かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ナーサリーつづき(2回目受審)

対象事業所名 ナーサリーつづき(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人和泉福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 224 - 0029
都筑区南山田2-26-8
tel:045-595-2722
設立年月日 2001(平成13)年07月01日
公表年月 2017(平成29)年06月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
「ナーサリーつづき」は横浜市営地下鉄グリーンライン北山田駅から緑道を歩いて10分ほどの位置にあります。15キロに渡る緑道は「都筑の美しい緑道と公園を巡る健康づくりコース」になっていて、ウォーキングを楽しむ人も多く、車は進入できない静かな自然に恵まれた地域です。園舎は2階建てで園庭とプール、駐車場を備えています。エントランスを入ると明るく広々とした吹き抜けのホールと幼児保育室、そして幅広の階段を上がると乳児保育室になります。
 2001年(平成13年)7月に、0歳から5歳まで定員150名で開設された認可保育所です。開園時間は平日午前7時から午後8時、土曜日は午前7時から午後6時です(延長時間を含みます)。
 運営法人は、社会福祉法人 和泉福祉会(以下運営法人)です。運営法人はナーサリーつづきの他に横浜市に3園、東京都目黒区に2園の認可保育所を運営しています。
 保育理念は和泉福祉会の理念「子どもがそれぞれ持っている個性を認め、柔軟に受け止め、尊重しながら保育者との安定した信頼関係を基に個々に応じた社会性の芽生え、育ちを援助し、多様化する現代社会の中でたくましく『生きる』為の基礎を育むこと」を、園の理念として掲げています。  
 保育の基本目標は理念に基づいて「しなやかに こころゆたかに すこやかに」とし「色々な活動を積極的に経験させ、異年齢の子どもたちの交流を図りながら、一人ひとりの成長、発達を踏まえて、心身共に調和の取れた子どもの育成に努める」としています。

◆高く評価できる点
1、子どもたちは、自分で考え、自ら作り出すことを楽しみながら園生活を送っています
室内にはいくつものコーナーが設定してあり、子どもたちは好きなコーナーを選んで、ブロックで街づくりをしたりネックレスやベルトを作ったり、絵本を見たり塗り絵などをして自由に過ごしています。ままごとやごっこ遊びなど、グループ遊びでは、「仲間に入れて」「いいよ」と自然に入っていきます。どのコーナーからも愉しげな子どもたちの声が聞こえてきます。
散歩では歩きながら自然に歌を歌い出します。公園に着くと足を踏ん張って崖をのぼり、慎重に崖を下り、広場でははじけるように走り、転んでもすぐに起き上がってまた走ります。虫の集団を見つけると大騒ぎで他の子どもたちに知らせに行きます。
室内での製作は、紙粘土を自由な発想で、思い思いの形を作り上げていきます。日頃から、広告用紙やトイレットペーパーの芯などの廃材を工夫して、おもちゃを作り上げたり、自由帳を好きに使い、絵を書くだけでなく、文字や計算なども遊びの一つになっています。
園がパンフレットに掲げている「あたたかいまなざしと行き届いたケア、子どもたちの心・体・脳の成長をサポート」の実践に取り組んでいる様子が伺われました。
今回の保護者アンケートでも、「あなたのお子さんが保育園生活をたのしんでいるか」について、100%の満足度が示されています。

2、園全体が風通し良い組織体になっており、職員間のコミュニケーションが良好です
全職員48名という大型園ですが、幼児主任、乳児主任、クラスリーダーを中心として保育士集団がまとまっています。2人の主任は給食、看護、パート職員と保育士とのパイプ役ともなっています。保育士たちはリーダー、主任との連携で全体とつながり、栄養士や調理師、看護師、パート職員も主任との連携で全体とつながり、情報共有が出来ています。この組織づくりの機能が有効に働き、風通しの良い職員集団となっています。
その上で園長は全体を見渡し、自分の存在を前面に出さずに全職員の意思を尊重することを大切にし、現場を支えている主任を初めとして職員一人一人が自分の力を発揮できるように見守っています。園全体に、マナーをわきまえながらも忌憚なく自分の意見を表明できる自由な雰囲気があります。職員は熱心に子どもたちのより豊かな姿を追求し、職員室でも休憩室でも子どもの話でにぎわいます。休憩室は日常的に他職種との連携の場ともなっています。
今回の職員ヒアリングでは、この職場は上からの圧力がなく、会議でも意見が活発で、職員同士が高めあい、共に育っていける、という声が多く聞かれました。

