かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

屏風ヶ浦保育園(2回目受審)

対象事業所名 屏風ヶ浦保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人神奈川県社会福祉事業団
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 235 - 0023
磯子区森6-3-33
tel:045-761-3005
設立年月日 1970(昭和45)年01月01日
公表年月 2017(平成29)年06月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
屏風ヶ浦保育園は、京浜急行線「屏風浦」駅から、徒歩約5分の住宅地の中にあります。昭和45年(1970年)1月、神奈川県により設立され、運営は、社会福祉法人神奈川県社会福祉事業団に委託されました。平成21年(2009年)4月、同法人に事業移譲されています。なお、同法人は、当園以外に、横浜市および川崎市に5保育園を運営しているほか、老人福祉施設などの高齢者施設や児童養護施設など多くの社会福祉施設を運営しています。
園舎は鉄筋コンクリート造2階建で、1階は、保育室(4室)・ホール・事務室・調理室など、2階は保育室(2室)・多目的室などとなっています。園庭には、砂場・鉄棒・すべり台・登り棒・吊り輪・鎖状ネットなどの固定遊具があるほか、2階保育室外側に広いテラスがあり、すべり台などが備えられています。
定員は90名(6ヶ月後〜5歳児)で、開園時間は、平日7時〜20時、土曜日7時〜18時です。
保育方針を「豊かな実体験を通して心を育む保育」「子育てを共に考え見つめ合う保育」「地域に開かれ共に育ち合う保育」と定めています。保育目標(子ども像)は次の通りです。
・意欲のある子ども ・自分らしさを発揮できる子ども ・自分も友達も大切にできる子ども
保育姿勢を「子どもが健やかに育つ力を見守り、保育課程の下に成長と発達を助長しながら環境を整え適切な援助をしていく事を基本として保育を展開していきます。」としています。

◆高く評価できる点
1、子どもたちは、元気に遊びながら、さまざまなことを体験しています
天気の良い日は、園庭や散歩先の公園などで、子どもたちは思いっきり身体を動かしています。園庭では、鬼ごっこ・かけっこなどで走り回ったり、ドッジボールをしたり、思い思いに楽しんでいます。鉄棒、すべり台、登り棒、吊り輪などに挑戦する子どももいます。また、リズム遊びが積極的に取り入れられているほか、幼児クラスでは、外部専門講師による体育指導の時間があります。
幼児クラスでは、陶芸教室があり、外部講師の指導のもと、子どもたちは、土に触れる体験をしながら土笛や器を作っています。また、英語ふれあい活動の時間では、英語の歌を歌ったり、単語を覚えたりしています。
園庭の畑やプランターで花や野菜を育てています。5歳児クラスは、栽培用の土づくりから行っています。さつまいも・じゃがいも・人参・枝豆・ゴーヤーなどを育て、収穫して、クッキングの材料にしたり、調理してもらって給食で食べたりする経験をしています。
3・4・5歳児クラスでは、「幼児合同保育年間指導計画」のもと、年間を通じて、異年齢児間での交流があります。また、5歳児クラスの子どもが、乳児クラスに行き、午睡前後の着替えを手伝ったり、遊んだりする姿も見られます。
子どもたちは、散歩のときなど日常的に地域の人々と接し、交流しているほか、お泊り保育やクッキングの際に地元の商店に買い物に行ってます。また、系列園の保育園を始めとして近隣の保育園や小学校の子どもたちとの交流もしています。さらに、横浜美術館子どものアトリエを訪れるなど、電車を利用して出かけています。 
子どもたちは、さまざまな体験を通じて、自分の好きなことを見つけ出しています。

2、職員は、一人一人の子どもの気持ちを尊重した保育となるよう努めています
クラス活動では、次に何をやりたいか、どのようにしたいかなど、子ども一人一人の意見を聞くようにしています。多数意見とならなかった子どもには、「次に考えようね」などとフォローしています。また、一斉活動に入る際、それまでの遊びを続けている子どもがいても、無理にやめさせることはなく、子どもが自らの意思で参加してくる時期を待つようにしています。給食の時、保育士は苦手な食べものを「食べてみて嫌だったら残していい」と子どもに伝えたり、盛り付けられた量が多いと感じた子どもは「減らして欲しい」と言って自分が食べられる量に減らしてもらったりしています。
これらの対応の背景には、毎週の会議で、子ども一人一人の状況や対応の仕方などを確認しているほか、クラス会議や日々の打ち合わせで、全職員が情報を共有していることが挙げられます。また、集団活動の中で、一人一人を尊重した保育をどのように行うかを、園内研修や勉強会、外部研修などで職員は学び、日々の保育に活かしています。

