂慮されている点を考慮して、さらなる防止策を期待します。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・園の保育理念は「安心・安全、そして信頼をモットーに地域社会との共生を目指します」とし、保育方針を「人との関わり、支え合いを大切にし、お互いを認め合い、助け合う関係を育て、人間形成の基礎を養う」「四季を充分に感じ、自然を愛しみ、心身を鍛え、物事に感動し美しい心を育てる」として子どもの利益を最重点に考え、保育を行っています。


・職員は、子どもに対する接し方、話し方や、人権を尊重することなどを職員会議、クラス会議で確認しています。「大人対子ども」ではなく、人としての「一対一」を心がけています。言葉かけや場面に応じた対応について、職員間で確認し合っています。「NGワード」を園独自で作成し、マニュアルの一部として活用しています。保育室に様々な遊びのコーナーが設定されており、別のコーナーの場や、棚・衝立のかげ、ランチルーム、絵本コーナーなど、保育士や友だちの視線を気にせず過ごせる場があります。


・守秘義務の意義、目的については、設置法人作成のマニュアルがあり、職員に周知しています。個人情報取り扱いについては、毎年「周知事項」として職員に配付しています。保護者に対しては、入園時に「重要事項説明書」を配付し、個人情報取り扱いについて、ホームページへの写真掲載、行事・保育の様子をCDに記録することなどについての説明を行い、了解を得ています。個人が特定される文書、資料はパソコン上での管理はしていません。個人情報記載文書、資料は事務室の鍵のかかる書棚に保管管理しています。


・職員は横浜市の「虐待や支援が必要な保護者対応」研修や「人権研修」を受講し、虐待に関する定義や知識について認識を深め、虐待の早期発見のため、子どもの着替え時などの観察には特に注意を払っています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・保護者とは年に1度、期間を設け希望者に、面談を行っています。随時希望すれば面談の機会を設けています。懇談会は年に1回実施し、クラス全体の様子を伝えています。保護者からの相談は、相談室を使用し、相談内容は個別の面談記録に記載しています。また月案の備考欄に記入しておき、職員に共通意識が持てるようにしています。


保育課程は保育理念、保育方針、園目標、さらには地域の特性に対応して、園庭開放、子育て支援のためのスペースの提供(こかげルーム)、育児相談を主体に策定しています。保育課程は、年度末に全常勤職員、一部の非常勤職員の意見を集約して協議し、見直しています。保護者には入園説明会や懇談会で、園の保育方針や保育の内容を説明し、月々の園だよりでは、その月のクラスのねらいを掲載し、保護者の理解を求めています。


・乳児、幼児のクラスとも、子どもが自由に取り出して遊んだり、片づけしやすいような場所や棚におもちゃ、教材が用意され、絵本棚もゆったりすごせるコーナーに配置されています。保育室内に畳、カーペット、机と椅子、ソファと絵本棚など、数多くのコーナーがあり、それぞれ落ち着いて自由に、遊べる環境を整えています。園行事などをのぞいて、原則として一斉活動は行わず、1日のほとんどを自由遊びとしており、園庭での遊びも含め、十分に楽しんでいます。夕方暗くなるまで、園庭で遊ぶ子もいます。


・園庭の畑で、キュウリ、トマト、ナス、ゴーヤ、トウモロコシ、ネギ、ブロッコリー、大根、春菊などを栽培し、生育状況を観察しています。収穫後は、クッキングに使っています。園庭にビオトープがあり、金魚、メダカがいます。春には、カエルが卵を産みにきます。たくさんのオタマジャクシが孵り、カエルになっていく様子を観察しています。保育室内では、メダカ、カタツムリ、カメ、海水魚を飼育しています。


・トイレットトレーニングは発達状況により、家庭と連携を取りながら、進めています。園での、排泄状況を連絡ノートや口頭で伝え、家庭での様子も確認し、連携を密にしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・見学は随時可能な旨、金沢区役所広報に公示しています。希望される方の希望見学日、時間に対しては、有効な見学プログラムなどを園から示す場合もありますが、原則、希望者の希望日時に合わせています。


・毎年3月に新入園児の保護者には入園説明会を開催し、保護者からは「児童票」「児童健康台帳」の提出を受け、面接を実施し、面接内容は園の「面接シート」に記録しています。しののめ保育園には、園独自の就園児アセスメント様式があり、子どもの健康・食事(アレルギーほか)・休息・基本的生活習慣などをヒアリングの上、記録しています。入園説明会時の個人面談では短縮保育の意味と必要性につき詳しく説明していますが、個々の家庭の事情によっては、短縮期間は調整しています。慣らし保育期間は通常、1週間から1か月くらいです。


・乳児(0〜2歳)は個人別に、幼児(3〜5歳)はクラスごとに指導計画を作成しています。各指導計画は、年間指導計画(4〜6月・7〜9月・10〜12月・1〜3月)、月間指導計画、週案・日案として作成しています。配慮を要する子ども(障がい、アレルギ―など)についても個人別に指導計画を作成し、毎月チェックしています。