3、人材育成が着実に行われ、園内でリーダー、主任、園長候補が育っています
人材育成の計画として、園長を中心として園内で考案・作成した職層別の「求められる職員像」があり、それを基にした職員チェックシートにより職員全員が自己評価をしています。「求められる職員像」は職層別(新任、中堅指導的職員、管理者)の「求められる職員像」を組織性、専門性の2項目に分けて作成しています。
個々の職員は「求められる職員像」や自身の職務実績を基にして「コミットメントシート」を作成します。「コミットメントシート」は年度目標と3期にわけての短期目標に向けての取り組み、研修・自己学習、そして自己評価を書き込むようになっています。年に3回の園長面接の際に、職員は期ごとの取り組みに関するプレゼンテーションを行い、園長のアドバイスを受けて振り返りをします。年度末には個々の職員に「意向調査」があり、その項目の一つ「仕事についての自己評価」で、現在の目標達成が何パーセントであるかを自己評価します。「コミットメントシート」にはまた、個々の職員のリーダー、主任、園長が、評価と次年度に向けてのコメントを書き込みます。それらを基にして、職員は新しい年度の目標を立て次期の取り組みに向かいます。これが、園での人材育成の柱となっています。
園ではまた新任保育士育成のためのシスター制度を実施していて、新任保育士に個別に先輩保育士がついて指導に当たります。先輩保育士がシスターとして3年に渡って後輩を指導するという役割を責任を持って担うことも、人材育成の一環となっています。
以上のような仕組みにより、園内ではリーダー候補、主任候補、園長候補が計画的に育っています。

◆独自に取り組んでいる点
1、0,1歳児については小人数での保育が出来るように工夫しています
園は全クラスがそれぞれ定員25名となっています。しかし、0歳児と1歳児はクラスを3つにわけて、0歳児クラス、0,1歳児クラス、1歳児クラスとしています。保育室も3室を用意し、月齢と発達状況を合わせて判断してクラス分けをしています。更に、年度の終わりには子どもの状況を職員で合議し、例えば0歳児クラスの子どもについては、0歳児クラスに残ってもう一年0歳児クラスで過ごす子ども、0,1歳児クラスに行く子ども、1歳児クラスに行く子どもと、きめ細かく子どもに対応しています。
また、各保育室はそれぞれ仕切りで3つのスペースを作り、臨機応変に5〜6人の子どもで落ち着いて遊んだりすることも出来るように工夫しています。子どもたちはじっくり遊び、子ども同士の関わりの中で、徐々に言葉も活発に出てきています。

2、乳児保育室では効率的な構造を活用し、保護者と保育士が落ち着いて話し合っています
0歳児から2歳児の乳児保育室はそれぞれトイレと前室の間の壁が両開きのロッカーになっており、トイレ側から保育士が入れた使用済みおむつや着替えを、前室から保護者が取り出せる、効率的な構造になっています。これを活用して保護者には、送り迎えの際の準備や片付けをしてから保育室に入ってもらい、保育士と情報交換をしたり、子どもの様子を見ながら話し合ったり、落ち着いてコミュニケーションを取る環境づくりに繋げています。

◆更に期待される点
1、園としての具体的な中長期計画の作成が期待されます 
園の10周年を記念して園長が作成した「夢のつづきプラン ナーサリーつづきの10年後に向けて」は、開園以来の歴史を<黎明期><基礎作り><発展期〜現在>として振り返り、最後に<未来>として今後への期待と抱負が語られています。これを目指した職場の体制や職員のキャリアアップ等の具体的な中長期計画の作成が期待されます。


 

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育の基本目標を「しなやかに こころゆたかに すこやかに」とし、「色々な活動を積極的に経験させ、 異年齢の子どもたちの交流を図りながら、一人ひとりの成長、発達を踏まえて、心身共に調和の取れた子どもの育成に努める」としています。利用者本人を尊重したものとなっています。