3、地域の子育て支援に力を入れています
子育て支援として、一時保育、交流保育、園庭開放、プール開放、室内開放、育児講座、育児相談などを行っています。室内開放の一つとして、毎週月・水曜日に「子育てCafe Time」として、地域の親子に向けた交流の場を多目的室で開いています。お話会・英語遊び・制作遊びなど、様々な催しを企画しています。また、屏風ヶ浦地域ケアプラザおよび系列園の屏風ゆめの森保育園と共催で、育児講座を行っています。さらに、移動動物園・交通安全教室・人形劇鑑賞会・映画会など多くの行事に、子育て中の親子だけでなく一般地域住民も招待しています。
さまざまな活動を通じて、地域との良好な関係が築かれています。
               
◆さらなる工夫が期待される点
1、短時間勤務非常勤職員の資質向上への取り組み
園では、職員の資質向上のため、園内研修や運営法人内研修などを行い、外部研修へ職員が参加しています。これらの研修に、週30時間以上勤務の非常勤職員(園では、正規職員としています)は参加していますが、それ以下の短時間勤務時間非常勤職員が参加する機会はほとんどなく、資質向上への取り組みはやや不十分です。子どもたちの保育に携わる短時間勤務の非常勤職員にも必要な研修に参加する機会をつくることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育方針を「豊かな実体験を通して心を育む保育」「子育てを共に考え見つめ合う保育」「地域に開かれ共に育ち合う保育」としています。保育目標(子ども像)として、「*意欲のある子ども *自分らしさを発揮できる子ども *自分も友達も大切にできる子ども」を掲げています。

・個人情報の取り扱いについて、運営法人で定めた規定があり、全職員に周知しています。保護者には入園時に配付する「ほいくえんのしおり」に、個人情報の取り扱いに関する園の方針を記載しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・保育課程は、子どもの最善の利益を第一義とし、保育方針・保育目標・保育姿勢を踏まえて作成しています。入園説明会および年度初めのクラス懇談会で、保護者に保育課程を説明しているほか、園内に常時掲示しています。

・保育課程に基づき、年齢ごとに、年間指導計画・月間指導計画・週案を作成しています。また、5歳児クラスは、就学を踏まえてアプローチカリキュラムも作成しています。さらに、幼児合同保育(異年齢児間交流保育)の年間指導計画を作成しています。

・乳児は、毎月個別指導計画を作成しています。幼児は、特に配慮や支援が必要な子どもについて、個別指導計画を作成しています。

・園庭の畑やプランターで花や野菜を育てています。野菜はクラス毎に育てる作物を決め、サツマイモ・ジャガイモ・人参・枝豆・ゴーヤー等を育てています。栽培用の土作り(5歳児クラス)から行い、水やりなどの世話をして収穫までの体験をしています。収穫した野菜はクッキングの材料や、給食で調理し、食べ物への興味や関心につなげています。
 
・日頃から積極的にリズム遊びを取り入れています。また、3歳児クラスから外部の専門講師による陶芸教室を取り入れ、土の感触を体験しながら、子どもたちは土笛や器を制作しています。

・3・4・5歳児クラスには異年齢の保育について「幼児合同保育年間指導計画」をたて、きめ細かい取り組みをしています。年間の活動における異年齢間の関わり・ねらい・配慮・環境構成等について示しています。

・園庭遊びや散歩等の屋外活動を、日々積極的に行っています、また、外部の専門講師による体育指導の時間を3歳児クラスから、4月〜8月の期間に6回ほどの頻度で取り入れています。

・給食会議で、毎月各クラスの喫食状況を聞き取り、栄養士・調理師が献立を作成しています。毎月のお誕生会と行事食を合わせた献立にしたり、筍・冬瓜・ゴーヤー等の季節感のある食材を子どもにも食べやすい献立にしたりするなどの工夫をしています。

・朝夕の送迎時に、保護者とは、家庭と園の様子をできるだけ直接伝え合えるように配慮しています。連絡帳は0歳から5歳児クラスまでの全園児に用いています。

 

3 サービスマネジメントシステムの確立

・子どもの発達や状況に応じて、クラスごとに月間指導計画・週案を作成し、評価・見直しをしています。

・特に配慮を要する子どもや支援を要する子どもについて、支援検討プロジェクト会議で話し合い、記録しています。また、職員は、特に配慮を要する子どもやの障がいのある子どもの保育に関する研修に、参加しています。

・虐待防止マニュアルを定め、全職員に周知しています。マニュアル中に虐待の定義を記載しています。また、磯子区役所の保健師を講師に招き、虐待の防止に関する園内研修を行っています。

・苦情解決規程を定めています。相談・苦情受付担当者は、保育長(主任業務担当者を保育長と称しています。)および主任支援員(事務職員)、解決責任者は園長であることや、第三者委員(2名)に直接苦情を申し立てできることを、「ほいくえんのしおり」および重要事項説明書に記載し、保護者に周知しています。また、概要を園内に掲示しています。