・アレルギー疾患児ついては、入園時に保護者から医師の診断書「アレルギー生活管理指導票」の提出を受け、個別面接の中でアレルギー疾患の状況を詳しく把握しています。アレルギー食は、毎食の配膳前に栄養士、担当保育士が綿密に打ち合せを行い、除去食対応を行っています。誤食を防ぐために子ども名を貼りつけた青色トレイを用意し、除去食は青色トレイの上に載せられ、調理カウンターに子ども本人が取りに行くと、栄養士が本人を確認の上手渡します。本人はこの青色トレイをもって部屋の端に設けられた配膳テーブルに行くと、担当職員が、除去食以外の料理を載せて、本人は自分の席に戻り、トレイに料理を載せたまま、食事をとります。担当保育士は本人の横に付き、誤食を防ぐことにしています。


・年2回の内科健診、年1回歯科健診、毎月の身長・体重測定記録を個別に記録しファイルに綴じています。健診結果は、連絡帳および口頭で看護師から伝えています。「感染症マニュアル」があり、保護者には入園説明会で感染症発生時の園の対応や、登園停止基準について説明しています。


・毎月、テーマや設定を決めて、火災・地震などを想定した避難訓練、通報訓練を行っています。避難場所へのルートを確認しています。水、非常食、ミルクなど3日分の備蓄品があります。津波を想定し、近隣のマンションの高層階に避難できるように了解を取ってあります。


・入園説明会では、園の苦情受付窓口及び、園外の第三者委員について必ず説明し、入園のしおりにも氏名、連絡先を記載しています。園では意見箱を設置し、また、保護者との懇談会の場を設け、行事後には必ずアンケートに記入してもらい保護者意見の汲み上げに注力しています。

4 地域との交流・連携

・園は運動会などに地域住民の参加をポスターやホームページなどで呼びかけ参加を得ています。地域へは園庭開放などで、子育て世代に対して貢献しています。地域の自治会とは近隣の定期的な地域清掃に協力しています。また、自治会からの保育園説明要請に応え、講師を派遣しています。


・金沢区役所の広報紙やホームページに、また、金沢区の子育て支援団体の広報誌にしののめ保育園の育児支援内容や園の情報を掲載しています。保育所の基本方針や利用条件、サービス内容などは「入園のしおり」に掲載し、問い合わせに対しては常時対応できる体制にあります。


・地域の「海の公園」は子どもの発達に合わせて活動できる運動場として活用しています。また、金沢区図書館では絵本や紙芝居の貸し出しを受けて、子どもの園生活を充実させています。近隣商店街では園児ともども、クッキング保育の食材調達に出向き、子どもたちはお店の方との交流を通して、食育体験を経験しています。


・地元中学校・高校からは職業体験を受け入れ、小学校とは就学予定児の学校見学など交流を図っています。地元幼保小の活動として複数の小学校と継続的な交流を行っています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・園では職員に対して「しののめ会新任職員心得」を通じてコンプライアンス教育を実施しており、各種研修への参加や、研修報告会議の中で職員の不正防止への意識の啓発と周知が図られています。


・園の経営、運営状況などの情報は金沢区からの公表のほかに、園のホームページでも掲載しています。


・園はごみ減量化とリサイクル対策として、契約産業廃棄物業者に委託していますが、処理方法は「ヨコハマ3R夢プラン」にそっており、職員、園児で共に取り組んでいます。牛乳パックなどの廃材は教材として製作活動に利用しています。夏場はゴーヤ、朝顔等でグリーンカーテンを作り、省エネ、節電活動に役立てています。節電・節水に関しては年1回、全職員に対して発行する「周知事項」冊子にも記載しています。


・園では保育目標に「誰からも愛される子」「誰をも愛せる子」「心身ともにたくましい子」と打ち出し、また、平成28年度のしののめ保育園目標として「丁寧な保育〜意識を持って〜」とし、子ども本位の保育を入園前説明会、年度初めの懇談会で保護者に説明しています。

6 職員の資質向上の促進

・園の理念・基本方針は毎年度初めに、全職員に対して配布する「周知事項」冊子に記載し、職員と読み合わせを行っています。内容については職員会議で説明をし、理解度を見るために一部テストも実施しています。


・職員や保育園の自己評価については、園には「自己目標達成シート」があり、年初に目標を定め、毎年度末には反省を含めて自己評価を行っています。「自己目標達成シート」には、16の保育サービス大項目のそれぞれに、具体的な保育内容についてのチェックポイント(小項目)が120あり、自己評価する領域は、保育サービス全体をカバーしています。この「自己目標達成シート」を用いて職員一人一人は一年間を振り返り、園長はその結果を集約して組織の課題を明確にし、園運営の改善に結び付けています。抽出された改善課題などは、毎年度初めに発行する「周知事項」冊子に明文化し、全職員で共有しています。


・しののめ保育園の「保育園職員人材像(期待される人材像)」があり、入職年数、経験年数に応じた役割が期待水準として明文化されています。各職員は「保育園職員人材像(期待される人材像)」のコピーを入職時に受け取り、その後の研修受講計画立案などに反映しています。


・園長は金沢区の園長会議や系列園の園長会議などで得られた、他園における改善実例などを持ち帰り、月1回の職員会議で、自園での展開に関して全職員と検討しています。「保育に関する人権」「保育園と保護者との連携」などのテーマ講演を、設置法人が企画し、外部講師を招いて設置法人内研修を行っています。


 
・実習生を積極的に受け入れており、実習プログラムは実習生派遣学校の教官と連絡を取りながら、また、本人の希望を入れ、有意義な実習となるように、プログラムを作成します。実習期間中、日々の実習終了後に担当職員との話合いの場を設け、実習最終日には、関係した職員と園長、実習生で反省会を行い、貴重な意見は保育実践に活かすようにしています。

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