・園の人権に関する姿勢について、また守秘義務の意義や目的については「職員ハンドブック」に記載があり、入職時と年度毎に全職員で確認しています。パート職員には、パートミーティングで伝え、理解していることを確認しています。

・個人情報の取り扱いについて「利用者の人権を尊重する職員の方針チェックリスト」を作成し、性差、個人の尊重、プライバシー保護、体罰禁止など、全職員に周知し、「個人情報保護法に関連した誓約書」を提出しています。

 

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・年齢や発達に応じて、コーナー作りや子どもの目線にあわせて絵本やおもちゃの棚の高さを変えるなどの工夫をしています。年齢の低い子どもたちは、トイレットペーパーの芯に入る大きさのおもちゃは取り除いたり、子どもの動線や視角を考え、環境構成に配慮をしています。

・0,1歳児クラスは月齢や発達状況に合わせて、3クラスにしています。また、各保育室はそれぞれ仕切り などで3つのスペースを作り、子どもたちの状況により小集団で遊べるように工夫しています。

・毎月、献立会議・離乳食会議を開き、保育士から喫食状況などの報告を聞き、子どもの好き嫌いを把握し、野菜は切り方で食感が変わるようにしたり、湯切りや油通しで苦みを軽減するなどの工夫をしています。また、盛り付けや調理方法をかえ、子どもたちの食欲を促進するように配慮しています。

 

3 サービスマネジメントシステムの確立

児童票、入園時生活調査表、個人面談記録表に、子どもや家庭の個別の状況・要望を記録しています。

・入園後の子どもの成長発達については、児童票に身体的な発達記録を、「成長の記録」に乳児は1ヵ月ごと、幼児は期ごとに子どもの成長発達を記録しています。

・保護者会は毎月定例会を行っており、保護者が自主的な活動をできるように2階一時保育室を活動場所として提供をしています。

・相談・苦情受付担当は主任、相談・苦情解決責任者は園長で、第三者委員に直接苦情を申し立てることができます。

・保護者から出された苦情・要望とその対応、経過は「ご意見・ご要望・苦情対応記録」に記載して蓄積し、解決に生かしています。

 

4 地域との交流・連携

・地域の夏祭りへの参加や近隣の高齢者施設への訪問など、地域住民との交流を図っています。交流時の会話の中から園に対する要望などをくみ取るように努めています。

・年に30回ほどの園庭開放では、延べ90人ほどの来園があります。年5回の交流保育では、色水遊びやボディペインティングなどを実施しており、各回2〜5組の参加があります。

・保育所のパンフレット・広報誌を区子育て支援拠点へ配架しています。ホームページ等では、地域や関係機関に向けて、園の最新情報を随時提供するように努めています。

・ボランティアマニュアルがあり、ボランティア受け入れの際に、園の考え方、意義、流れ、子どもとの関わり方や年齢に伴う危険などを伝えています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・横浜市のホームページやミニコミ誌など外部の情報提供媒体に対して保育所の情報を提供しています。ホームページや掲示板に利用希望者に見学ができることを案内しています。

・保育所としての自己評価は保育所の理念や保育の方針等にそって行われ、ホームページで公表していま す。

・園にとって重要な情報は園長・主任ミーティング等で主要な職員間で共有し、重点改善課題として設定します。設定された重点改善課題は職員会議で職員に周知し、園全体の取り組みとしています。

6 職員の資質向上の促進

・個々の職員は「求められる職員像」や自身の職務実績を基にして「コミットメントシート」を作成します。年に3回の園長面接の際に、職員は期ごとの取り組みに関するプレゼンテーションを行い、園長のアドバイスを受けて振り返ります。年度末には個々の職員のリーダー、主任、園長が「コミットメントシート」に評価と次年度に向けてのコメントを書き込みます。それを基にして、新しい年度の目標が立てられます。これが、園での人材育成の柱となっています。

・非常勤職員にも園内研修だけでなく園外研修も勧め、資質向上を図っています。衛生管理や感染症、救急救命の園内研修には必ず参加しています。

・実習生受け入れマニュアルがあり、園の方針、意義、考え方、学んでほしいこと、流れ等を決めています。

・実習生本人の希望に基づき、過去の実習記録を参考に、実習目的に応じた効果的な実習が行われるためにプログラム等を工夫しています。

 

 

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