・子どもの健康管理に関するマニュアルがあり、これに基く健康観察チェック表により、日々の子どもの健康状態を把握しています。また、毎日看護師が全クラスを回り、子どもの健康状態を確認しています。

・衛生管理に関する研修は、アレルギー対応・プール使用対応・嘔吐処理等を必要な時期に応じて実施しています。流行時期には各保育室にノロウイルス対応の消毒液を備えています。

・安全管理対策として、園内に防災対策委員を設け、園内の環境整備・安全対策の強化・避難訓練の充実等に積極的に取り組んでいます。地震や火災を想定し、通報・初期消火・避難場所への誘導等を取り入れた避難訓練を毎月実施しています。また、職員は救急救命法の講習を受講しています。

4 地域との交流・連携

・毎週月・水曜日に「子育てCafe Time」として、地域の親子に向けた交流の場を園内に設けています。お話し会・英語遊び・制作遊び等、様々な企画で開催しています。また、地域の子育て家庭に向けた講座を、屏風ヶ浦地域ケアプラザ及び姉妹園の屏風ゆめの森保育園との共催事業として行っています。

・地域住民に向けた育児相談は、毎週金曜日に行っています。

・移動動物園・交通安全教室・餅つき・人形劇鑑賞会・映画会等多くの行事に地域住民を招待しています。 

・幼保小教育連携事業に参加しており、近隣小学校や保育園との交流を行っています。また、中学校とは職業体験やサマーボランティアを受け入れています。

・ボランティアとして、毎月お話し会の講師やベビーヨガの講師に来てもらっています。

・実習生を積極的に受け入れています。実習プログラムは、学校からの希望に加え本人からの具体的な希望を聞き取り作成し、効果的な実習となるように考慮しています。


 

5 運営上の透明性の確保と継続性

・運営法人が、職員行動指針を定め、全職員に周知しています。また、運営法人が行う階層別研修中には、それぞれコンプライアンスに関する研修が含まれています。

・ゴミの分別をしています。また、牛乳パックや段ボールなどを子どもたちの制作の素材やお店屋さんごっこなどの遊びに利用しているほか、職員が入れ物やおもちゃを手づくりするなど、リサイクルに取り組んでいます。また、横浜市資源循環局の職員が来園し、子どもたちに環境保全について話してもらう機会を設けています。

・無駄な電灯をこまめに消すなど省エネルギーに努めています。水道栓に節水コマを取りつけたり、雨水の貯槽を設け園庭の水まきや花壇の水やりに利用したり節水にも取り組んでいます。

・年度初めの園内研修で、園長が保育方針・保育目標・保育姿勢などを説明しています。

・主任業務を担当している保育長は、日々現場に出て一人一人の職員の業務状況を把握しているほか、保育日誌などからも確認し、職員の能力や経験に合わせ、的確な助言や指導を行っています。また、職員が行う自己目標設定の際に、アドバイスをしています。

・事業運営に影響のある情報は、横浜市私立園長会や磯子区園長会などから得ています。重要な情報は、幹部間で検討するほか、適宜職員会などで知らせています。

・運営法人として、総合経営計画(平成27年度〜平成29年度)を作成しています。

 

6 職員の資質向上の促進

・運営法人が、人材育成計画を作成しています。目標管理制度を導入し、それに基づき、一人一人の職員が年度初めに自己目標の設定をしています。年2回、園長と面談し、達成度評価を行っています。

・毎年度、園内研修の計画を作成し、必要な職員が受講できるようにしています。

・職員は、運営法人が行う研修や、横浜市や磯子区などが行う研修に参加しています。外部研修に参加した職員は、職員会議などで内容を発表するとともに、研修報告者を作成、回覧するなど、全職員が情報を共有できるようにしています。

・外部研修などで、他施設の工夫・改善した良い事例を得た場合は、会議で報告し、検討しています。また、系列保育園の全職員が集まる実践事例発表会があり、他園の工夫事例を学んでいます。 実践事例発表会では、外部の専門家からアドバイスを受けています。

・保育の指導計画に関する自己評価は、計画で意図したねらいと関連付けて行い、子どもの意欲や取り組む姿勢がどうであったかなどを重視して行っています。評価・反省点を、次の週案・月間指導計画・年間指導計画の作成に反映させています。

・保育所としての自己評価は、保育方針・保育目標に沿って行っています。自己評価結果を、園の玄関に掲示し、保護者に周知しています。同時に、保護者アンケートの結果も掲示しています。

・園長は、年2回、職員と面談し、満足度・要望などを把握しています。また、運営法人が、定期的に全施設の職員に対し、メンタルヘルスチェックを行っています。

 

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